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【視点小説】help-END【完結】
作者: S・メイドウィン・黒影 ◆B/lbdM7F.E  (総ページ数: 62ページ)
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*56*

Bの世界

【メイドウィン視点】

酒場らしき場所には...やっぱりデーリッチやローズマリーの「そっくりさん」がいた、何故かローズマリーだけそっくりさんが二人いるが。

骨の方は...多分、Sansっていうキャラクターだな。

ヅッチー(マフィ)
「ちょっといいか?」

メイドウィン
「この酒場オレンジジュースとか無い?」

Chara(shift)
「開幕スゴいこと言い出したね...」

デーリッチ(スワ)
「ああ、さっきの....」

メイドウィン
「やぁ、デーリッチのAU...で、あっちがローズマリーだね。」

ローズマリー(スワ)
「誰?」

メイドウィン
「君のオリジナルとはちょっとした友達なんだ」

デーリッチ(スワ)
「ああ、やはりオリジナルの関係者か....何の用だい?こんな酒場に。」

メイドウィン
「いや用は無いよ、知り合いが多いところに居たかったんだ。」

デーリッチ(スワ)
「そうか...あ、オレンジジュースってある?」

Sans(chess)
「待ってろ....ペットボトルの奴があった」トクトクトク

Sans(スワ)
「そのコップ大きいね!」

Sans(Fell)
「待て、それビールジョッキじゃねぇか。」

ローズマリー(スワ)
「わー焼肉屋みたーい」

メイドウィン
「いいよストローで飲むから...はい、フッチーにはカクテルでしょ?」

ヅッチー(マフィ)
「俺にはストローいらねぇって言ってるだろ!!」

メイドウィン
「経験済みかぁ」

.....

メイドウィン
「....ああ、そうだ、Fellさんに聞きたいんだけど」

Sans(Fell)
「...ん、どっちだ?」

ローズマリー(Fell)
「.....」

メイドウィン
「両方、かな、まずSansから!」

Sans(Fell)
「ああ...」

Fell Sansは子供を連れていた、黄色い花が所々に咲いていて、顔はうまく見えないけど....優しそうな顔をしていた。

メイドウィン
「事前にAUの事は調べていたんだ...君はFellはFellでも、【FlowerFell】のSansだね?」

デーリッチ(スワ)
「...FlowerFell?」

メイドウィン
「うん、そんな漫画があったんだ、もう読めないらしいけど。」

Sans(chess)
「封印された物語か、これもerrorの影響....いや、何もかもアイツのせいにしたらダメだよな、多分。」

メイドウィン
「ディケイドじゃないんだからね...」


....

