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作者: ロストメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (総ページ数: 96ページ)
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68:25
「どこだ?どこだ?」
桜木霊歌はクーポンを握り、玄武へ向かって走り出す
玄武は今スープと麺を同時に味わえる新メニュー【ストロウ】が氷を入れて食べると美味いと噂になり大反響しているのだ
霊歌の前にはダ・ヴィンチの後ろ姿が...
「あっ、ダ・ヴィンチさ...あっ、また人形だ」
ダ・ヴィンチの作った人形は他人から見ても完成度が高く、ハンターどころか逃走者までもが見間違えるほどである
「あの人本当に凄いなぁ...」
「あっ、それより早く玄武に向かわないと!クーポンを使わなきゃ!」
...
(賞金が300万なら、半分で150万...時間的にはそろそろなはず)
(ラーメンの効果もかれこれ数百件は回った...後はここだけ)
彩都は自首するためのラーメンを捜し続け...ついに最後の一件を見つけていたのだ、彩都が看板のタブレットをかざすと
【効果:自首となり途中段階の賞金を手に入れゲームから離脱する権利を得られる、なお自首を行った逃走者はゲームクリア扱いとなり復活は不可能となる】と表記される
「なるほど、食べた後に好きなタイミングで自首出来るのか...まぁ、100万あるならすぐ自首るんですけど」
彩都はタブレットを仕舞い、引き戸を開けラーメン屋へと入る...開けた瞬間スパイスの効いた濃い香りが襲い掛かる
「自首する権利を得られるラーメン、単なる食べ物では無いと思ったけど...やっぱりそうか」
嫌でも理解してしまう...赤いスープ、壁にかけられた唐辛子の束...ここは激辛専門店、刺激を求める者やマニアが好み生半可な者では完食さえままならない趣味の域。
メニューを開くと白葱担々麺、ニンニクキムチチャーハン、七味餃子等写真を見るだけで汗をかきそうな料理が並んでいた
かつて散々妨害された挙げ句自首で勝ち逃げされた経験を持つメイドウィンは対策を練っていたのである
「...まぁ私も生半可な気持ちで自首るつもりはないですし、10分も猶予はあるんだ」
「白葱担々麺一つ」
「あいよ」
ただ電話するだけの普段の逃走中と違い、今回は激辛チャレンジをすることになってしまった
彩都は覚悟を決めわり箸を割り、水を注ぎ、おしぼりで顔を拭く...
「あっ、すみません小さい器つけて下さい」