ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- 剣の舞。。。
- 日時: 2010/01/24 12:11
- 名前: 七瀬 (ID: c.8q4OQv)
ダークファンタジー系の物語書いてみたかったんだ!
未熟者だけど読んでくれると嬉しいかな。
皆がコメントしてくれると書いてて楽しい気持ちに
なるし、書いてて怖くないから。
コメントよろしくお願いします////
- Re: 剣の舞。。。 ( No.1 )
- 日時: 2010/06/29 17:31
- 名前: 七瀬 (ID: VXkkD50w)
#1
「世の中も荒れたであろう。
主達、この部隊は荒れてないからと言って
時代遅れなどとはほざいておらぬな?」
この部隊の指示官である妾、
名を雪海という。
荒れた世について、
部下と話しあっておる所だ。
そう、荒れたのだ———
中にはこれを知った者もおったかも知れぬ。
妾以外にそれを知っておった者がいたとするならば、
そ奴は裏切り者である確率大だ。
だが、裏切り者だろうと、何者であろうと関係は皆無。
利用できるだけ、利用をしてしまおう。
「荒れ果てた世に待っておるのは
地獄でも天国でも無い、
争いだけだ」
何処からか、唾を飲み込む音が聞こえた。
ごくんと、一回。
「争いから生む争いは実に厄介。
故に、終いにする必要があろう。
そこで1個、手段があるのだ」
妾は指を1本程たてた。
思わずにやけてしまった。
「白紙の預言書だ」
一同がざわめく。
会議中に何を騒いでおる。
騒々しい。
「主達!」
はっ、と一同は再度静まり、
私に目を向ける。
——うむ、それでよい。
「主達、今の反応は何なのだ?
もしかして、主達は白紙の預言書を
知っておるのか?」
「逆です、雪海様、
聞いた事も見た事も無い名を
雪海様は申し上げたのです、
それも存在するはずもない預言書
ときたもの、其の為一同は騒々しくなって
しまったのです、
取り乱してしまって申し訳ございませんでした、
私達の御無礼をお許しください、雪海様」
丁寧に深々とそ奴は御辞儀する。
他の者達もそれに続いた。
妾は嘆息する以外に何をする道が余っておると
申すのだろう。
自然に溜息が洩れていた。
——まあよいか、今の無礼を最後にするがよい。
「許すのは一度限りだぞ、主達」
「は!感謝致します!」
「うむ、話を続けるぞ」
切り替えが大切なのだ。
切り替えが。
「その白紙の預言書は、皆が荒れている
原因でもあるのだ、
争いを終いにするには妾達だけの力では足りぬ、
故に、妾の父を招こうと思っておる」
「なんと!秋海様を!」
「そうだ、御父上を迎える、
そうすれば十分すぎるくらいに十分だし、
むしろお釣りがでるくらいだしな」
「また秋海様にお会い出来る事を光栄に…、
嬉しく思います!」
愛しそうな目で瞳をうるつかせている。
そんなに嬉しいのか、
そんなに敬愛しておったのか。
ま、嬉しくない事も無いな。
頬が少々熱い。
赤面しておるにだろうか。
大変恥ずかしい事だな。
自分以外の事で嬉しがるなど、
久し振りだ。
「で、でもな、主達」
「なんでしょうか」
「すぐ会えるわけではないのだ、
主達も知っておるだろう、
今父上は違う世界に飛ばされておると」
「それもそうだ…、
雪海様、ではどうやって」
部下達がいつも無く真剣な眼差しをしている。
普段からそうしていれば、
もっとまともな男達に見えていただろうに。
もったいなかろう。
「そこで必要なのが、預言書なのだ」
「預言書は違う世界に移動する事が
可能なのですか?」
「うむ、可能だ、
預言書が白紙なのは、人が埋めるからなのだ、
その預言書の内容を。
だが筆書では無い。行動だ。
預言書に願いを込めれば、その願いが預言書に
込められ、それから叶える事が出来る、
という訳だ」
「おお、では『秋海様の居る世界へ移動する』という
