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東方奇妙譚
作者: 彩都  (総ページ数: 150ページ)
関連タグ: 東方Project 二次創作 三次創作 クロスオーバー ジョジョの奇妙な冒険 
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『東方奇妙譚』 第十七章 スモール・ワールド

「血糊って……案外剥がれないもんなんだな……」
 そう呟いて自分こと、周理輪廻が洗濯板に自分の服を擦りつけながら血糊を洗う作業をする。だが、中々血糊は取れない。何でこんなに取れないの? お湯でないと取れないのか? とか思いながら必死に服を洗濯板に擦り付ける。すると高倉香美の顔面に弾幕を放った霊夢が戻って来る。
「ただいま。土に埋めてきた」
「えっ? それはどうして? 人食い妖怪とかに食わせないの?」
「外来人はね? でも私が手をかけたから……一応巫女だしね? 埋めての処理にした」
「へぇ、此処は土葬ってか?」
「えぇ。一応は。でも臭いとかもあるから火葬にするか悩んでいるわ」
「へぇ……大変だなぁ、巫女も」
「まぁね? 結構大変だわ」
 霊夢がそう言って、溜息を吐いて縁側に座る。さぁて、今日は誰が参拝に来るか? そう思っているとイヤリングをつけた可愛らしい少女が現れる。
「……此処は何処だ?」
「ん? コイツ『幻想行き』って奴じゃあ……」
「えぇっ? めんどくさいわねぇ……ねぇ、君、名前は?」
「私? 私は把持 安芸文(はじ あきあや)、安芸文でいいよ」
「そう? 安芸文ちゃん、君はどうして此処に来たの?」
 そう言う霊夢の言葉を聞き、自分の事を指差す把持安芸文、何故自分を指すのか? 少しだけ厭な予感がしていた。
「来た理由? 簡単、『周理輪廻を殺害する』為」
 ……やっぱり……『あの人』の刺客か……自分はそう思いながら血糊を落とす手を止める──

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