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東方奇妙譚
作者: 彩都  (総ページ数: 150ページ)
関連タグ: 東方Project 二次創作 三次創作 クロスオーバー ジョジョの奇妙な冒険 
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 一瞬で動いた……自分はそう思いながら目の前の周理外円に対し、『スタンド』で殴りかかる。
「修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅ァァッッ!!」
「ふ、フンッ!」
 周理外円は急いで左手で自分を吹き飛ばす。すると周理外円の周りはまた『止まって』しまった。い、一体何が起きているのか……? 周理外円がそう考えていると、其処に寝転がっているメイド──基、十六夜咲夜だ──を思い出す。確か奴の能力は『時を止める』みたいな能力だったな……? も、もしかしてッッ!? 『私の左手の能力、それは『時を止める』能力』なのではないか……? と思う。そ、それなら、あの『鋭利な石』のお陰で……!! そして能力を発動した後に『時が止まった』……と、言う事は、私の能力は『右手の能力に『時を止める』能力が付加した』と言う事か!? 『左手でモノを弾いたら一定の時を止める事が出来る』能力になったと言う事か!? 周理外円はそう思いながら片手で顔を押さえて、笑う。
「あは、アハハハハハハ!! これは面白いぞ!? 『時を止める』なんていう面白い『スタンド』能力! 一体誰が発現したというのだ!? もしかして私が『初めて』かもしれんなぁぁぁ!!」
 周理外円がその場で顔を押さえ、笑いながら壁に埋まった自分に向かってきて、その前で立ち止まる。そして周理外円が微笑みながら言う。
「フフフ……こんなに素晴らしい兄を手に入れて良かったなぁ。お前も私のコマになれば良かったのに……こんの、ガキガキガキガキガキガキガキガキガキガキィィッッ!!」
 周理外円はそう言って、自分に『スタンド』でのガキガキラッシュをお見舞いする。自分の肉体に周理外円の『スタンド』の拳が深く深く刺さり、大ダメージが蓄積して行く。だが、まだ周りは止まっているので、ダメージはまだ走らない。そして周理外円のガキガキラッシュが終わった後、周りがゆっくりと動き始める。
「う、うぅっ……」
 自分が立ち上がろうとすると、肉体に謎の痛みが走る、な、何なんだこの痛みは!? 自分はそう思いながら謎の威力、謎の痛みを受け、壁の奥へ奥へと押されていく。そして目の前には周理外円の姿が。多分コイツが『何か』をした……! だが、その『何か』とは何か、自分には分からない──
「おいおい、そんなんで気絶するなよぉ?」
 周理外円はそう言って、自分の髪を掴んで睨む。だが自分はあまりの痛みで何も出来ない──そう思った矢先だった。自分の口に『何か』が投げ込まれ、飲み込む。
「……? 俺は一体何を飲み込んだんだ……?」
 自分がそう言った瞬間、『いきなり体の痛みが消えた』、いきなりの出来事だ、更に体が軽くなり、まるで、全身バネになった気分だった。
「……ふぅ。間に合ったわね……初めまして。私は八意 永院(やごころ えいいん)、医者をしている者よ? でも、『生きていて』良かったわ。まぁ、『死んでたら』、錠剤も飲み込めないしねぇ?」
 フフフ、と笑う八意永院、自分は不思議がりながら八意永院に問う。
「あ、アンタ……一体何を飲ませたんだ……?」
「何を飲ませたか? そんなの簡単よ。『痛み止め』よ。更に傷の回復を促進する薬入りよ? これで、アンタの体は万全、満身創痍から、元気溌剌(はつらつ)になった筈よ?」
 そう言って、隣の兎耳少女の頭を撫でる。
「もう、師匠ったら、あんな小さい的に錠剤を撃てだなんて……結構集中したんですからね!」
「はいはい、分かっているわよ。偉い偉いウドンゲ」
「もう! 私はそんなに幼くないですよ!」
 兎耳少女の頭を撫で続ける八意永院に対し、周理外円は静かに八意永院を見つめる。
「アンタ……何時の間に私の背後に?」
「さぁ? でも、私の姫様は『永遠と須臾(しゅゆ)を操れる能力』だから、自由に移動出来るわよ?」
「『永遠と須臾』……? 須臾とは?」
「あら? そんな事も分からないの? 白衣の癖に? 須臾(しゅゆ)とは、『1000兆分の1』の時間の事よ。本当に短いけれど……姫様は『時間を操る』ように操れるわ。これで分かったかしら?」
 そう言う八意永院に対し、頭を抱えながら周理外円が言う。
「……全然分からんが。大まかに言えば、刹那よりも短いと?」
「そう言う解釈でも良いわね? でも、何で白衣着ているのに分からないの? 馬鹿なの?」
「あぁ、そうだよ。私は好きで白衣を着ているだけだからね。実際知恵はあまり無い」
「あら、そうなのぉ? じゃあ、馬鹿なんだ。面白いわね。研究対象にさせてくれない?」
 そう言う八意永院に対し、周理外円が返答する。
「厭だね」
 周理外円は自分から手を離し、八意永院に向かって『スタンド』を飛ばし、攻撃しようとする。だが、八意永院はその場で微笑むだけだ。そして八意永院の顔面に『スタンド』の拳が当たるか、と思われた瞬間、周理外円はその場で姿勢を崩し、前に倒れる。『スタンド』も周理外円が倒れるのと同時に八意永院の顔面数センチから地面へと倒れる。八意永院はその場でまだ微笑む。
「な、何が起きた……?」
 周理外円がそう言うと、周理外円の背後に立っていた自分が言う。
「あぁ? 簡単だよ? 『俺が殴った』だけだよ? てめぇはあの医者が敵じゃねぇだろ? 『俺が敵』だろうがぁ! 俺は……お前を倒す! そしてこの『幻想卿』から脱出するんだぁぁ!! 修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅ァァッッ!!」
 自分は背中を向ける周理外円に対し、『スタンド』の修羅修羅ラッシュをお見舞いさせる──これで少しは体力を削っただろう、自分はそう思いながら修羅修羅ラッシュを続ける──

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