ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- 剣の舞。。。
- 日時: 2010/01/24 12:11
- 名前: 七瀬 (ID: c.8q4OQv)
ダークファンタジー系の物語書いてみたかったんだ!
未熟者だけど読んでくれると嬉しいかな。
皆がコメントしてくれると書いてて楽しい気持ちに
なるし、書いてて怖くないから。
コメントよろしくお願いします////
- Re: 剣の舞。。。 ( No.30 )
- 日時: 2010/02/20 10:10
- 名前: 七瀬 (ID: c.8q4OQv)
#20
「桃…」
「ゆさ…か…」
息を切らしている。
もう絶えられないらしい。
体力的にも。
体的にも。
だから毒とは恐ろしい。
如何な理不尽を生みだすか予測不能が故——だ。
「弓坂…はっ…解毒剤って…あっ…た…」
「無い!そんなの合成してないぞ」
「そっか…じゃ 死ぬしか…」
見てるこっちが苦しいよ。
じゃ 実験開始するか。
妾は2人の方に歩み寄る。
妾の影でそれに気付いたのか弓坂は咄嗟に桃を
抱き抱えた。
「そう構えるな」
「…お前の方がよっぽど悪魔だぞ」
「そりゃ結構、生憎妾は自分の種族を気にかけた
事が1度とも無いのだ、
生きてれば、悪魔も天使も人間も何も変わらぬ」
「!!何を偉そうにいってやがる!!」
「分からぬか?妾達は分かりあえるのに
何故分かろうとせぬのか——だ」
「不可能だろ」
「不可能ではない、例え不可能であろうとも
可能にしてみせるぞ」
「じゃあ何で…桃にこんなことを…!」
憎らしい奴を見るかのような瞳で妾を見る。
奴の野心が暴れている。
「そ奴の事、助けてやろうか?」
「な…」
「妾なら術で解毒することが可能だが…どうする」
「…!!」
歯を食いしばる。
眉間に皺を寄せ、ただひたすら桃を強く
抱きしめる。
しばらくの沈黙。
「ま、そうだよな、敵にお情けをかけるなんぞ
貴様のような上級悪魔は大抵出来ないだろうな、
しかも条件付きと来たものだ、
あ、でもそれでもう貸し借りはチャラになるのか」
妾の言葉に弓坂が反応する。
桃を抱きしめていた力を緩めて驚いたような目つき
で妾を見る。
やがて桃をそっと床へおき、
先程の桃の行為——妾の小柄な体の肩をぐら掴む。
「条件ってなんだ!?」
焦っていた。
そんなにも桃が愛しいか。
「…買ったか?
言うが条件は高いぞ」
「?」
「1.預言書を渡せ」
「!!」
「2.妾に協力する」
「!?」
「どちらを選ぶ?」
妾は皮肉に笑う。
「弓坂…駄目だよ…」
「桃…」
「…はぁ、しょうあるまい」
「あ?」
「『解毒』!!」
「なっ!?」
同情こそはせぬが共感はした。
毒を解き、正々堂々やるのが仁義だよな。
妾は卑怯であった。
「これでよかろう、ついでに主、足にけがをして
おったな、ついでにそれも治してやった、
感謝するが良い」
「余計な…」
「全面戦争と言ったであろう」
「……」
桃も弓坂も呆然とする。
なんという面だ。
「雷光 黒安威…」
「何?」
「何だ?」
「あの2人のまま攻撃しても良いのか?」
「…どうだろう」
「面倒くさいな…
『火炎』」
第弐の封印 火炎 。
「火炎の力があの程度で収まると思うなよ、悪魔」
- Re: 剣の舞。。。 ( No.31 )
- 日時: 2010/02/21 19:31
- 名前: 七瀬 (ID: c.8q4OQv)
#21
床を蹴り飛ばし一気に火炎で消そうとしたが、
それは桃の言葉で遮られた。
「あんた、預言書にお願いするの?
