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Heart Break No Wing 第2章突入!!
日時: 2011/03/17 09:24
名前: 皐月凪 (ID: VozPDcE.)

〜各話リスト〜
一章『気になるあの子』

1話「それぞれの想い」
pt1>>1、pt2>>4、pt3>>5、pt4>>6、pt5>>7、pt6>>8、pt7>>9、pt8>>10、pt9>>11
2話「新人戦!!」
pt1>>12、pt2>>13、pt3>>14
3話「初めての女子校」
pt1>>15、pt2>>16、pt3>>17、pt4>>18、pt5>>19、pt6>>20
4話「全県新人!!」
pt1>>21、pt2>>22、pt3>>23、pt4>>24、pt5>>25、pt6>>26、pt7>>27、pt8>>28、pt9>>29、pt10>>30、pt11>>31、pt12>>32
5話「涙の向こうへ」
pt1>>33、pt2>>34、pt3>>35、pt4>>36、pt5>>38、pt6>>39

第2章『恩返し』

1話「後輩の責任」
pt1>>40、pt2>>41、pt3>>42、pt4>>43、pt5>>44、pt6>>45
2話「新入部員歓迎会」
pt1>>46

☆参照500突破記念☆
イメージソング『少年カミカゼ - WINDER〜ボクハココニイル〜』
>>37


〜登場人物(バドミントン部新入部員のみ)〜

・桜野 優羽(サクラノ ユウ)
咲崎南工業高校1年 工業化学科
まっすぐ前向きな性格で、「折れない心」の持ち主。
そのどこか抜けた顔から、よく不良に絡まれる。
中学時代は、バレーボール部の補欠アタッカー

・打矢 智宏 (ウチヤ トモヒロ)
咲崎南工業高校1年 工業化学科
高校に入学して、優羽が最初に友達になった。
坊ちゃんカットの髪に黒縁めがねとパッと見オタク...だが中身は、友達思いのいいやつで、シャイボーイ...ムッツリさん
中学時代は、バスケ部の補欠部員。

・岡見 隼人 (オカミ ハヤト)
咲崎南工業高校1年 建築科
普段はボーっとしていることが多く、適当なところが多い。
顔立ちは、普通の上くらいで悪くわない
やるときはやるタイプの人
スネが毛深いのがコンプレックス
中学時代はサッカー部所属。

・真嶋 浩輝(マジマ コウキ)
咲崎南工業高校1年 機械科
一言でいうと、真面目くん。
監督、先生の指示には忠実に従う。
頑張りやさん。中学時代は、剣道部所属

・佐藤 文耶 (サトウ フミヤ)
咲崎南工業高校1年 電気科
スラッとした背に細身の体。
天性のバドミントンセンスを持っており、高校でその力を発揮する。
クールな性格で、人の上に立つのは苦手...これは表向の彼で、本当にうち解け合った仲間の前では、頭にパンツをかぶり、奇声を発するなどアブノーマルなやつになる...これをみんなは、裏文耶と呼ぶ。

・武田 祥(タケダ ショウ)
咲崎南工業高校1年 電気科
バドミントン部に入部した一年の部員のなかで、唯一のバドミントン経験者(ジュニア)...
だが凄いのは、素振りだけで、実際に羽を打つとへたくそ...
そんな武田には、凄い兄さんがいる。

・山内 大輔(ヤマウチ ダイスケ)
咲崎南工業高校1年 電気科
ニックネーム(D輔)
部活に来たり、来なかったりする。
いわゆる幽霊部員

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Heart Break No Wing 6話 ( No.8 )
日時: 2010/10/22 14:06
名前: 皐月凪 (ID: VozPDcE.)

_____入部2日目。

「おうおう、来たかぁ〜ゲスども...まぁ、今頃筋肉痛で、痛い痛いしてるんだろ〜...いいザマだな」
...第二体育館に入るなり、毒舌の裕太先輩が言う。

「裕太〜、その言い方はないだろ〜...あれ?一年生これだけ?」
...俊介先輩がフォローしてくれた。
やっぱいい先輩だ〜

...一年は、自分も含めて、7人しかいない...

