ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- >>> ア ク セ ス >>>>
- 日時: 2010/05/19 20:47
- 名前: RADELLE03 (ID: QYM4d7FG)
不定期更新、それがRADELLE03のクオリティ(´∀`)
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登場人物>> >>3 >>106 >>107
※文字数オーバーになったので分けました
00 はじめに……
>>76
01章 URL=スタートボタン
>>2>>4
02章 少女二人の決意
>>5>>6>>7
03章 朝、少女は動きだす
>>8>>15>>16
04章 着いた場所、そこは空港
>>17>>19
05章 そこで私達は出会った
>>20>>21>>25
06章 闇夜を歩く,少女の向かう先は
>>28>>29>>30>>31>>32>>36>>40
07章 そして四人は誓いを建てた
>>43
08章 逃げ惑う,迫るは危機
>>45>>47>>50>>51>>52>>55>>59
09章 ドミノ倒し
>>60>>61>>63>>65>>70
10章 強制退場
>>71>>72>>77>>78>>81
11章 彼女の長い夢
>>82>>83>>84>>85
12章 微笑の奥は
>>86>>87>>88>>89>>91
13章 違反者と参加者の
>>95>>96>>99>>108>>109>>112>>113
14章 霧崎+ナイフ
>>117>>119>>120>>121>>124>>125
15章 絶たれた糸
>>126>>127
16章 偶然と偶然の重なり
>>128>>129>>130>>131>>132>>133>>134>>135
17章 炎上した教室の中で
>>136>>137>>138>>141>>142>>143
18章 Run, hide, shoot it,
>>145>>146>>148>>149>>150>>151>>152
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- Re: >>> ア ク セ ス >>>> ( No.136 )
- 日時: 2010/01/16 20:34
- 名前: RADELLE03 ◆X6s/dtSC5A (ID: QYM4d7FG)
パキン、パキン。
ゆっくりと漂うように歩み寄ってくる詩音に焦心に駆られながらも、ちらちらと教室内に目をやる。
猫に見つかった鼠のような硬直状態の三人は廃校の廊下で、最も会いたくない人物に遭遇してしまった。
ケンは携帯を持ってないから連絡が取れない——
かといって私の携帯も今は香奈と繋がっているから他の人には連絡が取れない。
頼りになるのは、ケンと手中の銃一丁———
「 ……何故『 カンザキサン 』が此処にいるのですか ?貴方、何しているんですか ?」
わざとらしく間崎という名前だけ強調して、突然間崎に向かったと思えば勢い良く後ろに押し倒した———。
しかし間崎にはすでに詩音の行動が読めていた様で、無表情で詩音の着ている服の襟を掴んでガラスの破片が.散.乱.している床に押し倒す。
「 ……お前達こそ何してんだよ……。.悪.趣.味.なんだよ ! !」
今度は顔面に.殴.り.かかろうとしたが、詩音は間崎の一発を交わし、立ち上がると同時に自分に服に付いたガラスを一目見て眉間に皺を寄せた。
「 ——間崎さん……服が切れたじゃないですか」
「 .気.安.く.呼ぶなよ ! ! もう……関係.無.いんだっ ! お前達と一緒に——」
「 寝言ですかぁ ?! 今まで貴方は私達と散々〝プレイヤー〟を.殺.し.て.き.たじゃない ?
——今更〝自分は違う、自分は正しい〟とか思ったって…〝.無.駄.〟ですよ ?」
舞は正面で問い詰められている間崎からわずかに視線を奥のほうに向ける。
目にうつったのは灯油を持っていた少年が退屈そうに廊下の薄汚れた壁に寄りかかり、足を組んでいる姿。
その少年の姿に自ら囮となった裕樹を重ねてみると身長もふとした仕草もどこか似ていた。
まさかと一瞬思うが、後ろで耳をつんざくような悲鳴が聞こえて現実に戻される。
悲鳴の主は香奈だった。
しかし、この緊迫とした空気で動くことすら出来なかった。
ゆっくりと教室の方へ顔を向けると、教室内に炎が入り始めていた。
その時、衝撃を受けたようにまずいと思った。
この廃校の床は〝木〟で出来てる——
それに廃校ってことは、もう材質も古いのかもしれない……
こんなところでグダグダしてたら校舎全体が.火.事.に.なるかも——
その後の事は決まっていた。
「 貴方もよく平然としていられますねーっ ! .死.に.た.い.のですか ?
