ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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—バグ、消去します—
日時: 2009/07/26 23:58
名前: 空雲 海 (ID: d9r3SuxE)

キーンコーンカーンコーン……。
終礼が終わり、部活に励むため出ていくみんな。
とてもガヤガヤしている教室。
私たちのクラスは最上階で、見晴らしがいい。
天気は快晴の空。
でも、この夏の時期に快晴の空はキツイ……。
みんなは、噴き出してくる汗を拭きながら教室を出ていく。
そして、ほとんどのみんなは教室を出て右に行くのに、わたしだけは左に行く。
なぜかって? それは——……。
わたしの入っている部活は、「電脳探偵部」だから……。

たぶん目次

作者の紹介
     >>1
まずはあいさつから始めましょう
               >>2>>3>>4>>6
電脳探偵部に入ったワケ(あるいは詐欺)
第一部 ガリ勉のよくあるパターン……?
                  >>9>>13>>15
第二部 いくら頑張ったって運命は変えられない
                  >>16>>19>>20
第三部 誘拐まがいなことをする部
              >>21>>22>>23>>24>>25
第四部 その部に入部し、しかも実行
                >>28>>29>>30>>33
第五部 デリート、実行(あるいはもう元には戻れない)
              >>37>>42>>44>>45>>48
第六部 デリート! 
          >>49
あとがき
      >>50

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Re: —バグ、消去します— ( No.40 )
日時: 2009/07/26 09:20
名前: 空雲 海 (ID: d9r3SuxE)

この登場人物の名前、ある共通の言葉が隠されているんですけど、何かわかります?
二つあるんですけど・・・。

Re: —バグ、消去します— ( No.41 )
日時: 2009/07/26 09:50
名前: 心 (ID: VZEtILIi)

あ、本当だ。失礼っ!

なんか、自然っぽいですねぇ。
雷とか雨とかあるし・・。

Re: —バグ、消去します— ( No.42 )
日時: 2009/07/26 10:40
名前: 空雲 海 (ID: d9r3SuxE)

「さぁ、隠れましょう。もうすぐで来るわ。」
雨雲先輩が言う。
「そうだね。それじゃぁ、わたしたちはこのカーテンのところに隠れてるね。」
そういって、わたしは扉に敷かれているカーテンのところに隠れる。

その時!
キィィィィィ……。
大きな扉が不気味な音を立てて開く。
開いたドアの細いところから二人の長い影が見える。

バタンッ!
大きな音を立てて扉が閉まり、靴の音が鳴り響く。
その靴の音の発生場所を見るとそこには……。
「斎藤と佐藤……。」
わたしはつぶやく。
彼らは、曇先輩の送った手紙、「いい賭けごとがある、この場所に来てくれ」というような内容に、
ここに来たんだ。
斎藤と佐藤は真ん中へ行く。

そこには——……。
小さなテーブルがあり、その上に乗っているのは、雨雲先輩。
雨雲先輩だけど……違う。
「とっても綺麗……雨雲先輩。」
わたしは雨雲先輩に目を奪われる。
いつものポニーテールをはずし、髪をおろして、メガネをはずしている。

それだけでも、ちょっとうっとりするくらい綺麗。
それに、幻想的な紫色の丈が長いスカートにキャミソールの上に紫色のショールを羽織っている。
だから全身紫。それが炎の明かりに照らされてすごく綺麗になってる……。

「雨雲先輩……長身だし、スタイルいいし、顔も綺麗だし……いいよねぇ〜……。」
まるで、女のわたしでも恋してしまいそう……。
「あなたが斎藤様と佐藤様?」
大人の女性の声で話す雨雲先輩。
どこからどう見ても、大人の女性だ。
まだ18歳とは思えない。

「そうです……。あなたは?」
佐藤が答える。
でも、先輩はニコッと笑ってそのままスルー。
あんな人に微笑まれたら誰だってドキッとするからスルーしたことに気づかない。

「お綺麗ですね。失礼ですが、何歳ですか?」
やばいっ! 年齢を聞かれた!
「クスッ。まだ19でございます。」
サバよんだぁぁぁぁぁ!
サバよんでもいいのか?
「ところで……ここに、ちょっと危ない賭けがあると聞いて来たんですが——。」

佐藤が言う。
「ええ。ここです。」
「それじゃぁ、あなたがは?」
斎藤の答えに雨雲先輩が答える。
「わたしはここの支配人です。あなたが今日の迷える人ですね?」
「ええ。」
「それでは、さっそく……。」

