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FAIRY TAIL ―誤りの戦争― 完結
作者: ハヤチ  (総ページ数: 57ページ)
関連タグ: FAIRYTAIL ナツ・ドラグニル 二次創作 微々グロ 闇落ち 
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十二冊目『似た者同士』



エルザは、酷く大きい傷が出来た腹を押さえる。
血が溢れる、めまいがする。
その条件は、ミラーリも同じだった。

「う、ぐ…魔力が、上がっているのか…?」
「負けない…負けない…」

根性だけで立っているミラーリは、獣に近い瞳でエルザを見据える。
エルザはその瞳に身震いし、刀を持つ手を震わせた。
装束の鎧は、もうボロボロだ。

「私は、負けない!地獄に、負けない!!」

鏡から現れる、魔法の銃弾にエルザはただ避けるしかない。
肩を打ち抜かれる。
アドレナリンが分泌して麻痺しているのか、さほど痛みは感じなかった。

「地獄…この世界は、確かに地獄、だ。だが、それに立ち向かうことが、大切なのだろう?!」
「分からないでしょう?貴方には。地獄から抜け出し、ギルドに入って、幸せな日々」

―この少女の瞳に映るのは、何だろう。

「私は違った。地獄から抜け出しても、することなんて何もない」

―少女の濁った瞳に映るのは、何だろう。

「傭兵部隊にいても、苦しみは変わらない」

―少女は、愛されたかった。

「この地獄は、戦争ばかり。疲れたの」

―少女は、誰かに見られたかった。

「何かを始める戦争なんて、何かを得るわけでもない。奪うだけ」

―少女は、ただ欲しかっただけなのだ。

「なら何かを得られる、終わりを創ればいいのよ」



―居場所が、欲しかっただけなのだ。

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