ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- 神様が死んだ日
- 日時: 2009/07/02 17:36
- 名前: えみ ◆.OTuS3XQxg (ID: EbMOb6mj)
今まで、何度もホラー小説を書いてきました、えみです。
今回は、大人っぽい話を作ろうかな、と考えています。
よろしくお願いします。
- Re: 神様が死んだ日 ( No.9 )
- 日時: 2009/07/06 20:28
- 名前: えみ ◆.OTuS3XQxg (ID: EbMOb6mj)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel2/index.php?mode=view&no=12144
3話・
〜昼休み〜
「失礼します。」
私は立ち上がると、弁当を持って屋上へ向かった。
『楽しい事を教えましょう。』
今思い出すと、あの声が恐ろしく感じた。
カタン、カタン.....
階段の音が響くたびに、鳥肌がたった。
カタン、カタン.....
音が、だんだん大きくなる気がした。
(うるさい!)
そういいたい雰囲気だった。
言ったところで変わらない。でも、恐怖で声が出なかったのもある。
「やめて....っ」
屋上の方から、かすかに震えた声がした。
私は、恐怖で足がすくんだ。
でも、行かなきゃ!という気持ちが心のどこかにあったのか、勝手に足が進んだ。
ギィィィィッ!!
ドアが、大きい音を立てて開いた。
(しまった!)
屋上には、腰が抜けてしまったのか、手をついて後ろに少しずつ下がっている女の人と、ナイフを持った男の人がいた。
2人は、いっせいに振り向く。
「これはこれは、お早いおでましで。」
男の人は、にっこり笑って、
「もう少々お待ちください。」
といい、女の人にナイフを突きつけた。
「いやぁぁっ、お願いします、助けてぇ!!」
その言葉で、私はハッとした。
助けなきゃ、助けなきゃ.....
ただその言葉が頭の中でぐるぐる回っている。
どうしよう、今の私じゃ何も出来ない。
足が震えて、踏み出す事も出来ない。
「助けてぇぇっ!!!」
つい、大声で叫んでしまった。
でも、もしかしたら今の声じゃみんなのところには聞こえていないかもしれない。
恐怖で、声まで小さくなってしまったのか?
私が、もっと強ければ.....。
私がもっと、しっかりしていれば......。
こんなことで苦しまなかっただろう。
神様、お願いします。
どうか私を、強い人間にしてください。
私は願っている間に気づいた。
前にも、こんな事なかったっけ?
あぁ、あの夢だ。
あれは......未来を見た夢だったのかな?
「きゃあぁぁぁぁぁぁっ!!!!」
女の人は、雀のような高い声を上げ、屋上から落ちた。
「あっ!」
私はその時気づいたのだ。
さっきの男は姿を消し、場所が屋上ではなくなっている事に。
- Re: 神様が死んだ日 ( No.10 )
- 日時: 2009/07/06 20:30
- 名前: えみ ◆.OTuS3XQxg (ID: EbMOb6mj)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel2/index.php?mode=view&no=12144
スミマセン、題名を書き忘れてしまいました。
題名は、「願い」です!
本当にスミマセン。
- Re: 神様が死んだ日 ( No.11 )
- 日時: 2009/07/06 21:57
- 名前: えみ ◆.OTuS3XQxg (ID: EbMOb6mj)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel2/index.php?mode=view&no=12144
4話・役目
私は、あたりをきょろきょろと見回した。
そこはすでに屋上ではなくなっていた。よく分からない場所だった。深い霧がかかっていて、自分が見えるか見えないかほどだ。
「どこだろう。」
つぶやいたが、その場所が分かるわけでもなく、ちょっと悲しくなった。
「ねェ、いるんでしょ?何なの?!楽しい事を教えるとかいって、人殺し?元の場所に戻してよ!」
叫ぶだけ叫んでみた。
「はは、面白い人だな。ここ、どこだと思う?」
さっきの声がした。
えっ.....?どこって、知らない場所じゃないの?
