コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- リバーシブル
- 日時: 2011/08/08 22:19
- 名前: 北野(仮名) (ID: XkXzKb57)
初めまして初投稿です
つまらないかもしれませんが暖かく見守ってください
なお、途中で作者名変わりますが気にしないで下さい。
=プロローグ=
「ねぇ、君パズル部に入らない?」
四月八日、入学式とクラブ紹介が終わった時
烏丸紫表は見知らぬ先輩に声をかけられた。
「はい?いきなり何で・・」
「いいからついてきて」
さて何が何だか分からないので朝まで戻ってみよう
〜朝8時〜
「紫表兄、早くしてよ。」
玄関のところで紫表によく似た女子が紫表を呼ぶ。
「ちょっと待ってくれ、基裏」
紫表が慌てて準備する。
「入学式に遅刻なんて洒落になんないよ」
「OK準備できた、行ってきます」
そういって二人は家を出た。
家の前には一人の男子がいた
「紫表、さっさと行くぜ」
白谷治、紫表の一番の友人で、医者志望
そして・・・ナルシスト。
学校につくとクラス発表をしていた。
「三人とも同じクラスか」
うれしそうに紫表がつぶやいた。
「おい、入学式始まるぞ」
治にうながされて、三人は体育館へ向かった。
〜そして今〜
「ちょっと・・・放してください!!」
二年の女子に引きずられる一年男子。なんとも哀れな光景である。
「おっ、紫表・・・お前何して・・」
「おひとり様追加です」
しゃべる治の声を遮って無理やり連れて行く
目の前に基裏も現れた。
「二人とも何してん・・」
「君も来な」
そうして、犠牲者がもう一人増えた
=5分後=
「ここがうちの部室だよ」
中には一人の三年生がいた。
「ようこそ、竜門中学パズル部へ」
「勝手に連れてきて何いってるんですか」
三人を代表して基裏が言葉を返す。
「伊達ぇ・・・」
無理に連れてくんなと言ったろ、そう言って悪の根源をしかっている。
「まぁいい、部長の小島早太だ。よろしく」
「伊達美千流です。よろしく」
とりあえず、俺達が思ったことは
面倒臭いことになったな、ということだ。
「いいですよ」
「は?」
いきなりの紫表の言葉に小島が動揺する。
「面倒くさいからここに入部するって言ったんです」
「紫表兄入るの?じゃあ、あたしも入る」
「じゃ、ノリでおれも」
そういうことで三人ともここに入ることになった。
_______________________________________________
崎野手事件 バッグ事件
>>2 >>4 >>6 >>7
ドンマイ、先生たち
>>8 >>9 >>10 >>11
伊達家でかっ!
>>12 >>13 >>14 >>15 >>16
脱線!でも一番力入れました
>>17 >>19 >>20 >>21 >>22 >>23 >>24 >>25 >>26
>>27 >>28 >>29 >>30 >>31 >>32 >>33 >>34 >>35
>>36 >>37 >>38
熊の怖さとヒマ人のうざさ
>>39 >>40 >>41 >>44 >>45 >>46 >>47 >>48
昔話(回想)
>>49 >>50 >>51 >>52
みんなで遊ぼう(バトル復活)
>>53 >>54 >>55 >>56 >>57 >>59 >>60 >>61-68
文化祭直前事件
>>69-77
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- Re: リバーシブル ( No.50 )
- 日時: 2011/05/12 17:45
- 名前: 北野(仮名) (ID: grnWwvpR)
=第三十九話=天才
零花様に会った俺はしばらくボゥっとしていた。
まずそもそも自分に話しかけられているとは思わなかったからだ。
