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*49*
「さて、炒飯作りだ。実はまた実家からこんなものが送られてね」
立香は冷蔵庫から三つ合わせになっている市販の納豆パックを取り出す
「これで納豆炒飯にでもしようかなって、手伝ってくれないかな?」
「わかった、なにをすればいいの?」
「まず卵、納豆をよく混ぜよう、ちょっとまってて」
立香は食器棚からボウル代わりの丸いお椀と箸を、冷蔵庫から卵を二個取り出してジャックの所に置く、ジャックはお椀の上で人差し指と親指の圧力で卵を割って箸でかき混ぜていき、納豆のパックを割ってあっという間にタレと混ぜていく...立香はその際にネギを微塵切りにしてフライパンに油を引く...何回も使ってきたフライパンは焦げ目が目立ち始め、そろそろ新しいものの購入を検討しようと考えながら火を付ける
「まぜたよ!」
「よし、まずは卵を流す!」
フライパンに溶き卵が流され、しゃかしゃかと丁寧に混ぜられ形を作っていく
「炊飯器開けて」
「わかった!」
ジャックは炊飯器を開けてご飯を取り出し、しゃもじで皿へと移しそこからフライパンへ放り込む
「よしよし、ありがとう...よし、よし...良い色になってきたな...次は納豆とネギだ!」
その後納豆とネギが入れられ、じゅわじゅわと炒めていく姿をジャックは覗き続ける...立香は幼き頃自分も何故だか炒飯を作る姿をずっと覗き続けていた、あの頃と同じだな、そう思いながら炒飯を炒めていく...
「ねぇジャック...さっき言ってたことなんだけど、ほら正義と平和は同じなのかってやつ、私なりにちょっと考えてみたが、正義の味方は皆世界平和を望んでるわけではないのかもしれないな」
「じゃあ、何を守るの?」
「たった一人の大事な人、かけがえの無いもの...安定した世界平和は結果的なものに過ぎなくて、本当に守りたいものがあったからこそ...世界も守れたんだ」
「だからこそそれらの為に命を懸けられる、私が憧れてきたヒーローのようにね」
「ひーろー...」
「女王とマシュとジャック、後は家族...何があってもこれらは絶対に守る、正義の味方として、カルデアのマスターとして...」
「おかあさん、こげちゃうよ」
「おっといけない!」