コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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オモテとウラ
日時: 2014/12/15 17:35
名前: 葵 (ID: DXj3gHSB)

初めまして!
こんにちは!

あおいです☆

[あらすじ]
渡辺遥ワタナベハルカは学校いちのモテ女。女子からも男子からも憧れの存在。もちろん彼氏もち。
でも、それはオモテの顔。
ウラの顔をずっと隠し通してきた遥だが、同級生の高橋颯太にしつこく迫られ、ウラの顔が・・・



初めてだし、学生なのでなかなか上手く書けませんが、最後まで読んでくれると嬉しいです!

登場人物紹介>>64

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Re: オモテとウラ ( No.65 )
日時: 2014/12/20 18:14
名前: 葵 (ID: DXj3gHSB)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi?mode=view&no=38328


12 未来ふあん

翌朝携帯を見るとメールが3件来ていた。
全て亮からで、受信時刻を見ると昨晩から今朝にかけて送られてきたものだということがわかる。
1通目『夜遅くにごめん。今時間ある?話があるんだけど。』
2通目『もう寝てるよな・・・明日いっしょに学校に行かない?』
そして3通目『おはよー。7:45にM公園で待ってる。』
亮のメールはいつもシンプル。余計な絵文字やデコメは使わない。
この文もいつも通りシンプルだけど・・・何か、重い感じがする。
亮に怒らせることした?
話って何?
直接言わないといけないこと?
思い当たるとしたらただ1つ。高橋のことだ。
嘘ついて高橋と会ったことばれてる・・・?
というか表裏人間だったことも・・・?
さまざまな疑問が脳内を駆け巡る。
それらは全て、解決できないもの。

亮・・・
嘘ばっかりで、何もかもが不安だよ。



————


7:40。私は公園に到着した。
この公園は通学の途中によく見るが、中に入ったことはない。
「はるかっ!」
突如私の名前が聞こえた。
声のする方向を見ると、亮が笑顔で手をブンブン振っている。
笑顔・・・。怒ってない・・・?
一気に脱力。
「ごめん。遅れたかも。」
「まだ5分前。大丈夫だよ。」
「でも待たせちゃったし・・・。」
「俺も来たところだからさ。んじゃ、行こ。」
「うん。」
二人で並んで歩き出す。
私のローファーの足音と亮のスニーカーの足音が重なりあった。
亮は私と歩くとき必ず私の歩くペースに会わせてくれる。
そういうちょっとした心遣いが何とも嬉しい。
亮が話し出した。
「急に一緒に行こうとか言い出して、ごめんな。」
「ううん。全然。」
「実は話したいことがあって。」
「何?」
「高校のことなんだけど・・・。」
「こ、高校!?」
驚き。てっきり高橋のことだと思っていた。
高橋のことで言い訳も考えて、身構えていたのに・・・。
「遥の学校中高一貫校だったよな。遥、このまま高校に上がるつもり?」
「まだ考えてないけど。」
「俺、遥にはS高校を受験してほしい。」
「S高校って・・・。亮の学校!?」
「そう。偏差値はS校の方が少し高いが、遥の成績だったら問題ないだろう。」
「で、でもいきなり・・・何で?」
「遥にはもっと上の高校に行ってほしいんだよ、賢いし。よその高校行く人、毎年一人二人はいるだろ?」
「まあね。」
「勿体ない感じがするんだよなー。正直Y中学じゃ、ものたりないんじゃないの?」
「うーん。そんなこともないけど・・・」
「S高校の方が大学進学率高いし。ま、俺は頭悪いから大学行けるのかわかんないけどさ。」
「え?そうなの?」
「現実は厳しいよ。」
「そっか・・・」
「遥はどう思う?」
「正直混乱してる。確かにS高校には憧れてるし、入れるなら行きたい。でも・・・学費とか、友だちとかもあるし・・・。でもちょっと考え変わったかも。今まで、普通にこのままY高校に行くと思ってたからさ。うん、そういうのもアリだよね。」
「まあ俺の考えだから。遥がゆっくり決めればいいよ。」
「うん、ちょっと考えてみる。ありがとう。誘ってくれて。」
「いやいや。んじゃあY中学着いたから、俺もういくわ。」
「またメールする。ばいばい。」
「ばいばい。」


S高校か・・・。いいかも。
亮と同じ学校に行けるのだ。
今気づいたが、受験すれば高橋ともはなれられるんじゃ・・・?