...まさかな...


...........俺たちは、部室から荷物を運び、ネットを張り、準備を済ませたところで、キャプテンの集合の合図で整列し監督を待った。

...2分ほどすると、監督が来た。
ん?顧問は来ないのか...

監督は、なにやら紙の束を持ってきていた。

「うん、予想どうり」
...監督の最初の一言はこれだった。

「今この場にいる一年以外全員辞めた...」
...監督は紙を広げる。
それは、退部届けだった。

「...俺は、本当の教師じゃないから言うが、あの辞めた一年子...間違いなく高校生活つまんねぇ〜.....なんでお前らは辞めなかった...理由を聞こう...真嶋」

「俺は、自分で決めたことは最後までやりきろうと思って...」

「武田は..」

「僕は、中学のときからバドミントンやってましたし、単純にバドが好きだから..」

「大輔は..」

「僕は、なんとなく高校で部活やって見たかったんで...それに、俺以外とMなんです..だからキツイ練習大歓迎です♪」

「文耶は..」

「中学時代はサッカー部でレギュラーだったが、俺にはしっくりこなかった...とりあえずバド楽しそうだし...」

「打矢は..」

「中学時代、バスケ部の補欠だったんです...どんなに頑張っても、人の何十倍努力しても、ダメだったんです。 でも、バド部の先輩方のプレー見てたら..なんだか勇気持てて、頑張ってみようと思いました」

「岡見は..」

「俺もサッカー部...文耶と同じ中学校のサッカー部でした。でもあんまり部活行ってなくて...後悔してます...高校でやり直せるならやり直したい」

「優羽は..」

「表向きは、中学時代バレーボール部での屈辱をはらそう、高校から始めるスポーツでバドなら自分にも出来そう、上をねらえそう.....こういう思いでした。...でも昨日の練習のあと、家で改めて考えてみたんです。...なんでこんなキツい練習をしてるのか、俺は何のために部活に入ったのか..........朝起きて気づいたんです。___俺には、好きな子がいます...でもその子に話しかける勇気が自分にはありません。......情けないけど、どうしても今の自分じゃその子に近づく権利が無いんです.......だから決めました!!、その子に近づく権利を得るためにバド部で自分を大きく成長させます!!!」

....辺り沈黙。

「うん、みんな個々に目標があるようだな...個々の目標も大事だが、グループの目標も大事だ。.....お前達一年生の一番の大舞台は、夏の新人戦だ!!...どうだ、一年生、この大会にかけてみないか?..」

......新人戦..これは、自分にとってのチャンスだ!!

「俺は...新人戦にかけます!!!」
...俺は、先頭をきって言う。

「お、俺も!!」

「俺もかけてみたい!!」

...あとに続いてみんなが言う。


「そうか...かけてみるか....ちなみに、かけてみると言わなくても無理矢理やらせていたけどな、アハハハハハッ」
...じゃ、聞くなよ!!

「でもな...どうせでるなら、一年で表彰台埋めろ...ちなみに、去年、二年前とウチ、咲崎南工業が新人戦制覇している...今年お前達の代が優勝すれば、3連覇だ...咲南の名に泥を塗ってくれるなよ......分かったらとっとと昨日のメニューやれ!!!!」

