コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- リバーシブル
- 日時: 2011/08/08 22:19
- 名前: 北野(仮名) (ID: XkXzKb57)
初めまして初投稿です
つまらないかもしれませんが暖かく見守ってください
なお、途中で作者名変わりますが気にしないで下さい。
=プロローグ=
「ねぇ、君パズル部に入らない?」
四月八日、入学式とクラブ紹介が終わった時
烏丸紫表は見知らぬ先輩に声をかけられた。
「はい?いきなり何で・・」
「いいからついてきて」
さて何が何だか分からないので朝まで戻ってみよう
〜朝8時〜
「紫表兄、早くしてよ。」
玄関のところで紫表によく似た女子が紫表を呼ぶ。
「ちょっと待ってくれ、基裏」
紫表が慌てて準備する。
「入学式に遅刻なんて洒落になんないよ」
「OK準備できた、行ってきます」
そういって二人は家を出た。
家の前には一人の男子がいた
「紫表、さっさと行くぜ」
白谷治、紫表の一番の友人で、医者志望
そして・・・ナルシスト。
学校につくとクラス発表をしていた。
「三人とも同じクラスか」
うれしそうに紫表がつぶやいた。
「おい、入学式始まるぞ」
治にうながされて、三人は体育館へ向かった。
〜そして今〜
「ちょっと・・・放してください!!」
二年の女子に引きずられる一年男子。なんとも哀れな光景である。
「おっ、紫表・・・お前何して・・」
「おひとり様追加です」
しゃべる治の声を遮って無理やり連れて行く
目の前に基裏も現れた。
「二人とも何してん・・」
「君も来な」
そうして、犠牲者がもう一人増えた
=5分後=
「ここがうちの部室だよ」
中には一人の三年生がいた。
「ようこそ、竜門中学パズル部へ」
「勝手に連れてきて何いってるんですか」
三人を代表して基裏が言葉を返す。
「伊達ぇ・・・」
無理に連れてくんなと言ったろ、そう言って悪の根源をしかっている。
「まぁいい、部長の小島早太だ。よろしく」
「伊達美千流です。よろしく」
とりあえず、俺達が思ったことは
面倒臭いことになったな、ということだ。
「いいですよ」
「は?」
いきなりの紫表の言葉に小島が動揺する。
「面倒くさいからここに入部するって言ったんです」
「紫表兄入るの?じゃあ、あたしも入る」
「じゃ、ノリでおれも」
そういうことで三人ともここに入ることになった。
_______________________________________________
崎野手事件 バッグ事件
>>2 >>4 >>6 >>7
ドンマイ、先生たち
>>8 >>9 >>10 >>11
伊達家でかっ!
>>12 >>13 >>14 >>15 >>16
脱線!でも一番力入れました
>>17 >>19 >>20 >>21 >>22 >>23 >>24 >>25 >>26
>>27 >>28 >>29 >>30 >>31 >>32 >>33 >>34 >>35
>>36 >>37 >>38
熊の怖さとヒマ人のうざさ
>>39 >>40 >>41 >>44 >>45 >>46 >>47 >>48
昔話(回想)
>>49 >>50 >>51 >>52
みんなで遊ぼう(バトル復活)
>>53 >>54 >>55 >>56 >>57 >>59 >>60 >>61-68
文化祭直前事件
>>69-77
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- Re: リバーシブル ( No.60 )
- 日時: 2011/06/13 18:25
- 名前: 北野(仮名) (ID: XK5.a9Bm)
第四十八話 ヒント争奪戦
「・・・何すかこれ?」
山道を歩いて進んで来た小島さん一行は罠にかかりながらもめげずに
上から見た人という名の清流にたどりついた。
だがそこでは奇妙な光景が展開されていた。
ヒントを見せまいと、必死で守る健史、
絶対に見てやろうと息巻いている波、天、爽の三人組だ。
河原で転げまわっているのであちこち打っているし、
擦り傷もできている。
孤軍奮闘して一番頑張っている健史くんに至っては
もうすでに服もボロボロだ。
やっぱり武将の子孫だなーと思うことはみながみな
竹刀を持って戦っていることだ。
でもね、私有地以外で木刀や竹刀を振り回すと
銃刀法違反で逮捕される可能性があるよ。
たとえ事情を説明したとしても遊びの許容量を超えていると
お叱りを受けること間違いないよ!
