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FAIRY TAIL ―誤りの戦争― 完結
作者: ハヤチ  (総ページ数: 57ページ)
関連タグ: FAIRYTAIL ナツ・ドラグニル 二次創作 微々グロ 闇落ち 
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*16*

輝夜s

個人的にはナツとルーシィコンビもいいけど、ロキとルーシィコンビもいいと思うんです!
ルーシィはロキって名前で呼んでるなと思ってました!


六冊目『落ちていった飴玉』



―おあかさん、起きてよ。おかあさん!!

―おとおさん、何でなの。おとおさん!!

―皆がぼくをおいていく。

―世界は俺を、見捨てた。

―飛び込め、名前通り溶けろ。

―口内で転がされ、解かされる飴玉のように。

―血の池で転がり、一体となる。

―そうして、己の存在価値を消す。

―新しい何かに、変われるんだ。

―その新しき何かで、また存在価値を生み出せ。





そこで、ドロップは目を開けた。

「…」

流れる声は、小さい頃に誰かが教えてくれた事。
その人は優しくて、慰めてくれる人だった。

「…」

夜風が気持ちいい。
ドロップの髪が、サラサラと流れている。

ドロップの家族は、呪われていた。
正しくは、呪われていると思えるほどの事件があった。

父が、母を殺した。
父は、自ら死んだ。
祖母も、祖父も。
猫も、犬も。
全部殺して、父は自ら命を絶った。

ドロップを、残して。

強く父を恨んだが、死人には喋る口も聞く耳もない。

「…」

レベリカとナツが、一緒に寝ているのに薄く笑みを漏らす。
この火竜もすぐに心を失う、レベリカとこうしてられるのもこれが最後かもしれない。

ドロップは成長するごとに、父の恨みが増幅していった。
それと同時に、家族を失った事に悲しみを抱えた。


全てをやり直したい。

この世界が、リセットされればいい。
そう考えても考えても、世界の時は進んでいく。
ドロップはある日、とある新聞を見た。

『デリオラ、イスバンを襲う』
『楽園の塔、建設作業に奴隷発覚』

脳内に、燃える町が思い浮かんだ。
泣き叫びつかれて、感情を失った人を、思い浮かべた。

―そうか、そうすればいいんだ。

それは果てしなく、歪んでいて。

―時のリセットなんか、しなくていい。

それで、とても哀しかった。





―人のリセットをすればいいんだ。


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