ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- 剣の舞。。。
- 日時: 2010/01/24 12:11
- 名前: 七瀬 (ID: c.8q4OQv)
ダークファンタジー系の物語書いてみたかったんだ!
未熟者だけど読んでくれると嬉しいかな。
皆がコメントしてくれると書いてて楽しい気持ちに
なるし、書いてて怖くないから。
コメントよろしくお願いします////
- Re: 剣の舞。。。 ( No.25 )
- 日時: 2010/02/15 18:00
- 名前: 七瀬 (ID: c.8q4OQv)
#17
桃の周りから黒いモノが出てきている。
蛇のようでうねうねで唾液らしき液体が出ている。
「あー、まずアイツが不利な戦場を作った方が
いいかな♪」
「…本当…、心躍る」
—————ガガガガガガガガ!!
「っ?」
壁に続いて床を破綻させようとしているようだ。
ならこちらとて犠牲を生みだせばいい。
「『爆』!!」
「なっ!?術!?」
———どっ ごおおぉぉおおおお!!!!!
「あー!?何々!?剣ぶっかけてるから剣士かと
思ってたのに…、術師!?かはっ」
せき込んでいる。
無論 勿論妾が では無い。
「剣で戦ってほしいのか?」
「ま、そっちのが楽よね、
是非とも」
「…ご要望にこたえよう」
少し動揺していた。
敵のいいなりになったのだ。
動揺を隠せないのは当然の事であろう。
「ありがと」
————ガガガガ!!
桃の操る黒い何かが妾を襲う。
勿論 妾は剣士ではないが故、使えない——
「『第一の封印 風嵐』」
「!!」
————ず おおおおおおおぉおおおおお!!!!
「かっ はっ」
床に体を打ちつける桃。
流石の悪魔と名乗る者もこの強風ならぬ狂風には
負ける事であろう。
黒の物体も風で切れてしまった。
「もう…blackSatanが壊れたじゃない」
「生憎、剣を使ってあげるとは言ったが
術を使わんとは断じて言っておらんからな」
「ちっ!生意気!!」
- Re: 剣の舞。。。 ( No.26 )
- 日時: 2010/02/16 18:51
- 名前: 七瀬 (ID: c.8q4OQv)
「生意気で結構、預言書を手に入れられればそれで
目的は達成するからな」
「へぇ…その余裕たっぷりの
台詞聞いて安心したー」
余裕たっぷりなのはどちらだ。
体を打ちつけたというのにも関わらず
痛いと言いたげな表情を一切見せず、
『封印』の『風嵐』を解いても無傷。
もっとも blackSatanとやらは朽ちたようだが。
「なんでblackSatanがそんな名前なの、分かる?」
「知らんし知る気も無い、blackSatanが何で
あろうがもう動けぬのだろう?」
「……」
返って来たのは、無言で、しかし笑顔で
「あは、動けない?blackSatanが?」
と続く。
「!?」
blackSatanが再び合体した。
液体が1粒2粒と落ちていく。
black 黒
Satan 悪魔 。
黒…?
「なぁんかなぁ、失望感って言うの?
上級者ならこぉんなblackSatanの謎くらい
安易な程に分かっちゃうと思ってたのに」
「……」
「全く…」
鼻息を笑顔のままもらす。
楽しげに でも 退屈げに。
「心躍ってたのは桃の方だっての、下衆が」
「は…」
冷や汗が頬を伝う。
何故か久し振りのような気がした。
楽しみを超えた焦りを実感したのは。
「失望させてしまって悪かったな、
しょうがあるまいよ、もとい妾は
移動術を専門としているのでな」
「ふぅん、移動術?
さっきまで預言書が手に入ればいいとか
ほざいてなかった?」
「言ったな」
「だったら、とっとと移動して桃の手には無い
落ちたコレ、取って逃げればいいじゃんよ」
そうだ。
その手もあった。
桃は頭の回転がいいのか。
常識を述べているに過ぎているのか。
「では何故主はその預言書をそこに落とした?」
「え〜?
だって戦闘って賞品かけて戦うようなもんでしょ?
だったら戦闘の今は賞品の所有者はいないじゃん」
意外だ。
まさか桃の奴がそのような正論を、否、忠実心たる
事を言うなど…イヤ 違うか。
奴は楽しんでゲーム感覚でしているだけだ。
桃はゴソゴソとスカートのポケットに手を突っ込
み何かを探すように探っていた。
「あった」と取り出したものはぐしゃぐしゃでゴミも
同然の紙きれだった。
そのぐしゃぐしゃにまるまった紙きれを広げ、
blackSatanに貼り付ける。
隙だらけだ—いけるか…。
「『on』」
「!!?」
———ジ ジジジジジジジ
「な これは…」
blackSatanが大きく進化している。
気も大きくなっている。
何をしかけた?
