コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- 空へと消える恋
- 日時: 2014/01/06 19:38
- 名前: ユウ (ID: viAVUXrt)
初めまして。ユウです。
空へと消える恋
井雲高校(いぐも高校)に通う16歳の少女、内宮優奈(うちみや ゆうな)。1歳年上の幼なじみ宮島昴(みやじま すばる)。2人は仲がとても良かった。
だけど、高校の入学式の前に訪れた屋上で出会った少年、近藤景(こんどう けい)。彼は悲しそうな眼をしていて優奈はどうしても気になってしまう。
- Re: 空へと消える恋 ( No.33 )
- 日時: 2013/10/23 22:25
- 名前: ユウ (ID: viAVUXrt)
「あら。昴?」
「都?どうしてここに?」
「言わなかったかしら?今日から1年1組に入ったの。」
「噂の転校生って都のことだったのか・・・・。」
少し視線を落とした昴の目を覗くように見上げる。困り顔をする昴るをみて笑う。
「何笑ってんだよ?」
「だって・・・。面白いから・・・・。」
「抑え切れてねーぞ。」
見るからにわかるように両手でおなかを支えている。笑い泣きの涙を拭い、笑顔で言った。
「ホント昴は面白いわ!彼に負けないくらい!」
「はいはい。俺があいつと比べられるのが嫌いなのは知っているだろ?」
「そうね。外から見てわかるくらいだったもんね。」
昴と都の間に沈黙がはしったとき校内放送がかかった。
『〜生徒会役員。生徒会役員。今すぐ生徒会室へお集まりください。』
「ですって?」
「わかってるよ。じゃーな。」
「待って。帰りに私のクラスに来てくれない?」
「ああ。いいよ。」
手を振り、走っていく昴の後ろ姿を見ていた都。左手の中指にはまっている指輪を握り、目を瞑り彼の姿を思い出す。
彼のことを考えると胸が痛い。でも、忘れられない、大切な人。
胸を押さえ、深呼吸すると、屋上のドアを開ける。雨でずぶぬれになった景が立っていた。
「何してるの!?」
「待ってた。お前がこいって言ったんだろ。」
「相変わらず口が悪いわね。中に入りましょ?入口なら誰も来ないから?」
濡れている景の腕に自分の手を伸ばす。でも、景は動かなかった。ただ一点を見つめて。
- Re: 空へと消える恋 ( No.34 )
- 日時: 2013/10/26 23:58
- 名前: ユウ (ID: viAVUXrt)
「お〜い。昴かえろーぜ。」
教室を出た昴の背中を軽くたたいたのは親友の沖田智〈おきた さとし〉。
「悪い。1年に迎えに行かないといけないんだ。」
「今日、優奈ちゃん休みだろ?」
「ああ。都を迎えに行くんだよ。」
ちょうど1年1組の教室は階段を下りてすぐだったので、短い会話をしているだけで着いた。
「お〜い。都?」
「遅い!」
「悪い。」
「!?ウソだろ・・・・。笹倉都じゃん!!」
都を見た、智は目を輝かせた。そして、都の手を取り、ぶんぶん上下にふった。
「初めまして!!おれ・・・僕、沖田智と言います!2年です!大ファンです!!」
「ありがとう。」
「(ズッキュ———ン)//////////。」
戦闘不能。智はその場で固まっていた。顔を赤くして、口をパクパクさせて。
「ほっといていくか。」
「ええ。」
「で?なんか用があんのか?」
「そうよ。今日、景と話したわ。」
「彼、まだ気づいていないの?」
「多分な。用があるのは内宮じゃないって言ってたから。」
雨が上がったばかりでしめったコンクリートを見る。水たまりに自分が写っていた。
酷い顔・・・と昴は想っていた。
「昴は・・・・私と彼の関係・・・知っている?」
「ああ。想像はついてるよ。」
「なら話が早いわ。優奈にこれを渡してくれる?」
都が差し出したのは、銀色の指輪。それは景のでも都のでもない。都から受け取り、内側をみる。そこには何か文章が彫ってあった。
「Our thought is one all the time.」
「私たちの想いはずっと1つ。」
- Re: 空へと消える恋 ( No.35 )
- 日時: 2013/10/27 16:26
- 名前: 美玉 (ID: D/yB5FiZ)
指輪……
これからどうなっていくのでしょう。
気になりますっ!!(>_<)
「Our thought is one all the time.」
「私たちの想いはずっと1つ。」
大体は花言葉と同じだー(^◇^)
- Re: 空へと消える恋 ( No.36 )
- 日時: 2013/10/27 19:39
- 名前: ユウ (ID: viAVUXrt)
ホントにねー。
いい言葉が思いつかないんですよ。
国語力アップしないかな・・・・。
- Re: 空へと消える恋 ( No.37 )
- 日時: 2013/10/29 21:10
- 名前: ユウ (ID: viAVUXrt)
「どうして俺に渡すんだよ。俺がこれを捨てるって可能性もあるだろう?」
「フフッ。確かにそうね。でも、あなたはそんなことしないってわかるから。」
話しているうちに都が住む家の前まで来ていた。以前、ある一家が住んでいた家。白く、きれいな家だった。
「ご両親もいるのか?」
「・・・・そんなわけないじゃない。私がどんな風に育てられたか知ってるでしょ?わかっていること聞かないでよ。」
「悪かったな。」
一言残し、優奈のいる家まで向かう。都に渡された指輪を強く握りしめて。あの時のことを脳裏に浮かべて・・・・。
「私が・・・・どんな思いで・・・・。」
扉を閉め、壁にもたれかかる都。靴を乱暴に脱ぎ、部屋へ向かう。この季節にしては暑いセーター。春といってもこの町はもう温かい。
セーターを脱ぎ、リボンを外し、ブラウスを脱ぐ。その体には無数の傷があった。痛々しいたくさんの傷が。
「どうして・・・私が・・・。」
スーカートを脱ぎ、全身を映すほどに大きい鏡の前に立つ。胸に青い痣、腕にやけどの跡、足に殴られた跡。たくさんの傷が、鏡に映る。
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