『争いの無い平和な世界になるように』って?」
「そんな事は願わんわ、妾は預言書にそんな
偉大な事を願う程おちぶれちゃいないし、
卑怯では無い」
「……」
「主も分かっておろう、今の世は実力の世界だ、
だから妾はそれに従い、実力で平和な世にする
までだぞ」
刀をおろす。
刃の炎は揺らいでいる。
桃は「ふぅん」と流し、手を上へ上げる。
それと同時に、妾は再び火炎の刃を構える。
桃の上げた右手から刀の形をした光が現れ、
光が消えたと思うと、普通の刀が桃の手におさまって
いた。
一回、刀を振り回し、風の音をならした。
「実力の世界なら、正々堂々やらなきゃならない
訳——だよね」
「如何にも」
桃はクスリと笑う。
「じゃあ、手加減も必要ないんだ。
久し振りに本気で…」
「かかってこい」
「blackSatan
blueSatan
whiteSatan」
「む」
桃はSatanを呼ぶ。
whiteSatanが増えたか。
「雪海を殺しちゃえ♪」
ゴッとSatan達が妾を襲う。
妾は刀を突き出す形に構えまたも床を蹴ろうとした
が、後ろから細かい糸の音が聞こえた。
「む!」
桃が頬を膨らませる。
その糸はSatan達を八つ切りにする。
液体がとんでくる。
妾は飛び散る液体の方に刀を振り、
火炎で液体を蒸発させた。
「黒安威っ?」
黒安威は刀をその場で振り回していた。
——否、刀を、では無い、刀の先についている
極細の糸を、だ。
Satanはその場で崩れる。
「遊馬藻!遊馬藻は雪海の相手しなさい!
桃はあの糸使いの相手する!」
「あぁ!?」
「じゃあ、俺は雷光を相手にするのか」
「くす、弓坂見物してたい?」
「イヤ、あいつと戦いたかった」
「やん、弓坂ってば格好良い」
妾は反論せずにただ火炎を構えるだけであった。
誰が相手だろうとやることは同じだ。
だが、言いたい事は言わせてもらう。
「桃、妾との勝負は投げるのか?」
「何」
皮肉げな表情であった。
「『私が負けました』って肯定してるのか?」
シニカルに笑う妾。
「切れた、一瞬でお前を討つ」
「おっと」
桃の刀が床を切る。
妾を目掛けたのであろうが、妾が避けって
しまった。
「こんのー!」
風を切る音がする。
気持ちが良い。
「おい!桃!俺は…」
「遊馬藻は!糸使い野郎の相手ー!!!」
憤怒か——?
「飽きた」
「何!?」
「あー嫌な、すまん」
「は!?」
「『 火炎 龍崩 桜舞 』」
「ちょっ!!」
炎が場を支配し、龍が場を崩し、桜が風になり舞う。
「すまぬな」
「何よ!がっ はっ !!」
桃が口から血液を飛ばす。
「な 何よ 此れ」
「すまぬな」
「痛いよっ!嫌!嫌だ!風が強すぎる、速すぎる!
風が桃の肌を切るよ!痛い!」
「すまぬ」
「何かが建物自体を壊してる!?い 嫌!
崩れる!も 桃が下敷きになるよっ!」
「すまぬ」
「あ ああ!!炎が!炎の温度が高すぎる!
