ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- 聖歌が響く時
- 日時: 2010/10/10 17:40
- 名前: 月華 (ID: SOGiHJ/a)
初。魔法物です。
末永くかければ嬉しいです。
以上!
とにかく久しぶりなんで、更新とりま頑張って期待と思います。
記録
2010.10.10 参照が100に
始まりの歌
私はなんでここに存在するのでしょうか?
少女は問いました。
だれも答えてくれるはずありませんでした。
なぜなら誰もが少女の問いへの答えを知っていたからです。
私はどうすればいいのでしょうか?
少女は問いました。
誰も答えるわけありませんでした。
答えることと死ぬことは同義だからです。
何故私はこんな力を持っているのでしょうか?
少女は問いました。
誰もが優しく笑いかけました。
なぜなら——。
雪の中に血が、まるでグレーテルが落としたパンくずのように点々とついていました。
一人少女はその雪の中、ずっと遠いどこかを見つめておりました。
- Re: 聖歌が響く時 ( No.17 )
- 日時: 2010/10/02 18:20
- 名前: 月華 (ID: SOGiHJ/a)
神凪和乃さん
またまたコメありがとうございます。
私も更新したのを発見したらすぐ読むつもりなんで、これからも長々とよろしくおねがいします。
さて、そろそろキャラが増えると思うので(すぐ元に戻るかもしれませんが)キャラ紹介作ります。
あ、でも前の話まで読んでいない人はここ読まないでね? ネタバレは嫌いだから。
◆ チュナ
主人公の黒髪のかわいらしい少女。丁寧語しかつかわないので、すぐ見分けられますよね。生粋のお嬢様。
お父さん(カフェル)は政府の人。また、歌の魔法の使い手……かもしれない。
なお、トゥーサという弟もいたけど母と共に家が焼けた時に死亡(?)。お父さんも死亡(?)
人間の純血らしい。
学校の人
◇ ビエッタ
チュナの幼馴染にして友達。金髪の顔にそばかすがついた少女。遅刻魔。
ってそれ以外に特にちゃんとした設定がみつからない……。
◆ テヨン
チュナとビエッタの友達。赤茶の髪をした少年。とにかくいいやつ。そして、密かにチュナに思いを寄せている(?)
あと、お母さんは昔は酒場を経営していたけど今は専業主婦に。その時、魔族と政府の奴への恨みが芽生えた。
あ、三人は同じ部活みたいです。
◇ セイル
黒髪のカッコいい少年。チュナの憧れの人で、初恋の人。頭がよくてなんでもできる奴。
何かよからぬ方々
◆ 男
チュナの家族とチュナを殺すように命令した人。五十代くらいで脂汗がひどい卑しい奴。
黒幕(?)
◇ 少年
変化の魔法とか自分の代わりをして貰う魔法とか、炎を出して物を焼く魔法とかいろいろな魔法を使う魔族の奴。チュナの家族を殺した犯人(?)
あと敵になる人々
◆ 朱雀
火と光の使い手。
◇ 玄武
精神操術の使い手。
◆ 白虎
動物の使い手。
◇ 青龍
語られぬ使い手。
四人とも魔族。
以上。
増えたらまた別に作ります。
- Re: 聖歌が響く時(二日もあけてすみません) ( No.18 )
- 日時: 2010/10/05 15:26
- 名前: 月華 (ID: SOGiHJ/a)
- 参照: ポケモンのブラックにはまってしまった
「なぁ、ここに本当に入るのか?」
テヨンは少し不安そうに私を見上げながら聞いてくる。私と彼との身長差がすごく生える。なんていえばきっとテヨンはものすごく嫌がってもとの体勢に戻るだろうけど。
「ええ、私の家はこの中にあるんですもの」
さもあたりまえだというように答える。そうそう、家に帰ろうと思うたびにこんな深そうな森に入るのなんていやだな、なんて考えていたら馬鹿みたいじゃない。
私はこの森の中の小さな家で寝ていて、また生活するのよ。
ってもしかして……。
「この森の中に入るのが怖いの?」
「い、否そんな訳ないだろ? な……」
即答、私が質問して一秒もたたずに答えが返ってくる。どうやら結構怖いらしい。
まぁ、しょうがないよね。中に入ったら光もほとんど漏れないほどにうっそうと茂る木々、そして怪しい動物たちの息吹、それらが怖くないっていう理由は普通思いつかない。むしろ、私のほうが変なのかも……。なんてね?
