コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- リバーシブル
- 日時: 2011/08/08 22:19
- 名前: 北野(仮名) (ID: XkXzKb57)
初めまして初投稿です
つまらないかもしれませんが暖かく見守ってください
なお、途中で作者名変わりますが気にしないで下さい。
=プロローグ=
「ねぇ、君パズル部に入らない?」
四月八日、入学式とクラブ紹介が終わった時
烏丸紫表は見知らぬ先輩に声をかけられた。
「はい?いきなり何で・・」
「いいからついてきて」
さて何が何だか分からないので朝まで戻ってみよう
〜朝8時〜
「紫表兄、早くしてよ。」
玄関のところで紫表によく似た女子が紫表を呼ぶ。
「ちょっと待ってくれ、基裏」
紫表が慌てて準備する。
「入学式に遅刻なんて洒落になんないよ」
「OK準備できた、行ってきます」
そういって二人は家を出た。
家の前には一人の男子がいた
「紫表、さっさと行くぜ」
白谷治、紫表の一番の友人で、医者志望
そして・・・ナルシスト。
学校につくとクラス発表をしていた。
「三人とも同じクラスか」
うれしそうに紫表がつぶやいた。
「おい、入学式始まるぞ」
治にうながされて、三人は体育館へ向かった。
〜そして今〜
「ちょっと・・・放してください!!」
二年の女子に引きずられる一年男子。なんとも哀れな光景である。
「おっ、紫表・・・お前何して・・」
「おひとり様追加です」
しゃべる治の声を遮って無理やり連れて行く
目の前に基裏も現れた。
「二人とも何してん・・」
「君も来な」
そうして、犠牲者がもう一人増えた
=5分後=
「ここがうちの部室だよ」
中には一人の三年生がいた。
「ようこそ、竜門中学パズル部へ」
「勝手に連れてきて何いってるんですか」
三人を代表して基裏が言葉を返す。
「伊達ぇ・・・」
無理に連れてくんなと言ったろ、そう言って悪の根源をしかっている。
「まぁいい、部長の小島早太だ。よろしく」
「伊達美千流です。よろしく」
とりあえず、俺達が思ったことは
面倒臭いことになったな、ということだ。
「いいですよ」
「は?」
いきなりの紫表の言葉に小島が動揺する。
「面倒くさいからここに入部するって言ったんです」
「紫表兄入るの?じゃあ、あたしも入る」
「じゃ、ノリでおれも」
そういうことで三人ともここに入ることになった。
_______________________________________________
崎野手事件 バッグ事件
>>2 >>4 >>6 >>7
ドンマイ、先生たち
>>8 >>9 >>10 >>11
伊達家でかっ!
>>12 >>13 >>14 >>15 >>16
脱線!でも一番力入れました
>>17 >>19 >>20 >>21 >>22 >>23 >>24 >>25 >>26
>>27 >>28 >>29 >>30 >>31 >>32 >>33 >>34 >>35
>>36 >>37 >>38
熊の怖さとヒマ人のうざさ
>>39 >>40 >>41 >>44 >>45 >>46 >>47 >>48
昔話(回想)
>>49 >>50 >>51 >>52
みんなで遊ぼう(バトル復活)
>>53 >>54 >>55 >>56 >>57 >>59 >>60 >>61-68
文化祭直前事件
>>69-77
Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19
- Re: リバーシブル ( No.65 )
- 日時: 2011/06/20 19:18
- 名前: 北野(仮名) (ID: suMEt.SO)
=第五十三話=決着(2)
「で、結局答えは何なの?」
いつの間にか誰かは知らんが罠に引っ掛かりまくってくれたせいで
大分安全になっている山中を駆け足で急ぎながら
伊達は宗治に話しかけた。
「ああ、アナグラム(並べ替え問題)だったよ」
淡々と、時折設置されっぱなしの罠を焦らずスッと回避して
その問いに答えた。
「並びの順は?」
「いろは歌だ」
「えーと・・・ああ〜」
いろは歌というとあの有名な奴だ。
『色は匂えど 散りぬるを 我が世誰ぞ 常ならん
