ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- 剣の舞。。。
- 日時: 2010/01/24 12:11
- 名前: 七瀬 (ID: c.8q4OQv)
ダークファンタジー系の物語書いてみたかったんだ!
未熟者だけど読んでくれると嬉しいかな。
皆がコメントしてくれると書いてて楽しい気持ちに
なるし、書いてて怖くないから。
コメントよろしくお願いします////
- Re: 剣の舞。。。 ( No.5 )
- 日時: 2010/01/27 18:05
- 名前: 七瀬 (ID: c.8q4OQv)
#4
「預言書の在処は此方の物だ、
だからと言い油断するで無かれ、
其れこそが命取りなのだからな」
「勿論で御座います‼」
「うむ、宜しい」
妾は満足げに笑って見せた。
勿論、満足していた訳では無く、むしろ逆だ。
——それは当然と申した所であるか。
勝負は此処から。
時点でもう勝気でいるのならそれは間違いだ。
自分で申したのだが、なにが『此方の物』だ。
此方の物では無い。
此方が有利だというだけの話だ。
預言書の在処は協会の3階。
夜中の12時に預言書だけが出現する。
棺の中に預言書が。
「命がけな訳か…、
全く、世話が妬けるな、我が父は」
駆ける音だけ聞こえる。
刀は装備している。
神と呼ばれるが故にとは言え、神に捧げる物が
刀たったの3本で良い物なのだろうか。
疑問に思うが黙っておこう。
事態を怪しくはしたくない。
今この現在だけは、絶対に———
「夜11時55分経過、あと5分ではあるが早目に
出発した方が良かろう、
即、行こうぞ、休んでいる暇など無いぞ、
その覚悟以上の覚悟で参れ」
「了解」
妾以外の隊員が向かった。
「うむ、素早い、素早…い…」
‼‼‼‼‼
馬鹿なっ!
そんな事、有る訳が——‼
「引けええぇぇぇえぇぇぇえ‼‼‼‼」
部下達は妾の指示に驚いた表情で妾に顔を向ける。
その場で止まった。立ち止ったのだ。
だが、妾の指示、否、命令を奴等は従わなかっ
た。止まっているままだ。
妾は頭に血が上ってしまった。
———たわけが!
と——。
「引け!一端引けと、言っておろうが!!!」
怒鳴りつけた。
今度はちゃんと聞こえたのだろう。
妾に従う。
安堵した。が、遅かった。
既に時は遅し。
最初から妾が最大限の声を出しきっていれば
このような状態には陥らなかったのかもしれない
のに。
「やはり…、糸使いがいるのか!」
厄介だ——と妾は一歩、二歩——とにじりにじり
後退り気味であった。
前から声が聞こえた。
ほんの小声で、聞き取る事が困難どころか出来なか
った。
「ああ…、術師?君…」
冷静中の冷静だ。
前に立っていたその人物は——
「主、其処を退くが良い」
「嫌だよ、僕は門番みたいな者だから、
ここを通りたくば僕を倒してからにしろ、
そう言うべきなんだろうね」
世間知らずの人間か。
そのような事を問うなど。
「妾は主と争っている暇など無いのだ、命令だ!
退け!!」
「奇遇だね、僕も君を相手にする暇が無いんだ、
だから殺させてもらう」
発想が狭すぎて自由に感じるという物か。
有り得ぬ。
「もう1度言う、其処を——」
「何度言おうが変わらないよ、
僕は殺し専門なんだ。
戦っている場合では無いんだ、だから殺さなきゃ」
此奴が殺し専門なのは予想がついていた。
無論、奴は殺意で満ちていたからだ。
きっと奴は、殺ししか考える脳が無いのだろう。
戦って勝てるのか?
いや、奴曰く、此れから行うのは戦争では無い、
ましては争い合いなど。
遣るのは、殺し合いのみ。
しょうがあるまい。
奴の芝居に少々付き合ってやるか。
- Re: 剣の舞。。。 ( No.6 )
- 日時: 2010/01/27 18:13
- 名前: 七瀬 (ID: c.8q4OQv)
読みにくくてすいません。
- Re: 剣の舞。。。 ( No.7 )
- 日時: 2010/01/28 18:28
- 名前: 七瀬 (ID: c.8q4OQv)
#5
——何故だ…、妾には、人を守れぬと申すのか。
気付けば其処は、血の海だった。
妾の部下が、あ奴に殺されたのだ。
泣けぬ程痛みつけ、虐げ、泣けぬ。
何故、躊躇なくこんな残酷な事を——
「あ、あああぁああ…」
「ん?」
「ああぁぁあぁぁぁああ!!」
絶叫した。
悲しい、苦しい、痛い、憎い、怨みたい。
妾には元から何も有りはしなかった。
だが、妾はこの瞬間で、独りになってしまった。
父上はおるか?
おるのか?