「男の癖に」
「怖くないって言ってるだろ!?」
震えながら私に向かって怒鳴る。
その姿もまた可愛かったり。
「まぁ、ここで足を止めていてもしょうがないから行こ。それとも、怖いならここで一人で残ってる? 私はテヨンいなくても大丈夫だし。普通に何時も通っている道だから」
私はそう言いながら私を見上げてくるテヨンに向って意地悪く笑う。(尤も私なんかがうまく意地悪に笑えるわけないけど。まぁ笑ってるつもりだからいい)そして、テヨンの言葉も待たずに森の中に向って一歩、また一歩と歩き出す。
「まって、チュナ!」
戸の声と共にもう一つ後ろの方から足音が聞こえてくる。
結局ついてくるのね。まぁいいわ。護衛はいたほうがいいし。
夜の闇や森の闇を恐れるような少年を、護衛とか言っていいのかはちょっと疑問だけど。そもそも護衛とか言ってる時点で間違っているのかしら? ——何処でもいいわ、間違いなんて。
そう私が考えている間にも会話は行われない。ただ私とテヨンは2人で横に並んで森を歩いている、それだけ。しかも、テヨンったら怖くて俯いちゃってるし。
私は空を見上げる。雪も葉もついていない木がただただ生い茂っていてまだ夕日がかすかにのこっていて、その木洩れ日が湧き出しているような空を。
鳥がふと通り過ぎ、森の息吹が風に乗り、優しい匂いがする。心がふと暖かくなったような気がした。
十二月の外気は冷たくて突き刺さるような感じなのに、その冷たさが気持ちよく感じてしまうくらいに。
「なぁ、家焼けてたらどうするの?」
「そんなこと考えたくない」
嘘、ずっと考えてた。
もし本当に家が焼けてたらどうするかずっと悩んでいた。私が知っている限り特に親戚とかはいなくて、ビエッタの家にお父様の残した遺産を使って泊り込むのでもいいのかなとか思っていた。
永遠にそうするわけには行かないけど一時だけ。
結局あの家以外に私の家は見つからないだろう。あの家が私の唯一の家。そしてお父様とお母様とトゥーサだけが私の家族。それで充分。
「なんだ、これ」
右隣から足音がやむ。私は反射的に振り返った。
すると、テヨンはしゃがみこんでなにかを拾おうとしている。って、手が真っ黒になっているじゃない。
「どうしたの?」
「煤が落ちてたように見えたから確認しようって思って、そしたら案の定……」
「きっとバーベキューをやってたのよ」
私はテヨンのために足を止めるのをやめ歩くのを再開する。足音が自分を追ってくる。
煤、なにかがここで燃えたんだ。
そして、森の中に道は開けた。細くなった夕日が頭上からしっかりと差し込む。
「嘘……」
目の前にあったのは所々焦げて、所々燃えてしまったようなたった一つの愛すべき家であった。
- Re: 聖歌が響く時 ( No.19 )
- 日時: 2010/10/06 17:56
- 名前: 月華 (ID: SOGiHJ/a)
(シーン続いてます)
私は一瞬気を失いそうになるけど、何とか持ちこたえる。
きっと夢。私は悪い夢を見ているの。そうに違いないんだわ、きっと。
「テヨンわた……」
駄目。確かめては駄目。もしこれが現実ってわかってしまったら、私は泣き崩れてしまうわ。それでは駄目。お母様とトゥーサの、いえお父様もいるかもしれないわ。だから、三人の安否を確かめるまでは泣き崩れてリタイアしては駄目なのよ。
否、そうよ。テヨンとこの森から一緒に出なければならないんだ。だって、テヨンはこの森を一人で歩けないんですもの。まだまだ動かなきゃ。
そう自分に言い聞かせると、少しは元気が出たような気がするわ。うん、きっとお母様たちは奇跡的に生きているのよ。ちょっと焼け焦げただけの部屋もあるしね。其処にたまたまいて生き延びているのよ。
「チュナ、大丈夫か?」
「うん。大丈夫よ」
「そう見えないけど……」
「家を失ったくらいで泣いてられないわ。それよりもお母様たちが生きているか確認しましょう」
私は首を傾けながらテヨンに答えを乞う。テヨンは少しの間動きを止め、そしてはっとしたように顔を上げてから小さく頷いた。一体この間は何なのかしら?——どうでもいいことだけど。それに最近はよくこういうことあるしね。もしかして、私に見とれてる? まっさかぁ、そんなわけあるはずないわ。自惚れちゃ駄目。
とにかく、テヨンは頷いてくれたし早く確認しなきゃ。私はテヨンの腕をサッと強く掴み走り出す。
焼け落ちてなくなってしまった玄関から家の中に入って、そうね。まず二階から調べましょ……? 刹那、後ろの方から何者かの気配を感じたような気がした。とっさにテヨンの手をってきゃぁ、テヨンの手を掴んでたの? 無意識に? とりあえずパッとテヨンの手を離す。
「ごめんね? いたかった? 爪食い込んじゃってたけど……」
「それくらい全然大丈夫に決まってんだろ?」
テヨンは真っ赤になりながらあわてて答える。なにあわてているのだろう?
っておっと、後ろからの気配を確認しなきゃと思って振り返ってみたけど、そこにはただ洗濯物干し場になっていた草むらとその奥の森が見えるばかりで、人の姿はなかった。まぁ、きっと気のせいよね?
