コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- 空へと消える恋
- 日時: 2014/01/06 19:38
- 名前: ユウ (ID: viAVUXrt)
初めまして。ユウです。
空へと消える恋
井雲高校(いぐも高校)に通う16歳の少女、内宮優奈(うちみや ゆうな)。1歳年上の幼なじみ宮島昴(みやじま すばる)。2人は仲がとても良かった。
だけど、高校の入学式の前に訪れた屋上で出会った少年、近藤景(こんどう けい)。彼は悲しそうな眼をしていて優奈はどうしても気になってしまう。
- Re: 空へと消える恋 ( No.13 )
- 日時: 2013/10/02 21:55
- 名前: ユウ (ID: MMm5P7cR)
「携帯返して。」
「もう警察にかけんなよ。」
「ハイハイワカッタカラ。」
「棒読みだな。オイ。」
昴から携帯を受け取り机の上の充電器にのせる。ベッドの上に腰かけ髪を横に結ぶ。
「髪伸びたな。」
「まあね。」
「いつまで伸ばすんだよ。」
「とりあえずはこの長さをキープ♪」
ひきつった笑顔を向け携帯をポケットから出す。メール画面を開き、優奈に何かを言おうとした時優奈の携帯が鳴った。
「もしもし。お母さん?どうしたの?・・・・わかった。うん。」
電話の相手は優奈のお母さん。内容はもうすぐ帰るということとすぐにテストがあるから勉強しなさいということだった。優奈にとって勉強程嫌いなものはない。電話を切り、昴の前に正座。
「オネガイシマス。ベンキョウヲオシエテクダサイ。」
「棒読みだな。オイ。仕方ないな。学年1位に任せろ!」
「去年は2位だったんけどねwwww」
「教えねーぞ。」
深々と土下座。よし、と笑い優奈の教科書を勝手に開く。
1時間が経ったが、優奈に教えるどころか自分の復習のように教科書を読み、何も教えず1人ノートに勉強をしている。そんな彼を呆れたように見ていた優奈。
「昴に頼んだ私がバカだったな・・・・。」
いつもこうだった。中学でも、入試テストの前でも。勉強を教えてって言ったら自分が勉強して教えてくれなかったな〜。と思いながらさっき入れてきたコーヒーを飲んだ。
「よっしゃ〜。結構進んだ!って優奈?寝てるし。」
無防備にもベッドの上で布団もかけずに寝ている優奈。静かな寝息をたて、結んでいた髪はほどけている。
「俺の気持ち・・・・気づいてないだろ。」
昴の顔が優奈に近づく。唇が彼女の頬にふれる。
「寝込み襲うって最悪だよな。・・・・でも、オレは諦めない。あいつにはお前を絶対に渡さない・・・・。」
憎しみを持った言葉。こぶしに力が入る。
静かに立ち、優奈に布団をかけ、電気を消し、ベランダで星空を見上げる。
マナーモードにしていた優奈の携帯が鳴る。その音に優奈も昴も気づかない。
—————同時刻 空港—————
「優奈、昴、元気にしているのかしら。」
スタイルのいい女性。茶色の肩につくセミロングの髪。優奈に負けないほどのつややかな。眼鏡をかけ、トランクをひいている。
周りの人々がその人を見ている。男性も女性も子供も。彼女を知らない人はほとんどいないだろう。
「ここに彼は居るのかしら。」
彼女が呼ぶのは優奈でも昴でもない別の人。
優奈は知らない。自分の秘密。昴の想い。景の存在。そして彼女。全てを解くカギがそろい始めていることを・・・・。
- Re: 空へと消える恋 ( No.14 )
- 日時: 2013/10/06 00:50
- 名前: ユウ (ID: viAVUXrt)
朝・・・学校の屋上。まだ生徒は誰も来ていないだろう時間。片足を抱え座っている景。手にはチェーンを通した指輪。見つめ、首にかけ、制服の中にしまう。
「あいつに・・・・何かあったのか・・・?」
景の頭に浮かんでいたのは彼女・・・・探している友人。景にとっては友人とはいえない。ずっとずっと大好きだった女の子。
景の頭の中の半分は彼女で埋まっている。でも、もう半分は優奈のことで埋まっていた。重なる。漆黒の髪。澄んでいる瞳。綺麗な透き通った声。
「この町にいるのか・・・・?ゆうな・・・・・」
景の言葉が表しているのは優奈ではない。幼き友人であるゆうなだ。名前が同じ。だが 〈ゆうな〉という名前は日本にたくさんいる。名前が同じなのは当然だ。
「あら?ここにいたの?」
景の後ろ————屋上の入口に女性が立っていた。眼鏡を取り、景に向かって歩く。
「帰ってきたのか・・・・。」
「それはこっちのセリフよ。」
「都(みやこ)・・・・。」
「景・・・・。」
お互いに見つめあう。いや微笑み、睨み合っている。
曇っていた空が徐々に晴れていく。太陽の日差しが町を照らす。風が吹き、2人の髪を揺らす。
- Re: 空へと消える恋 ( No.15 )
- 日時: 2013/10/13 15:30
