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マスターさんは晩御飯に悩んでいる。(完結)
作者: ロストメイドウィン ◆B/lbdM7F.E  (総ページ数: 78ページ)
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【第八話】
『好物は誰かのために』

「そういえば先輩、ずっと気になっていたのですが...」

休み時間、マシュと立香はリラックスルームで缶コーヒーを飲みながら話していたところ、マシュが唐突に打ち明けた

「これまで先輩のおかげで色んな料理を覚えていきましたが、まだ分かっていないものがあります...先輩の好きなものです」

そう、好物...立香はこれまで大好物の料理を打ち明けていない、れんこんチップスも好きかと言われると二、三番目ぐらいで一番好きなものをマシュはまだ知らないのだ

「私の好物?別に気にしなくて良いよ、くだらないものだし」

立香が普通にいなすも、マシュは引き下がらない

「聞くぐらいなら良いじゃないですか、どんなものでも私は笑ったりしませんよ」

「うーん、そういうことじゃなくて...まあいいや、料理であることは変わらないし」

立香は携帯を取り出して検索サイトを開き、画像を探してマシュに見せる

「肉料理...ですか?」

「肉巻きだよ、もやしとか人参とかじゃがいもを肉で巻くんだ」

「へぇ...」

肉巻き、野菜を焼いた肉で巻くという簡単な料理で、料理を始めたばかりの立香が作っていたもの、大好物な理由は当然作りやすい上に味も良いからだ、しかしジャックが来てからは健康の事を考えて普通の料理を作るようにしていた

「まぁ、肉巻きなんてね...美味しいけどあまり出すものじゃないよ、手抜きと思われるからね」

「料理に手が込んでるも手抜きもありませんよ、分かりました...肉巻きですね」

マシュは紙に何かを書き込んで、立香の元を去っていく

「...?なんだったんだろう」

...

その日の夕方、マシュはDチームで資料をまとめたり、立香ら先輩達のアシストをしていると...時計の針が5時を回りアナウンスが鳴る

「はい、5時になった!定時だからさっさと帰ってくれ!」

カルデアにも定時がある、この時間になると強制的に仕事が片付けられ帰宅準備をすることになる、そしてこのとき仕事が途中だった場合評価にマイナスが掛かるのだ

立香は時間配分を見ながら上手く終わらせ、すぐに片付けマシュに挨拶し、鞄を持っていく

「それじゃあマシュ、また明日」

「お疲れさまでした、先輩」

マシュは『先輩達』を見送って...一人残った彼女は壁に触れて隠し部屋に入っていった

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