——お願いだ、これ以上、独りにするな——
泣けなかった。泣かなかった。
———泣けた。
たった今、妾は悲しさの余り、痛さの余りに、
泣いた。
唇を噛み締めながら、
眉間に皺を寄せながら、
妾は、此処で這い蹲ると申すのか?
こんな所で終わって溜まるか!!
「『滅』!!」
「!」
「『左に半回転、武器を目掛けて散れ』!!」
「———————」
——ドオォォォォオオ!!!
砂埃が舞う。
此処で奴を自由にするな。
此れは奴の反撃時間に在ると共に、妾の反撃時間
でもあるのだからな!!
「『10メートル先へ移動』だあぁぁぁ!」
又砂埃が舞う。
咳込みながらも急スピードで移動した。
だが其処に奴の姿は無い。砂埃で見えない——と
言う訳では断じて無い。
彼の姿が在ったのは、先程妾が立っていた場所。
どうやら奴も妾と同じ事を考えておったらしい。
———面倒な奴だ。
「主、誉めてやろう、妾を対応出来、此処まで
互角に戦い合った事を」
「…、という事はそれは僕の台詞でもあるのかな、
以下同文という奴だな、でも僕は戦い合ってるつもり
は全く無いよ、殺し合いは遣ってるけど」
「この場合においての呼び名など実にどうでもよい
と思わぬか?少なくとも妾はそう思うぞ」
皮肉気味に言って退けたか奴から返って来たのは
台詞でも表情でも無く、沈黙であった。
「何も言わぬか、それでも良いのかも知れぬな」
良い訳無いが。
「名を聞こう」
「何故?」
「妾と殺し合い、此処まで汝は生きたのだ、
大した者だ、故に、妾は主の名をこの体に刻みこま
なければならぬ訳だからな、化けて出そうで怖いが」
「ふうん、随分な物言いだね、
どうでもいいけど、いいよ、僕の名前は
黒安威っていうらしいんだ」
「ほう…くろあい、良い名では無いか」
「ああ、言っておくけどさ、
化けて出て来そうで不安で恐ろしく怖いのは、
僕の方なんだ」
「は?」
「化けて出るのは僕じゃない、君だ」
「…、やはり、随分な物言いだな——!!」
「全面戦争だ!!!」
そう怒鳴った。
黒安威は関係無いと言いたげな表情だった。
妾は両手を前に突き出す。
黒安威の刀が目の前——
「『防御、現』!」
———ズザ!!
「!!」
黒安威は珍しく驚きを隠せずいた。
奴の刀が空中に浮く。
——くるくると、空中で回りながら、ゆっくりと
落ちてきた。
その原理は、そう仕組んだ張本人でも分かるまい。
分かるのは、考えるだけ無駄という事だけだ。
妾はその刀の所有者である黒安威よりも早く、動き
回る刀に手を伸ばした。
——だが…。
妾の頬に、血が流れている。
「——…」
思わず勢い良く後ずさるってしまった。
無理もない話であろう。
戦法が優れていたとしてもそれは体の頑丈さを
表している訳では無い。
戦法が優れていれば尚更だ。
戦法が優れているが故に、苦戦はせず、圧倒的な力で
それも短時間で勝敗をつけてしまう。
血を流す事が許されないかのように、
妾は血を流すこと——傷を負う事には慣れておらぬ。
「へえ、今の本能?反射神経?どちらにしろ本当は
頸動脈狙ったんだ、でも的外れな場所に傷入れたね、
自分としてはそれこそ恥だよ、自分の目的が達成
出来ないほどの難問じゃないはずだから…、
今の自分の失敗もろとも君の強さの名として預かろ
うかな」
「…好きにするがよい」
「うん、そうするよ」
「『滅 殺 壊 爆』!」
次の技に行き成り突入した。
「!!!」
「さあ!此処からだぞ!黒安威!
主の力を解放しろ!!
派手で最大限の強力な技を見せろ!!」
- Re: 剣の舞。。。 ( No.8 )
- 日時: 2010/01/29 19:32
- 名前: 七瀬 (ID: c.8q4OQv)
#6
「…成程ね」
何が成程だ、危険なのは妾では無い。
———貴様だ!!
「『我の刀から、例の術を召喚』!」
———ドギュス!!
刀から攻撃を。
そして——
爆風を利用して移動だ!
「この程度の技で僕を仕留めようって?
甘い話だ」
そんな余裕を口に出来るのは、今この瞬間だけだ。
妾の刀から繰り広げられた攻撃に
黒安威は当たり——
「!!」
当たって無い!?
あ奴!刀で止めて妾に返そうと?
何て奴だ!
だがこれは第一段階に過ぎぬ。
次が本番、第二段階だ!!
爆風を利用して、黒安威の上へ——
——ド!!
取った!成功だ!
だが、それは勘違い——奴は妾の方に体を向け、
先程の妾が出した攻撃を妾に——
「くっ!」
———ゴオオオオ!!