ん?木刀・・・
〜〜〜
「ハックショん!」
「人にうるさいって言ったのに自分もくしゃみしてんじゃねーか」
「余計なお世話だ・・っくしょーいっ!」
「こいつマジで風邪引いてんじゃね?」
〜〜〜
「うわっ!」
さすが!容赦の無い一撃。
一瞬の隙を突いて健史は爽を蹴り飛ばした。
またしても小石の絨毯を転げ回り傷を増やす。
どんだけ夢中なの?Mなの?と軽く聞いてみたい。
「Mじゃないよ。あいつはただの変態」
爽同様に健史に吹っ飛ばされた天がまだ言葉にしていない
治の疑問に答えた。
「お前もそのタイプかよ」
ここに来てまだ治のテンションはダダ下がりする。
一番向こうでまともそうな人間はまたしても
天の声に干渉するタイプだったの・・
「どういうタイプよ」
「人の内話文遮らないで。いやー要するに人の心が読めるたい・・」
「んなもんできる訳ないっしょ」
バッカじゃないの?
虫を見るような目で天は治を睨んだ。
これを聞いたとき、若干治の気分は元に戻った。
しかし、なぜ質問に答えたかが腑に落ちな・・
「あいつを見たらそう聞くに決まってんのよ」
「分かった!お前は一般人だ!早く竹刀をどけて!」
イラつきが頂点に達し続けている天は
さっきからずっと治の脳天に竹の剣を振り下ろす
用意をしていた。
「何命令してんのよ」
バシッ!
「あ痛ぁっ!」
あの野郎、人が頼んでんのに
ぶん殴りやがって・・・
「誰に?」
「会いたいじゃねえよ!あ、痛い!だよ。バァァァァァァカ」
スパアンッ!
「痛い!」
くっ、容赦のない二発目。
だがここで負ける訳には・・
「五月蠅いのよ!」
「誰が五月蠅くさせてんだよ!そして分かったお前は人の言うことを遮るたい・・」
「うざったいわねえ」
さっきまで片手で持っていた竹刀を今度は両手で持った。
そして自分自身の頭上にゆっくりと持ち上げた。
「伊達流剣術基礎ノ型兜割」
「タンマタンマタンマタンマァッ!!」
鬼!鬼神!悪魔!極悪非道としか言いようが無い!
ここでおれはやられてしまうのか!?
「いーけないんだいけないんだ当主様に言っちゃお〜」
「・・・何の用?波」
いつの間にか波というもう一人の女子もやって来ている。
もしかして他人に暴力を奮うなと言いに・・
「さぼっちゃダメだよ!」
「そっちかよ!」
あっ!つい反射的に言ってしまった。
もしこいつが天と同じタイプだったら・・・・・
「それ以外になーいでしょー」
「OKお前は頭が春なんだな」
要するにただのスットコドッコイ。
「天、サボったら雷様がおへそを撮っていくよー」
「それは最早犯罪者だ」
「なんでー?分かんなーい」
「撮ったらストーカーでしょ」
「あっ、ホントだ!録らないと!」
「より悪質になってる・・・」
撮るは写真で録るはビデオ的なものです。
明らかに両方犯罪だが。
いやあー、打ち間違いっていいっすねー
勝手にネタになってくれる。
っていうかそれ以前に・・・
「お前らそれ何歳児の脅し文句だよ・・・」
「一億万歳!」
「一億万なんてねーよ」
まじでこいつ頭大丈夫かな?