有為の奥山 今日越えて 浅き夢見じ 酔いもせず』
「本当だ、片仮名の部分がイロハニホヘトになっている」
「お前体大丈夫か?」
宗治がまだ息が上がっている健史をいたわる。
本当のところ、宗治は波と闘っている時、意外と強いなと感じた。
いくら慣れているとはいえ、奥義無しで閃瞬光迅の相手は辛いだろう。
閃遁なら、疲れが溜まるから間合いを詰められるだけで
超スピード状態は解かれる。
だが、閃瞬光迅だと、負担はほとんど0に近い。
普通の運動と、ステップを意識すること意外大差ない。
よって、攻撃が終わるその瞬間までその凄まじいスピードを維持できる。
しかも、衝撃の威力は物体の重さに速さをかけたものだ。
必然的に速度が想像を絶する状態の超速戦闘系の状態で繰り出した
一撃は神がかった一撃になる。
「大丈夫、感覚はマヒしてきたもう痛くない」
「絶対に病院に行けよ、終わったら」
ほっとくとこいつは限度を知らずに頑張るからなぁ・・・
不安と心配の入り混じった目で傷つき、大変そうな従弟を見た。
「ま、そうやって並べ替えると『も』『ん』『の』『み』『ぎ』『し』『た』
になるってことだ、だから今家に向かってい・・」
「なるほどのう」
どこからか強大な気配を感じる。
あまりの強力さにどこにいるのかが特定できない。
これほどまでの存在は・・・二人しかいないな。
突如沸き起こった焦りが冷静さを欠かせる。
ザァッ・・と風が吹き荒れる。
ざわざわと恐れるように草木は揺れた。
向かい風を受け、髪がなびいている。
だが、今はそんなこと感じ、認知している暇などない。
とりあえず分かっていることは、気を放っているのは
さっきの声から考えて大地様。
「さて、稽古を始めようかの」
肌に当たるそよ風が、勢いを増す。
肌に当たる錘のような気も、その重厚さを増した。
のどを抜ける空気が少なく、息苦しく感じる。
高校時代に出た剣道のインターハイ決勝よりも
遥に強いプレッシャーと緊張感。
昨日の熊が大人しく、可愛く見えるほどの恐怖。
気を抜いたら・・・即敗北。
「稽古って言うからには手抜いて下さるんですよね?」
「当然じゃ。足止めにとどめといてやるわ」
ようやく押し殺されそうなオーラが抑えられる。
大気の奔流も収まり、急速に風も消えた。
周りを包み込んでいた気は、本人が立っているであろう
一点に集まって行った。
今になって気づく、なぜ自分は心眼を使わなかったのか、
そんなの決まってる。思いつかなかったから。
よくあることだ、恐怖に囚われて判断を見失うことは・・・
「美千流、走れ。稽古って言うぐらいならお前には付けないだろ」
「まあね」
小さくぼそぼそと、向こうさんに聞かれないように
耳打ちをするように呟いた。
純粋な自然の風が吹いたのを合図に行動に移った。
心眼で特定した場所に気を纏わせた竹刀を叩きつけんと走りだす。
閃遁も、閃瞬光迅も無い自分には不意打ちしかない。
全霊の力をこめて、木を打撃した。
しかし、いざその攻撃が当たるというその瞬間に、気配が消える。
超速戦闘だ。
その一瞬後に竹刀は木のみを叩き折った。
「まだまだじゃの」
「くそっ・・・」
だが伊達はもう消えた。
作戦としては成功だ。
「じゃ、稽古つけてもらおうかな?」
「よかろう」
続きます
- Re: リバーシブル ( No.66 )
- 日時: 2011/06/21 21:54
- 名前: 北野(仮名) (ID: gwo7dxKL)
=第五十四話=決着(3)
野山を鹿の様に走る一つの影、
時折作動する仕掛けもものともせずに次々とその持前の
スピードで回避し、突き進む。
周りに足の速さを合わせる必要のない今、
この者の本来のスピードが出ている今、
その速度は相当なものだった。
空気を切り裂くように、すいすいと人間業ではないようなほどの
身軽さと技術で先へ先へと進む。
普段から伸ばしている長い髪が、抵抗を受けてサラサラとなびく。
地面に足跡すら残さないほど軽やかに走りながらふと思いうかんだことを口にした。
「こんな本気で走るのはいつ以来かな?」
確か・・・あれがあった少し後だから、
七年ぶりぐらいになるかな・・・
「あれ」と心の中で出した時、目は他人には分からない程度に細くなっていた。