……この状況で他人の心配……その冷静さ、彼女に分けてあげたらどうですか」
自分の事を言っているのだと気づくのに少々時間が掛かった。
舞のしきりに教室の中を見ようときょろきょろする動作が今の詩音には油となり、怒りをさらに増してしまったのだ。
「 ジスも突っ立ってないでさっさと次の作業をして下さい」
今度はジスと呼ばれた、後ろで退屈そうにしていた少年に怒りの矛先は向けられた。
「 はい、すみませんでした——」
明らかに年ではジスと呼ばれた少年のほうが上だろう。
しかし完全に正式な立場は逆転していたようだ。
だが、ジスの謝るというのが良かったのか、ここで.無.差.別.的.な詩音の怒りは治まった。
「 ……ッ ! 」
そういう訳ではなかったようだ。
詩音はどこかにナイフを隠し持っていたようで、両手に持った鋭い.刃.の切っ先を一瞬で一本は舞の.顔.面.の前に向けられた。
もう一本は近くの壁に.突.き.刺.さ.っていた。
舞が前に踏み出すなど、今の状況でしたら完全に.自.殺.行.為.だろう。
そして静かに、全員の耳に届くような大きさの声で言った。
「 ——隙何て作っていたら、この校舎から出ることは出来ないと思います——
——その前に、彼女をどう救うのか気になりますけど———」
「 ——これでは貴方達でゲームを終わらすことなんて出来ないでしょうね……
……どちらがこの状況で有利か、舞さん、貴方にはこれ位分かりますよね ?」
その一言で、舞の中の何かが限界を超えた。
- Re: >>> ア ク セ ス >>>> ( No.137 )
- 日時: 2010/01/17 00:46
- 名前: RADELLE03 ◆X6s/dtSC5A (ID: QYM4d7FG)
「 そんなこと分からないじゃん !まだ——」
「 まだ ? まだ何 ? 」
弱弱しく、自信が無かった舞の声は見事に詩音の声にかき消された。
どうしよう、どうしよう……
どうすればいいんだろう…………。
水さえあればと何度も思ったが、思っただけで水は出てこない。
これ以上燃えてしまったら大惨事になってしまうだろう。
雨でも降ってくれないだろうかと奇跡に等しい事を考える舞だったが、こんな時にかぎって降らない。
勝手に苛々する舞だったが、詩音のせいで余計に苛々してしまう。
「 今は何もしないであげるけど、間崎さんだけは連れて行きます」
有無を言わさず強引に間崎の腕を引っ張って行こうとするが、勢い良く詩音の手を振り払いた。
間崎もどうやら苛々しているようだった。
大きなわざとらしいため息をひとつはいた。
「 何で出て行ってまた帰らなきゃいけないんだよ ! !
何度も言わせんな ! もうこのゲームに関わりたくないんだ、僕は !
でもそれはもう無理だからせめて罪滅ぼしとしてこ.い.つ.等.と一緒にゲームを.終.わらす !」
誰かを.殺.し.て.し.まったことが今の間崎の言葉の中に隠れていた。
せめてもの罪滅ぼしとして、ゲームを早く終わらしたい————
舞は間崎の言葉に救われたような気がした。
炎の不安定な灯の中、数秒間の静寂が包み込んだ。
香奈の声もしない、誰も声を発しなかった。
まるでその場にいる全員が、今までゲームが始まってからの自分を思い返しているようだった。
「 うぁ.ぁ.ぁ.あ.あ.あ ! ! !」
そんな静寂を.切.り.裂.く.ように、詩音が絶叫しながら近くにあった灯油を両手で持ち、ぶんぶんと振り回した。
当然、中身は廊下のあらゆる所に飛び散り挙句の果てには舞にも雨のように降りかかる。
——その時。
ボォッと炎の音がしたと思えば、涼の足元に灯油が飛び、近くの炎で引火したようだ。
「 うわあぁ——」
それが原因で次々に炎が燃え移りはじめた。
危機感をいち早く察した舞は、すぐにその場から離れようとしたが、そんな事を詩音が許す筈も無く
容器を逆さまにして、.液.体.を.舞.たちの周りにかける。
その時、想像をはるかに超えるようなものを詩音は自らの上着から取り出した。
ライターだ。
驚愕したどころではなく、絶句に等しい。
「 て.め.ぇ、何.考.え.て.ん.だよ ! これは無いだろ !」
「 詩音、待ってよ……そんなことしたら——」
冷笑を浮かべ、カチッとライターに炎を点すと、こちらの方に投げ入れた。
「 あっ——」
カツンカツン、とライターは音を立てて廊下に落ちた。
その瞬間、ゆっくりと炎が揺らめきながら現れた。
運良く距離は四、五メートルは離れている。
これも詩音が立ち去ろうとしたから空いた距離だろう。
しかし、喜んでいる場合ではない。
五メートルなんて完全に引火するのに十分もないかもしれない。
「 では、さようならー……」
詩音はツカツカと背を向け足早に去っていく。
その背中をただ睨み付ける事しか出来ない自分が少し腹ただしい。
あんな詩音のことだから、一階も燃やす気かもしれない。
最悪の事態が予想できる。
一階が燃えてしまっては出ることが出来無くなってしまう。
今更ながら恐ろしいと感じた。
詩音は階段を下りたらしく、ジスだけが取り残されている。
「 おい、どうする気だよ……これじゃあ全員、火葬される」
