コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

想い思い、重い。 【久しぶりの更新でございます】
日時: 2015/10/06 19:34
名前: SINODA KEIN(ユキ) (ID: oUY4LzoD)

はじめまして、もしくは、こんにちは。
ユキです。

この作品で二作目!
しかし、今回はシリアス多しで恋愛をかいてみたいとおもいます。

更新は不定期になると思うので、気長にまってください!

感想・意見を、お待ちしています!

P.S.完結できるか、保障はないです。マジで。

Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14



Re: クチナシ ( No.7 )
日時: 2015/02/28 19:28
名前: SINODA KEIN (ID: kSUj1nMa)

〜アスチルベ:恋の訪れ〜

そのとき、ベランダにほしてあった雑巾が飛んでいった。
私は、あわてて窓をあけ、ベランダにでる。

「あわわわわっ!」

雑巾が、空を舞う。

少し、届きそうな距離だったから、手すりにつかまって、手を伸ばす。

「ん〜!」

とどかない。

私は、手すりに足をかけて、そのうえに乗る。
私の家のベランダの手すりよりは低い。

私は、これでも新体操をやっているから、バランス感覚はいいほうだ。

「よっ!」

とれた!

力を抜いた瞬間、強い風が吹く。

ビュュッ

「わっ──!」

私は、手すりの上でよろけ、向こう側────つまり、ベランダの向こう、校庭のほうへ──

おちるっ!

そう思ったとき、誰かが私の腰に腕を回していた。

左手には、見慣れた本が・・・・・・

「あぶ・・・・・・ない・・・・・・よ・・・・・・」

ボソボソ、と下を向きながらリン君が助けてくれた。

っ──!!!!!!

ボン、と顔が赤くなるのが分かった。

「だいじょ・・・・ぶ?」

凛君がおろしてくれる。

細い腕なのに、なんて力・・・・・・カッコイイ。

「ねつ・・・・・・あるの?・・・・・・顔、あかい・・・・・・」

「だ、ダイジョブ!」

それは、キミのせいだよぉぉっ!

「じゃ、じゃあね!」

「うん・・・・・・これからは・・・・・・気をつけ・・・・・・て」

バイバイ、と手を振ってくれた。

私は、手を振り返して、足早に教室を出る。


パタパタパタ

(うわあ、うわあうわあうわあ!!!!!!)

(凛君がっ凛君がっ!)

私は、テンションアゲアゲのまま、帰った。




「──折園胡桃・・・・・・か」

Re: クチナシ ( No.8 )
日時: 2015/02/28 19:29
名前: SINODAKEIN (ID: kSUj1nMa)

〜マトリカリア:恋路〜

「──ってね!てね!」

「はいはいはいはい」

昨日のドキドキの話しを純にする。

「で、その凛君は、今日もとくに変わらず本を読んでいる、と」

「ま、まあね・・・・・・」

なにか、もしかして、かわるのかな・・・・・・なんて淡いキタイはしたものの、結局何もなし。うん。予想通り。

「で、それで、もう2人の高峰、は?」

「は?」

「だから、2人は付き合ったの?」

「・・・・・・ん」

うーん・・・・・・・それがね。

「別に、変わりはない見たいだけど、でも、ミユは、変に意識してる感じがする」

「でも、一緒に登校はしてるんだね」

「う、ん・・・・・・」

会話はあんまりナイケドネ。

「そういや、陽君は、ミユさんのこと好きなの?」

「うーん・・・・・・」

どだろ。

別に、ミユみたいにクールってわけじゃないから、分かりにくくはないんだけど、でも、特別意識してるようには見えないし・・・・・・

「そうではない・・・・・・・とおもうけどナ」

「そっかあ・・・・・・」

残念そうに純がいう。

「ああ、そっか。陽君は一途に思ってるってうわさ、本当なのか」

「イチズ?」

「うん。小さいころから、好きな子がいるっていううわさ」

「へえ・・・・・」

小さいころから、ね。

あのチャラ男が?

「動の陽君と話して見たいよ、全く・・・・・・」

「動の」って・・・・・・なんだ、そりゃ。

「胡桃は、動とも静ともしゃべってるもんね」

静?ああ、凛君か。

「だねえ」

「いいよねえ」

「そうかなあ」

「そうだようー」

ブーブーと文句が続いたから、後半部分は聞いていない。


でも・・・・・・

小さいころから、か。
私の知ってる人かなあ。

保育園の子?小学校の子?
・・・・・・やっぱ、ミユ?
や、でも、ミユはまだ最近知り合ったばっかだし、そもそも、私と仲がいいから、しゃべるようになった・・・・・・とおもうし。

う〜ん・・・・・・わかんないなあ・・・・・・

Re: クチナシ ( No.9 )
日時: 2015/02/28 19:30
名前: SINODAKEIN (ID: kSUj1nMa)