熱いっ!焼け死んじゃう!嫌!熱い熱い痛い!」
「すまぬ」
「嫌っ!弓坂と一緒が良い!!!嫌だぁあぁ」
桃が目に涙をためた。
だが妾は「すまぬ」と謝る事しか出来なかった。
「でも、分かってくれ」
桃は倒れ込み、それでも妾の言葉に顔を此方に
よこした。
「これが実力で、妾の力で、これが、
妾と桃の 格の差なんだ」
「ああ…うぅ」
桃はその場で気を失う。
其処で妾は火炎の術を解いた。
炎は消え、風も吹かなくなり、教会は崩れない。
…、妾の目に最早光は失ってしまった。
人をあんなにまで追い込んだのは久し振りだ。
あんな人の苦しそうな表情を見ると、こっちが
苦しくなる。
桃の——涙。
妾の目に 涙が溢れる。
桃は泣けなかった。
涙を流せなかった。
「う ああああああぁああああ!!!!!!」
桃の涙の代わりに、
妾が涙を流した。
一杯、一杯。
人の苦しそうな表情など、見とう無い。
- Re: 剣の舞。。。 ( No.32 )
- 日時: 2010/02/21 19:52
- 名前: 七瀬 (ID: c.8q4OQv)
#22
苦しみも涙もおさまった。
戦闘は普通怠慢でするものであろう。
故に戦闘を終えた妾は雷光と黒安威の戦闘を
見物していた。
「あっれー、雪海ちゃんと桃はもう決着ついてる
ねー、桃が負けちゃったんだ」
口元を歪める雷光。
それに対し弓坂は真顔であった。
「桃は…既に限界なんだ」
「限界?」
「…敵に教えるなど主義に反するが、まあ良い、
桃は最初弱すぎる子供だった。
だが筋力の限界を無理矢理越し、強くなったんだ、
だからもとい、桃はいつ壊れても可笑しくない」
新たな発見だ。
成程な。
だから、『才ある子』と恐れられた私には勝てなか
ったのか。
雷光は無言になる。
それでも剣を止めることは無かった。
やがて、弓坂の頬をかする。
——あ、桃が預言書を持っていないと思ったら、
弓坂が預言書を持っている。
「あ あ?」
腰が抜けた。
黒安威の方に視線をぶつけたは良いが、
あっちは何故かジャンケンなどと呑気な事を
しておる。
予想外ならぬ憶測外だ。
———じゃなくてぇ。
「何をしておる、うつけ者ぉお!!」
「あ、雪海」
「『あ、雪海』じゃない!
何敵同士でジャンケンなど…」
「ああ、すまん、遊馬藻こと俺が
勝ち目が無いからとジャンケンで勝敗きめようぜ、
と言ったんだ」
————−………アア、モウ、コイツ何ガ
シタインダ。
「いや、雪海とやら、違うんだ、
ジャンケンって運だろ?だからさ、勝負に勝つのも
運って1ミリくらいはあるじゃんか、
だからジャンケン勝った方が戦闘に勝つんだよ」
「あほぉおおおお!!!!!」
———バキッとそんな音がした。
あ、いや、妾が遊馬藻のわき腹に蹴りを入れてしま
った事が原因なのだが…。
遊馬藻の顔は、最早青ざめていた。
「あ、天使が迎えに来た」
———−幻覚まで見ちゃってるよこの人!!!!
「雪海、この遊馬藻の存在…痛い」
「言うな、黒安威」
妾は溜息を吐く。
「なぁ、もうお前ら勝負中断しろ」
「「え」」
「一緒に2人の戦いみよう」
- Re: 剣の舞。。。 ( No.33 )
- 日時: 2010/06/27 13:45
- 名前: 七瀬 (ID: idHahGWU)
「……、あぁ」
「あれ…黒安威達は何か無傷で観戦してるね」
「ああ…あいつは人間でいう不良みたいな
者だからな、戦闘においては悪魔向きでは無い」
「ふぅん」
雷光は笑いながら右手に持った刀を
バトンのように1回転させ、弓坂の足を狙う。
弓坂はそれを刀ではじき雷光の顔に笑みが消えた。
息を洩らす雷光。
「『龍桜 弱』」
——−ドッ!!
風に桜の花びらが舞いその桜が——
弓坂を切り刻む…——
「この程度の技で…」
———ガガッ!!
