コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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海と空〜中、短編集〜 (色々募集中)参照500突破感謝!!
日時: 2015/03/14 10:45
名前: みにょ (ID: 3HjnwYLE)

どもども、みにょです^ ^
知ってる方はきっと少ないので多分あなたも初めましてでしょうか?!

最初は長編小説でしたが、短編集に開拓しようと思います。申し訳ございません。
短編のジャンルは様々です!
恋愛だったり、人生だったり、家族だったり。ギャグとシリアスもごっちゃです。
そして更新遅いです。すいません>_<

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FeliceStoria〜幸せを見つける物語〜 (バリバリの長編)
今日も私は遠距離恋愛。 (長編ではないけど短編でもない)

ノロノロ更新ですが連載中の私の作品です!読んでくれたら嬉しいです(照)

〜お客様〜
七和様
モンブラン博士様
雨様
餃子女様
美奈様

〜目次〜

語り部>>1

【私は彩香ちゃんが嫌いだ。】 〈完結〉
1-1>>20 1-2>>21 1-3>>22

【普通の兄妹のある日の話】 〈完結〉
2-1>>25 2-2>>26 2-3>>27 2-4>>28 2-5.あとがき>>29

【高校の文化祭にて、俺は多分青春もどきを謳歌してる】 〈完結〉
3-1>>30 3-2>>31 3-3>>35

【雨上がり恋心】 〈完結〉
4-1>>36 4-2>>37 4-3>>38 4-4>>39 4-5>>41 4-6>>42 4-7>>43 4-8>>44

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Re: 海と空〜短編集〜 (なんか色々募集中)参照300突破感謝!! ( No.48 )
日時: 2015/01/22 18:02
名前: みにょ (ID: 3HjnwYLE)

テスト期間なんで二月前半まではこれません!
更新もできません!すいません!

Re: 海と空〜短編集〜 (なんか色々募集中)参照300突破感謝!! ( No.49 )
日時: 2015/02/09 21:01
名前: みにょ (ID: 3HjnwYLE)

5-2

「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!?!?」
黒く伸びた影が、私を飲み込む。まるでお化け屋敷のような緊張感と悲鳴。私は何もかもにビビって尻餅をつき、両手を支えにして後ずさった。
すると、ピッと音がして床に落ちていたリモコンのボタンが押された。運良く押されたのは電気の、それも全灯のボタンだったらしい。天井に取り付けられた電気が付いていく。
恐る恐る、私は影のあった窓を見た。部屋の明るさに慣れ始めた目が、その窓の枠から少しずつピントを合わせてくれる。
しかし、次の瞬間、私はへ……?と間抜けな声を発した。ポカンと口を開け、状況の理解に苦しむ。
「にゃー……」
そこには、影の犯人であろう黒猫がいたのだ。黒猫は小さく鳴き、眠そうに欠伸をする。ここまで人を驚かせておいて、呑気な奴だ。
「ちょっと麻里!?なんなの!?」
私がそのまま固まっていると、ドタバタと足音を立てて姉が降りてきた。姉の名は沙耶さや。中学三年生の、受験生だ。
そして私は妹の戸田麻里(とだ まり)。他にも大学生の兄、和哉かずやがいるが、今は友達とお泊まり会だとか言っていていなかった。
「沙耶……あの猫、どこから入ってきたの?」
私は沙耶に尋ねる。昔から頼りになる姉だったため、私はいつも沙耶にSOSを発していた。近所の子に虐められた時も、助けてくれたのは片手に木の棒を持った沙耶だった。
あの頃はすごく頼もしくて、かっこよくて憧れたりもしたなぁ……。あぁ、溺れかけた時も沙耶が助けに……

「はあ?猫なんてどこにいんのよ」
私の思い出に浸っていた思考を遮ったのは、姉の少し怒ったような声だった。

Re: 海と空〜短編集〜 (なんか色々募集中)参照300突破感謝!! ( No.50 )
日時: 2015/02/28 23:10
名前: みにょ (ID: 3HjnwYLE)

