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*47*
ジャックは布団を被りながら立香に話す
「ねぇ おかあさん いけないことっていうのはわかっているの でもいわせて。平和ってそんなにありがたいの?」
「え?どうして?」
「平和なのはありがたいって すばらしいっててれびはなんども なんどもつげるの たしかにこうやっておかあさんといっしょにくらせるなら 平和はありがたいものなのかもしれない」
「でもね おかあさんにも覚えがあるはず 何度も連呼されてくるモノは やがて価値がなくなり ありがたくなくなる」
「なのに どうして何度も何度も平和を吟うの?」
立香は戦慄していた...今目の前で喋っているのはジャックなのだろうか?普段は子供のように笑って寝る、ハンバーグが好きなジャックなのだろうか?突然哲学的な事を話すジャックに驚きながらも肩に手を当て話す
「平和を語る理由...か、一般市民である私からすれば難しい質問だよジャック」
「おかあさんはずっと平和だったらうれしい?」
「まあね、昔の人...というよりは君たちサーヴァントの時代はとても大変だったらしいし、私たちカルデアや他の皆によって平和を守る事が出来る、私はそれだけで嬉しいかな」
「せいぎのみかた だから?」
「ははは、そうかもしれない」
「おかあさん」
ジャックは布団から起き上がって子供とは思えない力で立香を押し倒し、よく分からなそうな顔をしている立香を見る
「おかあさん 平和と正義っておなじなの?正義だから 平和をまもるの?だからおかあさんは正義なの?」
「...う、ごめんジャック、その答えがわかるほど私は賢い人間ではないんだ」
「あっ...ごめんね、おかあさん」
ジャックは立香から離れ、テレビのリモコンを渡す...立香はこれまでテレビを数年以上見ていない、その為ジャックがどんな番組を見てこんなことを言い出したのか検討がつかなかった、どんなものに影響を受けたのか、一体何をやっていたのか...
「そんなにつまらないのかい?今の番組」
「うん」
その為立香はジャックと同じ視点を見ることにした、何かを知るために
「おかあさん わたしたちも争いはイヤ おかあさんとたのしくくらせないなら じゃまするなら解体する」
「そうか、君も一応『切り裂きジャック』だもんね...ジャック、君が斬る事が無ければいいんだがな、今日も明日もこれからも...」