「あは、雪海…だっけ?準備中に桃に攻撃して
こなかったね、万全になるの待ってたの?
敵にも親切って…人望溢れてるねぇ」
「何が言いたい?」
「いいや、なんにも、桃の預言書は取ろうとするん
だねって…、親切だって思っただけ」
「所有物はいないのではなかったか?」
「気まぐれよ、もう桃の預言書って確定したの」
「…気に障る奴だな」
「ふぅん?雪海ってとってもとっても親切だからさ?
思わず 殺したくなっちゃう 」
悪態を表す笑顔。
やはり悪魔は悪魔か。
でもおかげで 理解できた。
「blackSatanは主の悪心を元に出来ておるのだな」
「む…」
「ならば安心するが良い、妾が主の悪巧みや悪心を
改心させてやる、悪な事を考えなくしてやるぞ」
「はぁ?」
機嫌を害されたようだ。
嫌そうな表情を浮かべている。
「何言ってるの?
ていうか自分が言ったことが可笑しいとか思わない
訳?言ったじゃん、無駄無理無謀って♪」
「そうか…なら妾も言ったぞ、
無駄でも無理でも無謀であろうと妾は頑張るとな」
「ムカつく」
今までの余裕は失っていた。
あるのは怒りに満ちた顔と声だけ。
拳を力強く握っていたのか、桃の手から血が
吹き出ていた。
歯をぎちぎちと震わせている。
「お前の内臓!えぐりにえぐってやる!
この瞬間この攻撃が雪海!お前の最期だ!」
無駄でも良い。
無理でも良い。
無謀でも大いに。
ただ 頑張ると決めたのだ。
それだけのこと。
口にした意地は
通したい!
刀の持ち手を上に刃を下にさせ、『封印第弐』の
構えをとる。
「blackSatan 最高源、これがなんなのか、
当たったくらいで当たってないよ」
意味不明な言葉を 残すな。
「『第弐の封印 火炎』」
「!!!」
- Re: 剣の舞。。。 ( No.27 )
- 日時: 2010/02/17 18:04
- 名前: 七瀬 (ID: c.8q4OQv)
#17
火炎——炎の剣。
剣に炎が宿り、最強の刀へと化す。
それが第弐の封印 火炎 。
「blackSatanにかかれば!そんなの」
「ああ、そうだ、言い忘れておったが、もう
そのblackSatan 浸食されていってるからな」
「はっ!?」
————ギァアァアア!!!
「な に…」
「文字通り浸食したのだ、先程の『爆』によって」
「え…そんな前の事!」
「爆の作用は術を解いた後でも空気に混ざってい
るのだぞ 言わなかったか?」
「聞いてない」と悔しそうに顔を歪ませる。
blackSatanは壊れた。
例えblackSatanが桃の悪心で出来ていても
爆は『動けなくするため爆破させる』のだ。
悪心があろうとも
blackSatanを構成させる材料がそろっていよう
とも。
作品は壊れたから 1からやり直さねばならない。
「ああぁー!!もう!死刑決定!もうげんっかい!
弓坂に恥かかせたじゃん!桃が直で殺してあげる!」
「火炎は燃えるばかりで消えないぞ」
「うぅうううう!!」
———ガブ!
噛んだ。
桃が火炎を…!
みるみる内に火炎は消えていった。
否、桃に吸い取られていった。
「!!」
こっちに来たのはほんの一瞬。
その瞬間炎を——
「ぷはっ、ごちそうさまー、まあまあ美味しかった
ランクはCかなぁ」
「…食べたのか?」
「んー、炎は食べてないよ、
炎に宿してた気を桃の力に変えただけ」
再び 余裕満面の笑顔を浮かべていた。
気を自分の力に…。
「よかろう、
主の挑戦!受けて立つ!」
「ふぅん?」
最初に仕掛けたのは桃だった。
妾の背後に高速でまわり、妾は桃に背を殴られる。
吹っ飛ばされたが移動術で方向転換をし、その場に
バランスを崩すことなく着地する。
桃は皮肉げな笑みを浮かべ、崩壊されている
床を殴り悪化させた。
妾は空中で回り天井を踏み板のように扱い
一気に桃の方向へ勢いを付けた。
刃を桃の喉元へ持っていったが、あと一歩の所で
桃に妨害される。
妾の刃を桃は素手で掴んだのだ。
桃の手からは血液が落ちている。
力では負けると判断し 刀を妾の手から離し、
その場で床で勢いをつけ桃の頭にかかと落としを
くらわせた。
桃はガードをしていない。
頭に重みを抱えバランスを崩し刀を離した。
「やりづら…」
独り言を呟く桃を無視して攻撃を討とうとする。
刀を拾い
一発。
「桃ね、blueSatanで倒してあげる」
「ぶるー?」
「はあぁあああああ!!!」
————ゴバッ!!!