「見事」
「…なめてるのか?」
その問いに雷光は無邪気に笑う。
そして「別に」と答えた。
「『紅光 羽悪』!」
弓坂がそう口にして刀を縦に振るう。
それに対し雷光は何かに反応し床を蹴飛ばし
上へ跳んだ。
案の定——その判断は正しかった。
弓坂のその技は竜巻になりフロア全てを完全破壊
した。
埃が舞い、少し咳込む。
「あっ」
しまった。
フロアが完全破壊。
妾は下敷きになる。
「ちっ」
「雪海ちゃん!!」
妾を呼ぶ声の方向に顔を向けた。
———あ。
「雷光っ!よそ見するな!」
「!!っ」
弓坂が雷光の背を取り腹に刀を刺しこむ。
「『命を神に捧げる
生贄の奴』」
——ず ずずずず
雷光の血が外へ吹き出される。
生贄。
仲間を…守れない?
『お母さん…これが最後なら
贅沢かも知れないけど、お願いがあるの』
『…何?』
妾は泣いて最後に願った。
『笑って——』
母上は帰ってきませんでした。
帰ってくる筈もありませんでした。
——だって 母上は…——
『生贄にとられ、神に捧げられて——
死んだのですから』
「い 嫌…、やめて…お願い」
「雪海っ?」
「や やだ お願い…
なんでもする…なんでもするからっ!」
「雪海っ!」
「い、や…王龍ーーーーーー!!!!!!!」
そこには新たな光が生まれた。
落ちる壁や硝子の破片…降ってくる全てを、
王龍で…跡形も無く、喰わせた。
「痛いじゃんか、弓坂」
「!!!!」
雷光っ!
「雪海ちゃん不安がっただろ、代賞高くつくぞ」
「雷光!やっぱあれは残像だったんだな!良かった!」
良かった…。
人死はもう御免だからな。
「ゆ さ…か」
「っ!?」
「ゆ…さか…」
桃が上半身を起き上がらせようとする。
弓坂の名を…呼ぶ。
「弓坂っ!!弓坂弓坂弓坂っ!!」
「桃っ」
「負けて良いよっ!預言書だってどうでもいいから!
弓坂!死なないで!!」
声を張り上げる。
桃だって悪魔だろうと、感情は一緒なのだ。
「雷光、預言書とれ」
「は〜い」
「っ!弓坂っ」
「『龍桜 討滅 聖剣』!!」
雷光が刀を地に差し込み念を込める。
「『開幕』!!!!」
場の討滅が始まった。
「あうっ」
———ゴッ!!
ガアアアアァアアアアアアア!!!
「らい…こうっ!」
こっちはこっちとて結構つらい。
「…ッ!!弓坂っ!!弓坂ぁ!!」
桃が弓坂の方に駆けて行った。
「あっ…ああああぁぁああああ!!!!!!」
病み上がりの癖に弓坂の為にまた傷を負うか…。
桃は——弓坂抱きしめ、雷光の痛い攻撃を
直で受けている。
「桃っ!弓坂!」
「何よっ化物女」
「飛ぶぞっ!」
「えっ ちょっ預言書!!」
「スリー トゥー ワン」
「ゆきう…っ」
「GO!!!」
「ああっ!!!」
「『1000km先へ転移』!!」
————ざああぁぁあああああ。
「雪海ちゃっ…」
「雷光!主はいつもやりすぎだ!」
桃と弓坂は姿を消した。
「お、おいっ!化物女!」
「なんだ…主、騒がしいな…」
———あ。
「ゆ 遊馬藻転移するの…忘れた」
場に沈黙が走る。
「…あのな…」
「すまん!!でも1000kmだから何日かあれば!」
「…化物!俺にあのイチャイチャカップルの
お供しろってのか!?」
「い、嫌か…?というかお前桃達の仲間では…」
「ばっかやろ!あんな奴らの所に好んでいるわけじゃ
ねェンだよ!もうこりごりだ!」
遊馬藻が怒鳴り声をあげる。
「漫画とか よく殴られキャラがいるよな」
「あ?」
「そのおかげでその漫画が面白くなってたりする」
「それが…」
「貴様、それになる気は無いか?」
「は…?」
「妾達の旅の盛り上げ役!
