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*8*
士
「なるほどな、イトガミに認められた者は仮面ライダー絲慎になる資格が与えられると」
ツクヨミ
「今はあの大きな屋敷の針金という男がそうみたいだけど」
士
「針金?」
ツクヨミ
「…………そうよ、だから」
士
「ちょっと待ってろ……………ふむ、なるほど」
士
「今、この世界の俺の立場はイトガミが祀られている祠の守り主ということになっている」
士
「今の俺ならイトガミに認められる条件が…………分かる」
…………
ウォズ
「ここは…………」
ソウゴ
「さっきとは全然違う………」
ソウゴ達は情報を集めながら進んでいくうちに、古ぼけてボロボロな村にやってくる
ソウゴ
「ここにイトガミに認められた子供が………」
ウォズ
「しかし………なんともみすぼらしい」
ソウゴ
「すみませーん、イトガミに認められた人を探してるんだけどー」
「お前?イトガミ様について調べているの?」
「ちょっとこちらに…………」
ソウゴ達は言われるがまま誘われていく………
家は穴だらけで、それを隠すように布で縫い合わせた跡が沢山あった………
ソウゴ
「布だらけだ………」
「家を立て直すお金が無くてね………どこも同じさ、新しい絲慎がブランドを立ててから、ろくに買って貰えない貧乏人はこの始末さ」
「俺たちの事はツギハギの集落なんて呼ばれてる」
ソウゴ
「ツギハギ………ねぇ、イトガミ様に認められた者について教えて欲しいんだけど」
「俺がそうだ」
ソウゴ
「え!?」
「安田圭人、この俺が………イトガミ様の糸を縫えたんだ!」
…………
ツクヨミ
「金の糸?」
士
「この祠には、イトガミ様の魂の跡とも言われる金の糸が岩から生えているんだ」
士
「その金の糸は繊細で滑りやすく痛みやすい、どんなに一流の裁縫師でもその糸を貼りに通すのは至難の業と言われている」
士
「この金の糸を傷つけることなく針に通した者、それこそがイトガミに認められるということ」
士
「この辺りの伝説によれば、百年に一人はこの糸を通して仮面ライダー絲慎になったとよ」
ツクヨミ
「じゃあ、今は針金が糸を?」
士
「そうなるわけだな、だが………もう1人糸を通せた人間が居るそうだな」