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作者: メタルメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (総ページ数: 209ページ)
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*96*
響は走った
逃げたくて、背けたくて、外に出た。
気がつけば雨が降り出していた
※特撮特有の演出です、逃走中の間はしっかり晴れなので心配なく
響
「はぁ、はぁ、はぁ…………」
「響様」
響
「ん?」
響が座っていると、ヒューマギアがハンカチを用意する
「風邪をひきますよ」
響
「…………ああそっか、マネージャー型ヒューマギア注文してたっけ」
不破
「ん…………?お前さっきの、メロディーリズムってやつか」
ヒューマギアに渡されたハンカチで顔を吹いていると、不破が通りかかる
響
「あ、さっきの………」
不破
「不破だ、ヒューマギアを連れてこんな所で何してんだ」
………
不破
「どんなに努力しても勝てない相手、か」
響
「すぐ側にそんなのが居て、平気でいられる?」
響
「そりゃ………姉としては、妹の出来がいいのは嬉しい限り、なんだけど」
響
「何をしても、どうやっても…………勝てないのよ」
響
「それにね?最近………気付いたの」
響
「奏はわざと負け始めている」
不破
「なるほどな、出来るやつが気を使って負け始めたか」
ヒューマギア
「響様はなぜ、負けたくないのですか?」
響
「だって、負けたっていいことないしカッコ悪いじゃない」
響
「何より、あたしは【元・超高校級のボーカリスト】であり、メロディーリズムのボーカルなのよ」
響
「ファンの前で恥なんて見せたくない」
響
「なのにzaiaは勝率0%だの、奏に取り替えろだの………」
響
「あたしって一体何なの!?」
不破
「zaiaになんか吹き込まれたって訳か」
不破
「確かに、負けるのはカッコ悪いかもな」
響
「……………」
不破
「だがそれは、どうせ負けるからとなんの努力もしない【負けるのが当たり前】の奴だ」
不破
「諦めるような奴はカッコ悪いに決まってるだろ」
不破
「お前は諦めたのか?」
響
「………諦めたくない」
不破
「あの社長は1000%だのなんだの言うが、俺は100%なんて存在しねぇと思ってる」
不破
「そんな上手くいくほど人生は甘くねぇ、だからどいつも99%まで努力する」
不破
「天才ってのは残りの1%で勝ちまくる奴を言うんだ、だが………」
不破
「勝つことを諦めて0%にならない限り、勝てるんだよ、必ずな」
不破
「後は肝心なところで勝てばいいだけだ」
響
「…………!」
或人
「響さん!不破さん!」
話していると、傘を指した或人が駆け出してくる
或人
「ちょっと聞いてましたけど不破さんって、意外と熱血みたいな事言うんですね」
不破
「………今まで俺がそうやって生きてきただけだ」
或人
「………あの、響さん」
響
「奏の才能のことはとっくに聞いたでしょ?」
或人
「そう、だから………」
響
「あたしはソロライブを撤回する気はないわ」
或人
「…………ですが!」
響
「負けたくないの!今度は………勝つつもりでいるから、何より」
響
「そっちの戦いもあるけどあたし達のコンサートでもあるんだから」
響
「…………あんた本気でヘビメタさせるの?今まで奏にそんなことさせてこなかったのに、ファン腰抜かすわよ?」
或人
「奏さんが本当にやりたいことですから」
響
「じゃあ、あたしも本当にやりたいことで奏に勝ちに行く………だから」
響
「奏にはわざと負けるような真似はしないでって、伝えといて」
或人
「…………はい」
響
「このヒューマギア、名前は?」
或人
「マネ二郎、マネージャー型ヒューマギアのマネ二郎です」
響
「ならまーちゃんね、行こっかまーちゃん」
マネ二郎
「はい」
響
(そうよ、これまではたまたま………1%で奏に負けてただけ)
響
(絶対に諦めない!いつだって………99%頑張ってやるのよ、音ノ小路響!!)
不破
「いいのか?」
或人
「あの姉妹には姉妹の事情があるんですよ、俺達に深く口出しする権利はありません」
不破
「俺たちに出来ることは………あのレイダーって野郎をぶっ潰すことだな」
……
響
「社長」
響
「絶対ライブやめたくない」
垓
「…………と、本人もこう仰っています」
三木原
「うぐぐ…………」
………
奏
「本気でやって欲しいって、どういう…………」
或人
「わざと負けるような真似をしたら響さんに失礼なんです」
或人
「響さんに教えてあげたいんです、負けることは嫌なことばかりじゃないんだって!」
或人
「お願い、ヒビク!」
ヒビク
「はい」
奏
「………分かりました、これがお姉ちゃんの為なら!」
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こうして2人は決意を胸に新曲のレッスンに励んだ
そして逃走中の方も、ミッションに追加要素をインストールされた!