完結小説図書館
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*10*
「「出来た!!」」
初めてたこ焼き器を使ったが、店で見るようなちゃんとした形を作れるとは...20個もあればジャックと私で食べきれるだろう。
「そういえばあの白髪の子は?」
そういえばジャックの反応がない...一度時計を見て、すぐに安心した
午後7時半、帰ってすぐに風呂を沸かすからこの時間にはもう一番風呂に入ってそろそろ上がるはずだ
「風呂に入ってるだけです...さて、着替えでも用意しますか」
「もらっていい?」
「全部はダメです、一応今日の晩御飯なので」
...
「いただきます」
ジャックも風呂から上がり、改めて私はたこ焼きを口に付ける...うん、美味しい
正直私はタコは苦手なのだが、この程度のサイズなら飲み込んでしまえばいいのでたこ焼きは大好きだ
ジャックが着替え終わる頃にはちょうどいい具合に冷めてきたので、あまり熱さを感じずに食べることもできた...ただひとつ
「うんうん、やっぱり自分で作った料理はいっそう旨いな」
どういうわけかこの人も食べている、この流れだとマシュの時みたいになりかねない気もするので帰ってもらいたいがとても言う気にならない
それに、私は1つ気にしていることがある
「これならマシュも気に入るはずだ」
「ははは...それはどうも、ところでダ・ヴィンチさん、聞きたかったことがあるんです」
「何かな?」
ずっと...あのとき名刺を貰って、『レオナルド・ダ・ヴィンチ』という名前を見たときから頭の中に引っ掛かっていた...
「貴方って...英霊(サーヴァント)なんですか?」
「うん、疑ってた?」
「は、はい...」
...我々が生きているこの歴史上に存在した偉人、日本に限らずアメリカやヨーロッパ、世界の果ての果てまで...
魔術的な力を使い過去の遺物から偉人を召喚していた記録がある
これらはカルデアでサーヴァント...通称『英霊』と呼ばれている
カルデアが設立する前にも英霊は存在し、大規模な戦争にも使われたと言われているが...ほぼ都市伝説に近い内容だ
カルデアはこのサーヴァントの力をビジネスに使用している
どういったビジネスなのかはあえて語らないでおくが...平の私でも無関係なわけではない
Dチーム、英霊教育兼管理係...つまりサーヴァントの健康管理等を行うついでに報告するのが私の仕事だ。
何を隠そうジャックも...
「レオナルド・ダ・ヴィンチの名を聞けば100%英霊だと分かるのになんで疑ったの?」
「いや、だって貴方女性...」
「ああこれ?モナ・リザだよ、自分で言うのもなんだけどあまりに出来がよくってね、この通りだよ、大体男性の偉人が女性として召喚されるなんて何も珍しいことではないんだから」
「え、ええ...?」
「今日は色々とありがとう、また何かあったらよろしく頼むよ」
そう言ってダ・ヴィンチさんは窓から降りて出ていった...いや、ここ二階じゃ...まあいい
「おかあさん?」
ジャック、私の教育対象であり実質家族。
明日もこの子が仕事できるように、今日のメニューをしっかり報告しなくては
END