コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- 世界を創り出す愛情理論
- 日時: 2012/07/23 16:10
- 名前: 蟻 ◆v9jt8.IUtE (ID: hTgX0rwQ)
( その理論も、愛という言葉も、よく分かりません )
.
@ ご挨拶
どうも、この小説は半年前ぐらいに挫折してしまった小説のリメイクです。今度こそ頑張って完成させる!
二次小説の方でちまちまやってますけどその名はあんまり知られてません。いいんです、蟻ですから…(遠い目)。
ここの小説としては少し雰囲気の違う小説ですが、見ていただければ嬉しいと思っております。アドバイスとかばちこーい。
※ この小説は少しだけ流血表現があります。
@ 目次
時間軸 : 01 ⇒ 00 ⇒ 03
#00 - 私、どこかへ逝っちゃいました >>1
#01 - 憂鬱らしい日常
1 >>02 2 >>03 3 >>04 4 >>05 5 >>08 6 >>09 7 >>10 8 >>11 9 >>12 10 >>13 11 >>14 12 >>15 13 >>20 14 >>23
#02 - マイナス以下の存在
1 >>24 2 >>27 3 >>32
- Re: 世界を創り出す愛情理論 ( No.2 )
- 日時: 2012/06/11 21:28
- 名前: 蟻 ◆v9jt8.IUtE (ID: hTgX0rwQ)
- 参照: 納豆ごはんうまうま
#01 - 憂鬱らしい日常
十二月一日の朝。つい最近年が明けたと思っていたらもう後一ヶ月で新年になる、そんな時間の流れの速さと肌寒さを感じ取って、ベッドから起き上がった。
ただいま時刻は六時半。部屋を出て辺りの様子を観察してみると、まだ誰も起きている様子はなかった。足音をたてない様、できるだけ静かにしてから階段を降りる。
私の家は一軒家にして二階建ての、案外大きい家である。お母さんとお父さんが共働きで頑張った結果である。なんで一軒家にしたの? と訊ねてみたところ、お母さんが「一軒家がいいわ!」とお父さんに強請ったそうだ。女って怖いなー。
いつも夜まで働いている私の両親は、今も眠っている。
一階に着くと、まだ寝ぼけている意識と目を覚ますために、洗面所へ向かった。冬に顔洗ったら手が冷たくなるんだよねー、とか、水に若干嫌悪を抱いて顔を洗う。くうう、ちべたい。
顔を洗ったら、いつもの様に冷蔵庫へ向かう。お腹を空かせた私は、綺麗に整えられている冷蔵庫の中身を眺めて、食べる物を探す。色々見てみたところ、私の腹を満たすのは手頃に食べれる納豆に決定した。
ご飯茶碗を出して、私が起きる三十分前に仕事を終えた炊飯器から、ほくほくのご飯をしゃもじですくいとり、茶碗に盛る。そして納豆にタレをかけてからお箸でぐしゃぐしゃと混ぜる。何回かかき回してねばねばになったところで、湯気を出して美味しそうな白米の上にぶっかける。
納豆ご飯のかーんせーい。正に三分クッキング。いや三分もしないし大して料理でもないけどね! とか言ってみる。
しかし美味そうなことに変わりはない。私は「いただきまーす」と一人で手を合わせる。そして、納豆とご飯をお箸に取り、口の中へ運ぶ。うむうむ、やはり納豆は美味い。温かいご飯と冷蔵庫で冷やされた納豆が混ざり合って、とても美味しい。
「ごちそうさまでしたー」
と、食後の挨拶も忘れずに言う。
数十分経って、ご飯を全て平らげた。食器を片付け、水道で口の周りのねばねばを取るために再度顔を洗う。水を飲んで喉を潤した後、歯を磨き、高校の制服に着替える。あ、髪梳くの忘れてた。洗面所からブラシを手にとり、適当に肩まである黒髪を整える。もともとストレートヘアーだから、あんまり絡まりはしないんだけどねー。
全ての準備を終えて、携帯を開いて現在の時刻を見る。既に七時前になっていた。さて、そろそろお寝坊さんな家族を起こそうかな。
- Re: 世界を創り出す愛情理論 ( No.3 )
- 日時: 2012/03/09 21:32
- 名前: 蟻 ◆v9jt8.IUtE (ID: hTgX0rwQ)
- 参照: 夕矢=ゆうや