「はい!!!」
...俺たち一年は、急いで第二体育館を出、外靴に履き替え外に出た。

...そこで、これから苦楽をともにする仲間たちとまだ話していなかったので、話しかけてみることにした。

「み、みんな色んな目標があってこの部活に来たんだね...俺、みんなと新人戦勝ちたいと思ってる....改めて言うけど、桜野 優羽、よろしく」

...それに答えたのは、文耶だった。

「知ってるよ...みんなの前でいきなり恋愛相談だもん...みんな嫌でも覚えるよ...フフ」
...ん?、なんか少し、イラっとしたぞ

「まぁ、文耶の言ってることも確かだな...俺も改めてだけど、岡見...よろしく」

「あとは、武田と大輔と打矢と真嶋か」

「でも、武田ってバドミントンの経験者なんだろ...俺らまだバドのルールも知らないからさ、教えてよ」
...岡見が言う。

「まぁ、走りながらでいいなら...ってかD輔にはもう教えたんだけどな」

「ちょ、待って、D輔って誰?」
...岡見が訪ねる。

「ん?そのにいる貧弱な体の持ち主」
武田は、真嶋の隣にいる大輔を指さす。

「俺、武田と中学同じでさ、ずっとD輔って呼ばれてたんだ...だからみんなもD輔って呼んでいいよ」

「D輔...いいな♪」

最初にそう言ったのは、真嶋だった。

「さっそろそろ走ろ〜ぜ...武田からルール聞きて〜し」
...岡見が言う。

「そうだな、いっちょやるかぁ〜」

...俺たちは、武田を囲んで走りだした。

Heart Break No Wing 7話 ( No.9 )
日時: 2010/10/22 14:57
名前: 皐月凪 (ID: VozPDcE.)


「少々熱く語ってしまってもいいかな?」

「ああ、なにせ25㎞もあるんだからな」
武田の質問に文耶が答える。

「では、バドミントンとうスポーツは、簡単に言うと相手コートに羽を落とせばいいってことだ。相手コートに羽..シャトルを落とせば、こちらに一点入る。..逆に自分のコートにシャトルを落とされれば相手に一点はいる。 先に21点先取したほうが勝ちだ。今はバドミントンのルールが変わって、21点三セットなんだ...先に21点取れば1セット取れる。点数が、一セット目12ー敵21,二セット目21ー敵12なら、1対1だよな...このときだけ、3セット目のゲームが行われる。三セット目のルールは、色々あってな、大会によって違うんだが、21点先取のときもあるし、11点先取の時もある...あと、それぞれのセット、どちらかの選手が先に11点取ると、チェンジコートと言って自分がいるコートと相手コートを入れ替えるんだ。...あとは、点数が偶数なら、右からサーブを打つとか、ダブルタッチとか、フォルトとか色々あるけど、基本の基本はこのくらいだ。あんまり一気にいっても頭に入らないだろう......あと一つ言えることがある。最初の一セットを先取するかしないかでは、大きな違いが生まれる。先に一セット先取されてしまえば、勝つためには三セット目まで連続で勝たなければならない...大きなプレッシャーになる、だが、先に一セット先取してしまえば、だいぶ楽になる...バドミントンは心理戦でもあるんだ。」

「へぇ〜...」
...みんな、ぽかんとしている。

...もう、キツくなってきた。
全力ではしろ

「よし、みんな...ビリ、ジュースおごりな!!」

...俺はそう言って、夕暮れの歩道を全力でダッシュした。

____っと、駅の方向にあの子の姿が..

Heart Break No Wing 8話 ( No.10 )
日時: 2010/10/26 17:12
名前: 皐月凪 (ID: VozPDcE.)

____駅の方向にあの子が.....!!

「ん?、どうした..優羽?」
俺の隣を走っていた文耶が言う。

...まさかこんなところで、俺の目標のあの子のことを言うわけにもいかない...

「い、いや...何でもない...」
...とは言うものの、どうしてもあの子を見てしまう。
....えっ、男!?
その少女の前に背の高い、男子高校生が現れた...

....彼氏とかかなぁ〜...
なにか話しているみたいだったが、俺たちは走っている最中...もう駅から通り過ぎようとしていた。

「気になるあの子が駅にでもいたのか〜?」
文耶に聞かれる。
...な、なぜそれを....

「えっ、んなわけねぇ〜じゃん..」

「図星か、優羽、ずっと駅の方見てたもんな」
...正直に言うか..

「ああ、そうだよ...駅にあの子がいた。.....でも男連れてた...」

「優羽、よっぽどその子に汚染されてんなぁ〜、女子に男の友達の一人や二人いるにきまってんだろ」

「も、もしその男が、あの子の彼氏だったら?」

「おい、お前...股にちゃんと金玉付いてっか〜?...男だったら、奪い取れよ!!....大切な人なんだろ...なんの努力もしねぇ〜であきらめんな!!...ゴールまで俺と勝負だ!!」
そう言って、文耶は走りだした。
俺もなんだか、目が覚めた!!