輝いていた瞳にも、うっすらと淀みが浮き出てくる。
そのことを思い出しただけで、視界がぼやけてきた。
もう気にしなくていいと言われたというのに。
「ごめんなさい」
「しつこい童は煙たがられるぞ」
「誰!?」
いや、そんなの聞かなくても口調から察するに零花様に違い無い。
大地様は宗治と闘ってるしね。
悪いけど、足止め喰らう訳にはいかないんだ。
踏み出す足に今まで以上の力を込める。
ここまで来たら痕跡を残さないよう足音や跡を残さないなんて
言っていられるわけが無い。
タンッと足元を踏みつけて伊達はその姿を消した。
またしても七年ぶり、超速戦闘だ。
そんなにも歳月が経っているというのに、腕は一切衰えていない。
ただでさえ、超速戦闘の名手の娘であるということと、
幼くしてそれを開いた天才だということを暗示していた。
もはや奥義は体に、遺伝子に沁みついている。
「どう?久々の私の超速戦闘は?」
足跡代わりに地に落ちた木の葉を蹴りあげ、
凄まじいスピードで麓へと、突進するような速さで
斜面を駆け降りる。
一つの葉の塊が宙に浮いたかと思うと
道しるべを示すように一瞬にして百メートルほどその光景が並んだ。
「中々、と言ったところかの?」
その後を尾けるように零花も超速戦闘で後を追う。
木の葉の塊が、二つずつ交錯する。
「やっぱり当主様は速いね」
「もっと速いやつがおるわい」
「紫表君ね?」
「もう一人おる」
「お母さん?」
「もう一人おる」
そんな速さだというのに舌をかむことなく悠々と会話をする。
さっきから、二人の差は縮まっていない。
「気になるな—、誰?」
「逃げおおせたら教えてやろう」
「そっか、じゃあ当主様は手ぇ抜かないでね、私も本気で行くから」
伊達の目の色が変わる。
さっきの感傷的なものでもなく、それまでの遊びを楽しむような目でもない。
勝負を、試合を楽しんでいる目だ。
おそらく体育祭みたいな感覚だろう。
好戦的な野生の目、それを見ることができたのはたった一瞬だった。
気付いた時にはもう大分遠くまで行っていたから。
「本気などさっきから出しておったわ。
あやつはいつ本気を出したら自分自身が紫表より速いことに気づくんじゃ」
ついに伊達は自分の心眼の可視距離から外に出た。
「末恐ろしい二人じゃ。基裏もそうじゃがな」
続く
_______________________________________
紫表「やっと帰ってこれた」
代介「お疲れ、筋肉痛なら休んでたら良かったのに」
紫表「言った筈だ言った筈だ言った筈だ言った筈だ言った筈だ言った筈だ言った筈だ
言った筈だ言った筈だ言った筈だ言った筈だ言った筈だ言った筈だ言った筈だ
言った筈だ言った筈だ言った筈だ・・・・・・・」
- Re: リバーシブル ( No.67 )
- 日時: 2011/06/23 20:22
- 名前: 北野(仮名) (ID: 7BFkVMAM)
=第五十五話=決着(4)
「御到着っと。当主様はいい感じに捲けたかな?」
伊達家の目の前にたどり着いた伊達は、ゆっくりと門に
近づいていった。
一人じゃ中々開けられないほど大きく、巨大な木製の
外から考えて、手前側に引き開ける門。
昔から思っていたことをはっきりと言おう。
デカすぎ、無駄に。
「さ・て・と、右下だったよなー」
真ん中に立って余裕そうに、ほんの数秒見上げていたが、
すぐに視線を落として右側を向いた。
そこには、ガムテープでプラスチックの板が張り付けられていた。
それに手を掛けようとしたしたその時、
「あれ?何してんすか先輩?」
声をした方向に振りかえる。
まず目に映ったのは大きなアルミのような金属が外装になっている
一つの直方体。
でっかいクーラーボックスみたいだ。
中から魚の放つ特有の生臭いような潮の匂いが漂ってきている。
どうやって運んだのか考えながらその容器の下方を見た。
大きい車輪が付いている。
確かにこれなら重くても運べるだろう。
運んでいたのは二人の後輩。
「何って・・・答えが分かったからここに来たのよ」
「え?分かったの?(うわ〜絶対ウソだ〜)」
あからさまに嫌そうというか信用していないというか
ムカつく目でこっちを見てきた。
こいつはいつになったら自分を先輩だと思うんだ?