私の妹、夕矢の部屋は、ピンクを基調とした女の子らしい部屋……などではなく、まあ確かにピンクと言ったらピンクなのだが、その部屋の惨状といったら女の子だなんて言ったら恥ずかしいレベルのものである。食べかけのポテトチップスやら、お菓子のゴミやら、脱ぎ捨てたままの服などで床が埋め尽くされている状態だ。
全く、どうしてこんな部屋で生活できるんだろう。妹の生態を理解できない私は、呆れて溜息を吐きながら部屋の中に足を踏み込む。……なんか変なぐにゃっとした物体とか踏まないだろうな……注意しながらおそるおそる歩く。
夕矢の性格は私と違って大雑把な性格で、女の子らしいと言うか、んー、なんだろ。今時の女子高生って感じだ。彼氏も居るし友達も沢山居る。
休日は必ずと言っていい程遊びに出かけていることが多い。高校三年生だから受験勉強とかある私にとって、夕矢のお気楽さは多少苛立ちを感じるほどだ。
髪は茶色に染めていて、ふんわりとパーマをかけている。実際の所は、私と同じく黒髪ストレートだ。地毛で茶髪なのはお母さんだけである。
可愛いか可愛くないかと問われれば、おそらく可愛い部類に入るんだろうなーと思われる私の妹。私も夕矢に似てはいる。しかし、なぜ私には彼氏とか居ないんだろう、とか正直考える。いやもう好きな人があんまりできないから、別に気にしてないんだけどさ。やっぱ、雰囲気とか性格の違いかなー。元気でノリの良い人がいいよなー、高校生は。とか。おばさん臭いことを言ってしまった気がする。
ようやく夕矢がぐごー、といびきをかいて寝ているベッドに辿り着いた。お父さんと私は静かなのに、と思いながら、声をかける。
「夕矢ー、起きろー」
結構大きい声出したつもりなんだけどなー。やはり手強い相手だ。私はターゲットに往復ビンタ(弱)をくらわす。
「起きろよ夕矢ちゃーん」
「うー、分かったー」
夕矢はそう言うが、一向にベッドから立ち上がろうとしない。その場しのぎが得意な夕矢ちゃん。流石である。しかし私は騙されない。
「アンタが昨日並んでまで買った、あの美味しそーうなカスタードプリン、私が食べていいのかなー? 私食べたいなー」
「だめッ! 絶対だめ!」
お茶目を装って夕矢に訊ねると、返事は勿論だめだった。まあ普通か。並んでまで買ったんだし。その代わり、夕矢はちゃんと目を覚ました様で、「食べないでよ!」と私に釘を刺してから、このゴミだらけの部屋をスタスタと超高速で出て行った。おお、やっぱり部屋の主は足場をちゃんと理解しているのか……と、正直自分でも意味が分からないが感心。
ま、プリンは食べたかったけれど私のダイエットのためだ、我慢しよう。と心に決めた。
- Re: 世界を創り出す愛情理論 ( No.4 )
- 日時: 2012/02/10 21:01
- 名前: 蟻 ◆v9jt8.IUtE (ID: hTgX0rwQ)
- 参照: 今日はあたたかいです。おじさんがすきです
夕矢を見送り、一息吐く。どこに行くわけでもないんだけど。強いて言うなら、行くのは一階だ。
さて、次はお母さんたちを起こさないと。お父さんとお母さんが眠っている寝室へと足を向ける。
寝室のドアの前に立つと、中から音が聞こえる。はあ、今日もお父さんは可哀想である。こんなにうるさい部屋で寝てるだなんて……。そろそろ一人部屋を作ってあげたらどうだろうか。お金かかるけど。
このやかましい音の犯人はと言うと、隣の家が工事している音というわけではない。そう、この音はお母さんによる歯軋りといびきである。恐ろしい人である、いつもの事だが。
私はよし、と気合をちょっと入れてから部屋の中に入る。本当にうるさい。私は耳の不快感を消すため、耳を塞ぐ。消えるわけなどないのだが。
ゲームの主人公がラスボスに向かう時の様な険しい顔、を私は今浮かべている事だろう。自分でも分かる。これは顔をしかめるしかない。
ここの寝室は、普通にオシャレで普通に綺麗だ。ブラウンや白色の、シックな雰囲気の部屋。この色合いは私としては好きだ。部屋も結構な広さで、ダブルベッドがそこに置いてある。