返事をしないことから聞こえていないと思われたのかもう一度
声をかけてきた。
「ボクの名前は?」
暖かく、慈しみのある声だった。
確か、その声を聞いた瞬間にほんの少し気分が楽になったのを
覚えている。
幼い自分は質問されているのに無視はよくないってことで
名を名乗った。
「か・・・からす・・烏丸・・・・・紫・・・・表」
「へえ、いい名前だねぇ」
名前を伝えた後に最初に返ってきた言葉がそれだった。
その時に何を感じたのかは分からないが、
自分に、つい先ほど起きたストーリーを会ったばかりの
零花様に話すことにした。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
始まりは、道ですれ違った中学生ぐらいの人が、
五人ぐらいの集団で歩いているのを見かけたところから始まった。
おそらく、その日の授業の内の一つが理科、それも生物分野
だったのであろう。
その単元の内容について大盛り上がりしていた。
「メンデルの法則ってなんだよ〜」
「3:1だ、3:1」
「優性と劣性だろ?」
「そうそう、しわの種子と丸い種子、どちらも純系だったら」
「配合したら絶対に丸くなるんだよな」
「他にもあるぜ、例えば・・・」
この話を聞いたとき、がくぜんとしたのを覚えている。
血の気の引いた顔で、ゆっくり家に帰った。
「ただいま・・・」
母さんはキッチンで洗い物をしていた。
水はシャーと勢いよく流れている。
当時は洗剤もあまり性能がよくなくて、なかなか汚れは
落ちなかったらしい。
「お母さんって・・・O型?」
「ええ、そうよ」
水の勢いを強くしつつ、背中越しにそう答えた。
「お父さんって・・・O型?」
「うーんと、そうね」
ピタっと一旦水を止めて、タオルで手を拭いてから
こっちに歩いてきた。
早く手を洗いなさいと言って洗面台の方に行けというような
仕草でこっちにやってきた。
「じゃあさ・・・」
その瞬間に、絶望のハマって欲しくない最後の一ピースがハマった。
目から涙がこぼれ落ちた。
言いようのない脱力感が五体を支配する。
「どうしたの!?泣いたりなんかして!?じゃあさって何!?」
心配したのか母さんは駆け寄ってきた。
肩を持って、目線を合わせて、俺の口から出かけた言葉を
出すように促した。
「じゃあ、なんっ・・なんで僕は・・・A型なの?」
そう言うやいなや、一瞬で母さんの表情が凍った。
知られてはいけない物を知られてしまった。そんな感じの目だった。
「お父さんとお母さんが両方O型だったら・・・
子供は絶対O型になるって聞いたよ」
なのに、俺の血液型だけがAだった。
他は、みんなOだというのに・・・
「父さんも・・・母さんも・・・・基裏も、みんなっ、
みんな僕とは家族じゃないの!?」
宙に浮く感覚だった。
今まで立っていた家族という足場でもあり、支えでもあり、
よりどころでもあった基盤が一斉に瓦壊するように思った。
「そうじゃないの!とりあえず、基裏だけは信じて!
基裏はあなたの本当の家族だから!」
「基裏にもこのことを内緒にしてるの!?」
ほんの数秒間、沈黙が流れた。
何かを言おうとしているが、言いきれないような顔色だった。
「基裏は・・・このことを知ってるわ。私達を」
偶然見てしまったから
「どういうことだよ!!僕だけ、僕だけ知らなかったのか!!」
幼いながらも、俺は激昂した。
目は見開かれ、頭に血が上り、周囲の景色は何一つ目に入らなかった。
「来るな!お母さんなんか・・・あんたなんかお母さんじゃない!!」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
そして、ゆっくりと零花様はうなずきながら、俺の話を
最後まで聞いてくれた。
続く
