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FAIRY TAIL ―誤りの戦争― 完結
作者: ハヤチ  (総ページ数: 57ページ)
関連タグ: FAIRYTAIL ナツ・ドラグニル 二次創作 微々グロ 闇落ち 
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*8*


「…もう、いいだろ」
「ア?何甘いこと言ってやがる!」

ドロップは命令を聞かないナツに、苛立ちを覚える。
そうじゃない、とナツは首を緩く振った。

「どうせアイツ等、また追ってくる。その時に一斉に仕留めるべきだろ」
「でもよ…」
「それに、レベリカだってルーシィと戦いたいよな?」

ナツがいつも仲間に向けるような笑顔で、レベリカに笑いかける。
それに対してレベリカも、可愛らしい笑顔で頷いた。
どうやらドロップは女の笑顔に弱いようで、しょうがねぇなとそっぽ向いた。

「な、つ!」
「…良かったな、ルーシィ。命拾いして」

悪の無いナツの笑顔が、酷く痛く感じる。
ルーシィの目からは、止め処なく涙が溢れた。
どうやら操魔術が解けたようだ、ルーシィとグレイは床に崩れ落ちた。
ルーシィはナツを追いかけようと、立とうとする。

だが、立てない。

「え、ちょ!何でよ!」
「…操魔術は操ってる奴の魔力を、操作する魔法だ。だから今、俺達の体は自然に疲れてる」

グレイは一度、この魔法にかかったことがある。
だから少しだけ詳しいのだ。

「待て!目的は!!」

エルザはミラーリとの交戦で、立つのもままにならない状況だ。
立ち去っていくミラーリは薄く笑い、ドロップに「教えちゃおうよ」と囁いている。

「俺達の目的は…











この世のリセットさ」

「リセッ…ト?」

同じくボロボロのウェンディが、反復するように呟く。
するとドロップは真面目な顔つきになって、いきなり問いかけてきた。

「テメェ等は、この世がウンザリした事があるだろ。
 俺達も、人生がこの世界のせいで崩された。
 それが許せなかった、この世界は俺たちの大事なもんを奪う。
 だから、俺達はとある装置を創った。 」

ドロップは急に饒舌になり、ルーシィ達に近づく。
するといきなり、ルーシィの顎を指でくいっと持ち上げた。
自然にルーシィとドロップの、目線が合う。

「茨姫のいばらの欠片…」
「!!」

大きなルーシィの瞳が、さらに大きく見開かれる。
次にドロップは、グレイの顔を持ち上げた。

「兆年孤独唄の舟の欠片…氷古龍の鱗…」
「っ…」

動かないからだが恨めしい、人の過去を引きずり出して何が楽しい。
ルーシィはそう叫びたかったが、どうしてもその気力がでない。

「大きな事件が絡みに絡まって、俺達は創りあげた」

ドロップは、両腕を広げた。






「その名が…『ドラコーン クローフィ』」





「世界の最後を……いや、最初を創りあげる!!」


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