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*38*
「なん、でそこまでして…あの男を…」
「アイツは今まで、光を照らしてくれた。太陽のような男だ」
いつも笑って、不器用で乱暴だけど護ってくれた。
「光に当たっていないと、暗闇に慣れてしまうだろう?」
エルザの言葉の意味が分かるまで、ミラーリはボケッとする。
ああ、そうか。
これが優しさで、仲間なんだ。
涙腺が壊れたのか、涙が溢れ出る。
「……」
声もなく溢れ出る様に、エルザはただ優しく抱きしめた。
「あうっ」
「…俺に、あるべき姿を教えるんじゃなかったのか」
ウェンディはキクの魔力に負け、地面をすべる。
体中の擦り傷が痛む、それよりも痛いのは。
「貴方は…寂しいだけなんです」
「うるさい」
ウェンディを囲むように内側に風が吹き、ウェンディに切り傷を作っていく。
短い悲鳴を上げながら、ウェンディは耐えるしかない。
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