()の中の心の声だって聞こえてるんだからな!
胸のうちで愚痴愚痴と呟きながら、目の前にいる代介を睨んだ。
っていうか・・・
「紫表君・・・体、だいじょ・・」
「大丈夫に見えているならあなたは眼科か脳外科に行った方がいい」
ダメだ、生気がない。
今にも倒れそうな目をしている。
普段ちゃんと敬語使ってんのに面影がない。
ストレスの塊だ。
足震えてるし、腕も重たそうだ。
「いや、休んどけって言ったのにどうしてもって・・」
「死ね消えろ果てろ帰れ還れ最低人間引きずりまわし鬼畜外道」
一体何があったのであろうか?
最早紫表が紫表ではない。
おそらく代介が事情を話さず連れて行って結果的にこうなったのであろう。
「何がそれに入ってるの?」
「クエ」
「何を?」
「『食え』じゃなくて『クエ』だっつの(バッカじゃないのー?)」
「紫表君、こいつ殴っていい?」
「俺にやらせて下さい」
「筋肉痛が何を言うか(出来るわきゃねーだろ)」
だったらなんで引きずりまわしたんだ、紫表の泣き寝入りの文句が
聞こえてきたような気がした。
っていうかこいつちょいちょい心の声を入れるのなんとかしてくれないかな?
超ムカつくんですけど。
〜♪〜♪〜♪
ポケットに入れていたケータイが鳴った。
着信音から考えておそらくメールだろう。
アドレスを調べると、沙羅のパソコンからだった。
題名は「代介に見せて下さい」だった。
正直手渡したくないが、渡すしかないだろう。
「代介、これ読んで」
そして代介に、メールを読ませた。
「はーい、先輩失格〜」
それを見た瞬間、心底嬉しそうに笑った。
「はあ!?なんでよ!?」
貸したケータイを代介からひったくった。
そこに映っていたのは短い文章と一枚の画像。
まず文章から、
—————こんなのが見つかったけど・・・どうする?
そして次に画像だ。
そこに映っていたのはさっきまで宗治と健史が
波や天、爽と対決していた場所だ。
ただ一つ違うのは・・・
「なんで看板が灰になってんのよ!」
自分たちがいた時にはまだあった看板、
それが、真っ黒に燃え尽きていた。
「白々しいな、白状しようぜ、せ・ん・ぱ・い」
最高に嫌味ったらしく代介は先輩と言った。
「待って!これは私じゃ・・」
「知りませんよそんなこと。ヒント燃えたらあんたら敗退。
始まる前にあんたらOKしたっしょ」
そんなこんなでCチーム失格
続く
- Re: リバーシブル ( No.68 )
- 日時: 2011/06/25 21:31
- 名前: 北野(仮名) (ID: /fPmgxgE)
=第五十六話=決着(5)
伊達たちのチーム脱落、さて優勝は誰の手に?