事をその預言書に願い込めば!」
晴れやかの表情の部下達。
だが妾は正反対で不機嫌そうな表情を浮かべる。
眉間に皺を寄せる。
「…そうでも、無いのだ…」
「え?」
「預言書は『真実』、
妾達が知っておるのは父上が他の世界に飛ばされたという事だけであろう。
何処の世界に飛ばされたか分かっておらんと
ならないのだ。
預言書は何も知らない赤子のような白紙の書で
あり、父上と繋がっているわけではないからな」
「そんな…」
「それに」
私は言いかけていた部下の声を遮り、話を続けた。
「預言書を狙っているのは、妾率いるこの部隊
だけではないのだぞ」
「それも、そうでしたね…、
ではどうすれば…?」
「面倒だが、
世界を飛び回るしかない、
そこの移動した世界で父上の情報を掴み
探すしかないのだ」
一同、苦い顔をする。
それは当然か——
すまぬが、妾は父上の行き場の世界など
決して知らぬのだ。
妾は嘆息した。
どうしたものか。
「先の事なんて考えてる暇は無い、
その時考えるぞ、
今は預言書取りに専念しろ、
そうしなければ、父上に会える時間が
遠ざかっていくだけだ」
その一言が効果的だったらしく、
一瞬で真剣な眼差しに戻った。
「はい!!」
元気ある、迫力のある返事。
——そう、主達はそれでよい。
それがよい。
その出来事が、あ奴との出会いになるなど、
考えついていなかった。
でも、今は、彼のいない世界が
ありえないくらいに———
妾の心に彼がいる。
- Re: 剣の舞。。。 ( No.2 )
- 日時: 2010/01/24 20:50
- 名前: 七瀬 (ID: c.8q4OQv)
#2
古びた資料館に妾はおった。
天井からも床からも年季が入っておる為
気味の悪い音をたておる。
流石に、人が1人とておらぬな…——
だが、そのような下らぬ事には構ってられぬ。
一刻も早く預言書を手に入れ、父上を探さねば
ならぬのだからな。
「ん?これは何だ」
少し興味深い本を発見した。
『黒の預言書』
と記された本だ。
「むっ、んっ」
妾の身長ではその本を取る事は不可能であった。
145センチの身長では無理だと申すのか。
チビを見くびるでない!
この本棚っ…めっ!!
「どわ———!!!!」
本棚が突然私の方に倒れてきた。
生まれながらの大ピンチだ。
どうしよう。
何故妾は、目を瞑らぬのだ!
———ドサッ
という音だけが聞こえた。
流石に本棚は倒れて本も棚から外れている。
———妾は、痛く無い?
というかやけに首が苦しいのは、気のせいか?
「あ、御免ね、
苦しいよね」
背後からそのような声が聞こえた。
何事だ?
「けほっ」
少し咳込んだりしたが命に別状は無いか。
うむ、それは誠に宜しい事だ。
———それよりも、主は———
「助けてあげたんだから御礼位は欲しかったかな」
ゆっくり、
ゆっくりと。
妾は背後に顔を向ける。
身長の差が激し過ぎる。
妾を見下すとはとんだ無礼者がおったのだな。
生意気な若造、が…———
「やっ!」
彼は優しく微笑みかけた。
———妾に。
「主!主は誰だ!」
妾は恩人に対し心臓に刃を向けてしまった。
気付いた時は遅く、奴の刃は妾の喉元に。
「なってないな、君を助けた恩人に対して、
無礼にも程があるんじゃない?
強気で偉そうなんだから。
あ、実際偉いんだっけ」
「主は一体…!」
妾の無礼にも程がある。
それは確かに一理ある、が、
だからといって、妾に刃を向けるだと?
この妾に!!!
「言ったよな、なってないって。
躾してあげる」
「!?」
奴の刃が妾の肌に触れる。
冷や汗が止まらない。
そして、この震えも、止まらない——!
何故、妾がこんな!!
「なんてね」
…………?
「え?」
冷や汗とは正反対の汗が妾の額を流れた。
「お、おい…なんだ!?」
「ん?そんな大声張り上げない、
俺はそんな遠い位置にいないし、
雪海ちゃんの喉枯れるよ?