そういって、コップを二つ出す雨雲先輩。
「おい!」
誰かの声がする。
わたしは後ろに振り向いてみると、そこには空雷先輩がいた。

「ここから先、知らされてねぇーぞ!」
「わかってるよ! わたしだって知らない!」
そう……。ここからさきは雨雲先輩だけが見るようにと曇先輩から指示があったのでわたしたちは見てない。
ということは、ここからの展開がわからないのだ。

「アイツ……曇りのやつ、どーゆーつもりだ?」
「まぁ、気長に見てようよ。」
「チッ。」
そういって、曇先輩はどこかに行ってしまった。
「何するんだろう……雨雲先輩……。」
わたしたちは緊張に包まれた。

Re: —バグ、消去します— ( No.43 )
日時: 2009/07/26 10:41
名前: 空雲 海 (ID: d9r3SuxE)

あと、もう一つあるんですよ。

Re: —バグ、消去します— ( No.44 )
日時: 2009/07/26 13:55
名前: 空雲 海 (ID: d9r3SuxE)

「ここに二つのカップがあります。」
そして、手をします雨雲先輩。
それは、普通の紙コップだった。
「この紙コップにお水を注ぎます。」
そして、やかんから出るお水を注ぐ雨雲先輩。

「おい!」
後ろから空雷先輩の声。
「なんでこんな雰囲気なのに紙コップとやかんなんだよ!」
「……たぶん経費削減だと思う。」
曇先輩って結構ケチね。

「で、賭けごととは何をするですか?」
佐藤先生が雨雲先輩に聞く。
「今からこのコップのどちらかをあなたたちとわたしで飲んでもらいます。しかし——、どちらかに毒が入っています。」
「えっ!?」
佐藤先生と斎藤先生が驚く。

「おい……マジかよ。」
ここでも空雷先輩が。
わたしは口をポカーンッと開けてる。
そんなの、高校生がやるような賭けじゃないでしょ!
曇先輩は何を考えて……。

それに! 承諾した雨雲先輩もおかしいわよ! ……この場合承諾しなければいけないけど。
「……本気で言ってるんですね?」
佐藤先生が言う。
「ええ。本気で言っています。あなたたちにこのような危ない賭けはしない方がいいかしらね?」
そして、ニコッと笑う雨雲先輩。
大人の女性が挑発したらこうなるんだろうな……。

「いいでしょう。受けて立ちますよ。」
そう言ったのは斎藤先生。
「ええ! いいでしょう!」
さすが生徒の点数で賭けごとをやったあの二人。
命亡くなってもいいのね。
「で、何を賭けるんですか?」
「わからないんですか? 命ですよ。」
「命!?」
斎藤先生と佐藤先生の声が重なる……あと空雷先輩とわたしの声も。

「命を賭けたって、なんの利益もありません。だからこうしましょう。この奥にはわたしのすべての財産があります。
「財産!?」
この声も雨雲先輩以外。

「わたしが負けたらわたしの財産をすべてあなたにあげます。しかし——」
ここでグッと佐藤先輩と斎藤先輩に迫る。
「あなたたちが負けたらあなたたちの財産をもらいます。」
「ちょっと待って下さい!」
これは斎藤先生ただ一人。
「あなたは二人の財産ですが、俺たちはあなた一人の財産を分けるわけですよ! それじゃぁ、こっちの方が不公平じゃないですか!」
斎藤先生の声がホールの中にこだまする。

「大丈夫です。この扉の先にあるのは——……。」
そういって、指を一本出す。
「百万円かよ!」
「二桁違います。」
雨雲先輩が二桁のところを強く言う。
「一億……。」
斎藤先生の言葉でニコッと笑う雨雲先輩。

……雨雲先輩のこと、明日から変な目で見そう……。
「それでいいですか?」
そして、脅えたような目で見る佐藤先生と斎藤先生。
そして、ゆっくりとうなずいた。

「それではどちらか選んでください。」
斎藤先生と佐藤先生が後ろを向き、相談してる。
「大変なことになったな……。」
空雷先輩が言う。

「そうだね……って! いつのまにいるんですか!」
「シーッ! 大きな声出すな!」
……空雷先輩が大声出してるともうけど。

「決めました。」
「それでは……選んでください。」


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