フロアが完璧に壊れた—…
- Re: 剣の舞。。。 ( No.28 )
- 日時: 2010/02/18 17:04
- 名前: 七瀬 (ID: c.8q4OQv)
#18
2階フロアが壊れた故1階に着陸する。
預言書は桃の手に。
「くす、争奪戦も終いにしよー」
「ああ、そうしようか…」
「くすくす、blueSatanはねぇ、blackみたいに
召喚型じゃないの、
憑依型なんだ」
そう吐くと桃は床を思いっきり蹴飛ばし、妾の
肩をぐらつかむ。
抵抗しようとしたが身動きが取れなかった。
———ガブッ!
そんな音が 聞こえた。
聞き違いじゃない。
なんだ?
首筋が痛い。
「な…」
桃が…妾に噛みついて——
「あ が」
「あは 桃ってば超良い子♪」
どっと倒れる。
動けない。
どうして…
力が入らない。
「動けない?」
「…はぁ はぁ」
「桃がね あんたの体に毒を仕込んだの」
「毒…」
助けてとは言わない。
『強くなる』って…約束したから。
誰との約束 だっけ。
「桃」
「む?」
むすっとした顔をしたあと声がした方向へ体を曲げ
ぱぁっと別人のように明るい顔つきになる。
「弓坂っ!」
!!?
弓坂…?
雷光は?
「ねぇねぇ あのイケメン野郎はどったのぉ?」
「始末した」
「流石…「でも」
意外な事に弓坂は桃の台詞を遮った。
桃は不思議そうに弓坂の名を呼ぶ。
「奴はあの程度でくたばるような奴じゃない、
まともに戦えば こっちが負けても可笑しく
無い」
「え…弓坂?」
「引くぞ」
「う うん」
預言書を持ったまま逃げる?
『失楽園』
させるか…。
この世がこんな腐っていなければ…!
母は帰って来たのに!
母ともっと笑い合えたのに!
もっと言葉を交わしあえたのに!!
この感情が…こうも無念に朽ちるというのか!
『妾が…守り切れなかったのです…母上』
あんな気持ちにならなかったのに!
それで…明日を信じられなくなって…。
笑えなくなって…
光が闇に変わって…!!
もう そんな想い嫌だ!
それはどんな悪だって同じ筈だ。
「待て!!!」
「っ…!?」
怒鳴る妾に2人が振り返る。
毒がまわっているこの体を無理に動かし、立ちあが
らせた。
「勝ち逃げは許さんぞ!戦はおわっておらぬ!」
「化物っ!」
頭に血が上ったのか桃は妾にかかってくる。
モーションがかかってみえた。
そしてまた妾の肩を掴み、首をかぶろうとする。
だが妾も後を取らない。
桃の眼を狙い、指を寸止めさせた。
それは相手も同じ。
「生意気…!」
「どうして だろう」
「?」
「世が荒れてなどいなかったら
大切な人が失う事もなかったのに…
別れっていきなり来るんだよな」
「な なにを…」
「奴の剣の腕を妾は信じておった、
確かなものだと確信しておった。
でもそれは 呆気なく 朽ちた」
「なによっ!」
「どうして…確かなモノまで
朽ちなければならぬのだ?」
答えてくれなくて結構。
ただ妾は分かってほしかったのだ。
ただ…『失楽園』など と。
「何よりも敬愛し
大切で
楽しくて…
確かな時間を無謀にするかのように
何故朽ちる」
涙が妾の頬を流れる。
毀れて
毀れて
妾は母上がいる事で真っすぐ歩けたのだ。
何がどうなっても
守りたかったのに…。
何故こうも容易く
朽ちなければならない——?
