ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- ツギハギセカイ〜合作小説〜
- 日時: 2011/02/10 18:58
- 名前: 愉快な小説家たち (ID: fFMoervE)
この小説は雑談掲示板に立てていたスレ
「小説のキャラ同士で何か作ってみないか?というのが題材の雑談場」のメンバーの合作小説ですっ!
各小説の皆さんが合流するまで全員自由に書きますw順番どおりではないのでご了承ください><;
〜目次だっ!〜
オープニングテーマソング…>>26
〜プロローグ〜…>>1
第一章:混沌の始まり
遮犬作:>>2 >>18 >>31 >>54
青銅作:>>3 >>19 >>47 >>55(NEW)
Nekopanchi作:>>5 >>20 >>45
agu作:>>4 >>21 >>40
Neon作:>>6 >>22 >>32 >>43 >>53
るりぃ作:>>7 >>23 >>29 >>39
紅蓮の流星作:>>8 >>48 >>49 >>50
金平糖作:>>9
ZERO作:>>10 >>38 >>56(NEW)
カニ作:>>36 >>42 >>46
ソフィア作:>>12
いち作:>>13 >>28 >>34 >>41 >>57(NEW)
刹那作:>>15
さわ作:>>16 >>30 >>37 >>44
狩人作:>>17 >>33 >>51
紅蓮さん&いちさんペア:>>52
暴風警報!のちのち生徒会!! (遮犬作)
北斗の拳〜another story〜 (青銅さん作)
闇と獣と凡人と (Nekopanchiさん作)
スパイは荒事がお好き (aguさん作)
魔の海賊船 (絶櫨さんorNeonさん作)
総大将は女子高生! (るりぃさん作)
紫電スパイダー (紅蓮の流星さん作)
理想郷 (金平糖さん作)
殺戮兵器チームαと殺戮時代 (ZEROさん作)
-×-×-大脱出-×-×-(カニさん作)
ノストラダムス! (ソフィアさん作)
SURVIVAL GAME (いちさん作)
GHOSTB BOOK (刹那さん作)
魔法なんて大っ嫌い! (リューリラさん作)
路地裏の住人たち (狩人さん作)
以上の作品の順番で回っております!
小説を書く参加者様!
・遮犬
・青銅さん
・Nekopanchiさん
・絶櫨さん
・るりぃさん
・aguさん
・紅蓮の流星さん
・金平糖さん
・ZEROさん
・カニさん
・ソフィアさん
・いちさん
・刹那さん
・さわさん
・狩人さん
〜登場キャラの小説名&参加者一同〜
(遮犬さん作)
・暴風警報!のちのち生徒会!!(コメディ)
・白夜のトワイライト(シリアス)
(青銅さん作)
・北斗の拳〜another story〜(二次)
(Nekopanchiさん作)
・闇と獣と凡人と(シリアス)
(aguさん作)
・スパイは荒事がお好き(シリアス)
(絶櫨さん作)
・ドジでヘタレで残念な天才
・亡者の憂鬱
・魔の海賊船
・亜麻色の海賊
・凛として迎え撃つ嫌われ者
(るりぃさん作)
・総大将は女子高生!(二次)
・黒夜叉伝記
(紅蓮の流星さん作)
・紫電スパイダー
(金平糖さん作)
・理想郷
(ZEROさん作)
・殺戮時代 チームαと殺戮兵器
(カニさん作)
-×-×-大脱出-×-×-
(ソフィアさん作)
・ノストラダムス!
(いちさん作)
・SURVIVAL GAME
(刹那さん作)
・GHOSTB BOOK
(さわさん作)
・魔法なんて大っ嫌い!
(狩人さん作)
・路地裏の住民たち
これらは書く人の順番でもありますw
まだ参加者はいるのですが雑談掲示板のほうにこられていないので表示することが出来ませぬ><;
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- Re: ツギハギセカイ〜合作小説〜 ( No.30 )
- 日時: 2010/11/06 21:03
- 名前: さわ ◆Szx9FxEnrU (ID: rys6jfTw)
- 参照: リューリラ目線で。
……色づく風景。それは形となって…
「……で、何ここ?」
私は一言つぶやき、ぐるりと辺りを見回す。
周りは木、木、木!!森だね。うん。
とりあえず…動こうか。
そう思って私は歩きだした。
…………といっても。
木に囲まれた円の草の生い茂った、この中しか歩けない。
道も無いし。なんなの、これ。
意味不明。どうしろと?