「違うわよ。波はこの前宝くじ当たった人をドラマで見て一億円万歳って言ってるのよ」
「いや、でも会話内容と合わな・・」
「この子にまともな会話ができると?」
結論、波と天と付き合うには熟練の技が必要。
_________________________________________
紫表「なあ、代介。俺もう帰って・・」
代介「ダメ」
紫表「なんでだよ!ってか最後までいわせ・・」
代介「ダメ」
紫表「ちょっと俺筋肉痛なんでけ・・」
代介「ダメ」
紫表「腹減ったー。なんか食いに・・」
代介「アメ」
紫表「飴玉なんかいるかぁっ!てかここ・・」
代介「クエ」
紫表「なぜ片言!?少しはまともに・・」
代介「着いた」
目の前に広がるのはとっても大きい漁港。
代介「お使い〜クエ買ってこいやー」
紫表「クエってそういうこと!?」
代介「話聞いてなかったのか?」
紫表「言わなかったろ?」
代介「言いました。土下座してる時に(爆笑中)」
紫表「お、覚えとけ!」
代介「ハハ、主役がザコ敵のようだ」
続く
- Re: リバーシブル ( No.61 )
- 日時: 2011/06/14 21:28
- 名前: 北野(仮名) (ID: upXvIKCB)
- 参照: 決めた。笑いは捨てる。戦闘を取り戻す。
=第四十九話=最早大戦争
「らぁっ!」
爽が竹刀を健史に向けて振り下ろす。
風を切り、空を裂いてその顔面へと襲いかかる。
顔のど真ん中を捕えようとしたその時、
健史が爽の手を竹刀で弾いた。
突然走る痛みに驚き、顔をしかめ後一歩のところで
攻撃を中断する。
爽の手が止まり隙が出来た瞬間に健史は攻撃に出た。
弾かれた方の手の痛みを紛らわせるために
プラプラと振っていたので
竹刀は片方の手でしか持っていなかった。
その不安定になっている刀身に健史も自分自身の
竹刀の刀身をぶつけた。
ミシミシと悲鳴を上げ、爽の竹刀は湾曲する。
完全に折れて使い物にならなくなる前に
爽の腕の方が耐えられず、そのまま空中に投げだしてしまった。
くるくると回転し、地面に着地する。
カラカラと小石と共に愉快な音を奏でて竹刀は爽の
手元から離れていった。
「はあぁっ!」
健史は野球選手がするように思いっきり
バットの代わりに手に持っている竹の刀を振りかぶった。
一旦武器を取り戻そうとバックステップをした
爽と一瞬で間合いを詰める。
そして、地面と水平になるように一直線に
竹刀を振りぬいた。
インパクトの瞬間、少しでも衝撃を減らすため
衣服を纏っている腕をクロスさせて防御する。
さらに威力を減らすために全力で後ろに飛ぶことで
相対速度を減らし、勢いを殺そうとする。
それでもなお、そこそこの威力な上、
ジャンプしてしまった以上、地に足をつけている時と
比べて軽々と吹っ飛んでしまうことにより、
戦闘能力抜群の健史の一撃に楽々と投げられてしまった。
爽が空中で半回転する。
一旦そこで回転は止まったが、勢いをつけて
爽はさらに半回転した。
ドッパアぁんッ!!
川に叩きつけられた爽が巨大な水しぶきを上げる。
爽は石の敷き詰められた地面ではなく
川の水をクッションとするためにやや勢いをつけて
後ろに跳んだのだ。
しかも、着水の瞬間きれいに受け身までとって。
はっきり言ってこの一撃は表面上は成功したが、
実際の爽へのダメージはあまり無かった。
ビシャビシャと舞い上がった水は石の床の上に散布する。
そして、びしょ濡れになったこと以外は何も無かったかのように
ゆっくりと水面から爽は現れた。
「化け物かこいつは・・・」
悔しそうに健史はチラとさっき弾きとばした竹刀を見る。
まだ竹刀に人が近づく気配は無い。
今の内に武器を取り戻される前に自分が回収しておこうと
それの下へと駆けだした。
だが、そこに一人の障害が立ち塞がった。
「爽が打たれ強いのは当たり前よ。しょっちゅう私に殴られてるから」
普通のものより少し短く、質量も小さく振りまわしやすい
自分専用の竹刀を持って天が健史を突破しようと出てきた。
正直威力だけなら健史自身より天の方が強い。
剣自体の重量が小さい分と自分の筋力の無さを
振りおろすスピードで補助している。
今基裏を除いて最も超速戦闘に近いのは天のはずだ。
「閃遁!」