________________________________
小島「はい、正解は烏丸の過去話でした」
治「この時期紫表がいなかったのにはそんなことがあったのか」
小島「にしても・・・重いな」
治「大丈夫。この過去話はHAPPY ENDなんで」
小島「なーんだ、じゃいいや」
治「じゃ、次回に続くってことで♪」
- リバーシブル ( No.51 )
- 日時: 2011/05/14 10:16
- 名前: 北野(仮名) (ID: gzQIXahG)
=第四十話=welcome to Date family
そんなことのあった次の日の話だ。
俺は、宮城県まで来ていた。雄大な景色の中、
はあっ、とため息をつき、幼いながらも感嘆し、
目を奪われ、心の中が空っぽになった。
今よりももっと空気は綺麗で、他の住人たちも活気に満ち、
コンクリートの檻に閉じ込められていた自分の世界の小ささを感じた。
零花様がここに、伊達家に連れて来てくれたのだ。
あの後、枯れたはずの涙が、もう一度俺の中からわきだしてきた。
今度は涙を流すだけで、叫ぶことはしなかった。
怒りはもうさっきの叫びですべて吐き出した。
次に、悲しみを涙と一緒に体から押し出そうとしたんだと思う。
そんな俺の姿を見て、零花様は優しく
「私達のところで、落ち着いてから帰りなさい」
とだけ言って俺を東京駅の方に連れて行った。
幼稚園児だから誘拐なんて知らなかった。
いや、知っていたとしても、今その立場にあったとしても、
多分零花様についていくだろう。
初めて会った時から信用できた数少ない人間の一人だった。
これはあとから聞いた話だが、もうこの段階で、母さんに
電話して、事情は説明したらしい。
電話番号は伝えたような気もするが、昔のことだし、
錯乱状態だったからそのあたりのことはそこまで詳しく
覚えてはいない。
「ただいま」
今と変わらない、重たく巨大な木製の扉を開けて
零花様は帰宅した。
「おかえり、おばあちゃん。ん?その子誰?」
今にして思うと、それが伊達先輩だったのかもしれない。
見知らぬ子供に対して好奇心旺盛で、キャッキャキャッキャと
はしゃぎたおしていた姿はとても眩しかった。
「こら、おばあちゃん疲れてるんだから。お帰り」
伊達の母親であろうその人はまだ俺に気付いていないようだった。
なにせ、零花様はお年寄りが持つとは思えないほど多くの荷物を
持っておられたのだから。その人の立ち位置からは調度
隠れていたのだろう。
「その前に、すまないけどみんなを呼んでくれんかの?」
「えっ、ああうん分かった。みんなー、こっち来てー」
ぞろぞろと色んな人が集まってきた。
正直言って他の人の顔は覚えていない。
おそらくはその中に宗治くんや雄太さん、伸治さんもいただろう。
だが、体験したことのない余りの人の多さに俺は
委縮し、さらに縮こまっていた。
「ちょっと帰りに訳ありの子をみつけてね・・・」
すらすらと流れるように俺の境遇を説明してくれた。
周囲の大人たちはふんふんと頷いていたが、
伊達先輩はなんのこっちゃ?とでも言いたそうに
ポカーンと口を開いて首をかしげていた。
「あっ、そうだおばあちゃん、ちょーそくせんとーできるように
なったんだよ、昨日」
幼い伊達は超速戦闘はできても、どういう意味か分からないのか
かなり棒読みでそう言った。
「!!その歳でできるようになったのかい?」
まだ小さかった俺も周囲の驚きようからして、
それがすごいことだというのはなんとなく分かった。
「見ててね、えいっ!」
瞬時に伊達はその場から姿を消し、15メートルほど離れたところに
再び姿を現した。
母親は自分が教えたんだから当然、と言いたそうだったし、
零花様は普通に感心していた。
だがそれ以外の面々はつい先ほどの伊達のように、目を丸くしていた。
—————なんでみんなこんなに驚いてるのかな?
