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*23*
「ねぇドラグ、飲んでよ。飲まないと貴方は貴方じゃなくなる」
「……!!…!」
頭が痛い、何だこれは。
レベリカの泣きそうな瞳が、酷く淀んでみえる。
「ドラグ、飲んで。あたし嫌、ドラグはあげない。ドラグ、ドラグ」
「レベリカ、どいてろ。人工ニルヴァーナを制御するまで薬を投与していたんだがなぁ…」
こいつの体は、そんなんじゃ気休めにしかならねぇか。
意味深な呟きをし、ドロップは古びた箱を取り出す。
「?それ、何」
「ドラコーン・クローフィの力を分けた箱だ、…ニルヴァーナの様な効力を持っている」
「うん」
ニルヴァーナ。
六魔将軍が起動させた、人の人格を反転させる兵器。
ドラコーン・クローフィは限りなくそれに近いといえる。
ただし、反転ではない。
悪は善に変わらない、悪は最悪にまで達する。
「制御できなかったから、魔封鉱石で出来た箱で閉じ込めてあった」
「…よく分かんないけど、それでナツは戻るんだね」
「ああ、こいつの体ならこの魔力を吸い込めるだろう」
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