なぜだろう。妙に胸がざわざわする。

Re: オモテとウラ ( No.66 )
日時: 2015/01/04 16:50
名前: 葵 (ID: DXj3gHSB)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi?mode=view&no=38328


13 

もうすぐ個人懇談がある。
この懇談では、進路について先生と話し合う。
私は亮に言われたあの日からずっとS高校のことを考えていた。
実際にS高校に行ってみたりもした。
広い校舎、緑いっぱいの校庭、充実した施設・・・
何よりものんびりとした雰囲気がとても良い。
百聞は一見にしかずってこういうことだ。
S高校・・・いいかも・・・
今までとにかく賢い学校に行くことしか考えていなかったけど、この先どのみちを歩むのか決めなければいけない。
この学校、私にあってると思う。
亮の一言で進路を変えるなんて、単純?




「渡辺は高校どうする気だ?Y高校か?」
個人懇談が始まって適当に学校生活について話した後、先生はこう切り出した。
「あの・・・S高校への進学も考えているんです。」
「え、え、えすこうこう!?」
「はい。」
先生は予想以上に驚いた。
ま、しょうがないか・・・。
「いや、てっきりY高校に行くのだと・・・」
「私も最初はそのつもりでした。」
「なぜS高校を希望?」
「私、もっと上を目指したいんです。」
「そ、そうだな・・・。確かにこの学校も毎年極数名だがいる。だけどその人たちの殆どは特別な理由で仕方なく、という人なんだ。」
「そうですか・・・。」
「渡辺の場合、学力は大丈夫だと思うが・・・。その理由じゃ難しいと思う。」
「先生はやはり反対ですか?」
「うーん・・・応援してあげたい。でも、おすすめはできない。」
「・・・」
「中高一貫校は特別でね、カリキュラムが違うんだよ。だから普通の高校に行ったとき何かしら苦労する。」
「そうですね・・・。」
「渡辺が本気で行きたいのなら、覚悟があるのなら、また学校側も対応する。」
「はい。」
「夏休みの間、S高校に行ってみたらどうだ?校風も大切。」
「こないだ行ってみました。」
「そうか・・・もうちゃんと考えているんだな。」
「はい。」
「ほんとにすまないな。力になってあげれなくて。」
「そんなことありません。私もしっかり考えます。」
「渡辺なら何も心配することはないな。」
「話を聞いていただきありがとうございます。」
先生の細い目がさらに細くなった。
困らせてごめんなさい・・・。






——————

大変お待たせしました(待ってないですよね、はい。)

更新できなくてすみませんでした!!




Re: オモテとウラ ( No.67 )
日時: 2015/01/06 19:53
名前: 杏 ◆OMIlZuXo5U (ID: UrB7UrBs)

おもろい、おもろい!!!!!
更新楽しみにしてるね(^_^;)

Re: オモテとウラ ( No.68 )
日時: 2015/01/07 11:12
名前: 葵 (ID: DXj3gHSB)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi?mode=view&no=38328