Sans(Flower)
「...ああ、確かに俺は【FlowerFell】のSansだ。」

Sans(Flower)
「主人公は無力で、死ぬたび体に花が咲く....そんなコイツを守る俺とフラウィーの物語。」

メイドウィン
「この子を通していくうちに、君は穏やかになっていった...これが、優しいFell Sansの正体だね?」

Sans(Flower)
「正体も何も....Fell Sansであることに代わりないさ。」

メイドウィン
「ああ、ごめんね...君はマスタードだったかな? 」

Sans(Flower)
「ああ、ありがとう。」

FlowerFell...いや、Fell Sansは幸せそうだ。


メイドウィン
「...で、Fellローズマリー!」

ローズマリー(Fell)
「......ああ。」

メイドウィン
「その顔は何か気にしているって顔だよね....自分でも話くらいは聞いてあげれるよ。」

ローズマリー(Fell)
「.....よく分からないんだ。」

メイドウィン
「ん?」

ローズマリー(Fell)
「マナが尽きかけたとき...私は隙だらけだった、いつでも殺すことが出来たはずだ....何故、デーリッチは私を。」

メイドウィン
「...それはデーリッチだからだよ、彼女はそういう人間さ、君が親友の分身だからじゃない、心から優しい人物だから慈悲を掛け続けたのさ。」


ローズマリー(Fell)
「.....そういうものか?」

メイドウィン
「そうそう、そういうもの。」

ローズマリー(Fell)
「....私のことをどこまで知っている?」

メイドウィン
「デーリッチ本人から粗方聞いているよ。」

ローズマリー(Fell)
「そうか....じゃあ、全てを話すべきなのかもしれない。」


メイドウィン
「全て?」

ローズマリー(Fell)
「幼少期の記憶...私は親に愛されずに育った...親だけじゃない、私に心を許せる存在なんていなかった。」

ローズマリー(Fell)
「私は必死に頑張ったし、誉めてもらおうと努力はした...が、無駄だった。」


ローズマリー(Fell)
【善意なんて物は悪意が持つ者が利益を得る為に踏みにじる物だって気付いてしまったんだ】

ローズマリー(Fell)
「『優しさ』とは誰かに利用されて騙されるような存在だ...」

ローズマリー(Fell)
「この世界は殺るか殺られるか、いかに敵を蹴落として自分が利益を得るか...自分勝手な人間ばかりさ。」

ローズマリー(Fell)
「そしてあの時...私は狂ってしまった。」

ヅッチー(マフィ)
「....ああ、殺っちまったか。」

ローズマリー(Fell)
「そうさ...心も体も傷だらけになった私は逃げ出そうとしたけど、親に見つかって....気がついたら血が滴る割れたフラスコを握りしめていた」

メイドウィン
「........」

ローズマリー(Fell)
「命からがら逃げ出した私は身分を隠し、色んな場所を放浪した....何の用意もしていなかったから、餓えに苦しんで、色んな村の色んな民家に泊めてもらったりした。」

ローズマリー(Fell)
「だけどみんな父さん達と同じだった、油断させて私を殺して衣類や道具を奪おうとした人間しか見てこなかった。」


ローズマリー(Fell)
「ズタズタの精神の中で、私が殺した人間の数だけが増えていくのを感じた。」

メイドウィン
「.....」

ローズマリー(Fell)
「分かっただろう?私にあの子の...デーリッチの友達になる資格はないんだ。」

デーリッチ(スワ)
「....そんな事は無いと思う。」

ローズマリー(Fell)
「...どうして?」

デーリッチ(スワ)
「なんでって言われても、それこそデーリッチだから、だね。」

Chara(shift)
「そうだよ、君だって悪意を持ってFellの世界の人たちを殺したわけじゃないだろう?」

Sans(chess)
「何人殺したか知らんが全員正当防衛で勝ち取れるぜ、だってFellだし。」

メイドウィン
「それに...さ、友達になってくれるか、それはデーリッチ本人が決めることだ、あの子にしっかりそれを伝えた方がいい。」

ローズマリー(Fell)
「....もちろん、そのつもりさ。」

Chara(shift)
「....でも、そうなるとFellの世界に帰すわけにもいかないよね」

Sans(Flower)
「そうだな、ウチより酷いぞコレ」

メイドウィン
「でもいずれは元の世界に帰らなくちゃならないよなぁ...局長とはいえ、感情論でそういうことを決めちゃダメだし。」

ローズマリー(Fell)
「もちろん覚悟は決めてるさ...いつ殺されるか分からないあの世界に」

ローズマリー(Fell)
「でも、初めて優しくしてくれた友達が出来ただけでも私は嬉しいかな。」

メイドウィン
「......どうすれば。」

その時、時空が揺れ始める...俺は携帯を繋ぐ。

メイドウィン
「もしもしexe、上手くいったかな?」


【....ああ、デーリッチがやってくれたぜ、もうすぐ時空が繋がって元通りになる】

メイドウィン
「分かった!...ああそうそう、フッチーが報告したいことがあるから来てほしいだって」

【....いや、今手が離せないから向こうから来てくれだってさ】

メイドウィン
「了解、報告を期待している...なんてね。」

【引き続き任務を遂行する。】

(ピッ)

デーリッチ(スワ)
「....どうやら元通りになるようだね」

Sans(chess)
「やれやれ、一段落だな。」

メイドウィン
「....ふぅ、さて俺もたくっちスノーの元に行くかな。」

時空が粘土のようにくっつき合うのを感じる。

二つの世界は、再びひとつになった

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【FlowerFell】

優しいFell Sansの元になったAU、優しいのはこのAUのFell Sansが主人公を気遣ってくれるから。

主人公は死ぬと黄色い花が体に咲く特殊な体質をしている。


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