超速戦闘の弟分のような技、閃遁。
特殊なステップを踏むことで通常の何倍もの速力で移動できる。
ただし、超速戦闘とは違い、莫大な体力を必要とする。
だが、すでに大分近づいていたので、
それほど多くの力は必要としなかった。
三メートル程度の間合いを0.1秒で詰められる。
そんな短い時間で反応できるほど人間は
反射神経は凄くない。
簡単に懐に入ることを許してしまった。
容赦の無い一閃の斬撃が健史の左腕を狙う。
ただでさえ自分のすぐ傍までの侵入を許してしまった以上
これ以上下手を踏む訳にはいかない。
ギリギリ二の腕を掠めるような感覚でなんとか一撃を回避する。
その時若干着ている服が切り裂かれる。
まじで竹刀かどうか聞きたくなる。
その時に健史は少しバランスを崩してしまった。
その偶然出来た隙を見逃さず、チャンスに変えるため、
天は、さっき攻撃に失敗した刀を今度は顔を狙って振り上げようとした。
しかし、健史はその場に転倒することもいとわずに
ほんの少しだけ地についている足をぐっと浮かせて
不安定な状態で蹴りを放った。
天の竹刀を持っている方の腕にミシミシと食い込み
爽と同様に吹っ飛ばした。
爽のような身軽さの無い天は空中で勢いを追加するなんて器用な真似は出来ない。
石の絨毯に叩きつけられそうになった天は
凄まじいスピードで地面に剣を叩きつけた。
その一撃の威力は自身が床に打たれるそれよりも大きく、
その衝撃をほとんど無効化した。
そして、そのえげつない打撃で、陥没したそこに着地した。
「お前も化け物か・・・」
「あんな適当な蹴りで人を軽々と吹っ飛ばすのもどうかな?」
「違いない」
闘いはさらに激化していった。
________________________________________
紫表「なんでクエなんて必要なんだよ?」
代介「セレモニーのため」
紫表「なんの儀式だよ・・・」
代介「作者の笑い取ること諦めた記念」
紫表「っへえ・・・そうか。その方が無茶ぶりへるからいいや!」
代介「そして作者は謎ときに戻したいと思っている」
紫表「別にいいよ」
代介「当初の予定を変えてな」
紫表「!?」
代介「バトル予定より早く復活」
紫表「待て!俺まだ筋肉つ・・」
代介「最初の方はそんな強くないらしいから!大丈夫!」
紫表「なんでお前は楽しそうなんだ!?」
代介「元々戦闘狂ですけど何か?」
紫表「すいませんした・・・」
- Re: リバーシブル ( No.62 )
- 日時: 2011/06/15 22:11
- 名前: 北野(仮名) (ID: .Sn.90J4)
- 参照: 脱線じゃない。本筋に戻ったんだ。
=第五十話=予想外な人物が・・・
ドゴッ!
振り回している物が竹刀だと信じられないほど
凄まじい一撃が地面をえぐる。
威力こそ中々のものだが、速力は大してない。
閃遁を使われない限り大概の攻撃には全て健史は反応出来た。
なんだかんだ言って女子の天はほとんどスタミナが尽きかけている。
閃遁どころか竹刀を振り上げるだけでやっとだ。
動きの精彩は欠け、振り下ろした剣もフラフラと頼りない。
額に汗が浮き、べったりとその長めの前髪を貼りつけていた。
視界を遮るその鬱陶しい前髪を片手で払いながら
川へと駆けだした。
「何をするつもりだ?」
ジャブジャブと水面を踏みつけ膝が浸かるぐらいの
深さのところまで走って行った後、ほんの少しの間だけ
動きをぴたっと止めた。
チャプンと綺麗な音を立て、流水に剣の切っ先を入れた。
ゆっくりとその剣を右側にスライドさせる。
竹刀が天にとって完全に真横に来た時、
天の方から攻撃を仕掛けた。
反動を付けてその場で大きく、そして素早く回転する。
自身の回転と共に切っ先は水を強くかき混ぜる。
あまりの衝撃に白い泡が生じ、それにより濁った水は
竹刀に絡みつき、それが振り上げられた時
巻き上げられ、一筋の刃と化して真っ直ぐに健史に突っ込んでいった。
「水刃!」
一般人よりかは遥に優れた動体視力や反射能力を持つ健史でも
ギリギリ反応できるかできないか、それほどのスピードで
透明な刀は襲いかかって来た。
横に長くやや角度をつけて飛んで来ているので、
しゃがむより他に回避する方法が無い。