「うおおおおおお!!!!!!」
俺は、残りの22.5㎞を全力で文耶と走った。


_____ゴール。

負けた...文耶に負けた...さすがは元サッカー部、体力に関しては化け物だ。

「おい、お前の気持ちってのはそんなもんなのか?」

「ハア、ハア...だってよ..お前元サッカー部だろ..勝って当たり前じゃん...ハア、ハア..」

「んなもん関係ねぇーだろ!!...お前本当にあれで全力だったのか?」
...なんでこいつここまで俺に..

「ああ、全力だったよ!!」
...次の瞬間、俺は殴られた。

「自分で限界作ってんじゃねぇーよ!!!...俺も、幼稚園の時からいつも一緒だった幼なじみがいたんだ...そいつのことがずっと..ずっと好きだったんだ.....それで俺は中学2年の春に告白したんだ...返事は、条件付きのOKだった。...中学最後の総体で、優勝したら付き合うっていう条件だった....バカな話だろ、大体サッカーなんて、個人競技じゃないんだ..一人じゃなんもできねぇー...でもあいつは言うんだ...限界を作っちゃだめって.....その理由が後々分かったよ.....結局、中学最後の総体は、ベスト8止まり...優勝なんて夢のまた夢だった...それと同時にあいつは、入院した.....その子の両親から聞いた、あいつの余命は幼稚園の時から決まっていたのだそうだ...そしてあいつの生きがいになっていた言葉...『限界を作っちゃだめ』...その子の専属の看護士さんからもらった言葉だそうだ....その言葉をかてに今まで頑張ってきたんだ....それに比べて俺はどうだろう..あいつに言われた言葉が、たとえどんなに無理に近い言葉であっても限界を作らず努力しただろうか.......答えはNOだ。......そして間もなくその子は息を引き取った.....俺は、悔やんだ..でもあの子は帰ってはこない...だから俺は、もう悔いなんか残したくねぇーんだ!!」
...文耶は泣き出した。...こいつにそんな過去があったなんて...

「わるい...俺、なんも分かってなかった...言われてみればもうちょいいけそうな気がした...限界つくっちゃだめだよな...」

「......ああ、すまない..こんな姿を見せてしまって...」

「お前にそんな過去があるとは知らなかったよ...」

...その時ようやく岡見が、外周から帰ってきた。

「おいおい、お前ら早すぎ...あんな速度で走るなんて正直ちょい引いたぞ...」

「いや、岡見が遅すぎなんだよ...『限界を作っちゃだめ』だろ♪」
...俺は、文耶に向かって言う。

「お前ってやつわ〜...」
...え?、文耶が脱ぎ始める...全裸!!

「まずい...裏文耶だ!!...優羽、文耶を止めるぞ!!」

「裏文耶ってなんだ?...」

「ひやっほーい!!!!!」
...全裸の文耶が俺たちに向かって猛ダッシュしてくる。
「説明は後だ、文耶の後頭部を殴れ!!!、早く!!」

「わ、分かった...」
...俺は、向かってくる文耶を近距離でかわし、背部に回り込み、後頭部を殴った。
...文耶は、その場に倒れこんだ。

...岡見が手慣れた手つきで、文耶にタオルをかける。

「岡見、どういうことなんだ?...」

「文耶はな、自分と本当にうち解け合った仲間の前でだけたまにああなるんだ...中学の時もそんなことがあった...優羽、文耶からあの話聞いたんだろ?」

「あの話?」

「文耶の幼なじみの話...」

「あ、ああ」

「それでな、あいつ...幼なじみ亡くなってから急にああなり始めたんだ...多分、自分で限界を作らないように作らないようにって心がけているうちにおかしくなっちまったんだと俺は推測する......優羽もこうなりたくなかったら、ほどほどにしとくんだな」

「...それは違うぜ..」
...倒れていたはずの文耶が起きあがって、脱いだ練習着を着ている。

「今回は、起きるのが早かったな」
...岡見が言う。

「嬉しかったんだ...友達に認められて...」

「文耶....」

「お〜い...お前ら早すぎ〜」
...後方の集団が、来た...先頭は武田、続いて真嶋、打矢、最後にへとへとのD輔...