それに似たようなことを紫表は考えた。
なぜなら、紫表にはその動きが見えていたからだ。
「じゃ、そっち戻るよ」
もう一度伊達は地を蹴ってこちらに跳んだ。
だが、必要以上に力を入れてしまい、俺のいるところまで
まっすぐ飛んできた。
「危ない!」
伊達の母親が叫んだ。
だが、動きが見えていた紫表にとっては何が危ないのか
全く分からなかった。
とりあえず、自分にぶつかりそうだと思ったから
横にずれてみた。
案の定、自分のいたところを伊達が通過した。
しかし、勢いはもっと強く、壁まで跳び、
全身を壁に叩きつけそうなほどだった。
それを見て一番最初に反応したのは、母親でも、零花でもなく
紫表だった。
目の前にいる人を助けたい、ただそれだけを考えて
全力で地面を踏みつけた。
伊達が習得したばかりの超速戦闘をはるかに上回るスピードだった。
そのおかげで、一瞬にして伊達を追い抜き、
誰かが大けがをする前にそれを止めることが出来た。
「あ・・ありがと」
今すぐ起こるであろう大事故から身を挺して助けてくれた
紫表に、驚きつつも礼を言った。
だが、大人たちの反応は無様極まりないものだった。
つい先ほど超速戦闘を始めて見た、伊達家でもない子供が
一発で、誰の教えを請うこともなく、超速戦闘を会得したのだ。
向こうの立場になれば驚かない訳は無い。
みな自分の目を疑い、目の前の出来事を否定しようとした。
だが、それが当然だった紫表にとっては何をそんなに
驚いているのか、全くと言っていいほど分からなかった。
「・・・天才というやつか」
最初に我を取り戻した零花はそうつぶやいた。
続く
________________________________
小島「こんなときから戦闘の才能があったとは・・・」
治「みんな末恐ろしいガキだと思っただろうな」
沙羅「私なんてこのころようやく動画変換ソフトを
使いこなしていたころだったのに・・・」
基裏「それはそれでどうかなあ?」
代介「次回予告でーす、このあと大変な事件が誰かを襲う」
治「誰かって誰さ?」
基裏「言っちゃつまんないっしょ」
小島「それじゃ、もう何話か紫表のワンマンプレーが続きます」
沙羅「飽きないでね」
- Re: リバーシブル ( No.52 )
- 日時: 2011/05/19 17:01
- 名前: 北野(仮名) (ID: pRhwEmoe)
- 参照: ファジー始めました。申し訳ないですけどペース落とします
=第四十一話= 問題発生?
そして俺はしばらくの間、零花様に修業をつけてもらった。
一週間で心眼を会得、そしてその後三日で鉄斬りを習得した。
なぜこんなに速いかというと、勉強も、遊びも、
睡眠と食事と風呂以外全て鍛錬に費やしたからである。
そんなこんなで俺は強くなった。
そんなある日のことだ。
家族の者が大けがをしたから家に一旦戻ると零花様が言った。
さすがにそれを引きとめるほど当時の俺はさびしい訳でも
幼稚な訳でも無かった。
「三日で帰ってくる」
そう言い残して修行場を去った。
とりあえず、三日間は山でも走り回っておこうと思い、そうした。
だが、何か異変が起きた。
三日経っても零花様が帰ってこなかったのだ。
不思議に思った俺は伊達家に言ってみることにした。
そこはもはや戦場だった。
伊達家がではなく、近くの畑がだ。
何が起こったのかは分からない。
だが、一つ分かったことは作物は全て灰となり、
人々は勝手に犯人をすぐ近くの人だと決めつけるように、
口喧嘩を越えて暴動の領域にまで踏み入っていたことだ。
そんな中一人だけぼうっと無心にその光景を眺めている少年がいた。
少年と言っても当時の俺よりいくつか上だが。
なんだか、今思い返すと龍牙に似ていた。
そんな矢先、いきなり一人の農家のおじさんがおとなしく
見ているその少年に、疑いをかけたのだ。
周りの者は次々と同じようにその少年を疑った。
ただ、零花様と大地さまを除いて。
お二人は、必死でその子の無実を述べた。
だが、みんな、頑としてその言葉を飲み込まなかった。
その空気の中で、零花様は大声で叫んだ。
少年の無実を訴えかけるつもりで言ったんだろう。
でも俺にとっては答えをくれたような気がした。
「確かに・・・確かに龍牙は私達と血は繋がっていない。
じゃが、ここまで私達伊達家が育ててきた!
