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*22*
古びた鏡を取り出して、櫛を取り出す。
「こういうとき、鏡魔法は便利ね」
流れる綺麗な銀髪を、優しく梳かしていった。
偶然鏡に映った自分の顔に、儚げに微笑む。
「…」
そっと櫛をしまい、鏡を異空間に飛ばした。
「…ふあああああっ…」
大きな欠伸をして、ナツは辺りを見わたした。
肩が重いと思ったら、レベリカの頭が乗っかっている。
―少し前に金髪の少女がもたれかかっていた気が、した。
「……ぐっ!!?」
ふいに、居場所が違うと感じた。
それは収まることなく、強くなっていく。
揺れる金髪、花咲く笑顔。
首の十字、綺麗な黒曜石。
流れる緋色、凛とした瞳。
小さい体、勇ましい双眼。
ネコだとしても、一人の魔導士。
「ドラグ」
レベリカが起きて、薬を差し出す。
それを飲もうとするが、手が動かない。
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