ダブルベッドなのだが、お母さんがダブルベッドを占領して、お父さんは床で眠るという、正にかかあ天下である。ダブルベッドのダブルの言葉が意味を成していない。ベッドの上で、大の字の格好をしたお母さんの、がーがーとしたいびきが部屋に響く。そのうるさいいびきのせいか、お父さんはダブルベッドから少し離れた位置に布団を敷いて寝ている。険しい顔をしながら。
そりゃあこんなにうるさければ、まともに睡眠なんてできないだろうなー。ベッドで眠れないというのが嬉しいくらいだろう。なんて、他人事の様に思う。他人でもないんだけど。
「お二人さーん、起きてー」
脱力的に声を発する。脱力していると言っても、ちゃんと声は大きい方だ。ただやる気がないだけで。お父さんが目を覚ましたみたいで、うう、と呻き声みたいな声を発しながら、体を伸ばしていた。そして目をごしごしとこすり、眼鏡をかけて私の方を見て言う。
「もう七時か……」
眠り足りない、と言った様な顔でお父さんは言った。まあそうですよね。ちゃんと寝たいですよね。お父さんに同情しながら私は苦笑い。
うんとこしょ、とお父さんは立ち上がる。そして大きく口を開いて欠伸をしてから部屋を出て行った。
- Re: 世界を創り出す愛情理論 ( No.5 )
- 日時: 2012/02/16 20:21
- 名前: 蟻 ◆v9jt8.IUtE (ID: hTgX0rwQ)
- 参照: 朝生=あさき
ふう。この部屋に残ったのは、野獣並みにうるさいお母様と私だけとなった。つまり一対一というわけだ。別に戦ってはないけどね。
背中……背骨と言うべきだろうか。とにかく、背骨辺りまで伸びているウェーブのかかった茶色の髪が、ベッドの上で大変なことになっている。どれぐらい大変なのかというと、起きるといつの間にかスーパーサイヤ人になってるぐらい大変だ。いやまあ、髪型的な意味で。
お母さんのこのウェーブは天然である。この茶髪も、先程述べたよう勿論地毛だ。夕矢はお母さんのこの髪型に憧れたらしいのだが、実際は絡まって大変そうだなー。本当に他人事。
お母さんは、黙ってさえいればかっこいい大人の女ってイメージらしい(おともだち談)。娘の私から見れば、大変楽観的で、アホみたいな性格のお母さんだ。しかしたまにしっかり者である。自分の観点もちゃんと持っていて、偉大なる大人とはこの事だ。
……夕矢はお母さん似だという事は、言わずとも分かる。いびきといい、性格といい。
「お母さーん、起きてー」
眠りについているお母さんを揺さぶって、目を覚ますのを待つ。だが、体を揺らしてもお母さんは起きない。一向に目を開ける気配はない。大分、睡魔にやられている様だ。まあいつもなんだけど。
「お母さん! 起きてー!」
ムキになって大声を出した。全くここの妹とお母さんは……!
「ふあー……この声は、朝生?」
私の怒声にようやく反応を示す。まだ眠いからなのか、目は閉じたままだ。私は、眠そうなお母さんを見下ろして、「せーいかーい」と、だけ言ってみた。子供なのに上から目線って、何かおかしい。
お母さんが眠りから覚めたところで、私は下に行っていいか了承をとる。なんでわざわざ、お母さんの許可を得てから下へ行くのかというと、それは私のお母さんがねぼすけさんだからです。あと妹も。
私のお母さんとか夕矢は、起こしてから放置しておくと勝手に眠っている場合があるのだ。二度寝する前の記憶があんまり残ってないらしいので、どうしても私かお父さんのせいになってしまうのである。
それでルールとして、お母さんがしっかり起きれる日は、私やお父さんは下に行けるのだが、そうじゃない時はちゃんとお母さんを支えてやる。なんというお母さん基準。朝には相当弱いのだ。
ちなみに夕矢は学生だからちゃんと起きなさい、とお母さまから説教を頂戴している。社会人なのに寝坊する方がよっぽどだと思うんだけど。
「大丈夫大丈夫。今日は大事な仕事だから」
お母さんの欠点について、それと我が家のルールの一つを語っていたら、お母さんが欠伸をしながら、ベッドから立ち上がっていた。
のろのろと歩くお母さんの後ろから、下に続く階段を降りて行った。
- Re: 世界を創り出す愛情理論 ( No.6 )
- 日時: 2012/02/18 20:27
- 名前: 蒼月ソラ (ID: 0WRXSyTI)
いーですね・・。
蟻さんの小説、好きかも。
もし良ければ友達になりませんか?
・・・ダメ?