- 名前: ユウ (ID: viAVUXrt)
「ごめんって。」
頬を膨らませてる優奈に必死に謝る昴。
「ホント、あんたに頼んだ私がバカだったわ!!」
「ごめんって!!なんでもいうこと聞くから!!」
「言ったね!だったら(チャキ)
目を見開く優奈。優奈の後ろに誰か立っている。帽子をかぶりサングラスをかけて、優奈の首筋にナイフを当てている。
「優奈!!」
「動かないで。じゃないと・・・どうなるか知らないわよ?」
「その声・・・。」
————ドン
優奈を軽く押す。ナイフをクルクル回し、サングラスを取る。
「「都!?」」
「久しぶり♪」
都は優奈と昴のもう1人の幼馴染。優奈と同い年で高校1年生。でも中学1年の時に女優としてこの町を離れ外国に行っていた。
「お前な、いきなりああゆうのはダメだろ。」
「え〜。つまらないじゃない。普通だと。」
「待って!!どうして都がここにいるの!?」
「私が居たらまずい?」
思いっきり首を横にふる優奈。あきれ顔で都を見ている昴。いまだにナイフをクルクル回している都。
「っていうかそのナイフ何!?」
「これ?いらないっていうからもらったの♪」
「もらっちゃダメでしょ!」
「大丈夫だ。あれは段ボールに銀紙を張り付けたナイフだから。」
「さっすが♪」
ナイフを優奈に渡す。優奈はナイフをもって刃先の部分や刃の部分を触って確かめた。
しばらくして安心した顔で笑った。
「危なかった。もう少しで都に正拳突き入れるとこだった♪」
「今度は本物用意しなくちゃ・・・。」
「優奈の正拳突きは前にも増して強力になったよ。俺も昨日くらった。」
久しぶりにそろった3人で笑いあった。が・・・。
———キ〜ンコ〜ンカ〜ンコ〜ン————
「「・・・・・」」
「あらら。」
「遅刻———————!!!」
「じゃな都!」
「またね〜。」
都をその場に残し学校にダッシュ。
走る2人の背中を見ていた都。
「事実を知ったら優奈はどんな反応をするのかしら。」
- Re: 空へと消える恋 ( No.16 )
- 日時: 2013/10/14 19:44
- 名前: ユウ (ID: viAVUXrt)
「内宮優奈!!とっくにHR終わってるぞ!!」
教室に入ってさっそく怒られた優奈。優奈を叱っているのは担任ではなく副担の高島〈たかじま〉先生。今日は会議で白石先生はお休み。
クラスのみんなが笑っていた。みんなを見て最初に目についたのは景の席だった。
「景くんが・・・いない・・・。」
「ん〜?何か言ったか?」
「な・・何も!!」
「そうか〜。だったら廊下に・・・・立ってなさい!!!!」
声にびっくりして廊下に飛び出した。「ふう〜」と息をつきその場にしゃがみ込む。
スマホを取り出して画面をつける。
「あれ?」
一通のメールに気が付いた。
「昨日の夜・・・。都からだ。仕事が終わったから帰国する・・・。連絡くれてたんだ・・・。」
メール画面を閉じイヤホンを耳にはめ音楽を流す。曲はもちろん“私が信じた”。
音楽が流れ優奈はどんどん意識が薄れていった。そしてしゃがんで壁にもたれたまま眠ってしまった。
不意に体が浮かんだ感覚があった。とても暖かくて安心できる不思議な感覚に包まれていた。
「けい・・・く・・・ん・・・・。」
「・・・・。」
優奈を抱えてその寝言を聞いていたのは・・・・景。何も言わず保健室に運ぶ。
「ホントに・・・似てるな・・・・。」
保健室に運んでベッドに寝かせた優奈に語った。もちろん聞こえているはずがない。
優奈の耳からイヤホンを外した。その時、偶然にイヤホンがスマホからはずれた。
『瞳に咲いた 美しき花〜 囚われそうな 澄んだ〜瞳 私が信じた 大好きな人〜 君が気づけば私は消える〜♪』
「・・・・・!」
その曲はよく知っている曲。景の頭に過去の映像が流れてきた。
『ねえ。なにきいてるの?』
『ぼくのお母さんがうたっているお歌・・・・。』
『わたしもきいていー?』
『・・・・。うん。』
それは彼女と初めて会った時だった。彼女が1人だった俺に話かけてくれた。
景はずっと1人だった。幼いとき友達が居なくてよく歌を聴いていた。それが彼女との出会いのきっかけ。
『あなたはなんていうお名前?』
『ぼくは・・・景・・・。』
『はじめまして!わたしは優奈だよ!よろしくね、けーくん!』
- Re: 空へと消える恋 ( No.17 )
- 日時: 2013/10/14 19:46
- 名前: ユウ (ID: viAVUXrt)
皆様のおかげで参照数100超えいたしました。
読んでくださる読者様ありがとうございます。
これからも読者様をがっかりさせないように頑張りたいと思います!!
未熟者ですがこれからもよろしくお願いします!!!
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