必要であろう!本当は殿方より女のが好ましいはが、
女は居まいしな、な、黒安威、雷光」
「「え…」」
「言うが…どうなってもしらねぇぞ」
「うむ、貴様は自由してるが良い」
黒安威と雷光は苦い顔をしていたが、
預言書が手に入ったことがその苦さをフォローした。
この先には、何が待っているのだろうか。
- Re: 剣の舞。。。 ( No.34 )
- 日時: 2010/02/27 10:16
- 名前: 七瀬 (ID: c.8q4OQv)
#23
高原を駆ける音。
ガサガサと音をたてて、無為に走っている日々。
『母上』———
ゆっくりと閉ざした闇。
閉ざした闇は妾の中で静かに開き始める。
母上の死因。
独りになった不安感。
妾は孤独を恐れている臆病者。
そんなに孤独が嫌なら——『死ンジャエ』。
死ぬのは嫌。
だから逃げていた。
高原を駆ける音は
逃げていた音?
それとも、
追いかけていた音?
ねえ、教えて…
『笑顔になれる方法』…——
「『我が主たる者 場に負いてる者の
医療を』」
———キン。
光が倒れた部下の傷を癒す。
飛べぬ鳥となる前に…、
御礼を言いたい。
同時に御別れを。
「あ…」
「気付いたか…」
妾からは自然と笑顔が毀れた。
「雪海様、如何して、私達は…」
「大丈夫だ、預言書も無事入手した」
「すみません…私達がお供出来なくて…」
「いいよ、怪我人は休んでいろ、
時に、妾は早速向うから」
「私達も一緒にっ…」
「良い、主達はこの世界で影から争いを半減させよ」
「ですが…」
「命令だ、逆らうで無かれ」
「…はっ」
雷光と黒安威は預言書を使用する為の魔法陣…
みたいなものをセットしている。
術を練るのは、妾の仕事だ。
妾は儀式上の場へと歩く。
後、背後から声をかけられた。
「雪海様、あの方々は…、片方は私達をやった…」
「雷光と黒安威、案ずるな、奴は妾の仲間だ」
「え…」
「『現 天へ導け 彼方の星へ
道 昨日よりも強く 強大なる力を
仁 仁義を通し 守り抜け
現れし集い者
道を開かば明日を追え
仁の風 開封 解放
黒ノ預言書
封印 解除』!!」
——ゴオオオオオオオ!!!!
「くっ…」
「雪海ちゃん早く!頭の円陣に!!」
「分かっておる!
『開け 魔の本 白紙の預言書』」
全部の指を使い三角を作る。
息を吸い込み——
「『黒に染まれ』ぇぇええぇぇぇええ!!!!」
「雪海ちゃん!」
「雪海!」
「はっ、ああああぁあああああああ!!!!!
だっああああああぁぁあああああ!!!!!!」
預言書を解いた瞬間
預言書の力が全て溢れる。
半端無い 威力 !
預言書の制御が…操作が出来ない!!
圧し 負ける!!
「う あああぁああああぁぁぁああ!!!!!!」
手が暖かくなる。
この感じ——
『行かないで…もうこれ以上
家族を失いたくないよ…』
泣いてばかりいた頃の妾に
優しく撫でていてくれたあの手。
唯一妾に触れていてくれたあの手だ。
雷光が妾の手を握り、念じる。
一緒に——!
「「『主の実の姿を見せてみろ
召喚
black chute』!!!」」
預言書の姿が変わっていく…。
それはもう本では無い。
れっきとした『物』。
「ブラック…シュート…」
ステッキ…?
「雪海」
「あ、ああ、黒安威」
「…準備完了」
「はっああああぁあああぁああああ!!!!!
blackchuteぉぉぉぉぉ…
アクセル!次元転送可能!!
カウントオープン!!
10 9 8 7 6 5 4 3 2 1」
——0!!!!
「だっああああぁぁあああああ!!!!!
次元転送 開始!!
blackchute chronicle !!!!
『王龍 停止』!!!!」
————ガッガガガガッガガガガガ!!!!
妾は前に進むから
心配しないで。
もう あの時の妾なんかじゃ 無い!!
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