「じゃあ、ビリのD輔くんにはジュースをおごってもらおう」
...さっきまで、裏文耶だったのにもう平然としている文耶が言う。

「いや、D輔だけにおごらせるのは悪いから、俺半分だすよ!!」
...そう言ったのは、真嶋だ。
.....こいつ、空気よめ〜

「別に、D輔ビリだったんだから払わせればよくねぇ〜」
...その通りだ打矢

「さ、決まりな...真嶋、悪いけど今回は、D輔におごらせてやってくれ...これが男ってもんだ」
文耶が場をまとめてくれた。

「男、かぁ〜......負けた!! 今回は、D輔におごらせてやる!!」
...真嶋変わってんな〜

「今回は、負けたけど...次はまけねぇ〜からな〜!!!」
D輔が言う。
...あ〜、D輔が前向きなやつでよかった〜

...俺達は、校舎の中へと歩き出した。


.....なんか忘れてねぇ〜か...?

「な、なぜ俺が一着ではないのだ...」

...振り向くと武田が一人地面に座り込み、独り言を言っている。

「みんな、いいのか?」

「武田、ああ言うやつだから気にすんな...行くぞ」
...武田とは、電気科仲間の文耶とD輔が言う。


....なんか、みんな個性豊かだな...

Heart Break No Wing 9話 ( No.11 )
日時: 2010/10/27 14:20
名前: 皐月凪 (ID: VozPDcE.)


____第二体育館

...俺たちは、休む暇なく次のトレーニングを始めた。....正確に言うと監督に始めさせられた。

俺たちがコートの隅で筋トレしている間、コートの中では先輩達がシャトルを使って練習している。

俺たちは、その練習風景を見ながら筋トレをする。

...走った後、筋トレはさすがにキツイ。

.....そんなことを思っている時だった。

「武田〜!!!」
...武田のほうを見ると、武田が倒れて、痙攣している。

「濡らしたタオルと、水持ってこい」
...監督はそう言うと、武田を抱えて外へ出た。
俺たちも付いていく

倉町先輩が濡れたタオルと水を持ってきた。

監督が、武田の頭から水をかける...そして首の辺りに濡らしたタオルを巻く。

...武田が起きあがる。

「.......う...」

「貧弱な体だな......一年、良く聞け!!、今日から菓子類、炭酸飲料、間食は一切無しだ!!....食事は三食しっかりとれ、少々食べ過ぎたぐらいの量でいい...それと、明日から筋トレ前と筋トレ後にプロテインを飲んでもらう...少々においがキツイから、気になるやつは、牛乳なんかを持ってきてもいいぞ。...まず、今日は帰れ...武田」

「いや、僕まだやります...」

「そうか...じゃぁやれ。....でもな次倒れたら、俺は一切関与しないからな」

「はい!!」

「練習再開!!!」


......そして俺たちは、筋トレを終わらせた。


_________そして、今日の部活がおわった。


...今は、1年工業化学科の教室にいる。
部室は、毎年3年生が使う。
俺たち一年は、各自の教室で着替えることになっている。

「なぁ、打矢、武田倒れたけど...監督とか周りの先輩とかすっげー冷静だったな」
...教室が同じ打矢に聞く。

「たしかに冷静だったよな...やっぱりあの部活おかしいんだよ」

「俺も一度そうおもった...でも、俺の食生活よくよく考えてみたら、朝は、コンビニのおにぎりだけ、昼は、食わねぇ〜こともあるし、食うとしたら購買の唐揚げ弁当だろ...夜は、いつも遅いから食べないでそのまま寝るし....やっぱ、自分自身の食生活にも問題があるよな......武田のおかげで気づいたよ.....あいつには感謝しないとな」