って………。
「あ、こんな所に………」
私は思わず指差して言った。
都合のいい事に洞窟が。
「とりあえずいけ…って事、か?」
一人で言ってても変わらない。
とりあえず、洞窟へ行く事にした。
- Re: ツギハギセカイ〜合作小説〜 ( No.31 )
- 日時: 2010/11/07 00:21
- 名前: 遮犬 (ID: cLZL9WsW)
「わー! すごい賑やかだね!?」
城下町こと普通の町についた俺たち三人はそのあまりの賑やかさに目を奪われた。
「これは…RPGでいう、武器屋とか防具屋とか鍛冶屋やら何やらある商店街っぽいのじゃないですか!」
鈴音ちゃんが飛びっきりの可愛い笑顔と共にそう声高らかに言った。
この景色で今世紀最大級の笑顔を放つのもどうかと思うが。
だが、確かにそんな感じだった。武器やら何やら色々おいてある。
家の作りとか俺たちの住んでいる世界と全く変わりはないというのに…
雰囲気というか設定みたいなのからして根本的に違うようだ。
「いらっしゃい! 譲ちゃんたち! 何にする!?」
話しかけてもないのに武器屋のおっさんが俺たちに、というか俺以外の夕姫と鈴音ちゃんに話しかけられた
「あーえっと…じゃあ、エクスカリバーで!」
「初っ端から伝説の剣っ!! ないだろっ! てかあったら非常に困るんだが…」
「あいよっ!」夕姫の言葉に笑顔で応じる武器屋亭主。
「あんのかよっ!」
俺はただただ信じられないというような顔をしてその場を見守る。
「ほらよっ!」
と、武器屋の亭主が渡してきたのは
カボチャだった。
「……」
俺はただ呆然としてしまっていた。
「ありがとうっ!」
「って何の不自然も思わずに受け取りやがった!」
夕姫は何の疑いもなく、エクスカリバーこと野菜のカボチャを笑顔で受け取った。
ダメだ…こいつ、正真正銘のバカだ…。
こんなやつが学校の生徒会長なんかになってみろ。どんな学校になるのか想像しただけで…腹が立つ。
「えっとお金…」
夕姫がお金のことを言おうとしたが亭主はそれに対して手を横に振り、
「いや、譲ちゃんたち可愛いからいいよ、御代なんて」
「そんなやすやすと伝説の剣がっ! いや、カボチャがっ!」
見れば見るほど単なるカボチャ。果たしてちゃんと武器として役立つのだろうか…?
「あ、でもそのエクスカリバーは一回キリのものだから普通に剣も渡しとくよ」
「一回キリって何なんだよっ!」
「奏、うるさい!」
うるさいっていわれても…つっこみどころが多すぎるんだよ…。
刀のような刃を持ちながらも幅の広い長刀を受け取ると夕姫は満足そうに引き下がった。
「じゃあ次…譲ちゃんは?」
亭主は次に鈴音ちゃんを見た。
鈴音ちゃんは、笑っていた。不気味に「ふふ…」とかいいながら。
「私はですね…何かすごいものが出せるやつがいいです!」
「すげぇアバウトすぎるよっ!! 要するに何なんだっ!」
鈴音ちゃんの言葉に亭主はさっきの笑顔が消え失せ、ゴクリと唾を飲み込む。
「じ、譲ちゃん…もしかして…あんた…」
…え?何だこの展開。あんなアバウトな用件で何か分かったのだろうか。
「…ちょっと待ちな」
そう亭主は呟いて店の奥へと消えていく。そして持ってきたものは、
ガン●ムが装着してそうな巨大ビームライフル的なもの。
「えらいもん置いてるんですねぇ!?」
俺のつっこみなど気にせず、夕姫と同じ理由っぽい感じで値段はいらないといってビームライフルを渡した
「あの…俺のは?」
そういえば自分の武器がない。思わず亭主に聞く。
「…え? お前いたの?」
「何その態度っ!! ずっといただろうよっ! すげぇブツがこいつらに渡してるのをバッチシみたよっ!」
まあ、エクスカリバーはある意味だが。
「あぁ…じゃあこれやるよ」
と、渡してきたのはすげぇボロそうな杖。
「差別だーッ!」
こういうしかなかった。だがその杖を渡した後に「はっ」と鼻で俺に笑いかけた後、去っていった。
と、いうことで。
俺たちの装備が決まった。
夕姫…エクスカリバーこと外見カボチャ。見た目強そうでかっこいい長刀。
鈴音ちゃん…高圧力ビームライフル的な物体。
俺…いまにも折れそうなボロ杖。
…格差ありすぎじゃね?