駄目だ、涼はこういう時〝も〟頼りにならない……
「 本当に不味かったらも.う.あ.そ.こしか出口が無いですよ」
間崎の指差す先は無残に割れた窓ガラス。
あまり使いたくないなぁ……
「 出口じゃ.ねぇ.よ ! ここ二階だぞ ! ! !」
「 分かってますよ、でも二階程度なら.死.な.な.い.で.すよ。……多分」
その時、目の前に何かが飛んできた。
「 わ——」
飛んできた〝それ〟は舞の顔面にあたってから地面に落ちた。
突然の出来事に呆然と立ち尽くしている。
舞以外の涼と間崎もだったようで、落ちたそれに釘付けになった。
それは水の入ったペットボトルだった。
「 え……」
何。
何なの……。
飛んできた方向の舞の正面には、ジス以外の誰もいない。
しかし、本人の姿はもう見当たらない。
涼はペットボトルを拾い上げると、目を輝かせた。
間崎も嬉しそうにしている。
よかった————
けれど舞は何か納得できないような気分だった。
何でだろう、どうしてだろう……
ペットボトルが当たったおでこをさすりながら、舞は飛んできたほうを見つめた。
- Re: >>> ア ク セ ス >>>> ( No.138 )
- 日時: 2010/01/17 12:15
- 名前: RADELLE03 ◆X6s/dtSC5A (ID: QYM4d7FG)
「 ……ちょっと、勝手な事しないでくださいよ」
少々顔を曇らせた詩音が階段を下りてすぐ正面に立ってこちらを見ていた。
「 あんまり余計な事をすると、美希さんに言われますよ」
「 別に」
そのひとことで詩音は分からないという風に困惑した表情を浮かべた。
「 自分の手で.殺.し.た.かっただけだし……あ.ん.たもそうだろ。
でも一度小野田舞に.殺.さ.れ.か.け.て.いるあ.ん.たは自分が有利な立場に居る内に
手段を選ばずここは.殺.し.て.おこう、と思った」
「 ! 何で、舞.に.殺.さ.れ.かけたって——知ってるの——」
全て図星だったということと、自らを.殺.そ.う.と.し.た人物が誰か知っているという事に呆然とする。
そんなひとり焦る詩音を横目で見て微笑を浮かべた。
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「 なぁ、これ一本じゃ流石にこの炎全部は消さないだろ」
「 全部消火するのは不可能に等しいかもしれませんね、もう……」
「 香奈が教室に居るから、ここに使うしかないよ……」
しかし、教室の入り口に立ちはだかる炎は、水の入ったペットボトル一本で消せるのだろうか。
「 でもそうしたら廊下の火が消せなくなりますよ」
「 ……そこはおいておいて、今から水かけるから、火が小さくなったうちにここを飛び越えて入ろ——」
即座に〝飛び越えて〟という言葉に涼が信じられないという反応をした。
しかし手段なんてもうほとんど無い。
「 いい ? いいよね」
涼と間崎がこれからリレーでもするかのようなポーズをとった。
キャップをとり、投げ捨てると人が一人分通れそうな位の大きさだけ消火することにした。
自分も直ぐに教室に入れるようなるべく炎に近寄り、ペットボトルの水を勢いよく降りかけた。
ジュワッと音を立てて火が弱まった。
その一瞬の隙を狙って三人が教室に飛び込む。
勢い良く床に叩きつけられ、三人はほぼ同時に入ることが出来た。
「 あ、熱かった……」
一番最初に飛び込んだ舞でさえも熱かった。
どうやら最後に入ったのは涼のようだった。
「 マジで…….死.ぬ.か.と思った……」
ペットボトルに残った水を見てみると、半分も無いことに動揺を隠せなかった。
「 舞…… ?」
顔を上げると、窓側でうずくまっている少女が居た。
おそらく彼女が〝香奈〟だろう。
「 香奈 ? ! 大丈夫 ? !」
ペットボトルも銃も置いて、携帯を見た。
電話は校舎に入る前からの香奈と繋がったままである。
涼、間崎も香奈の方へ駆け寄った。
火傷していない様子だったことに良かったとつぶやいた。
「 ごめん、みんな……本当にありがとう……っ !」
震えた声で香奈は全員を見回すようにして言った。
このゲームでここまで感謝されたって——初めてかもしれない。
香奈を見つけることが出来たということに喜ぶが、問題は残っていた。
- Re: >>> ア ク セ ス >>>> ( No.139 )
- 日時: 2010/01/17 16:07
- 名前: 五十嵐 (ID: pso6/HFo)
最初っから全部読みました
すごい楽しかったです
続きがんばって下さい
- コ メ ン ト へ の 返 信 ( No.140 )
- 日時: 2010/01/17 16:22
- 名前: RADELLE03 ◆X6s/dtSC5A (ID: QYM4d7FG)
>>139 五十嵐さん
コメントありがとうございました !
ちょっと全体的に長編ものになってしまいました(^_^ ;)
今後も頑張りますのでよろしくお願いします !
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