「そうだな、言われてみりゃ俺もたいしたもん食ってねぇ〜なぁ......食生活きおつけてみっかぁー」

「そうだな、じゃ帰っかぁ〜」

...俺達は、教室を出てもうすっかり暗くなった夜道を自転車に乗り、駅を目指した。



______翌日の部活・・・

「う〜す」
俺は、いつものように第二体育館に入る。
...と、いつも監督が座る机の上に巨大な袋が置いてある。
文字は、英語の細かいのがビッシリで読めたもんじゃない。

「先輩、これは?」
...俊介先輩に聞いてみる。

「プロテインだってよ、俺ら1年の時はこんなもんなかったぞ...それだけお前らの代は期待されてるんだな、頑張れよ♪」
...俊介先輩はそう言うと、2年生の輪のなかに行ってしまった。

...おっと、準備しないと
もうすでに、武田たちはネットを張り初めていた。

俺は、急いで部室にものを取りに行く。


______準備が終わった。
キャプテンの集合の合図と共に俺たちは整列して監督を待った。

....監督が来る。

「......は〜い、これなんだかわかる人〜」
監督は、机の上の袋を指さす。
...来て早々、質問か

...真嶋が手を挙げる。
「先輩方からプロテインだと聞きました。」

「...ざんね〜ん、正解は、俺の月の給料の3分の2の値段がする高級プロテインでしたぁぁぁあああああ!!!!!!!」
...監督が絶叫する。

「このプロテインは、普通のプロテインの約10.2倍の吸収速度だ......つまり飲んだ瞬間うごかねぇ〜とただのデブになる...でもすぐに動けば、筋肉に変わる。....このプロテイン高け〜から1年限定な!!」

「監督、なぜそんなに高いものを...」
キャプテンが聞く。

「.......通販で間違えたんだ///」

「・・・・・・」
一同唖然。

「分かったか1年、こんな高価なアイテムまで使って新人戦優勝できなかったら........わかるよなぁ〜.......あは、あははは」

...監督、怖いです。

「Aチームは、いつものメニュー、Bチームは基礎打ちから、Cチームはヘアピンの練習からはいれ.....コートは、いつも通りだ。......そして、一年!!.....さぁ飲め〜、そして走れぇぇぇぇぇい!!」

「は、はいぃぃぃぃ!!!」

...俺たちは、監督からプロテインを購入したときに付いてきたと言う。
シェイカー(この中に水とプロテインを入れて振ってのむ)を一人一つもらった。

......早速飲んでみる。

「ま、まじぃぃぃぃぃ!!!!!」
...一瞬意識飛んだぞ!!、まるでゲロを飲んでるみてぇ〜だ...

「う、....う、.....」
...頑張れ打矢。

「まずい〜!!!!!!!!!」
...1年全員顔色悪い。

「あれ?、そんなにマズイもんか....」
...監督が、粉のまま口に入れる。

...監督は、無言でこの場を立ち去った。

「みんな、行くぞ!!...早く走んねぇ〜とデブになるぞ!!!」

_______そして俺たちは、25㎞を走った。

「う、うぇ〜気持ち悪りぃ〜......食ったもん全部戻しそうだぜ」
...文耶が言う。

「・・・」
他、俺も含めみんな重い空気になっている。

「あ〜、俺たちこのまま死んじゃうのかなぁ〜」
...打矢が言う。

「今回ばかりは否定できねぇ〜な...」
岡見。


___俺たちはこの日の記憶があまり無い。

Heart Break No Wing 10話 ( No.12 )
日時: 2010/10/27 17:14
名前: 皐月凪 (ID: VozPDcE.)


_______時は流れ新人戦当日。

季節は8月、入部してからもう5ヶ月が経とうとしていた。
三年生は、6月の最後の総体で団体戦2回戦負け...個人戦では、キャプテンがシングルスベスト8というのが最高成績だった。

三年生は、みんな泣いていた。
監督も泣いていた。
そして俺たちも泣いた。

.....3年生の最後の勇姿を見て思った。
俺も輝くことができるのだろうか...