〜ヒマラヤユキノシタ:秘めた感情〜

「陽ク〜ン」

「なあに?マミちゃん、コトちゃん?」

「明後日、うちらと遊ばない〜?」

「え〜?どーしよっかなあ?」

キャハハハハ、という、マミちゃんとコトちゃん(という人)。

「陽、明後日は──」

男子どもをかるくあしらっていた美自が、ガタッと席を立つ。
ロングの黒髪が、ゆれる。
制服のポッケの中に手を突っ込み、カツカツ、と陽のほうへあるいていく。

「あ、そうだった・・・・・・」

ポリポリ、と頭をかく。

「ゴメンねぇ〜明後日は、コイツとの約束があったんだった〜」

「「ええ〜!?」」

「また、今度ネ☆」

バチン、とウインク。
(皆、・・・・・・目がハートになってらあ・・・・・・)

「「うん!」」

オちたな、この2人。

そして、2人は退場・・・・・・

「さっすが陽君。ホスト向きだろーねー」

「もう、ホストできるできる」

やたら美形なくせして、ニコニコしてるし、社交的ときたもんだ。
いけるいける、NO.1目指せる目指せる。

じっと、私がその『ホスト向き』を見ていたら、目が合った。

「──」

なにかを、いっている。

「──う、──けど、──の──を──ないか?」

いやいや、わかんないわかんない。

「え?何!?」

声を張り上げると、

「・・・・・・おり・・・・・その・・・・・・さん」

後から、声がした。

Re: クチナシ ( No.10 )
日時: 2015/02/28 19:31
名前: SINODAKEIN (ID: kSUj1nMa)

〜ウツギ:秘密〜

「おり・・・・・その・・・・・・さん?」

もう一度、ゆっくりと、私の眼を見て話しかけてきた。

「りりりりりり凛君!?」

「きょう・・・・・・も・・・・・・教室・・・・・・のこる?」

「えっええ!?えっと、う、うん」

「・・・・・・わかっ・・・・・・た」

ポツリ、ポツリ、と少し高い、中世的な声がした。
そして、また、本に目をもどす。
そんな何気ない動作も、凛君だと絵になる。

「胡桃、顔、真っ赤」

ニヤニヤしながら純がいう。

「うっさいっ///」

しょ、しょうがないじゃん!話しかけられるって思ってなかったんだから!

「にゃっはー!それより、何何!?なにがおこるのかなぁ?『今日は』?」

「なななな、なんいもないってっ!」

あったとしても、もう教えるもんか!

ギャーギャーと、私はわめいて、聞こえなかった。







「──は──なのに・・・・・・・──は・・・・・・・っ・・・・・・」

「大丈夫?」

「あ、ああ・・・・・・」

「私との約束、忘れないでね・・・・・・あくまで、私は──」

「・・・・・・・・・・ああ・・・・・・・・・・・・・偽り、な」

「そう」

「・・・・・・でも、俺──」

「私だって、そう」

「だって・・・・・・でも・・・・・・」

悲しい声に。

Re: クチナシ 【折園胡桃サイド】 ( No.11 )
日時: 2015/02/28 19:34
名前: SINODAKEIN (ID: kSUj1nMa)

〜リナリア:幻想〜

「・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・」

分かってました。
わかってましたよ、私。

「・・・・・・・・」

凛君は相変わらず(超絵になる感じで)本読んでるし、私は越えかけようと、口をあけるものの、言葉が出てこないし・・・・・・

「・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・」

沈黙

沈黙

ちんも──

「くるみ〜?」

「え!?」

のびのびとした、独特な声・・・・・・

「陽!?」

なんでここに!?

「家いってもいねえから、探したんだぞ?」

「なんで?」

「なんでって・・・・・・なんとなく?」

「なんじゃそりゃ」

陽が、教室に入ってくる。

「凛〜!久しぶり?だなあ〜」

ケラケラ、と話しかける。

「・・・・・・・・クラス・・・・・・いっ・・・・・・しょ・・・・・・」

しかし、無表情のまま。

「ああ、そっかあ〜」

あははは、と笑う陽。
と、対照的な無表情の凛君。

2人は、夕日にあたって輝いている。

「・・・・・・キレイ・・・・・・」

ずっと、この関係がいいな───

ふと、私は思った。

私が凛君が好きで、陽と凛君が仲良し・・・・・・で。

凛君にキモチを伝えたら、壊れるのだろうか。
私の脳裏に嫌な妄想が浮かぶ。

私と凛君が笑っていて、陽が泣いている。

次に、私が泣いて、陽が慰めて、凛君も泣いている。

(・・・・・・いやだなあ、この妄想・・・・・・)

私が悶々としていると、陽が凛君に話しかけていた。

私は、妄想が本当になることがあった。
だから、私はならないことを心で強く願った。


Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14



この掲示板は過去ログ化されています。