意識するよりも早く、自分の本能でそのように回避する。
頭上を通り越える時、チュンという甲高い呟きが聞こえた。
ふと気付くと目の前をパラパラと黒い繊維状のものが舞い散っている。
途端に腕に針で刺されたような小さい痛みが走る。
完全に回避したつもりだったが避けきれていなかったらしく、
とても小さい三センチ程度の浅い切り傷ができていた。
その皮が浮き、白く見える筋からはやや淀んだ
紅い液体がうっすらと滲み出ていた。
「波!チェンジ!」
気付いたときにはもうすでに天の姿は無かった。
その代わりに現れたのは頭の軽そうな印象を放つ女子。
ああいう頭が少しおかしいタイプは苦手なんだよな。
それだけ考えて竹刀の柄をぎゅっと強く握りなおした。
三対一って今さらながら不利だよなあ。
後悔するのが大分遅かった健史は完全に相手を嘗めていた。
だが、それはかなりの間違いだった。
「まかせろ、天!手負いだったら私でもいけるさ!」
「甘く見てくれてんじゃん」
コロコロと竹刀の先端で踏み出す位置の小石をどける。
今、一歩踏み出して間合いを詰めようとしたそのとき、まさかの出来事が起きた。
波の姿がフッと霧のように消える。
気付いた時にはもう後ろに回り込まれていた。
実際我が目で確認した訳ではない。
だが、いきなり消えた姿と背後に出現した圧倒的な存在感。
それらを繋ぎ合わせると、信じられなくてもそれしか思い浮かばない。
背中から胸にかけて重い衝撃が突き抜ける。
ただでさえ痛手を負っていた健史にとってこれはすぐさま体力を奪った。
その威力に圧され、為すがままに前方へと倒れ、転がりそうになる。
とっさに前転して体全体に衝撃を分散させてダメージを軽減させた。
一回転した後、即座に地に足を付ける。
そのまま敵を見据えるため体を捻って横向きに回転した。
ジャラジャラジャラっ!と下に散らばる石を巻き込んで
靴と地面との摩擦で吹っ飛ばされる勢いを殺した。
今の一撃はかなり効いた。
おそらく服を脱いだら青い痣ができていると思う。
少し集中を緩めると意識が飛んでしまいそうなほど、
体中の力という力を奪われた。
目の上の肉が重く感じられる。
指の関節が鉄のようだ。
息は辛く肺は焼けるように熱い。
「閃瞬光迅(せんしゅんこうじん)か・・・」
閃瞬光迅、閃遁の応用技。
特殊なステップを必要とする点は同じだが、
こちら側のステップは力よりも技術を必要とする。
習得までには時間がかかるが、一度覚えると閃遁より便利。
ただ、一つだけ補足すると、どちらも速力は
超速戦闘の足元にも及ばないということだけだ。
それほどまでに奥義とは圧倒的存在、そしてそれを信じられない速さで
開花させた美千流と紫表は天才と言わざるを得ない。
「ギブアップする?」
「するわけ・・」
「健史、選手交代だ」
いきなりそこに姿を現したのは宗治。
「続きは俺がやる。休んでてくれ」
続きましょう
_________________________________________
紫表「一つ質問がある」
代介「何だ?」
紫表「俺が付いてきた意味は?」
代介「俺一人だと何かと不安だろ?問題起こしそうで」
紫表「自分で言うか?普通」
代介「その辺の自覚はちゃんとあるよ」
紫表「ところでどうやって持って帰る?」
代介「車輪付きクーラーボックス」
紫表「あれ?意外にまともだったな」
代介「二人がかりで押さないと動かんがな!」
紫表「それって当然俺も・・・」
代介「あ、おじさんここ入れて」
紫表「あの俺筋肉つ・・」
代介「あざーす。そら行くぞ。てか帰るぞ」
紫表「マジ?」
- Re: リバーシブル ( No.63 )
- 日時: 2011/06/18 21:37
- 名前: 北野(仮名) (ID: YA8nu/PY)
=第五十一話=ところであの人たちは・・・
その頃、今まで全く出てきていないEチームの猛、海淵、伸治の
三人は他の人に紛れて着々とヒントを集めていたのだった。
だが、そこに一つの壁が立ちふさがった。
「ヒントは集まったけど、分っかんねえっ!」
なんとヒントは全て集まっている。
だが、脳力的に決定打に欠けるこのチームは
全く暗号が解けないのであった・・・・・
「はっ!」
河原での闘いはまだ続いていた。