血など関係無く家族同然じゃ!!」
確かに、零花様はそう言った。
燃える田畑の中、はっきりとそう言った。
多分、それを伝えるために俺をここに連れて来たんだと思う。
でも、お二人の努力の甲斐無く、全ての罪は龍牙に押し付けられた。
そして、龍牙は村から追放された。
あいつの話ともつじつまが合う。おそらく、いや絶対にあれは龍牙だ。
そして龍牙は、恨みと憎しみを抱えて強制的に巣立った。
俺は、一旦山に戻って零花様を待った。
そして、その一時間後ぐらいに零花様は戻って来た。
目は赤く、袖が濡れていた。
手違いで遅くなった、それだけを俺に言って、
それ以上は言いたがらなかった。
そして俺は一つの決心をした。
家へ帰ろう、と。
続く
________________________________
基裏「お久しぶりでーす」
沙羅「作者がファジー始めました」
代介「名字と人物像は違うけど代介も出ます」
小島「能力ものがしたかったそうです」
美千流「そういう理不尽な理由でペース落ちまーす」
治「でも、俺達の立場からすると・・・」
紫表「バトル遠ざかった!ラッキー!!」
小島「以上、短くてすいません」
沙羅「作者名が狒牙と変わっております」
基裏「友達に厨二って笑われたそうです」
美千流「ザマあ見ろ」
治&代介&紫表「黒っ・・・」
- Re: リバーシブル ( No.53 )
- 日時: 2011/06/18 20:22
- 名前: 北野(仮名) (ID: YA8nu/PY)
=第四十二話=勝負勝負!
「家に帰る・・・決心できた」
前置きを一切置かず、俺はそう言った。
あんなことがあった直後だったからどんな反応をとるかは謎だったが、
思いたったが吉日という言葉を信じてそう告げた。
何かしらの抵抗があるかと思ったが、以外にもその申し出を聞くと、
幾分か明るくなったように見えた。
「そうかい」
零花様は余計な詮索は入れなかった。
そんなことがあって俺はようやく、家に、家族のもとに戻った。
〜〜〜回想終了〜〜〜
バタバタバタバタバタバタバタバタバタバタ!!
床が揺れているのを感じる。一体何人の人が走ってんだ?
ある種いやな起こされ方をした紫表は、未だに体に残る痛みに
顔を歪めた。特に下半身、足が痛い。
小さい時にこれを修行で乱用していたことが信じられない。
体、強かったんでしょうねえ。
「紫表君、起きた!?」
「たった今起きましたよ。(誰が起こしたと思ってるんだよ)」
()内を聞こえないようにボソボソッとつぶやいた。
やかましい、大音量の足音で紫表を現在に引き戻したのは
伊達を筆頭とするこの家にいる15人の人だった。
沙羅や治、小島さんもいる。
「実は、みんなで盛り上がろうぜってことになってさ、
だったら宝探しやろうぜ、ってな感じに誰かが言った訳よ。
それに紫表君も・・」
「無理不可却下眠いさよならお休みー」
冗談じゃない!筋肉痛でそんなもんできるはずがない!
申し訳ないが布団にもぐらせてもら・・
「掛け布団は没収したぜ」
「畜生!」
こいつら、俺が初めから拒否すること分かってただろ。
伊達が掛け布団を取り上げてムカつく目で上からじろじろと・・・
「分かったよ!参加するよ!」
あっ、なんでだろ?目から汗が・・・
「別に野山駆けずり回ってもらおうとは思ってないわよ。
紫表君にはアドバイザーになってもらおうと思ってね」
アドバイザー?これまでの話を一切聞かされていない紫表にとって
アドバイザーが何をするかさっぱり分からない。
首をかしげ、まあ手伝いをするんだろうと考えた。
「まず、基裏ちゃんがみんなにも分かるレベルの暗号作成、
代介がそこに隠して罠を作りまくってそこにスリーマンセルで
五チームで対決だ」
確かに基裏と代介の姿が見つからない。
伸治さんに鈴未、宗治君に雄太さんがいるのに。
お!まさかの健史くんまで!
えっと今分かっている参加者をまとめよう。
治、沙羅、小島、伊達、健史、宗治、伸治、雄太、零花様、
大地様、えっとあと五人ぐらい。
てか約二名「え?」って感じだけど気にすんな。
いくつになっても面白いもんは面白いんだ。
「あっ、俺海淵(かいえん)」
「私は波」
「俺は爽(そう)っていうんだ」
「天(そら)っていうんだ、よろしく」
「俺は猛(たける)」
みなさん分かりやすい名前でいいですね。
俺なんて紫に表ですよ。約一名だるそうな字だけど。
「チーム発表!」
おお〜参加しないけど先代当主出てきた。
ってかご老人ノリノリだな。
幼稚とか言うな!若いことは素晴らしいんだ!
