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*35*
「…そうか?私は、この世界が気に入っている」
「幸せ者は、すぐそう言う」
ミラーリは、親指を咥えた。
歯を立てすぎたのか、親指から血が流れている。
「幸せ、そうだろうな。ギルドがあるから、幸せなんだ」
「居場所がある奴に、私の気持ちは分かんない!!」
ミラーリは鏡からナイフを取り出し、攻撃する。
油断したエルザの懐に潜りこみ、腹を切り裂いた。
「ぐっあ!!」
エルザは地面に倒れ伏す。今までの戦いで慣れているとはいえ、痛いものは痛い。
その上、ミラーリが馬乗りしてくる。
「どうすれば分かる?私の黒い思い。その綺麗な顔一つ一つ、切り刻んであげようか」
「…ギルドにいない頃、私はどんなだったと思う」
いきなり何を言い出すのだ、この女は。
まともにエルザのまっすぐな瞳を直視できず、ミラーリは俯く。
「家族が殺されたか?そんなのドロップの方が苦しいに、」
「今、私はお前と話している。貴様等の大将など、知らないものでな」
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