ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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十二支牢獄Story
日時: 2011/04/29 22:14
名前: 叶嵐 ◆RZEwn1AX62 (ID: c5zRNdeN)

ハジメマシテ、コンニチワ。
スレを見てくれたことにマジ感謝です。


いつ挫折するか分からないような真の駄作者につきあってくださる方のみ、お残りください。

【注意書き】
1.この作者、挫折経験アリ
2.荒らし駄目・絶対!
3.コメ大歓迎
4.意味不(←ここ重要
5.多分グロアリ…?
6.更新亀以下(←ここも重要

  では、これより始まりますは一人の少女と十二人の囚人の話に御座います。
  お気に召されれば光栄に御座います——————


※お客様※
  ◆アキラ様  ◆*+。弥生*+。様  ◆神凪和乃様  ◆腐女子まん*羽菜。様  ◆ソナー様

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Re: 十二支牢獄Story ( No.11 )
日時: 2010/10/17 14:08
名前: 叶嵐 ◆RZEwn1AX62 (ID: fMPELWLk)
参照: http://俺様こそ真の駄作者だッッ!!

>>アキラs

Mでしたかww
ちなみに俺は友人から「Mっぽい」とよく言われます。
自分的にはSに近いと思う。 よく分からないんですよねwww
牛乳の飲み過ぎに注意です。

Re: 十二支牢獄Story ( No.12 )
日時: 2011/03/03 20:21
名前: 叶嵐 ◆RZEwn1AX62 (ID: au7rBPzb)

6話:『人を殺すことになるよ』





私、桜宮レイトは無実の罪で『ウエスタン監獄』に入った。

ここで起こったことは、私にとって衝撃以外の何物でもなかった。

「はぁ……。 こんなに酷い所があるなんて、知りもしなかったなぁ」
あの後、勢いで女子棟から逃げ出てしまった。
泣きながら、ただがむしゃらに走っていたので、ここがどこか分からない。

俗に言う迷子だ。

「どうしよう…」

急に心細くなり、また涙があふれ出る。


近くにあった木の下で誰かが通り過ぎるのを待つ。
「うっ………グスッ、うぅ………」


必死に目に溜まった涙を擦っていると、

「ウワッッ!!」
上から声がした。


「え?」


ドササァッッ!

「きゃぁ!」
「ウヲォ?!」
落ちてきたのは、少年だった。
和田さんと同じくらいの年頃の。

彼の真下にいた私は巻き添えをくらい、倒れる。


「ッてて………」
「いったぁ………!」


後頭部が鈍く痛む。

目を開ければ、少年の顔がものすごく近くにあった。


「………………」
「……………………」



沈黙が続く。

困った。
少年は私の顔を見てフリーズしたように動かない。

それにしても、この少年………軽い。

やはり十分に食べさせてもらえないからだろう。

「…………あのぅ?」
「…………へ? う、うわぁぁああ!! ごごご、ごめん!」

少しの間が空き、少年は勢いよく後ろに飛んだ。
顔が真っ赤だ。
どうかしたのだろうか??



・・・

(うわー、うわー、うわぁあぁぁあああー!!!)

ビックリした。
驚いた!
驚愕した!!
そんな言葉が頭の中を飛び回っている。

木から落ちて気づいてみれば、目の前には自分より年下の少女がいた。

しかも、可愛いではないか!

顔が真っ赤になっていくのがわかる。

(うわ、どうしよう。 なんかすっげえ恥ずかしい!)
女子棟には用事というものもなく、今まで一切関わりを持ったことはなかった。
それで余計に顔が火照る。

(どうしようどうしようどうしようぅぅうう!!)
脳内の思考をフル回転させるが、まだ混乱しているらしくうまくいかない。

と、一人で勝手に興奮しているが、下敷きにしてしまった彼女からすれば意味がわからないだろう。

(ととと、とりあえず落ち着け。 落ち着くんだ、俺)

その場で深呼吸をしてみる。
胸の高鳴りが少し収まっていくのがわかる。

よし。


「あ、と………さっきはごめん。 木の上から下を覗いたら、落ちちゃって」
「別にいいですけど、あなた………誰ですか?」

?? 新入りなのだろうか。 俺を知らないなんて。

「俺は、『螺猿』 第九区画の【十二支】だ」
「! 【十二支】! 本当ですか!」
「え、ああ。 本当だよ。 君は?」
「あ、私は『桜宮レイト』です」
「へえ。 じゃあレイトちゃん、よろしくね」
「よろしくお願いします」

あ、笑った。

でも、なんだかなぁ……。
自分が見た限りでは何だか無理矢理笑みを顔にくっつけた感じの笑い方だ。
いい感じはしない。 なんとなく作り物の様で気持ちが悪い。

「にしても、すごい格好だね。 何したの?」
「へ? ああ。 これですか。 これは………母の血で………」

彼女の服は、もとは綺麗な青のワンピースなのだろうが今では血で赤黒く変色している。

「殺したの??」
「まさか!! 私が殺すわけないじゃないですか! …母は誰かに殺されたんです」
「ふーん。 じゃ、君は今は一応無実の罪でここに来てるんだ?」
「『今は一応』ってどういうことですか?」