閃瞬光迅を使いこなし、猛スピードで宗治に攻撃するが、
波は一切傷を付けることができないでいる。
それどころか、段々と動きを捕えられるようになってきてしまった。
どれだけ本気でステップを踏もうと、
背後から襲撃しようとことごとく回避される。
これではまるで・・・
「解せないか?」
大学で剣道部に入っている宗治は、
普段から剣を振るっている健史並みに竹刀は扱いなれていた。
しかも、ただ振り回して闘う健史とは違い、
剣技と言うに相応しい華麗な立ち回りと技術。
戦闘と呼ぶよりも芸術。
師から受け継がれた剣技には、ただ力任せに振り回すのではない
圧倒的な強さがあった。
だが、それにしてもこの動きは出来過ぎだ。
一体どういう・・・
「教えてやるよ。俺んちは昔、超が着くほどのド田舎に
あってよう、学校行くたびにいちいち森を抜けないといけなかった」
宗治が、自分の身の上について語り始めた時、
またしても、波は超スピードでスゥッと姿をくらませた。
シュンシュンと、風を切って駆ける音が耳に入る。
「だけどそこは薄暗くてな、慣れるまでは簡単に歩けねえ」
波が地面を踏むたびにその踏みつけた地面が軋み、
砂が舞い上がり、石が飛び散る。
その荒らされた後は宗治を中心にきれいな真円を描いていた。
突如砂の舞い散るペースが上がる。
「そんな環境で育ったせいだ、嫌でも開いちまった」
波のスピードはまだまだ加速する。
さっきよりも今の方が、今よりも一秒後の方が、
刻一刻と時が進むにつれて少しずつ、確実にフルスピードまで近づいていく。
そして、そのスピードが最高潮に達した瞬間に
ようやく波は動いた。
今まで、タンタンと軽く地を蹴るようにしていたのに対し、
じゃりじゃりと砂を蹂躙し、重く地面を蹴り飛ばした。
最大威力で突っ込むための最後の加速、
完全に宗治の死角、背後に位置したその瞬間に
構えを取り、一気に踏み出したのだ。
まだ宗治は前を向いている。
反応するどころか自分の姿は見られていない。
これならいける、そう思い、両肘を曲げて
頭上に大きく振りかぶった。
「心眼がな」
前を向いて、剣先を地面に押し当てるような構えを取っていた
宗治は、さきほど天が水を巻き上げたときのように
素早く半回転する。
回転と共に真上に竹刀を振り上げる。
二つの動きを同時に行っているので、
実質上は斜めに高速で剣を振り上げるような形になった。
超高速で振り下ろされる波の竹刀の刀身に
宗治が自分の竹刀の刀身をぶつける。
お互いの武器同士がぶつかり、動きを止めた瞬間に
この二人の実力は同じのようだと、そこにいた全員が思った。
だが、片方の人間は全員が思っているよりかは強かったのだ。
波が動きを止めたのは剣撃をぶつけあったその刹那だけではなかった。
正確には体全体が動かない訳ではない。
腕だけだが、麻痺をしたようにピクリとも動かないのだ。
そのことに動揺し、関係の無いところも委縮して
さらに動きが取れなくなってしまった。
「シェイクドロップ(振動雫)」
シェイクドロップ、宗治が高校生のころ編み出した新たな型。
極微量の気を精製し、薄く薄く剣に纏わりつかせる。
斬撃の瞬間にその極微量の気を伝うように
相手の体に注ぎ込み、相手の体内の気を自分の注ぎ込んだ気で
暴走させることにより、行動の自由を奪い、動きを止める。
極微量の気のみを使うので、極微量の水である雫を名前の一部に
使っているのである。
「お休み〜」
宗治が波の肩に直接刀身を押しつけた。
そして、ぐっと気を注ぎ込んだ。
瞬く間にその気は波の全身を駆け廻り、完全に動きを止めた。
「決着だね」
続く
________________________________________
代介「そろそろ決着着きそうだな。帰るか」
紫表「お前、ちゃんと持て」
代介「そう死にそうな顔をするな。まだ行けそうじゃないか」
紫表「あとどんだけ歩くと思ってんだ?」
代介「大丈夫帰りは行きと違って電車」
紫表「なんでこんな目立つときに電車を・・・」
代介「だって疲れるじゃん」
紫表「行きはなぜ歩き?」
代介「トレーニング」
紫表「お前の個人的な理由かよ・・・・・」
- Re: リバーシブル ( No.64 )
- 日時: 2011/06/19 20:20