5-3

最近、沙耶は機嫌が悪い。
受験が近づくにつれそれは悪化していったが、お母さんは受験生なんでそんなものよね〜と呑気だった。
ちなみに、和哉は受験生の時あまりイラついていたりはしなかったようだ。お母さんがそう言っていたから本当なのだろう。
「……ねえ、私、受験生なの。変に睡眠妨害しないでほしいんだけど。こんなアホみたいな騒ぎで起こすなんて、ほんとくだらない」
沙耶は昼よりも機嫌が悪く、いやそれは私のせいなのだけれども、そんな言葉を私に投げつけた。うっ……と、私は唇を噛む。
ここで反抗してはだめだ。沙耶の機嫌をさらに悪くさせるだけだし、私は沙耶に協力してあげなければいけない。妹として、受験生の姉を応援しなければ。
「ご、ごめんなさい」
あぁ言いたい。こっちだってわけわかんねえんだよ!なんであの猫見えねえんだよ!そっちの目が腐ってんじゃねえの!?ばーか!って言いたい……!
「次起こしたらマジでぶっとばす」
「ぐぬぬ……!」
耐えろ!耐えるんだ麻里!
そんな私の葛藤を知らず、沙耶はまた二階へ上がって行った。私はそれを見てはあぁぁぁぁと、怒りを外に吐き出すようにため息を着く。
と、その時だ。

「なあ」

聴いたことの無い、若い男の子の声がした。声からすると12歳くらいで、まだ声変わりもしていなさそうだ。
私はひっ!?と叫びそうなのを両手で口元を抑えて堪える。そしてゆっくりと、謎の声の正体と思われる真っ黒い物体……あの黒猫を見やった。
「だ、誰なの……?」
絞り出すように発せられた声は、少しだけ震えていた。黒猫はどこか人間らしく表情を崩し、立ち上がる。
「俺はまあ、妖怪みたいなもんだな」
やはり黒猫は喋るんだ……!
私はそんな非現実的なことあるのかと、心の中で叫び散らす。
「よ、ようか……?」
「よ、う、か、い。化け猫だよ」
喋る黒猫は落ち着いた声をしていた。むしろおどおどしてる私に呆れているような、そんな雰囲気だ。
「よ、ようかいさまがどのようなごようでいらっしゃったのですか……?」
呂律が回らない。本物の妖怪を目の前に、私の頭はパニックになっていた。
しかしやはり喋る黒猫は冷静で、あぁ、と話をし出した。

「お願いがあるんだ。俺の大切な人間を探して欲しい」

喋る黒猫との間は約1m。私はまた叫びそうになるのを必死で堪えた。

これから私は、どうなるの……!?

Re: 海と空〜短編集〜 (なんか色々募集中)参照300突破感謝!! ( No.51 )
日時: 2015/02/28 23:11
名前: みにょ (ID: 3HjnwYLE)

5-4

翌日の朝。私は気がついたらリビングでぐっすり寝ていた。あの喋る黒猫はもしかしたら夢だったのかもしれないと、最初はそう思った。いや、そうであってほしかったと言った方が正しいだろうか。
朝食を食べ始め一分がたった今。いつも通りの時間、いつも通りの制服、いつも通りの朝食……。
しかし、一点。違うところがあった。

そう、あの喋る黒猫が私の足元にいるのだ。

なんということだ!ジーザス!夢じゃなかったのかよ畜生!!
私の頭は混乱し、ダラダラと冷や汗が背中に流れた。母はすでに仕事へ出かけたし、和哉もまだお泊り会とやらから帰っていない。沙耶は早めに学校へ行き先生にわからないところを聞くんだとかで不在である。
生憎、我が家は母子家庭なためにこの家に今いるのは私のみ。

ピンチだ。これ、やばいやつだ……!