といっても何を言おうとも夕姫と鈴音ちゃんは自分の武器にウットリしているため、聞かなかった。
ため息一つ吐き、手にはボロ杖を持つ俺。俺の存在って何なんでしょうねっ!
「あ、職業決めるところじゃない? アレって」
夕姫が指を指した看板に書いてあったのはハローワークという文字。
「違うくないですかね!?」
俺の言葉を無視して二人はハローワークに入っていく。
こいつら…さっきから俺のことスルーしすぎな気がするんだが…。
中に入ると、綺麗な洋風な感じで受付は俺たちの世界のハローワークそのものだった。
「よし…今日から戦士頑張るかぁっ! 魔王でも倒したりしてなっ!」
とか、俺たちの世界で言ってるといかにも厨二病っぽいセリフで出てくる体つきのいい男。
いい歳こいて…戦士とか。何だか笑えたがなんとか堪えて受付へと向かう。
「あ、職業ですね? 何にしますか?」
と、受付の女性が俺たち三人に話しかけた。
職業が一覧と書かれている書類を見ると中にはドリアとか食べ物と思われる職業もあった。
中には爆発物処理班とかなんとも物騒なものまで。てかマフィアもあるんだな…。
ハローワークでマフィアとか爆発物処理班とか生み出されたらさぞかし困るだろうに。
「じゃあ私爆発物処理は——」
「まてえええええええ!!」
全力で夕姫を止める。
「な、何すんのよっ!」
「お前っ! 戦士とかそういう感じじゃねぇか! 何で爆発物処理班を選ぶんだよっ!」
「あ、それもそうかな」
え、今気付きました?この野郎、人をおちょくってんのか。
苛立つ拳を押さえて見守る。
「じゃあ私、英雄で!」
あ、そんなものまであったのか。ハローワークで英雄にもなれるんだね。なんてメルヘンなのだろう。
「私は…魔術師で」
鈴音ちゃんが不気味なニヤケ顔と共に受付の人へと告げる。
次は俺の番のようだ。
「えっと俺は…」
見てみると大半がアホ臭いものばかり。まともなものは少しはあるが…。
とりあえず無難なものを…うん?
「あの…この????って何すか」
「あぁ。裏職業のことですか。それになさいますか?」
「いやいやいや、裏職業って何すか?」
「俗に言う、モンスターだと魔王とかそういう部類のものです」
…聞けば聞くほどわけがわからなかった。
「じゃあそれで!」
「まてぇええ!!」
夕姫が勝手に決定。はい、俺の権限なし。
こうしてそれぞれの職業が決まったようだった。
- Re: ツギハギセカイ〜合作小説〜 ( No.32 )
- 日時: 2010/11/14 01:54
- 名前: Neon ◆kaIJiHXrg2 (ID: xiz6dVQF)
凄まじい轟音が、静かな海を騒がせる。
轟音の正体は津波。
津波とはプレート型地震によって発生する強力な力を持った波だ、その波が向かっている先は漁港。
このままだと、30秒無くて到達するだろう。
漁港が目の前に迫った直後だった、津波が次第に縮小し、湾へ入る時には殆ど消え、波のあったところにはあの船が一隻、ポツンと残されていた。
津波の余力が船を陸地へと乗り上げさせる。
もちろん、帰りは船を海に戻さなくてはならないが、彼女たちにとってはそれ位朝飯前だろう。
「さーて、アーレイン漁港へ到着しましたよっと」
「あのさ、アリソン。元は不死鳥の塔に居たんだから、直接この世界のアーレイン教会へ来るって言うことは考え付かないの? 船経由じゃなくてさ」
ネルの最もな意見にアリソンは納得したかのような表情を向け、ネルは呆れたような表情で苦笑いした。
アリソンは直ぐにポケットを探ると黒いコインのような円盤を取り出し、
「私さ、もう何個か仕事抱えてるからそれ片付いたら戻ってくるから。それまでチョット頑張ってて」
足元に落とすとそれに吸い込まれる様にしてアリソンは消えた。
それを見たネルはやれやれと首を振ると近くの喫茶店へと足を運ぶ。
馬鹿騒ぎをしているような声が入り口を入ったとたん歓迎するかのように耳に入ってくる。
確かここで……
「ネルさん、遅いですよ。先に酒をジャックとか言う人が飲んでますけど、良いんですか? 明らかに未成年ですよ、十七、八歳くらいの」
「別に良いだろ、こんな時間帯から酒売ってるこの店が悪い」
「すごく分かりやすい取替えで」
ネルを席に呼んだ少女がジャックと呼ばれている男を軽く呆れたように睨んだ。
それに対し、ジャックは小馬鹿にするように酒をグラスに並々注いで一気に飲み干す。
ビンを見れば、そのアルコール度数脅威の98%。
