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東方奇妙譚
作者: 彩都  (総ページ数: 150ページ)
関連タグ: 東方Project 二次創作 三次創作 クロスオーバー ジョジョの奇妙な冒険 
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『東方奇妙譚』 第二十四章 絶望や死に嗤え

「ククク……矢張り楽しいな、『スタンド』バトルは……」
『白衣の男性』はそう言いながら殴られた部分を押さえる自分に対し、静かに近づいて行く。すると『白衣の男性』の背後にプランドールが瞬時に現れて、蹴りを放とうとする。
「輪廻を……虐めるな!」
 プランドールがそう言った瞬間、『プランドールは物凄い勢いで背後の壁にぶつかる』、まるで『何かに押された』ように見えた。
「プ、プランドール……」
 自分は驚きながら『白衣の男性』を見つめる。そして『白衣の男性』は自分の視線に気が付いて、両手を広げながら言う。
「んー? どうしたんだ輪廻? そんなに女の子が痛めつけられるのが厭かぁ?」
「そ、そりゃそうだろ!? お前は……一体何者なんだ!? 弟とか言いやがって……お前は俺の兄貴かよ!?」
「そうだ。私は君の兄だ。と言っても、『スタンド』能力で『君の記憶を飛ばした』から、分かる訳もないか……」
『白衣の男性』はそう言いながら顎に手を当てる。そして口の端を歪ませながら自分に言う。
「仕方無い、自己紹介をしてやろう。──兄弟なのに自己紹介とは珍しいな──私の名前は周理 外円(まわり がいえん)。輪廻、お前を『スタンド』使いに目覚めさせた張本人だ」
「…………えっ?」
 意味が分からない、どういう事だ? コイツが……俺を『スタンド』使いに目覚めさせた張本人!? 自分はそう思いながら『白衣の男性』──基、周理外円──を見つめる。するとゆっくりと周理外円は左手を上げた。
「フフフ……輪廻、君が『スタンド』使いになった理由──いや、出来事か──を知りたいか?」
「そ、そりゃそうだろ!? 俺は何でこんな所に居るのか、何で俺はお前に殺害されなきゃならないのか!? たっぷり全部話してもらおう!」
「ふむ、そうかそうか。だよねぇ、だって『記憶が無い』んだもんなぁ。地味に怖いよね、『記憶が無い』というのは……分かったよ、話そうか……」
 そして周理外円は一気に息を吸い込んで、静かに話し始めた──

 まず、『スタンド』というのは、自分が目覚めたんだ。そうだな、あれは雪が降っていた冬の事。偶々研究材料の道具を買いに向かった時の事、道端に鋭利な石が落ちていたんだ。私はその石を拾い、『『石器』かな?』と思った。そして拾った瞬間、拾った手が切れたんだよね。驚いた、自分は石をポケットに入れ、急いで家に帰って、ガーゼ、包帯を巻こうとしたんだが……『何時の間にか血は止まっていた』んだよね……そして傷も完治していた。何時の間にかね。そして不思議に思って、鏡を見ていると、背後に何かが映った。家には誰も無い筈、そう思って背後を確認してみると、金色の体、筋肉隆々の『何か』が存在していたんだ。自分は驚いた。その『何か』は『スタンド』と呼ばれる、超能力、精神を実体化させた存在だった。色々な場所で調べ尽くして、これだけの結果、自分にとっては上々だった。
「……此処迄は良いかな?」
「あぁ、進めろ」
「分かった」
 そして『スタンド』について、調べている途中、自分は『スタンド』を使って、殺人が出来るのでは無いか? と思った。そして実行に移そうとした……そう、殺人対象は君だ、輪廻。私は君を殺害しようと、自分の部屋に呼んだんだ。そしてとある文献にて、『スタンド』使いと『スタンド』使いはSとNの磁石のように惹かれあう、と知った私は君にも『スタンド』があるのでは? と思い、殺害する前に私の『スタンド』能力を使って君に『スタンド』があるかを確認した……答えは勿論イエス、存在していた。まさか兄弟両方に『スタンド』が……と思い、自分は心底恐怖した。だって逆に攻撃される可能性があるからね? そして自分は君の頭蓋骨を『スタンド』で壊した後、『君の記憶を『スタンド』能力で飛ばした』んだ、これが『君が記憶喪失』の訳。そして君の頭蓋骨の傷を『スタンド』能力で飛ばして、近くにあった頭蓋骨の模型と入れ替えたんだ。そして記憶を失った君を私は『この世界』に──いや、君の体を『スタンド』能力で飛ばした、と言った方が正しいのか──飛ばした……
「という訳さ。これで君の全てが分かっただろ輪廻? だから私は君を殺害しないといけない」
「……分からない」
「ん? 何がだ?」
 自分はそう言って首を傾げる。そして首を傾げた理由を言う。
「分からないよ。『何で俺が殺害されないといけないのか?』という意味が分からないんだよ。だって、お前の話じゃ、俺は悪く無いじゃん? なのに何で?」
 自分がそう言うと、周理外円は静かに言う。
「フフフ……何だぁ? そんな事も分からないのか? 簡単だ。私にとって『人間』とは『コマ』なんだよ。私が有利に進む為の、踏み台、って感じかな? でも、その踏み台、『コマ』を『お前は否定した』、だから私はお前を殺害し、私の人生から邪魔であるお前を消去しようとしただけ、それの『何が悪い』んだ? 邪魔だから消す、それは間違っていない」
 周理外円の発言に、自分、会場の皆もドン引きしていた。何なんだよコイツ……? 自分はそう思いながら、周理外円に恐怖する──

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