ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- 聖歌が響く時
- 日時: 2010/10/10 17:40
- 名前: 月華 (ID: SOGiHJ/a)
初。魔法物です。
末永くかければ嬉しいです。
以上!
とにかく久しぶりなんで、更新とりま頑張って期待と思います。
記録
2010.10.10 参照が100に
始まりの歌
私はなんでここに存在するのでしょうか?
少女は問いました。
だれも答えてくれるはずありませんでした。
なぜなら誰もが少女の問いへの答えを知っていたからです。
私はどうすればいいのでしょうか?
少女は問いました。
誰も答えるわけありませんでした。
答えることと死ぬことは同義だからです。
何故私はこんな力を持っているのでしょうか?
少女は問いました。
誰もが優しく笑いかけました。
なぜなら——。
雪の中に血が、まるでグレーテルが落としたパンくずのように点々とついていました。
一人少女はその雪の中、ずっと遠いどこかを見つめておりました。
- Re: 聖歌が響く時 ( No.1 )
- 日時: 2010/09/24 18:53
- 名前: 月華 (ID: SOGiHJ/a)
1、祈ればかなう
「私は——知っていたの」
「何を?」
「さぁ?」
「なら君は何なんだい?」
「もっとわからないわ」
◆ ◆ ◆
「ほら、おきなさーい」
どこか遠くからそんな声が聞こえてくるって、お母様じゃない。
えっと、あっそうか。昨日は徹夜で勉強するつもりだったのについ寝てしまったのね。
まったく、私ったら何時もこうで……。今日はテストだって言うのに。まぁ、何時も早く寝ている人がいきなり徹夜できるはずもあるわけないのだけれど。
それにしても、今日は寒い。お布団だってしっかりかかっているのに指先や足先がまるで表面が凍った水につかってるみたいに詰めたいわ。一体なんでかしら? もしかして——……。
私は急いでベットの近くに脱ぎ散らかされた靴も履かずにベットから降りる。
「うぅ、寒い」
起きなければよかった。布団の中はあんなにあったかいのに。でも、早く確認しなきゃ。
窓際へゆっくりと歩く。
「やっぱり——……雪だわ!」
雪が、やっとふったのね。待っていたのよずっと。雪が降らないと、私の冬は始まらないんだから。
家の周りの森を窓越しに見下ろすと一面真っ白になっていた。森の木々は白くかき氷のよう。ああ、苺ドロップをかけて食べてみたい。でも、こんな時期に食べたら風邪引いちゃうわ。
でも、そんなのどうでもいい。
雪が降ったの、そしたらきっとお父様も帰ってくるに違いないわ。
「ほら、もうトゥーサは降りてきてるわよ。チュナ! 早くしなさい」
「はーい」
そうよ。雪に見とれる前に着替えなきゃ。
枕元には真っ黒で地味なワンピースと、黒いタイツが置かれていた。もう、雪が降っているのになんでこんな地味な服を用意しちゃったのよ。もっと可愛い服じゃなきゃ。でも、時間がないわ。しょうがない。
ほぼ、何時もどおりだけど、やっぱり雪が降っていると気分が晴れるわ。
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