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FAIRY TAIL ―誤りの戦争― 完結
作者: ハヤチ  (総ページ数: 57ページ)
関連タグ: FAIRYTAIL ナツ・ドラグニル 二次創作 微々グロ 闇落ち 
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「…お前の親のこと」
「!お前、何で知って…」

グレイが、膝を着く。
ああ、目線が同じになった。これなら首も痛くない。

「マグノリア図書館の新聞ファイル、お前ソックリの子供がいた」
「…それがどうしたよ」
「あの真実が他の新聞ファイルを見て…わかったんだ」

真実も何も、簡単な話じゃないか。
父が、おかしくなったんだ。

「そのとき、『腐病』が流行っててな。お前のいた村では数人が感染されていたらしい」
「…」
「よく迫害されていて、ろくに家から出れず」
「…」

ドロップは何も喋らない。

「お前の父さんとか、母さん。何か腐臭しなかったか?」
「……した」
「…お前を、感染させたくなかったんだ。腐病は、死人からはかからないから」

家族全員、賛成したらしい。
ドロップがいないときに、全員が殺された。
父は、ドロップを目の前にして―死んだ。

「…、」
「だから、お前は不運が重なっただけだ」
「じゃあそういうことにしとくよ…でも、それがなんだ?」

ドロップの目から、涙がこぼれる。

「もう戻れない…戻れないんだよ!何もかも、最初からやり直さないと駄目なんだ!!」
「俺だって本当の家族はいない」

グレイは、ドロップに銀のブレスレットをつけた。
これはレイガが、最後に残した形見だ。
茨姫の時、レイガは自分に体に埋め込まれた爆弾から、グレイを最後に助けてくれた。
そのとき、これだけが残ったのだ。

「これ、やるよ」
「え、」
「レイガの形見だ」

にこりと、グレイは笑う。

「なあ、ギルドに来いよ。本当の家族じゃねぇけど、皆が迎えてくれる」
「…俺が、ギルドに…」
「ああ、それで皆で一緒にいようぜ!」

ドロップの涙が溢れる。
そこでは、泣き声を押さえ込む少年がいた。



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