14 亮と高橋

文化祭も無事終わり、待ちに待った夏休み!
予定のほとんどは友達や亮と遊ぶこと。
中学校生活最後の夏休みだ。とにかく楽しみたい。
「遥サン。夏休みのご予定は?」
「あんたとは違って暇じゃないから。」
「今週の土曜とか空いてます?」
「残念ながら、亮の陸上の試合を見に行くので空いてない。」
「おおっ。亮くん陸上やってたんだ〜。俺、結構陸上詳しいっすよ。」
「へぇ、意外。」
「どこ?T競技場?」
「そうそう。よく知ってんじゃん。」
「有名だからさ。何時から始まるとかわかります?」
「13:00って。・・・まさか。高橋・・・?」
「あ、俺も行くことにしたんで。」
「はああ!?何言ってんの。ばかじゃねぇの。」
「ダメ?」
「もちろん。それに亮なんだよ?高橋は平気なわけ?」
「平気っすよ。それに亮くん一回見てみたいし。」
「あのね、私は平気じゃねぇんだよ。亮に誤解されたら・・・」
「誤解されるような関係じゃないっしょ?俺ら。」
「でも・・・もし、私と亮の関係が壊れたら責任とってくれるのかよ。」
「うーん。そうなったら、俺はチャンスだよね。」
「は?」
「とりあえず、俺行くからさ。」

夏休みの始まりは、どうやら最悪らしい。



———


そして土曜日、T競技場に行く道のりで高橋と合流してしまった。
「遥、さすが私服のセンス抜群っすね。」
「遥って呼ばないでくれる?あと、今日はオモテの顔の日だから。余計なことしないでね。」
「へいへい。」
競技場についた私たちは一番前の席を確保。
雲ひとつない青空のなか、亮は、走る。
「いい天気で良かった。」
「そうかな、風が強すぎる。」
「風?」
「追参になるかも。」
高橋は真剣そのもの。いつものヘラヘラとした態度とは全く違い、見るもの全て鋭く観察する・・・。
真剣な高橋・・・よく見れば顔立ちは良い。
「亮くんってなんの競技に出るんっすか?」
「えっと。4継(4×100㍍)。」
「じゃあこの次っすかね。何走?」
「4走。」
時刻は13:15。予定より少し遅めで4継が始まった。
「高橋!高橋!亮、出てきた!」
「どれどれ?」
「あの、ブルーのユニフォームの!」
「筋肉半端ねぇな。」
オンユアマークス・・・セット・・・一斉に第1走が飛び出した。
速い、速い。カーブだからわからないけど、上位なのではないだろうか。
足の回転が、やっぱり皆速い。中学生とは違う。
第2走にバトンが繋がった。花の2走。
お・・・一位だ。二位のチームとはまだ距離が近い。
だんだん引き離してきた。そして3走へ。
あれ、抜かされる。カーブ走になってまた順位がわからなくなった。
そのまま、亮へ。
バトンパスはあまりよくなかった。順位は・・・。
二位?三位?
そのまま、亮はゴールした——

本当に、一瞬のことだった。


「高橋、二位かな?」
「わかんねぇよ。二位か三位か微妙なところだよな。」
「多分二位だ。いや、絶対二位だ。 」
亮、すごくラストスパートが良かった。
きっと大丈夫だろう。
電光掲示板に、順位が発表される。
S校は・・・二位だ。良かった・・・。
三位とのタイム差はほとんどなく、ほんとにギリギリだった。
次の大会行けるのだろうか。
とにかく、私は亮と話したかった。
「おつかれ」と言いたかった。



「遥!」
「亮!おつかれ!」
「見に来てくれたんだ。あれ・・・隣の・・・」
「あ、あの、同じクラスの高橋。陸上に興味あるから見てみたいって。」
「へぇ。初めまして、村本亮です。」
「初めまして。高橋颯太です。あなたが噂の遥サンの彼氏ですか。」
「あ、はい・・・。」
「亮、照れすぎ〜。」
「照れてないって、遥。」
「陸上って面白いですよね。」
「その・・・高橋くんは陸上してるのかい?」
「いえ、ただ興味があるだけです。」
「高橋はね、バスケが得意なんだよ。」
「バスケか・・・。いいね。俺、遊びでしかバスケしたことないからなぁ。」
「バスケも面白いっすよ。」
「そうだね。遥も高橋くんも、来てくれてありがとう。また来て。」
「うん。わかった。じゃあ、帰ったらメールして?」
「了解。」