ブワァァッ
霧が、一瞬で晴れたかと思うと、空は真っ黒で、昔どこかで見たような気がした。見た瞬間、嫌な記憶がよみがえった。あ....ここ....。あのときの。
昔、ここでいじめられたことがあった。
蹴られて、殴られて、悪口を言われた。
「.......何しようって言うの?」
あの頃の事は、忘れたつもりだった。
でも、辛い記憶というのは、忘れられないものなのか.....。
心の隅っこに残っていたんだろう。
涙が、ポロポロ流れてとまらない。
「あなたは、本当に面白い。だから、いい事を教えましょう。」
また声がした。
「何が面白いって言うの?!人を殺して.....。」
私は1歩踏み出した。
カシャン...
何かを踏んだ。
下を見ると、ナイフ。
........これで、どうしろっていうの?
人を.....殺せって事?
私は、何をすればいいの?
- Re: 神様が死んだ日 ( No.12 )
- 日時: 2009/07/07 19:57
- 名前: ぱっち ◆fTIBDvt3G. (ID: 0EXdTy9p)
う〜ん?
題名が役目だから、この人の役目を決めるとかそんな感じかなぁ〜?
気になるよぉぉ!!
- Re: 神様が死んだ日 ( No.13 )
- 日時: 2009/07/07 21:52
- 名前: えみ ◆.OTuS3XQxg (ID: EbMOb6mj)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel2/index.php?mode=view&no=12144
5話・記憶
ナイフ.......。
私に人殺しなんてできない!
そう思った。いや、正確には「思いたかった」かな。
だって、あの頃私をいじめた人たちを思い出したら、無意識にナイフをにぎっていた。
ナイフの刃が、光っている。
「これで....これで.....殺せば、私は苦しみの記憶から解放される?」
これが、私の本心なのだろうか?
あたりは、さっきから景色が変わらない。
木が立ち並び、芝生が緑で美しい。だが、空は相変わらず真っ暗だ。
ザッザッザッ
数名の足音が響き渡る。
「だ........れ........?」
懐かしい気がした。どこかで見たことのある顔だ。嫌な思い出が頭の中によみがえる。
「恵子.......ちゃん?美智子ちゃん?典子ちゃん?」
私は、記憶の中から名前をひっぱりだして、言ってみた。すると相手は、急に青ざめた顔になった。
「あんたまさか........玲子...なの?」
恵子らしき人が言った。
「そうよ。」
私は、ナイフをぎゅっとにぎり直した。
殺してしまえば、あの記憶から開放される?
ダメ、殺したところで何も変わらない!
心の中の天使と悪魔がささやきかけた。
「立派になったものね。あの弱虫がねェ。」
美智子が言った。
「私決めたの。あんたたちと関わっていたら、ろくな人間になれないわ。だから、あんたたちの記憶はずっと心の奥底に閉じ込めておいたのよ。」
私は、殺してはいけない、そう思った。ここは、話し合いで解決させたかった。
そう言うと、とてもスッキリした。
「心の奥底?ふざけないで。親友の記憶を閉じ込める?私たちの気持ちにもなってみなさいよ!」
典子は、あせりながら言った。
「それはこっちのセリフよ。親友だと思ってたのに、ある日いきなり裏切られた。ある日いきなり、親友に殴られて、蹴られて、悪口を言われた私の気持ち分かる?分からないでしょう!
いつかきっと、前の優しかったみんなに戻ってくれる。いつかまた、仲良く遊べる日が来る。そう信じて待っていた私の気持ちなんか、あんたたちに分かんないでしょう!!」
私は一気にそこまで言うと、はぁ、はぁと息を切らした。
「とにかくっ、もう私に関わらないで。私は私の人生を、ちゃんと、立派におくってるの!もう、会うことはないわ、さようなら。」
私は、ナイフを捨てた。
カラン、カラン
刃が地面に触れて、音がした。
さよなら、あんたたちには、お礼を言わなくちゃね。
だって、あんたたちのおかげで、私はこんなに立派に、強くなったんだもの。
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