普通なら一気飲みなど出来ないのだが、この男は別物だ。
ジャックをネルも呆れたように眺めると、
「ジャック、駄目よお酒なんか飲んでちゃ。未成年でしょ? 流ちゃんの言う事を聞きなさい」
指を酒瓶に向けて炎を放った。
それを見たジャックは、カウンターへと歩いていくと懐から金貨を数枚出して再び酒を購入しようとする。
……何処まで酒に執着してるんだか。
呆れた目でネルはジャックを今度は軽く睨むと、ジャックが金を払って酒を受け取る直前に元の席へと強制転移させた。
「私がこの世界に来たのは仕事のためよ、か・な・り大変な仕事っぽいから実力の伴う貴方たちに集まってもらいました。仕事内容は、異世界同士の均衡を保つこと。で、問題はどうも自然に時空融合が起きたわけじゃないみたいで、人為的なものっぽいんだ。だから、戦闘多数、流血多数でメンタルの強い人が必要なわけ。分かったかな、ジャック君……?」
ネルが話し終わった時にジャックは既に先ほど代金を払った酒を椅子に座って飲み干していた。
この調子で仕事が終われば楽なんだけども……。
- Re: ツギハギセカイ〜合作小説〜 ( No.33 )
- 日時: 2010/11/08 16:57
- 名前: 狩人 ◆Puie0VNSjk (ID: /od6a26Q)
タッタッタ・・・
タッタッタ・・・・・・・
俺たち、神持月人とヨルは走っていた
「ここはどこなんだよー!!」
後ろには巨大な蛇(?)、追いつかれたら間違いなく死ぬ
「いやー、世界は面白いよね…こんなファンタジーな物があるなんて」
「ああ!ファンタジーだな!!だがファンタジーなら緑と紫の縞模様の羽の生えた蛇なんて存在しねーよ!!」
「蛇っていうよりかドラゴンだね♪」
「ファンタジーにあんなドラゴン出てきてたまるか!!出てくるならトランプの騎士とかカボチャの馬車とかにしてくれ!!」
と、言ったそばから左からゴツイ兄ちゃんの人力カボチャの馬車
右からはトランプの騎士が出てきた
「だぁー!言わなきゃよかったー!」
「いやーあれだよ、ファンタジーって言ったらやっぱガン●ムでしょ!」
「あれはロボットだよ!!てかガ●ダムネタは武器屋でやったよ!!」
「武器って言ったらエクスカリバーだよね」
「それもやった!」
「カボチャ・・・」
「少し黙れ!!」
そんなこんなで俺たちは走り続ける・・・
「ここは?」
俺、音流都は周りを見渡す
「…いや、落ちつけ」
あたりはジャングルのような雰囲気があった
空からは鳥の鳴き声、どこからか人の悲鳴、何か大きなものが走っているような音
「…つか、ここ来たことあるぞ」
周りは見たことのあるような生物や植物がある
どれもこの「世界」にしか存在しないものだ
何故ここに来たか俺もわからない
「調べるか・・・」
俺は行動を開始した
- Re: ツギハギセカイ〜合作小説〜 ( No.34 )
- 日時: 2010/11/09 23:33
- 名前: いち ◆ovUOluMwX2 (ID: PmZsycN0)
- 参照: http://noberu.dee.cc/bbs/dark/read.cgi?no
静寂。
それだけが、この町を包んでいる。
俺に聞えるのは、自分の足音だけだ。
「ダメだ……分からない」
もう1時間近く歩き回っているが、ここがどこかも分からない。
暗いから夜だというのは分かるが、正確な時間は分からない。
何よりも今、必要なのは情報だった。
何でこんなところに飛ばされたのかは知らないが、さっさと戻らないと…
第2ステージがどうなったか心配だ…
こんなところで、足止めを食っている暇は無い。
さっさとこの町を出ないと……
焦りだけが増え、一向に何も見当たらない。
おかしいところなら、いくつもある。
まず、この町の名前が分からない。
町なら、どこかに町の名前が入った施設があるはずだ、それが見当たらなくても、標識などに必ず名前は入っている。
さらには、人の気配がないこと。
今が仮に真夜中だとしても、町中全てのビルが真っ暗なんてことがありえない。
さらにはEMPだ。EMPは論理的には証明されているが、実際に製造するのは不可能だと言われている。
非公式に製造されているという噂もあるが、いずれにしろそこらのビルに転がっているような代物ではない。
それだけの科学技術がありながら、特に荒廃した様子もない町に、人がいない。
どう考えても説明がつかなかった。
まさか、新たなステージに突入したのか?