「A班、沙羅、小島、治」
常識人が固まってますね。
「B班、大地、雄太、零花」
御年配チーム!亀の甲より歳の功を見せつけろ!
「Cチーム、伊達、健史、宗治」
先輩がいるならCじゃなくて死ーチームですよ。
声を大にして言おうと思ったが全員知ってると思うから止めた。
「Dチーム、爽、波、天」
漢字一文字ってすっきりだよね。
「Eチーム、猛、海淵、伸治」
うーん、なんとも言えない・・・
ってか待て!!結局の話、
「アドバイザーってなんじゃい!」
今度は、声を大にしてそう言った。
「えっと、会場が山の向こう側だけど、どうしても分からないときは
体力に物を言わせて紫表君にヘルプを求めよう制度」
なるほど、だからアドバイザーか・・・
なんだ楽そうな立ち位置じゃん。
ゆっくり昼寝でもしておこ・・
「鈴未ちゃんの面倒見といて!」
「はい!?」
ヤツらの逃げ足は速かった。
反論は許さない。ってかできない。だってそこに言う相手がいないもん。
紫表は、大人たちがせっせと家事をしている間、
アドバイスタイムを待ちつつ、せっせとおままごとを
することになった。
続く
________________________________
紫表「伊達先輩なんて顔だけ出して半日生き埋めになってたらいいのに・・・」
美千流「人のいない場で何を言ってるのかな?」
紫表「伊達先輩なんて熊に同族と間違われたらいいのに・・・」
美千流「だから聞こえて・・」
紫表「絶対あいつにはアドバイスしない」
美千流「途中で言葉をさえぎ・・」
紫表「先輩のバッカやろおおぉっ!!!!!」
美千流「だから話聞きなさ・・」
紫表「散れえっ!!!!!!!」
美千流「千本ざく・・」
紫表「著作権を護れえええええ!!!!!!!!!」
美千流「あーもう、打ち切り!」
ブツンッ
- Re: リバーシブル ( No.54 )
- 日時: 2011/05/22 10:01
- 名前: 北野(仮名) (ID: KFOyGSF/)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel6/index.cgi?mode=view&no=10442
=第四十三話=暗号作るのって結構辛い。しかも大してムズくないし
「ヒント用紙配りまーす。まずこれ見てねー」
基裏が次々と各チームに一枚、紙を配る。
そこには、まあまあだるい(考えるのが)ヒントが書かれていた。
双子の木 かかりし七色
瑠璃色を渡る線 人という名の清流
赤きがひしめく 雷岩
玩具茶碗
これら全てを周りて、書かれている文字を正しい順番に並び変えて
答えを導き出し、そこに置いてあるものを最初に持って来た
チームの勝利。なお、ヒントは紙に書いて接着剤で張り付けてるから
妨害のために持っていくとか出来ないからね。
それがこのゲームのルールだ。
「燃やすのはOK?」
「問答無用で先輩のチーム失格にします。もし犯人じゃなくても」
「そんなに信用無いの!?」
「あると思ってたらいいじゃないですか!」
「代介、どつくわよ」
「やってみ、三割増しで紫表にチクってさらに印象悪くしてやるよ」
今のところ、怒ってない限り一番信用(本当は唯一なんだけど)
してくれているのは紫表。
正直これ以上味方を減らしたくない伊達は黙った。
怒りを携えて・・・・・
「んじゃ、俺は罠仕掛けまくったんでゆっくりやってください。
俺ら二人は紫表のとこ戻るんで」
それだけ言って代介は帰っていった。
基裏は、最後の説明をした。
「持ってくるってどこにだよ!と思った人注目!私のところに
持ってきてね〜」
空気を叩く爆音を残して基裏は帰っていった。
おそらく代介よりも着くのは速いだろう。
そして賽は投げられた。解けないからと言って匙を投げてはいけないが。
そして、伊達のチームが取った行動は・・・
「健史君!ダッシュ!」
今いる中では一番の体力派、健史が紫表のもとへと駆けだした。
だが、
プツンっ
健史の足元の糸が切れる。
なぜこんなところに糸?理由は一つしかない。
糸は他の装置に連動し、一つの罠を起動させた。
バカでかい丸太が健史に襲いかかった。
「ぐうっ!」
横っ腹に思いっきりめり込む。
心配した宗治はすぐに駆け寄った。
しかしその心配はいらなかった。
なぜかピンピンしてるから。
「行ってきます」
「どんだけ体強いの?」
沙羅がその耐久力に関心(ドン引き)している。
そんなことはどうでもいいというように、無言で紫表のもとへと
向かっていくのだが・・・
五秒後
ズザァッ!