遥たちが帰ったあと、亮は静かに呟いた。
「あの男・・前、遥と歩いていた男だよな・・・。」

Re: オモテとウラ ( No.69 )
日時: 2015/01/16 22:35
名前: 葵 (ID: DXj3gHSB)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi?mode=view&no=38328


15 嘘、時々、モトヤス

友達と遊んだり、図書館で勉強したり・・・
夏休みは順調に過ぎていく。
高橋とはメールが頻繁に来るものの、亮の試合以来会わなかった。
そして8月下旬。表裏人間集会。
いつもの様にコガネミチを通る。

その時はまだこれからおこる出来事など何も知らなかった。
後ろから近づく怪しい人影も知らずに・・・。



「遥ちゃん、おひさ〜!」
「お、ナナじゃん。久しぶり。出席確認を頼む。」
「モトヤス以外揃いました。」
「ん。始めようか。」
息を大きく吸い込む。
「今日は夏休みなのにこうして大勢のものが集まったことを嬉しく思う!少し暑苦しいが、思いっきり語り合おうぜ!!」
「おう!」
ナナがこっそり手招き。いつも通り集会が始まった——はずだった。

「遥ちゃんは夏休み何してた?」
「んー。友達とプール行ったり、亮とプチ旅行に行ったり。」
「さすがリア充。」
「ナナも彼氏いたでしょ。」
「私ずーっと警察がらみで忙しかったから、一回も遊んでなーいの。」
「またやらかしたのかよ。」
「ちょっと、ね?」
「ま、ガキのうちは色々やっとけ。」
「そういえば、またボロ出ちゃったりしてない?誰かに表裏人間であることがばれたり・・・。」
「今のところないな。夏休みだから基本皆に会わないし。」
「もう知らないからね?これ以上ばれたりとかしたら、ほんとに終わりだよ。そく退出。」
「わかってるっつーの。もう同じヘマはしない。」
——その時だった——
「部長さん。何の話をしてるのかなぁ。」
細身長身。茶髪。ピアス。たれ目。薄い唇。尖った顎。特徴のある声。
「モトヤス・・・」
「お久しぶりですねぇ、遥部長。」
「なぜここに・・・」
「いや、今月で一年になるっしょ?そろそろ顔だしとないとヤバイかなーって。」
「そっか。今月で一年・・・」
「メンバーの状況も把握できてないわけ?それより答えろよ。何の話してたんです、か?」
「それは・・・」
黙ってナナを見る。眉毛をハの字に曲げ、じっと私の方を見ていた。
私に任せるっていうことか・・・。
「別になんでもいいだろ。ガールズトークに口出しすんな。」
「ごめんね、実は会話全部聞いてたんだよなー。」
「え?」
「みんなぁ。ちょっとこちらに注目!」
モトヤスが声を張り上げていった。
皆が一斉にこちらを向く。
まさか・・・。
「掟の第三条、皆言えるよな?」
「表裏人間っていうことをばれたら、即退部・・・的なやつ?」
「そうそう。皆ばれないようにしてるよなぁ?ばれたとしても自己申告してるよなぁ?」
「当たり前。」
「この中に、ばれてるにも関わらず退部してないやつがいる。な?遥部長。」
私はうつむき続けた。
床が汚れてるな、とかどうでもいいことばかりが目に入る。
おそらく私の顔は今真っ赤だ。
「まさか・・・遥ちゃん・・・?」
「メンバーに隠し事をする、メンバーの状況を把握しきれていない、そんなやつ、部長失格だ。」
こんなことになるなんて。
何で今ごろになって気づくんだろう。結局自分は何一つできていないことを。
心にゆとりが出来てたから油断していたのだろうか。
ばれたということに、いつしか危機感が薄れていった。
部長としての責任感がなかった。
なぜ何もかも、嘘を貫こうとするんだろう。
嘘を嘘でカバーして、後悔するのは自分なのに。
どうすればいい?
私に何ができる。


ここにいる皆に、学校の皆に、亮に、その他大勢の皆に、
「ごめんなさい」



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