指示官のお偉いさんなんだから大切にしなきゃ」
「なっ」
一瞬で赤面した。
妾を見下しておるのか!?
こ奴は!!
金髪の綺麗な髪に
同じく綺麗で整った顔立ち。
少し釣っている目。
…男性か。
「…ん、あれ?雪海ちゃん、それ何?
色付きの耳あてならぬ目あて?」
「…自主性のコンタクトだ」
「へー、そんなのあるんだ、
凄いね、雪海ちゃん、
それって自分の本当の眼の色がばれない為に
隠してる道具?」
「!!!」
こ奴…
一体!?
「紅色だからね、大変だ」
「…このっ!
対戦だ!この無礼者!愚か者!!
妾に対し何なのだ!」
「あはは、可愛いー」
———ピシ。
石化しそうになったぞ今。
可愛いとは何事だ。
呑気野郎め。
「へえ、成程ね」
何が!
「!!」
奴は妾の頭を軽く撫でた。
何がしたいのだ…この色男。
「君が強がってるのは強気だからだね」
それは当たり前だが…強気!!?
「自分1人で何でもこなそうとしてる」
「だからなんだ!!」
「もっと人を頼ったりすがったりしても
いいんじゃない?」
こ奴は一体、何なのだ。
胸が疼いた。
- Re: 剣の舞。。。 ( No.3 )
- 日時: 2010/01/25 19:24
- 名前: 七瀬 (ID: c.8q4OQv)
#3
あの男は本当に何だったのだろうが。
妾に慣れ慣れしく触れおって…——
む、如何 如何 。
今は預言書取りに専念せねば。
「……」
そう、あ奴と会う事はもう2度と無いと言えるであろ
う。
あ奴とはおさらばだ。
もう2度と関わって来ない。
「………」
あ。
彼の名は何と云うのだろうか。
「雪海様、御帰りでしたか!」
「うむ、只今参上と言った所か、
現在帰って来たばかりだ」
「は!」
「それより…」
妾は跪いておる部下に嘆息した。
「その態勢を崩しておれ」
「え?」
奴は驚いておるようだった。
ううむ?妾は可笑しな事を口にしたのか?
「そんな無礼を!私に申し込むなど!」
「…………、無礼?」
無礼とは何たる事だ。
はっ、と、妾は目を見開く。
これは極普通で!
正常で!
日常で!
自然で!
直す必要も無い事を!
妾は指摘した!?
「な、なななななな…!!」
妾は如何したと申すのだ!!
もしや、あ奴の影響か!!?
- Re: 剣の舞。。。 ( No.4 )
- 日時: 2010/01/26 17:09
- 名前: 七瀬 (ID: c.8q4OQv)
「そんな訳あって溜まるか——!!!」
「雪海様!?」
赤面した。
廊下は駆けてはいけぬ。
なのに駆けてしまった。
本当に妾は何故———
結局、妾は『黒の預言書』と記された本を
借りて来た。
妾は引き出しに閉まって置いた眼鏡を取り出す。
眼鏡をかけ、本を開いた。
「……」
無言と沈黙。
それだけであった。
「!」
『白紙の預言書、別名神の預言書、
余程の強い意志や願望が無ければ預言書は
応えてくれない。
また、強い願望が有ったとしても成功率は低い為、
神の試練に打ち勝たなければならぬと言われてい
る。
成功する為には持物として預言書は勿論、
そして儀式場を作らねばならない。』
そう記されていた。
「成功率は低い……儀式…、ん?」
『神の預言書と呼ばれている程の大物。
故に神の好物である刀を預言書の前に置く必要が
ある。』
「一理あるが…」
不安以上に、不満が残った。
神の預言書とは言えど、白紙の預言書だ。
呼び名だけで神だと判断するのは宜しく無い。
むしろ悪いであろう。
刀を神に渡すなど…、一体何本の刀を用意しろ
と申すのだ…。
「あ、載っている?3本…、それ以上持って
行っても喰われない、か…」
3本…か…。
やはり不満ばかりが残った。
根拠など無い。
妾の勘は何時も外れる。
———そう、
妾の勘は自分自身にも余計なのだ。
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