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*50*
「いただきます」
二人は焼き上がった炒飯を食べる...ほかほかで少し焦げ目があっても米だと美味しい...納豆もねばつきがなくなり食べごたえがあった
「はぁ...正義の味方、じっくり考えて努力したあの頃が懐かしいなぁ」
「おかあさん ずっときになってたけどそれってなんなの?」
「私の想像する正義の味方という奴かい?ああ、これだよ」
立香はスマホを操作し検索サイトからウィキにアクセスしてジャックに見せる
「そのまま『正義の味方』っていう作品、10年か15年くらい前にテレビでやっていたドラマ、全35話、私はこれを見てヒーローに憧れたんだ」
「ヒーローってつよいの?」
「お世辞にも強いとは言えなかった、ウルトラマンやライダーと違って怪人には負けることもよくあったし市民に悪口を言われることもあった、けど『正義の味方』はどんなに酷い目にあっても大事な世界を守るために戦ったんだ そんなヒーローが私は好きだった」
「ふーん だからおかあさんは『せいぎのみかた』にあこがれているんだ」
「残念なことに彼みたいなヒーローにはなれなかったけどね...なるためにずっと過酷な事もやってきたんだが...でも私は今カルデアで大事なものを守れている、それでいいじゃないか」
「ねぇおかあさん」
ジャックは立香の携帯を握りしめ、顔を見る
「わたしたちもしりたいな おかあさんがあこがれて おかあさんの象徴でもある『正義の味方』を」
「それって...一緒にこの作品をみたいってことか?」
最初彼はテレビと一緒にDVDプレーヤーを購入している...レンタルでもすればまた見ることが出来るだろう
『正義の味方』を見たのはもう何年も前、テレビで見た程度で何故か親もDVDを買わせてくれなかったので、もしかしたら覚えてない内容もあるかもしれない...
「いいよ、君が望むなら一緒に観よう、つまらないと感じたらすぐ止めてもいい...正義の味方、観ようね」
「うん たのしみにしてる」
「ふふふ...」
...
その夜、ジャックはあのメイヴが立香を呼び寄せるつもりで産み出す空間に再び歩いていた...ジャックがメイヴを呼び出すつもりで願ったら同じものが出来たのだ、目の前にはメイヴがいる
「何?今度は貴方を呼んだ覚えどころか来てほしいとも願ってないんだけど」
「ねがったのは わたしたち」
「貴方が私にね...何?くだらないことだったら許さないわよ」
「平和について」
「平和...?ああ、貴方も観たのねアレ、うっとおしいから私はすぐに消したわ、ずっと聞いてるとイヤになっちゃう」
「...平和と正義って ちがうのかな?」
「何よ、立香がまた何かあったの?」
END