コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- 海と空〜中、短編集〜 (色々募集中)参照500突破感謝!!
- 日時: 2015/03/14 10:45
- 名前: みにょ (ID: 3HjnwYLE)
どもども、みにょです^ ^
知ってる方はきっと少ないので多分あなたも初めましてでしょうか?!
最初は長編小説でしたが、短編集に開拓しようと思います。申し訳ございません。
短編のジャンルは様々です!
恋愛だったり、人生だったり、家族だったり。ギャグとシリアスもごっちゃです。
そして更新遅いです。すいません>_<
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FeliceStoria〜幸せを見つける物語〜 (バリバリの長編)
今日も私は遠距離恋愛。 (長編ではないけど短編でもない)
ノロノロ更新ですが連載中の私の作品です!読んでくれたら嬉しいです(照)
〜お客様〜
七和様
モンブラン博士様
雨様
餃子女様
美奈様
〜目次〜
語り部>>1
【私は彩香ちゃんが嫌いだ。】 〈完結〉
1-1>>20 1-2>>21 1-3>>22
【普通の兄妹のある日の話】 〈完結〉
2-1>>25 2-2>>26 2-3>>27 2-4>>28 2-5.あとがき>>29
【高校の文化祭にて、俺は多分青春もどきを謳歌してる】 〈完結〉
3-1>>30 3-2>>31 3-3>>35
【雨上がり恋心】 〈完結〉
4-1>>36 4-2>>37 4-3>>38 4-4>>39 4-5>>41 4-6>>42 4-7>>43 4-8>>44
- Re: 海と空〜短編集〜 ( No.23 )
- 日時: 2014/12/25 11:13
- 名前: 餃子女 (ID: wxXAjABh)
うまく伝えられないけど、
———なんか泣きそうになりました。
ありがとうございました。すごく良かったです。
これからも頑張ってください。
- Re: 海と空〜短編集〜 ( No.24 )
- 日時: 2014/12/25 12:30
- 名前: みにょ (ID: 3HjnwYLE)
餃子女さん
コメありがとうございます。
人に何かを伝えるって、難しいですよね。その点では、ごめんねとかありがとうとか、言えることも難しいと思いますよ。
私も伝えるという行為は苦手です(^^;;
これからも頑張ります!
ありがとうございました!!!
- Re: 海と空〜短編集〜 ( No.25 )
- 日時: 2015/01/15 18:21
- 名前: みにょ (ID: 3HjnwYLE)
【普通の兄妹のある日の話】
2-1
私の兄はアホだ。
勉強もそこそこ、運動もそこそこ、ルックスもそこそこの兄は、よく変なことを言って私たち家族を笑かす。兄にとってそれは幸せなことで、みんなを笑かすのが得意であり好きなのだろう。
そんな私たち家族は、母、兄、私、妹の四人暮らしだ。父は私が幼い頃に他界。止むを得ず母子家庭となった。
父が亡くなってすぐは家族四人落ち込んでいたらしいが、しばらくして復活。物心ついた頃にはもう父は亡くなっていて、三人仲良く暮らしていた。
私が小学校低学年あたりで聞いた話によると、父と最後に話したのは紛れもない兄だったらしい。風邪をひいた母さんの代わりにその日、父は兄の授業参観に行った。
しかし父も仕事がある。休憩時間に抜け出してきた父はスーツ姿で見かけはきっちりしていたものの、走ってきたのか教室に入る際に転んでしまった。
父は教室にいた全員に笑われ、恥ずかしさと面白さで父も笑ったらしい。それが兄は恥ずかしく、授業が終わってから父にこう言った。
「こんなお父さん嫌だ。最悪の授業参観になった」
父は困ったように笑って、小さくごめんねと言ったそうだ。
父が交通事故に遭い命を落としたのは、その帰り道だった。父の手には、兄が大好きだった隣駅のケーキ屋に売っているプリンが大事そうに抱えられていた。
- Re: 海と空〜短編集〜 ( No.26 )
- 日時: 2014/12/25 22:02
- 名前: みにょ (ID: 3HjnwYLE)
2-2
なんであんなこと言ってしまったんだろう。
なんで最期に謝らせてしまったんだろう。
なんで、なんで、なんで……。
兄は心の底から後悔した。教室に転んで入ってしまったときに父が笑ったのは、きっと父がみんなの笑顔を見て嬉しかったからだろう。自分が恥ずかしかったり、転んで痛かったり、そういうのはとりあえず置いといて。
みんな笑ってくれたから、それでいいか。
そんな父の優しさ故の行動だったはずなのに。なのに自分は、どうして……。
兄はその日から、父がよく言っていたこんな言葉をよく口にするようになった。
「人生に無駄な時間なんてない。ただ、もったいないと思う時間はある。自分や周りにいる大切な人が、笑っていない時間だ」
かっこいいと思った。ただ純粋に、そんなことが言える人で在りたいと思った。
そんな昔話をどうして今話したかというと、事の発端は今日の朝になる。
「今日は一緒に出かけるぞ」
「……はぁ?」
- Re: 海と空〜短編集〜 ( No.27 )
- 日時: 2014/12/26 19:41
- 名前: みにょ (ID: 3HjnwYLE)
2-3
「……はぁ?」
わけがわからない。私は朝ご飯のパンを落としかけた。
「あのさ、私今受験生なんだけど」
そう、私は現在中学三年生。兄は大学生でバイトもしているけど、最近は勉強をしているところをあまり見ない。大学生って多分そんなもんなのだろう。
「だからこそだろ。息抜きも大切だ」
兄は自分の食器を片付ける。私は落としかけたパンを持ち直し、その後ろ姿に抗議した。
「なにいってんの?勉強しなきゃ……高校おちたらどうすんのさ!」
第一志望にはたくさんの友達が行く。中学も楽しいけど、高校ではもっと楽しめるようにしたいから、私は友達のいる高校を選んだのだ。
なのに、出かけたりしたら……。
「時間の無駄だよ……!」
正直、私は勉強に焦りを感じていた。
三年になって、みんなが受験受験と騒ぎ始めた頃。私もとにかく頑張った。テストでいい点を取れるように毎日勉強したし、予習や復習もちゃんとやった。風邪をひいた日も、友達に誘われた日も、色々なことを我慢して勉強した。
それでも、私は兄のように優秀ではない。
兄は高校を第一志望合格したけど、私はどうだろう。もしかしたら落ちるかもしれない。兄の得意な教科は英語と数学で、私が一番苦手な教科だ。
兄に負けたくない。そう思って頑張ってきたのに、成績はなかなか上がらなくて……。
みんな受験に追われてる。私だけ取り残されてる気分だった。
「時間の無駄ではないと思う」
兄の言葉に、はっと我に返る。兄はいつの間にかわたしの前の席に座っていて、コーヒーをすすっていた。いつ座ったのかもわからないくらい、私は考え込んでいたらしい。
「無駄だよ。今こうして朝ご飯食べてる時も、みんな勉強してるかもしれない」
そう思うと、いても立ってもいられなくなるんだよ、お兄ちゃん。
「人生に無駄な時間なんてない」
「……」
兄のそんな言葉を、私はずっと聞いてきた。なのに。
ずっとかっこいいと思っていたその言葉さえも、今の私には理解できない。
「でも、笑ってないのは多分もったいないだろ?」
しししと、兄が歯を見せて笑う。思えば最近、私はあまり笑ってない気がする。勉強ばっかりに気を取られて、家族との時間も減って。
「……いい場所があるんだ。今だからこそ、お前に見せたいな」
ぽんぽんと私の頭を撫でた兄は、どこか寂しげな顔をしていた気がした。
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