「だっ、あああぁぁあああっぁぁぁ!!!」
妾の刀に妾の技を、吸収だ。
———フッ
攻撃は止んだ。
よし、今度こそは成功だ。
「はっ、はっ」
———ダン!
そして第二段階も、今度こそ——!!
「——」
奴の上に来たまでは良かった。
気配を消している筈なのに、先程と同じパターン。
————何故…
メキッ——そんな音が聞こえた。
妾の腹を、蹴られ た 。
くの字になる。
地面に体を打つ。
痛い。
「はっ、はっ、うっ」
激痛が走る。
妾は此処まで弱かったと申すのか?
嫌だぞ、そんなのは真実でも事実でも、現実でも
無い、ただの、偽り——
黒安威のであろう、靴の音が聞こえる。
刀に付けた、鈴を鳴らし——
ああ、もう駄目だ。
痛い。
黒安威の刀が妾を目掛け、振り下ろされようと
しておる。当然であろうな、それは。
痛い。
妾ハ動カ無イ。
妾は生きておろう。
生きておる限りは、生きようとしておる限りは、
出来る限り、精一杯——!!
こんな所で、くたばってなどいられぬ!!
終わって溜まるか!!
黒安威の刀が、振り下ろされた。
「『壊滅』——」
「——!?」
ボロリ、と奴の刀は壊れた。
黒安威が握っておるのは、鞘だけ。
「『燃焼』」
次は鞘も握られなくなった。
本能的に、反射的に手が動き、あまりの熱さに
鞘を落としてしまったのだ。
やがて鞘は、燃え尽きた。
「…痛っ」
そう呟いたが、誰にも聞こえておらぬだろう。
静かに、ゆっくりと、立ち上がった。
「卑怯所か、愚かさも加わってしまったな」
「…驚いたな、まさか君があんな小賢しいけど
影響のある言霊を使える戦士だったなんて」
「妾は戦士では無い。術士だ」
「ああ、そっか、なら言霊じゃなくて術なんだね」
「……如何にも」
妙な奴だ。
「主の茶番に付き合っている暇は無い、
終わらせてもらうぞ」
「案外、僕の台詞だったりして」
「む、どうでも良いが、見縊るなよ」
「それも僕の台詞だったりして…」
「むむむうぅぅう、
だっああああぁぁああ!!!」
「——やっぱり、そう来るんだ」
「…え?」
「『四紀爆刀』」
「っ!!?」
———ががががががががっががががっがっががっががががっがががががががっがががががっがががががっががっがががっががっががががががっががっがががががががっがががががががががががががっがっがっががっがっががっがががががががががががががががががががががががががががががががががががががががががががががっがっががが!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
嘘、だ、ろ——
砂埃が、半端無く、舞う———
それはまるで。
妾の最期を、
示しているかのように——
- Re: 剣の舞。。。 ( No.9 )
- 日時: 2010/01/30 10:19
- 名前: 七瀬 (ID: c.8q4OQv)
#7
「はっ、はっ」
何処へ行っても、何処に逃げても避け切れぬ。
こんな技が、あると言うのか——
「いたっ」
父上——御免。
もっと一緒に居たかった。
私の部下達と共に、世界を飛び回って、父上を
探し、見つけ、皆で喜び合いたくて——
そのような幸福な願望は勝ち抜かなくては為らぬ
というのに。どこかで、『大丈夫』と思っていた。
なんて甘いんだろう?
静かに、砂の中で目を閉じた。
血液が背中から次々と流れていく。
目には涙を溜めて一気に流した。
妾は辞められない。
辞めたく無い。
父上を救いたい。
妾は、本当の本当に、こんな所で終わろうと
しておるというのか!!
もう、すぐそこなのに。
「雪海ちゃん?」
!!!!??
「どうしたの、倒れちゃって」
「ぬ、主…は?」
「——砂埃、もうあっちに避けたよ」
「なっ!!」
見れば本当に砂埃が移動している。
こいつ何をした?
あれ、そういえばこ奴は——
資料館の時に見たあのっ!
「主、何故此処に!?」
二コリ——と奴は微笑んだ。
「あれ、君は誰?もしかしてあの子が化けた姿?」
「凄い想像力だね、別人だよ」
余裕ぶっている。
何か策でもあるのか?
しかし、いくらこ奴でも黒安威には勝てまい。
「『龍桜』」
「!君、その技もしかして——」
「なっ!!?」
そして奴は地に刀を刺し、こう続けた。
「『切腹』」
「っっっ!!!」
———凄く強大で強力できたない技だという事は
分かる。
でも、とても綺麗で、桜のような——
風に吹かれる、桜。
『龍桜 切腹』
「!!!!くっ、随分と可笑しな真似をしてくれるね」
「だって、姫に手を出したんでしょ?
こんな大怪我負わせちゃって、
黙ってられるわけ無いよね」
完璧に黒安威を圧している!?
何者だ!?
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