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*31*
海賊...これまたとんでもない人物だ
これぐらいの実績を残せるものでないと、サーヴァントにはなれないということか...慎重に相手しないと
「えーと、お昼は何に...」
「あ、ランチタイムの心配は無用ですぞ、しっかり用意されまして、ほらこの通り」
そう言って袋から出てきたのは...おにぎりと揚げ物だけ!?
「今日のメニューは唐揚げちゃんチーズ味とツナマヨおにぎりでち」
「いやいや、少なすぎますよ!野菜ないし...待っててください!」
私は冷凍庫の野菜を探す...この間のジャガイモがまだあった!これをレンジに入れて、ピーマンとベーコンを刻んで炒めて、塩コショウ!
「はい、これちょっと見て作ったジャーマンポテトです!足りませんよそれだけじゃ」
「あ、なんかスマソです、気ぃ使わせちゃって」
「いえいえ、うちみたいな何もない家じゃ退屈ですよね?これくらいしか出来なくて」
「おん、ボンビーっていうのはマスターから聞いて、だから退屈しないように漫画類を持ってきたのでお構い無くでござる」
「...ジャックの教育に悪いような本は止してね」
「ロンモチ」
...なんか、変わった人だなぁ、ダ・ヴィンチさんとかそういうのとは別の、本当に変わった人。
黒ひげさんは机に座ってコンビニ袋から漫画を取り出す
...妙に詰まってると思ったら、ほぼ全部漫画だったのか
「それ全部マスターが?」
「いんや?ぜーんぶ拙者が購入したもの、マスターにはびた一文あげてないしもらってない」
「全部!?貴方も収入源が!?」
「休日はレンタルDVD屋でアルバイト、マスターがいないときはYouTubeで映画のレビュー動画でがっつり稼いだでござる、いやー拙者もう大物の仲間入り」
...この人、マスター無しでも充分生きていけるのでは?
「ただそれでもこういった手料理とは無縁の生活、いやはやありがたやありがたや」
「やっぱり料理とかしないんですか?彼は」
「してるところを見たことなんて一度も」
「うーむ...やっぱりか...」
料理しないから私に頼ってきたんだしな...しかし、彼の言う用事とはなんだろう?
「あの、黒ひげさん」
「どしたの?」
「あなたのマスターって...あなたから見てどんな方なんですか?」
「んーと...一言で言い表すなら『リア充』って奴でござる」