「戸田、麻里……」
「ひゃ、ひゃいっ!?」
突然、昨日と同じ喋る黒猫の声が私の名を呼ぶ。呟いたに近いそれは、しかし私の耳にしっかりと残った。
「てかなんで私の名前……」
この黒猫、まさか読心術を極めたりしていないだろうな?私の名前なんか教えていないはずだし、知っているはずがないのに。
私は不審なその黒猫をじっと見つめる。黒猫の目は足元に置いたままのスクールバッグに向けられていた。
「そこに名前書いてあんだよ。見りゃわかる」
あーなるほど。私は素直に感心した。猫でも字って読めるのかぁと、心の中で呟く。
すると、黒猫はスクールバッグから目をそらし、こちらを見上げた。宝石みたいな黄色い瞳が、私の目を捉える。逸らしてしまいたいのに逸らすことができない、真剣な眼差しだ。
「……昨日の……」

ーーお願いがあるんだ。俺の大切な人間を探して欲しいーー

あぁ、あれか。私は一人心の中で納得する。大切な人間……と、彼は言っていたが、一体どういうことだろうか。喋る猫が人間を探してほしいなんて、まるでおとぎ話のようだ。
「お願い、聞いてくれないかな。本当に大切な人なんだ。どうしても、会わなければいけない……」
黒猫の声は徐々に小さくなっていき、耳や尻尾も下がる。コロコロ変わる人間みたいな表情も、寂しげにゆがんだ。
この子は嘘をついていない。
ほぼ勘だが、そんな風に感じた。その人間は、きっとこの黒猫にとって本当に大切な人間なのだろう。
「……いいよ。あぁ、昼は学校あるけど……」
部活はまあ、美術部だからほぼ無いみたいな感じ……と、小さく付け足す。すると黒猫は大きな瞳をさらに大きくして驚いた。
「学校のない日でいい!探してくれ!頼む!!」
「わ、わかったよ!わかったからそんな土下座みたいなのはやめて……!」
「ありがとうっ……!あぁ、やっと会えるぞ、晴子はるこ……!」

こうして私とこの真っ黒な彼の、慌ただしい日々が始まったのだった。

Re: 海と空〜短編集〜 (なんか色々募集中)参照300突破感謝!! ( No.52 )
日時: 2015/02/28 23:12
名前: みにょ (ID: 3HjnwYLE)

5-5

「ただいまぁ〜」
午後四時、私は部活をサボって家に帰ってきた。美術部なんてほぼ活動していないため、あまりサボったという感覚はないが。
母さんは仕事、沙耶は塾、和哉はまだ泊まりで帰っておらず、家の中は静かだ。聞こえる音といえば、最近買った電波時計がカチカチと時を刻む音や、近所の小学生が下校しながら笑ったりリコーダーを吹いたりする音、ヒグラシの寂しげな鳴き声が小さく聞こえるのみ。
私はスクールバッグを乱暴にソファに投げ捨て、あの黒い彼の姿を探した。帰ってくるなり探してくれと騒ぐことを予想していたが、その彼の姿は見当たらない。
「おーい、どこー?」
名前を呼ぼうと思ったが、肝心の彼の名前を知らないことに気づく。名前があるのか……いや、もはや性別も男ではないのかもしれない……。
彼についても、彼の探す人についても、私は全く情報を得ていなかった。
「おーい……って、えぇっ!?」
机の下、棚の影、布団の下、と、私は様々な場所を探した。しかし見つかった場所とその姿に、私は驚きを隠せなかった。
「ひ、人だ……」
「あぁ。悪い、驚かせた」
黒いサラサラの髪に、同じ色の目。それと反対で際立つ雪のような白い肌。人なのに、一瞬であの黒猫だとわかったのが不思議だ。どちらかというと整った顔をしている彼が居た場所、そこは……

「なんで、段ボールの中……!?」

そう、段ボールの中だった。

「だって、落ち着くし?」
「いやおかしいでしょ!てかよく入れたね……」
「チビって言いてえのか!?」
「なんでそこで怒るの!?猫なんだからチビでしょ!」
「チビじゃないっ!」
「うわぁ!急に立たないで……って、やっぱりちっちゃ」
「だまらっしゃい」
「いだいっ!」

やはり猫。彼は段ボールの中がお好きなようです。


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