違う。SURVIVAL GAMEは参加者同士の殺し合いを本分とするはず。あんな黒服の軍団などよこさないはずだ。
そう考えると、この町には何らかの組織的活動をするやつらがいるってことだ。
おそらくはそいつらによって、俺はこの世界に招かれた。
この町には何かある。
そう確信したとき—
背後に気配を感じた。
滅華に手をかけ、振り向く。
するとそこに、男が立っていた。
「やあ、遠野秋夜君」
「誰だ」
男は芝居がかった仕草で青い髪をかきあげた。
「俺はアイリス・スカイバーンだ。君をこの世界に招いた張本人さ」
アイリスと名乗った男は、薄く笑っている。
「だったら、元の世界に返してもらおうか」
「まあ、少しはゆっくりしていけよ。ここにいる間、あっちの時間は止まっているんだからさ」
「……? どういうことだ?」
するとアイリスは上着からリモコンのようなものを取り出すと、なにやら操作した。
「見たまえ、秋夜君」
アイリスが指差した方向を見ると、ビルのガラスに映像が映っていた。
「……これは」
そこには、ロストアイランドが映し出されており、不自然な格好で動きを止めた仲間達の姿があった。
「信じていただけたかな?」
アイリスが再びリモコンをいじると、映像は消えた。
「あんた何者だ」
「君のすべてを知っている者さ」
「ふざけるな!」
俺は滅華を抜くと、アイリスに斬りかかった。
アイリスはニヤリと笑うと、小さくつぶやいた。
「……金」
すると、俺とアイリスの間に突然壁のような物体が飛び出してきた。
「……!?」
俺は攻撃をやめ、後ろに下がった。
しばらくすると、壁の横からアイリスが現れた。
「将棋はやるかい、秋夜君?」
「……将棋?」
アイリスは不敵に笑いながら壁をパンパンと叩く。
「王を守るのは金の仕事だ、だろ?」
「……まさか」
よく見てみれば、壁は将棋の駒の形をしていた。
そこには、金と大きく書いてあった。
「こいつの名前はショーギソルジャー。ま、レアウエポンって言えば話は通じるかな?」
「レアウエポンだと……!!」
この件にはSURVIVAL GAMEの主催者マスターまで関わっているのか…!?
「まあ、驚くよな〜…お察しの通り、俺はマスターの部下さ。キミをこのツギハギセカイに招くように命令された」
「ツギハギセカイ…」
「そう、この世界の特徴は融合だ。あらゆる世界を再現させたまさに継ぎ接ぎの世界。この町も、キミの世界をモデルにしたんだけどな…」
「俺の世界…」
「忘れたのかい? ここは君の住む町、風谷市の都市部だ」
「………!!」
そうか、そうだったのか。
言われるまで、分からなかった。
言われてみれば、どこもかしこも見覚えのある風景だ。
何で気付かなかったんだ……
「まあ思い出せないのもしょうがないか。長いこと生きるか死ぬかの境界線に立っていたんだからな。記憶が飛んだんだろ」
アイリスはそういうとクククと笑い、『金』の駒を倒した。
そしてその上に乗ると、駒は浮き上がった。
「じゃあな、秋夜君。次に会えるのを楽しみにしているよ」
そう言い残し、アイリスは空へと去っていった。
「ツギハギセカイ…結局情報はそれだけか」
「いたぞ! 遠野秋夜だ!!」
「捕まえろ!!」
ちょうどいい、情報源がやってきた。
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