- Re: 剣の舞。。。 ( No.29 )
- 日時: 2010/02/19 17:46
- 名前: 七瀬 (ID: c.8q4OQv)
#19
「あんたの戯言なんて…!」
顔を紅潮させながら怒鳴り、
急スピードで妾の喉元を狙う。
流石に速い。
対応が 出来ない。
「おうりゅーーーう!!!!」
叫んだ。
助けを求めるように叫んだ。
苦しみを声で掻き消すように。
「なっ にっ」
桃は苦い顔をする。
「王龍!王龍!おうりゅーーう!!!」
叫び苦しい。
明日を信じる事さえ困難になった妾を
誰が受け入れてくれよう。
思考が乱れて
術をねれない!!
どうして…——
「死んでっ!」
あ れ …
殺気が感じる。
桃のか?
違う。
なんだ…この殺気は…。
弓坂は殺気に気付いたらしく視線を後ろへとやる。
「桃!!」
「うにゃ!弓坂っ!?まだ!あいつ殺してな…!」
動揺している…?
————ゴゴゴゴゴゴ!!!!
「な…この気は…」
「う おあああぁぁあ!!!」
絶叫…
この声は…。
「!!」
フロアが壊れる音。
協会が破壊されてゆく。
殺気を放った張本人——
弓坂にやられた筈の…
「ら…雷光!!」
雷光はかすり傷さえ負ってはいなかった。
何故…。
「っ…」
安心したら傷口が疼きだしてきた。
「ただいま 雪海ちゃん」
「待たせてくれるでは無いか…雷光…」
雷光は微笑んでみせた。
「なっ アイツ何!?傷1つ負ってな…!」
「瓦礫に挟んだが…気は弱くなってはいなかった」
「え… 瓦礫って…」
「恐らく…瞬時で全ての瓦礫を切り刻んだの
ろうな」
「そんなの人体物理的に可能なの?」
「桃っていったっけ?」
雷光が確認をとる。
「弓坂以外の男は桃様って呼べ!ば〜か!」
べ〜と舌を出す。
ふん ロリ系が好きな男子は大喜びな事だ。
「どうでもいいけど桃サマ」
「何」
「人体物理的に可能かって疑問に思ったみたいだね」
「む それが…」
「じゃあ、桃サマはなんで殴って床が崩れたの」
嫌みに笑う雷光。
桃は瞳孔を開いておるようで唇を噛み締める。
「何か仕掛けでもあるのかな」
「…何、漫画で定番じゃない」
「そうだよね 分かってるのに分かってないふりして
るんだよね」
「う る さ い !!!」
頭に血が上ったか。
桃が雷光に飛びかかろうと弓坂の手を半ば無理矢理
ほどいた。
だがまた弓坂が桃の手首を掴み妨害した。
「何…弓坂」
「あいつと戦ってもお前は負ける」
「なんで…そんな…こ と」
「あっ…ぐっ…!!」
首が焼けるように熱い。
毒の副作用か?
「雪海ちゃん…その血…」
「平気…だ…、良かったな…桃 弓坂」
「はっ!?」
唇を上へ引きつらせる。
「妾 黒安威 雷光」
「?」
「桃 弓坂 遊馬藻」
影が見えた。
黒安威と遊馬藻のものだ。
「!!!遊馬藻っ!?あんた何でコイツ等を…」
「あ ご…ごめ…ゆ 許せ…な…」
「誰が!!!」
桃は遊馬藻を殴ろうとする。
だが妾が遊馬藻の前に立ちはだかった。
「何…あんたはどいてて」
「…『関係無い』」
「は…」
———−ドッ!!!!
吹っ飛ぶ。
「がっ はっ うっ」
一瞬で桃の体に汗が滲み顔を紅に染まらせ
倒れ込んだ。
「桃!?」
「ゆ さ… あっ が あああぁぁあああああ!!!!」
術に成功したか。
言葉の重みは怖いよな。
「雪海といったか…何している」
弓坂の顔にも動揺が隠し切れていない。
「…返しただけ、妾の中に仕込んだという毒を、
妾の中で進化した状態で」
「な 何…」
「かっ…あっ…!」
血液が体内から 口から 洩れる。
「も 桃…」
「妾はもう切れたぞ…
信念を曲げてでも!
預言書が手に入らなくとも!
妾は貴様達を倒す!!」
「なんなんだってんだよ!」
「もう始まっておるのだ!戦は!」
「!!」
「荒れる為の戦では無い
始める為の戦でも断じて無い!!
終結をむかえる為の終の戦だ!!!」
「……お前っ!」
「全面戦争だ!」
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