- 名前: 北野(仮名) (ID: YA8nu/PY)
=第五十二話=決着(1)
「さて、これで最後ね」
竹刀を振り回してコウモリの群れを蹴散らした伊達は
最後のヒントを手に入れた。
伊達は他の者にヒントを見られないよう健史を守備に配置して
自分と宗治で残りの手掛かりを探していたのだった。
途中で健史一人では大変だろうとのこりが後二つになったところで
宗治に加勢するように指示を出したのである。
「さて、みんなのところに戻ろうかしら」
波があっさり倒されてからも、相変わらず
宗治の一方的な展開であった。
例え、相手が二人がかりで襲いかかって来たとしても。
疲れ切り、手傷を負った中学生二人がいくら頑張っても
経験豊富で無傷の大学生に勝つのは不可能だった。
最終的に波がされたのと同じようにして気を注がれ、
地面に伏してしまった。
「さて、次はそっちだけど・・・」
ここで宗治はどうしようか悩むことになる。
目の前にいるのは三人の、一族ではない客人の方々。
それも、到底喧嘩すらしそうにない連中である。
手を上げるには忍びない。
かといってスルーしてヒントの情報を漏洩させる訳にも・・・
やっぱり結局の話気を注ぎ込んで動きを止めるしかない、
そういうことになる。
「んじゃ、ちょっとその辺に倒れてもらいま・・」
「ストップ!」
振り向いたとこにいたのは伊達だった。
どうやら全ての手掛かりは集めつくしたらしい。
全部のヒントを手に入れたということは今目の前にある
あれはもう守らなくてもいいということだ。
下手に手を上げずにすんだ、ラッキーと思って
集合したヒントを見た。
一通り、ヒントを横に並べてみた。
一つ目…「ト」と「た」
二つ目…「二」と「み」
三つ目…「イ」と「も」
四つ目…「ハ」と「の」
五つ目…「へ」と「し」
六つ目…「ホ」と「ぎ」
七つ目…「ロ」と「ん」
「ん?並べてみるとこれ案外楽勝じゃね?」
右から左へとズラッと並んだその七枚の紙片を見て
宗治は一瞬にして気がついた。
だって高校入ってすぐに国語でこれを少しだけ
授業でやったから。
「何になるんだ?」
傷つきボロボロになった体を引きずって
健史は休憩を止めてやって来た。
「そういやお前が言ったんだったな。これ多分並び替えだ」
一つ目のヒントを手に入れた時のことを思い出す。
たった一つでも何か分からないかと、解き方を考えた時だ。
健史は、片方の文字が順番を表し、
もう片方の文字をそれに沿って並び変えると
答えが出てくる、確かにそう言った。
「ただし今それを言う訳にはいかねえ。そこで聞かれてっからな」
親指を立ててだるそうに沙羅や治たちの方を指差した。
確かにここで聞かれると先を越されそうで危ない。
とりあえずは宗治に着いていくことにした。
「さあて、どうするよ」
三人組が行ってしまった後、波達が倒れているそばで
治、沙羅、小島は作戦を練っていた。
連中の推理が外れたらいいのだが、あっていたら負けになる。
いや、もういっそのことヤツらを失格にする方法があれば・・・
「部長ー、いい案出たんすけどー」
ありかなあ?と言いたそうな表情で小さく治が挙手した。
「何?」
「代介が言ったこと覚えてます?」
「誰に行ったことだ?」
「伊達先輩」
「えーと、ああ〜」
確かにそれはちょっと不味いな・・・
だがまあ水辺だし・・・負けるよりいっか!
続く
さて、こいつらが取る策とは一体!?
いやまあやや昔の話に答え出てるけどね!
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紫表「・・・視線が痛い」
代介「・・・・・(無言)・・・・・」
紫表「・・・生臭い」
代介「し—————ん」
紫表「お前もこっち来いよ」
代介「・・・・・(無理不可却下)・・・・・」
紫表「くそぉっ!!」
電車の中でクエを詰めたやや生臭い匂いを放つ
クーラーボックスを支える紫表。
代介はというと確かに支えてはいるが
ボックスと窓の間に位置しているので
電車内の人からは死角になっている。
これが後十五分ほど続くのであった。
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