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【第六話】
『辛いものなんて...』
ある日、私はDチームの同僚にファミレスに来るように言われた
大事な用だと言われたので来たが、あまり人に言えない話でもないようだ
同僚とはいっても、私の隣でもないから特に話したこともないのだが
「なぁ藤丸、お前料理できるよな?」
「カルデアに来てから何回それ言われたんだろうな...ああ、レシピさえ見ればね」
「助かったよ!ちょっと見ていてくれないか?」
...はい?今この人はなんていった?
「見ていてほしいって...家族かなにかを?」
「いやいや...うちのサーヴァントを」
「はあ!?私が!?」
「頼む!一日だけでいいんだ、外せない用事が...」
「...連れていくこと出来ないのか?」
「無理に決まってるだろ!!?」
私は軽く返事をしたのだが、男は詰め寄って大声で叫ぶ...公共の場なんだからもう少し静かにしてくれ
「君だってDチームなんだからしっかり予定決めないとダメじゃないか、それに私は食事は作れるけど...知ってるだろ、私の家はそう何人も入れるような場所じゃないんだ」
「勘弁してくれよ~、今日限りでいいからさ~」
こういうのは私は苦手だ、めんどくさいとかやりたくないというわけではないが、こういうのを断ったらずっと何か言われる気がする...本当に今日限りかもしれないし
「...次の用事は他の人に頼んでよ」
「ありがとな!今日は一代イベント抱えててさー、わかる?」
「どうでもいいよ...明日、食費貰うから」
「いーよいいよそれくらい!んじゃ昼からよろしく~ 」
「待て、昼から!?」
...
「まさか昼からとはな...ご飯どうしよう」
というか、なんでサーヴァントを押し付ける必要があるんだ...普通の人間と見た目は変わらないんだから遠出しても特に問題ないだろうに
「そのひとは いつくるの?」
「なんか地図を持たせたから出ていくとき向かわせるって...ちゃんと連れてった方がいいんじゃ...」
私が心配していると、扉を叩く音が聞こえる...もう来たのか?
戸を開けると、そこにはコンビニ袋を右手に抱えたボサボサの髭の大男が立っていた...こんな見た目をしたサーヴァントは初めてだ
「え、えーと...貴方が?」
「おう、まぁ...拙者、『ライダー』のエドワード・ティーチ、言わば『黒ひげ』と呼ばれたカリブの大海賊ですぞ」
「大海賊!?」