ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- 嘘吐きシンデレラ
- 日時: 2011/04/22 14:42
- 名前: 故草@。 ◆Dv0PNAez16 (ID: khvYzXY.)
ここは更新しません。
いままでありがとうございました。
中身も、殆ど消させてもらいます。
頂いたオリキャラさんたち。
1、入谷 劉麗 >>70 (神無月様)
2、藤堂 紫苑 >>88 (紅蓮の流星様)
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- 第弐拾四話 真実と。 その参 ( No.171 )
- 日時: 2011/01/01 14:53
- 名前: 故草@。 ◆Dv0PNAez16 (ID: aEqZL8P4)
「僕と来れば勝利を得られるよ、コウくん」
…へぇ、勝利、か。
「確かにそれは俺にとったら都合のいい話かもしれない。」
「なら…」
時雨は一瞬表情を輝かせるが、すぐにいつもの笑みに戻った。
「でも、俺は人の心を土足で踏み荒らせるような人間を信用するほどア
ホじゃない。」
「…へぇ?」
俺の言葉に時雨は何か言いたげな表情を作る。
「それに、旨い話には裏があるって言いますしね?」
俺が少し笑みを作って付け足せば時雨は可笑しそうに体を揺らした。
「ふぅん?…ふふ、やっぱ面白いね、君は。後で後悔しても遅いよ?」
…あぁ、やっぱり裏があるってことは否定しないんだ。
そう思うけど、口には出さない。
これ以上、コイツに関わるな、と本能が告げている。
「バイバイ、怜明くん。僕は行くよ。次は、真白くんとコウくんが一緒にいるときに会いたいな。」
時雨は、最後にこちらに笑みを向けてから、朱く染まり始めた街のどこかへとゆっくりゆっくりと消えていった。
「…できれば俺は、もうアンタには会いたくないな」
街へと消える背中を見送ってから、俺は後ろを振り向く。
そこに、怜明の姿はなかった。
哀れな青年はどこに行ったのだろう。
そんなことを考えながら、また薄っぺらな笑みを作る。
そして肩に落ちたままだったフードを夕焼けに朱く染められた髪にふわり、と被せた。
コツコツと、俺のブーツの音だけが辺りに響いた。
- Re: 嘘吐きシンデレラ ( No.172 )
- 日時: 2011/01/02 18:43
- 名前: 淡幸 (ID: 3sIbxPMr)
あけましておめでとうございます〜
今年も頑張ってくださいませ(・ω・)/
- Re: 嘘吐きシンデレラ ( No.173 )
- 日時: 2011/01/03 20:24
- 名前: 故草@。 ◆Dv0PNAez16 (ID: aEqZL8P4)
淡幸様
あけましておめでとうございます!!
今年ももう少しだけ光と私にお付き合いください。
本年もよろしくお願いします!
- 第弐拾五話 都会に咲く花 ( No.174 )
- 日時: 2011/01/03 20:43
- 名前: 故草@。 ◆Dv0PNAez16 (ID: aEqZL8P4)
夕日が空を、街を、朱く染めていく。
また、一日が終わるのだろう。
あと、何日生き残ればいい。
あと、何日騙し続ければいい。
あと、何日俺は『灰被り』でいればいい。
「こんばんは…。…貴方が『灰被り』?」
高い女の声が響いた。
俺が見えている、ということは参加者の一人だろう。
「……その背格好。貴方が『灰被り』で間違いない…?」
反応のない俺に戸惑ったのか、声の主が俺に近付いたのがわかった。
「人の正体を訊ねる時は、まず自分の正体を明かすのが先だと思いませんか?」
俺の声に相手が小さく「あ、」と呟いたのがわかった。
「ごめん、なさい。その、通りです。
…私は芦屋亜莉須(アシヤ アリス)
コードネーム『アリス』貴方と同じ『姫』の一人…」
その言葉と共にやっと俺の視界に移りこんできた声の主は青色のワンピースに長い黒髪の女。
俺と同い年、くらいだろうか?それなりに美人だ。
「変城光。コードネーム『灰被り』です。あの、貴女は何で俺のことを知っているんですか?」
“そして、どこまで知っているんですか?”という質問は不躾過ぎるか、とやめる。
「『情報屋』に聞いた…」
「『情報屋』?」
聞きなれない単語に思わず聞き返す。
「あ、知らな、い?参加者に、他の参加者の情報…売ってくれる人…」
…そんな奴がいるのか。
しかし売る、というと
「売ってくれる、ということは代金を払うんですよね?」
単刀直入に聞いてみる。
「ん、代金は『自分の情報』」
亜莉須の言葉に自分の笑顔が強張ったのがわかった。
馬鹿じゃないのか?
自分の身を危険に晒してまで他人の情報を得る?
メリットもそれなりだがデメリットが大きすぎるだろ。
「最初、『灰被り』は危険、て噂で聞いた。
気に、なったから『情報屋』に聞いた。
歳、近くて。なのに、貴方は、何人も堕としてる。凄いと、思った。」
年齢とか、どっから漏れたんだろうな。
凄くなんて、無いって、少し考えればわかるだろ?
何人もの未来を、奪ったってことだぞ?
だから、俺をそんな真っ直ぐな目で見つめないでくれ。
「一目会って、どんな人か、知りたかった。
良かったら、生き残るコツ、とか、近くで学びたい。
最後には、蹴落とされても、いい」
…今の、言葉。
「ふふふ、あはは、はっ面白いこと、言いますねぇ。
知ってますか?最後には蹴落とされてもいい、て俺が『フェイク』で一番最初に人の未来を奪った時に吐いた嘘なんですよ。
本当に蹴落とされてもいい人間がこのゲームに参加してるわけがないですよね?
くくっ…あぁ、でも快楽の為に参加してる奴らもいたなぁ。
でも、貴方はそうじゃないでしょう?
…簡単に他人を信じられるわけ無いですよね?
だってこれは『フェイク』なんだから」
いきなり笑い出した俺に驚いたのか亜莉須はキョトンとした表情をうかべていた。
しかし、一度瞬きをしてから俺を見つめて、言った。
「信じてもらえなくても。いい。だから、一緒に、行きたい。」
…おいおい、天然か、コイツ。
そう思ったのに、俺は、頷いていた。
自分には無い、その真っ直ぐな瞳に魅入ってしまったかのように。
- Re: 嘘吐きシンデレラ ( No.175 )
- 日時: 2011/01/11 22:42
- 名前: 紅蓮の流星 ◆vcRbhehpKE (ID: wlC/XeKk)
アリスちゃん、今後のキーパーソンになりそうだね。
続きが気にならざるを得ないのです。
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