◆◆◆
「さてと、そろそろ本気出しますか」
沙羅が背中に担いでいるリュックサックから愛用のノートパソコンを取りだした。
そして、カタカタと次々に、流れるようにキーボードを叩いていく。
0と1だけが大量に羅列していたり、変なアルファベットが洪水にように
流れ出てきて、画面内を埋め尽くす。
つい一昨日の、GCOSIQを解いた時のことを思い出す。
あの時も、こんな感じで画面上を文字が走っていた。
パソコンに向かっている時の沙羅の目はいつも真剣だ。
大切な人と一緒にいるように楽しそうでもあり、
誇りを持って取り組んでいるようにも見える。
だからこそたまに思う、一体この技術をどこで手に入れたのであろうかと。
こんなものは、独学でなんとかなるようなものではない。
まるで、プログラマーか本物のハッカーに習ったような腕前だ。
「で、一体何作ってんだ?」
「短期間&効果時間の短いコンピューターウイルス。これでGCOSIQの
元締めのサーバーにアクセス、そこのプログラムを利用して
答えを出してもらいます。
大丈夫、基裏ちゃんが簡単に作ったと言ってたんで
効果は一秒あれば充分だと思います。
後十五秒で作ります!だから、邪魔しないでくださいね」
得物を見つけた鷹の様に、目はカッと見開かれた。
キーを叩く指のスピードがさらに上がる。
邪魔をするどころか、そんなことをすることすら
考えさせないような気迫と雰囲気がそこには漂っていた。
何かの職人の技の様に、素早くミスの無い正確な技術、
多分こんなことを自分がしたら指が上手く動かないだろうな、と
治が思ったそのとき、
「出来ました、アクセス履歴があるんで速攻で片付けます」
そう、沙羅が言った五秒後には答えは画面上に出ていた。
“もんのみぎした”
詳しい解説も下に出ていたがそんなのは後だ。
二股に分かれた川の岸から、伊達家に向かって進み始めた。
###
「地味に・・・重いな」
その頃紫表、代介、基裏、伊達はクソ重いクエと格闘していた。
クエは知っての通り、バカでかい魚である。
だから当然のごとく超重い。
30キロとかあんじゃねーの?って感じ。多分もっとある。
だって四人がかりでも結構キツイから。
「とりあえず台所まで持ってくぞ。そしたらおろせる」
「なんでそんなに余裕なんだお前は?」
「何言ってんだ、お前も普段なら楽勝だろ?」
「まあ・・・ねえ・・・」
「てかな、このクエの半分ぐらいの重さのあのクーラーを倉庫から
一人で引っ張り出したんだからな、俺は」
「いいから早く運ぼうよ」
このままでは会話が終わらず、立ち止まったままだ、
そう思った基裏は、紫表と代介にさっさと進むように促した。
%%%
「よし、ようやく見えてきたぞ」
小島が二百メートルほど先に見えた伊達家を指差した。
もうすでに日は落ちかけている。
西の空を、雲を鮮やかに太陽は赤く照らしている。
そのところどころに黒い鳥が点々と飛んでいる。
「もう夕方かあ」
疲れたように治はため息をついた。
今日はずっと歩きっぱなしだったから無理もない。
多分明日は筋肉痛だと思う。
棒のような足を引きずってようやく門の目の前に着いた。
赤い光を受けて、プラスチックに包まれた何かが輝いている。
「あれだ!」
沙羅がそれを見つけ、駆け寄ろうとしたその時、
「ん?何これー?」
突如中から出てきた少女がそれを拾い上げた。
それと共に代介も中から出てきた。
「弓のにーちゃん、これ何?」
「あー、それを最初に見つけた人が勝ちって遊びやってたんだ」
「じゃあ私の勝ち?」
「・・・もうこの際面倒くさいからそれでいっか」
「やったね、鈴未の勝ちー」
優勝者はまさかの人でした・・・・・・
続く
________________________________________
負け犬の遠吠えコーナー
治&小島&沙羅「なんでだよ!!!!」
______________________________________
作者の独り言
GW編早く終わらないかな・・・
- Re: リバーシブル ( No.69 )
- 日時: 2011/06/27 20:58
- 名前: 北野(仮名) (ID: ZEjsU2TR)
=第五十七話=やっと五日目だねー
四日目のイベント、宝探し大会の終わった後に
紫表と代介が苦労して持って帰った巨大魚で、バトル復活のセレモニーが行われた。
まあ馬鹿みたいにはしゃぎ倒すだけの宴会同然のものだが
とある兄妹の気分は最悪だった。
「また筋肉痛かよ・・・・・」
「正直闘いつかれた・・・・・・」
浮かれ騒ぐみんなをしり目に平和主義(?)の二人のトーンは
凄まじかった。
正直これには何の意味も無いので省かせていただきます。