十五秒後
ガシャーン!
二十秒後
ボトッ!
三十秒後
ボガアァアンッ!!
一分後
ブンッ!
何かに投げ捨てられたように健史は空に弾きだされていた。
ズザアァッ!と地面に引きずられる。
ズボンはドロドロに、切り傷だらけで、背中には赤色の塗料が
べったりとこびりついている。血のように見えてかなり怖いが
ただのペンキだ。そして、顔は煤(スス)で真っ黒になっている。
五月だというのに、まだ枯葉が大量に散乱しているので、
それすらも髪の毛に引っかかって大変なことになっている。
「えーと、何が起こるとこうなるのかな?」
恐る恐る治は聞いてみた。
「まず、落とし穴にはまった」
あのズザァッ!か、それでドロドロになったんだな。
「そして、最初の丸太の要領で、ガラスの窓が来た」
ガシャーン!のことであろう。
切り傷は、割れたガラス片でひっかいてできたんだろう。
「そして、赤いペンキが空から降ってきた」
ボトッだな。かろうじて背中に回避したんだろう。
「なぜか爆弾が爆発した」
ボガアァアンッ!!か!ボガアァアンッ!!だな!
それが一番その身にこたえたと思うぞ。
真っ黒焦げの理由はそれだな!
髪も若干チリチリになっている。
「最後に、網にくるまれたかと思うと、ものすごい力で投げられた」
最後のあれか・・・とりあえず言いたいことは・・・
「代介お前何やってんの—————!!!!!」
ゲーム開始直後、全員そこから一歩も動きたくなくなった。
行きによく罠にかからなかったなぁって痛感する朝だった。
続く
________________________________
紫表奮闘中 ナレーションは紫表の心の声です
鈴未「このお人形さんが紫表君のお母さんの設定だよ」
人形とか使っておままごとしてる少女が設定とか言ったよ。
幼稚なの?違うの?どっち?
紫表「俺はどういう設定なんだ?」
鈴未「私の兄妹」
字からするに俺が兄なんだな。
鈴未「私がお兄ちゃんだよ」
紫表「えっ・・・」
マジ?年齢と男女が逆転してるけどいいのか?
小さい子だからなんでもありか・・・
鈴未「基裏ちゃんに似てるからこのカツラ被れば女の人みたいになるんじゃない?」
基裏に似てるはともかく、それは全くうれしくない。
どうやら作者はその手のネタはこの辺までしか分からないらしく、
ありがたいことにこれ以上悪化することはない。
鈴未「と、いうのは冗談。本当は・・・」
ほら、ちゃんと設定変えてくれてる。
鈴未「私の不倫相手の設定ね!」
紫表「お前ホントに小1か?」
鈴未「じゃあ私のお嫁さ・・」
紫表「婿の間違いだ!」
鈴未「だって紫表君基裏ちゃんに似てるからこのカツ・・」
紫表「その役でいいです。それでいいからカツラは止めて」
鈴未「人に物を頼む時は?」
そういや健史君が言ってた気がする。伊達と鈴未は中が良いって。
この日、紫表は自分より六歳年下の少女に土下座する羽目になった。
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