「どうしたんだよ、チュナ」
「うん、なんでもない。さ、早く行こうよ!」
「おい、まて!」
待つものか。なんて考えているうちに自然と考えがいい方向に向っているような気がしてくる。テヨンと一緒にいると、何故か明るくなれるような気がするのよね。不思議不思議。
ってうぁ。何が起きたの? あ、階段の底が抜けたのねってそんなことどうでもいいわ。左足がきゃあっぁ。
「大丈夫か!?」
「うん、多分大丈夫だと思う」
私はテヨンが私の手を掴んだことによって、なんとか左足を底の抜けた階段から突き出すだけで助かったみたいだわ。ふー、よかった。でも、穴の切れ際に太ももが当たって痛いわね……。
「今、引き上げるから」
「ありがとう」
そう私が答えるのを聞くとテヨンは余裕っぽく笑って見せる。
「私、重いかな……?」
「全然」
「嘘つかないで、額とか手とかに汗がにじんでるよ? ごめんね、階段ぬくなんてドジしちゃって」
「大丈夫だから。
せーの」
よいしょ、とでもいうように私のことを引っ張る。私も階段についている右足に力を入れる。そしたらすぐにまるで大根がスパッと抜けるように私の足も抜ける。って、それを何処におけって言うのよ? とりあえず右足と同じ段に上げられれば。よし、なんとか左足が上がった。
「迷惑かけてごめんね」
「いいよ、さぁさぁ行こ行こ」
そうよね。でも、調子に乗って片足だけに体重かけたりするのは止めやめ。また床が抜けてしまったら大変だわ。
とか思っているうちに、二階のスペースにつく。
二階には私の部屋とトゥーサの部屋と両親の部屋がある。右手が私の部屋、真ん中が両親の部屋、左手がトゥーサの部屋になっている。そして、階段は両親の部屋の目の前にあるという感じ。
だけど、両親の部屋とトゥーサの部屋は外から見たところ、残念ながら焼けてしまっていて、扉でさえも触ったら崩れそうなので放置しておく。私の部屋を確認しましょ。
「ちょっと、テヨンここで待ってて」
「あ、うん」
さてと、久しぶりの自分の部屋。多分お母様たちが生きていてもしばらくはここに住めないから最低限の荷物だけまとめておきましょう。お母様達を探すのも大切だけど、少し休むのもいいものね。
私の部屋は何故かどこも焼け焦げていなくて、大切なものは全て助かっていた。けれど、屋根が少し焼けているから外の冷たい風が中に入ってくる。
刹那、肌に冷たい何かが触れた気がした。とっさに顔を上げるとまたピチャっと。雫だわ。屋根の隙間から雨漏りしているのね。でも、それなら家が燃えたあとに水がこの家の上からかかったってことになるわ。昨日から今日にかけては雨なんかふらなかったのに……。まぁ、そんなこと考えていないでさっさと必要なものをまとめなきゃね。
えっと、お洋服でしょ? 財布でしょ? 教科書一式と筆箱でしょ? それと……トランプも必要ね。あと学生証はスクールバックに入っているのだっけ?
これ全部をつめなきゃね。と思って押入れの中から大きなバックを探してみる。あっこれ可愛い。これにしよう。
バック発見。さて、全部つめこ……その時、学習机から何かが落ちてくる。白く輝く美しい何かと金色の四角い何かが。
私が手を出すまもなくそれらは落下しことっと音をたてた。その二つを見つめる。
あっ、これは。
お母様のくれた白い十字架のペンダントと、お父様のくれたアンティークのオルゴール。嗚呼、お母様、お父様。生きてらっしゃりますか?
私は大事にその二つを拾い上げ、バックの小さなポケットに入れる。これを忘れては駄目だわね。これだけは絶対に駄目。形見なんですもの。
「まだかー?」
「あとちょっとよ」
さ、早くバックにみんな入れてしまいましょ。洋服も夏服と冬服とカーデガンとか下着……結構な数いれなきゃだわ。あっ、お母様が時間をかけて丁寧に縫ってくれたワンピース! 絶対に持ってかなきゃ。
靴だってスニーカーとサンダル……いいえ。サンダルが無くても生きていけるわ。荷物を無駄に重くするわけにはいかない。
取捨選択って難しいわ……。
だけど、選び終われば意外と荷物は軽くて小さくなってるのがちょっとびっくり。そういうものなのかしらね?
さてと、私は大きな荷物とスクールバックを持って部屋を出る。
「バイバイ、私の部屋」
- Re: 聖歌が響く時 ( No.20 )
- 日時: 2010/10/06 20:09
- 名前: ユエ (ID: 9mWysg1X)
お久し振りです( *・ω・)ノ
めっちゃ進んでますね!
テヨンとチュナの二人がいいかんじ……!
に見えるのはわたしだけでしょうか?笑
朱雀とか、カッコイイですね!!
- Re: 聖歌が響く時 ( No.21 )
- 日時: 2010/10/07 18:00
- 名前: 月華 (ID: SOGiHJ/a)
ユエさん(*^。^*)
こちらこそお久しぶりです。
テヨンとチュナは途中からカップリングを思いつき……だけど、チュナが振り向かない!! いい感じなのに。
ここは私が努力するべきなのでしょうか……?
朱雀さん、うん。カッコよさそうだし仲間割れで殺される設定を中止してあげよう((おい!
赤髪のかっこいい少年かなぁ? やっぱり。(意見求む!!)
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