その次の日の話だ。
次にこの七人組を襲う事件の片鱗が見え始めたのは・・・
鶏が快く鳴く声が聞こえる。
障子からうっすらと目元に差し込む光がまぶしい。
和紙越しとはいえ、日光が当たっているので
春の陽気から夏の暑さへとシフトチェンジしていく
微妙に暖かい気温に起こされた。
眠気を覚ますために、まず上半身を起こして
両腕をぐっと上方に上げた。
眠たそうに片目をつぶり、思いっきり両腕をさらに持ち上げて
背筋を伸ばして伸びをする。
調度いい、そう思ったタイミングでパッと組んでいた指を解き、
左右に別れさせるようにして勢い良く体の両脇に下ろした。
なおも頭の中にこびりつくわずかな眠気を振りはらおうと、
首を左右に軽く振った。
やや寝ぐせの付いた、女子としては長くも短くもない
標準ぐらいの長さの髪も、その動きに合わせてサラサラと動く。
鞄から櫛と手鏡を取り出してそのやや寝ぐせの付いた髪を解き始めた。
昔から、髪質がいいといろんな人から言われている自慢のそれは
櫛の動きに合わせてスッときれいに整っていく。
最後に、お気に入りの髪ゴムできちんと整えて寝起きの支度は
大体完了した。
「何かメール来てるかな?」
リュックサックの中に大切そうにしまってある
一つのクッション性を持った袋状の入れ物を取りだした。
その中からさらに黒い立体を取り出す。
畳の上にそれを置いて、ゆっくりと開き電源を入れた。
多少日が射しているとはいえ、電気を付けていない上、
窓も大概雨戸ごと閉め切っているのでやや薄暗くなっているその場で
画面から漏れ出る光はぼぉっと薄暗く沙羅の顔を照らした。
「ん?同じ班の人からだ」
カチッとその新しく届いたメールを右クリックした。
『どうしよう!ヤバいって!うちらだけだよまだ何もやること決まってないの!
代介にも伝えて!文化祭で何かやるか意見あるか聞いて!
そして沙羅も考えて!これクラスのみんなに送ったから』
これを見て、今まで全く覚えていなかった学校行事を思い出した。
「一ヶ月後文化祭じゃん!」
ヤバいよ、何も考えてないよ。
代介代介・・・起きてる訳ないよ!
あいつ早寝遅起きだから・・・
私自身何も考えてないし、どーすんの!?
そんな風に沙羅がバタバタ騒いでいたときのことである。
伊達はその騒音に起こされた。
「大変そうだね?どったの?」
半開きの目をゴシゴシと擦って目を覚まそうとする。
伊達の髪には自分と違い寝ぐせ一つ付いていない。
「文化祭が・・・文化祭がああぁぁぁああああぁああああ!!!」
そーいやそんなんもあったねー、と後輩の問題を
ぞんざいに扱いながらようやく目を覚ました。
「二年は全クラス合唱で三年は劇。一年はなんでもできるからしっかり楽しみな」
それだけ言うと伊達はすぐさま着替えをしようと、タンスに向かった。
その様子を見て途方に暮れた沙羅はふともう一通のメールに気付いた。
なんか良く分からない迷惑メールの類だった。
だがなぜか見たいという好奇心に駆られ、開いてみた。
<奇跡のナノテクノロジーをあなたに!>
文章の出だしは、赤や黄色で派手に彩られたそんなでっかいタイトルだった。
沙羅は、うわぁ〜と目をちかちかさせながらも下に画面をスクロールした。
そこには、長ったらしい文章が書かれていた。
『某有名株式会社、日参が車と並行して研究、創作していた
ナノマシンという機械がついに三日前誕生しました!
そのサンプルを七名にだけプレゼント!詳しくは・・・』
そこまで読んですぐさまこのメールを削除した。
まず、内容が怪しい。
そんなものが出来たのなら昨日にでもとっくにニュースになってるはずだ。
ついでに七つもそんな高そうなものを配るのがおかしい。
—————てかそれ以前に私パソコン以外の機械に興味無いし
実際そんな沙羅だから、中学生になってケータイでもいるか?と
親から聞かれた時に、パソコンあるからいらないと返したほどである。
「それより文化祭だよ、どーしよー」
場所は移り、薄暗い場所で。
数人の人間がヒソヒソと話していた。
「日陰で過ごすのももう終わりだ」
「この呪術で全ては変わる」
「あの人から受け継がれたこの力」
「今までの仕返しをしてみせよう」
「手始めは文化祭。そこで多くの生徒に逆襲する」
「今こそ、我らが力を知らしめるのだ!手始めはパズル部!」
「ああ、竜門中学オカルト研究同好会の名にかけて」
続く
______________________________________
この学校変な部活多いねぇ〜
Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19
この掲示板は過去ログ化されています。