__今日は新人戦。俺たち一年の最高の舞台。

.......この新人戦が行われる一ヶ月前にプレ新人戦という、要するに新人戦のシード権を決めるための大会があったのだが、監督の指示で大会にはでなかった。

早速、我ら咲崎南工業高校バドミントン部が会場入りする。

会場は大勢の人だかりだった。
俺たちは、中央地区に分類している。
中央地区で新人戦にエントリーしている高校は、12校

今回の団体戦のシード校は、第一シード 神崎清陵高校、第二シード迅真工業高校、第三シード沢城南高校、第四シード大波鳳鳴高校。

...先輩たちによれば、この四校は他の高校に比べて桁違いに強いのだそうだけれど、そんなことは知ったこっちゃない。

「1年、あと30分で団体戦の一回戦が始まる...今のうちにアップしとけよ〜」
...監督が言う。

周りを見るとすでにいくつかの高校が、一列になって体育館の周りをグルグル走り回っていた。

「それにしても、女子多いなぁ〜」
...そう言って鼻の下をのばしてる文耶。

...まぁ、工業高校だから無理ないかぁ〜
.....たしかに可愛い子は多いな...

「あれ?優羽も鼻の下伸びてんぞ〜」
...文耶に言われる。

「うっせ〜!!変態に言われたくないね!!!」

「んだとコノヤロ〜!!!」

「はいはい、そこまで...団体戦近いんだぞ、これで負けたら監督のプロテイン事件の件どうなるのかな?」
....D輔、そう言うことだけ物覚えがいい。

「俺らがこんな糞みて〜なやつらに負けるわけねぇ〜だろ....見て見ろあの練習風景...あれじゃまんま初心者じゃねぇ〜か」
文耶が言う。

....確かに、他校の練習風景を見るととてもバドをしているようには見えない。
それに、俺たちに比べてやたら部員が多い。

「おい、1年そろそろ行け」
...今大会では、観客の2年生倉町先輩が言う。

「はいッス♪」
...俺たちは、試合道具を持って二階の観客席から一階の体育館へと移動する。

「よ〜し、みんな〜全力で走るぞ〜.....せ〜の、うおぉぉぉぉぉ!!!!!」
俺たちは、全力で体育館のまわりを走った。

「は?、あいつら試合前なのにあんな全力で走ってバカじゃねぇ〜の」

「あの高校、終わったわね...」

「アホだな...」

....いろんな声が聞こえてきた。
けど、俺たちは気にもしていない......いつでも全力、それが俺ら1年のモットーだから。


....約10分全力で走ったけど、ぜんぜん疲れない....逆に回復しているくらいだ。

「練習コート交代の時間です.....咲崎南工業高校は、第三コートにお入りください。」
...アナウンスが流れる。

ここの体育館は、10コート張れる。
配置は5コートずつ、2列になっていて今回俺らが使うコートは第三コート...ど真ん中のコートだ。

_____俺達は、練習を開始する。

ネットを挟んで、俺と文耶、岡見と打矢、武田と真嶋、余りのD輔は倉町先輩と組む。

また、このペアは今大会のダブルスのペアでもある。

....そこに監督が現れる。
「お前達、今の練習時間はたったの5分しか与えられていない...スマッシュだけでいい、やれ」

「はい」

...俺たちは、早速スマッシュ練習を始める。

「いくぜ、優羽!!」

「おう!!」

俺が、上げたシャトルを文耶がスマッシュを打って返してくる。
俺は、そのシャトルをバックハンドでネット前に落とす。
すかさず文耶がヘアピンでネット前に落とす。
そのシャトルを俺がネット前にヘアピンする。
そのシャトルを今度は文耶があげる。
そして俺がスマッシュを打つ。
文耶がネット前に落とす.....の繰り返し。

この練習メニューを俺たちは、『スマッシュ交互』と呼んでいる。

....補足だが、ヘアピンとはネット前の羽シャトルを回転やスピンをかけて、ネット前に落とすことである。

.....こんな広い体育館で打つのは初めてだ。

俺らのスマッシュが凄すぎるのか、観客の視線を感じる。

「練習時間終了です.....各コートの整備にあたっている高校は、整備にあたってください......男子団体戦一回戦のコールは、10時15分を予定しています。」

____さぁ始まる。俺たちのシナリオが!!


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