(本当に知らないんだな、この子)

「君もここに来た以上、誰が望もうと望まなかろうときっと人を殺すことになるよ」
「!! そんなことないです!!」
「あるよ。 それがあるからこそ、こうやって人はここに送り込まれてきているんだ」
「そ、それは………!」
「ま、そんなことがないよう、君は頑張るんだろうね」
「……はい!」

(強い子だな。 だけど、その強さで自分を殺してしまわないといいんだけど……)

少し、昔のことが頭をよぎる。

忘れたに等しいほど昔の記憶。

だが、いまだにしつこくこびり付いて消え失せない記憶。

「……………? 螺猿さん?」
「ん? 何?」


過去などどうでもいい。 そんなものは何の価値もない。
ここにきてそう思うようになった。 
    いや、思えるようなった……だろうか。

上を見上げると、鷹が一匹空を自由に飛んでいた。

「俺らは、所詮羽を折られた鳥……ってとこかな」

そう、呟きながら空に向かって手を伸ばす。


彼女、『桜宮レイト』は過去の価値を捨てた少年を不思議そうに見上げた________________________

Re: 十二支牢獄Story ( No.13 )
日時: 2010/10/31 07:27
名前: アキラ (ID: STEmBwbT)

女の子と目があったくらいで……っ、可愛いなぁ!
初な男の子は好きです!←黙れ笑

Re: 十二支牢獄Story ( No.14 )
日時: 2010/10/31 11:12
名前: 叶嵐 ◆RZEwn1AX62 (ID: fMPELWLk)
参照: http://風邪の野郎に負けた…。

>>アキラs

可愛いですか? 有難うございます。
ええ。 ガキです。 ガキですともwww

Re: 十二支牢獄Story ( No.15 )
日時: 2011/03/03 20:23
名前: 叶嵐 ◆RZEwn1AX62 (ID: au7rBPzb)
参照: http://風邪の野郎に負けた…。

7話:『やらなきゃ、やられちゃうんだ』






「すいません。 道案内なんて………」
「いいよ、いいよぉー。 俺もこっちだし」

軽く手を振り、私の横を歩く。


その時、少し冷たくなってきた風が吹く。

すろと、螺猿さんはどこか遠くを見つめ呟いた。

「あー。 もうそんな時期か………」
「? 何かあるんですか?」

そう尋ねると、螺猿さんは悲しそうな嬉しそうな微妙な顔で私を見た。

「そっか。 知らないんだったね。 ここでは、年に一度【十二支】戦挙ってのがあってね」
「【十二支】戦挙? 投票でもするんですか??」
「あはは。 違うちがう。 男子棟では、各区画に一人。 【十二支】って言うのが居るのは知っているよね?」
「ええ。 広富さんに……同じ牢の人に聞きました」
「その【十二支】になるために、その区画にいる囚人達は殺しあうのさ」
「! 何でそんなこと!」
「【十二支】にはその区画の一番強いもの、つまりたった一人生き残った者がなることになってるから」
「ほ、他に決め方はなかったんですか?! 話し合えばよかったんじゃ……」
「そうはいかないんだ。 ここに来ているのは、必ず何かの罪を犯した者。 話し合いが通じる相手じゃない」
「そ、それでも……殺しあうなんて」
「これが一番簡単で合理的なんだ」

そういう螺猿さんの顔は、目が死んでいた。



「じゃあ……貴方も人を………?」



答える代りに彼は悲しげに微笑んだ。

「やらなきゃ、やられちゃうんだ」






_____人とは所詮、そういう生き物でしかない。






________見下しあいの中でしか生きていけない生物。






_____それでも、





「それでも、私は間違っていると思います」


まっすぐに螺猿さんを見つめる。

強く握った拳が震える。

「……そっか。 さ、自由時間も終わるし早く行こう」

そう言い、螺猿さんはすぐに目をそらした。

螺猿さんの頬が軽く赤かったのは気のせいだろうか……?

(気のせいだよね)

先に歩きだした螺猿さんに小走りで追いつくと、彼の右手を握る。


「?! な、な何をっ??!」
「温かいんですよ。 螺猿さんの手」


きっと、この人はたくさんの人を殺しているのだろう。




だけど、


(温かいなあ……)



_______他の人と変わらない。 彼の手は温かい。






彼は最初口をパクパクと動かしながら、左手で何かを訴えていたがやがて大人しくなり、真っ赤になりながら歩き出した。






・・・

(ああ。 俺、今真っ赤だろうな)

そんなことが容易に分かってしまうくらい、俺は焦っている。
だって、だってだって……!

(なんで手握るんだよぉー!!)


女子なんて、遠目に歩いて行くのを見るぐらいだった。

だから、この先女子と関わる事なんて一生ないんだろうなぁーなんて思ってたのに!



「どうかしましたか? 螺猿さん、顔真っ赤ですよ?」

この子、天然なのか……??

「い、いや。 だ、大丈夫だから………」


そんなに不思議そうな顔でこっちを見ないでくれ!
自分の鼓動のはずなのに、やけに煩い。

(ああああ! もう、全然意味わかんねぇー!!)


「螺猿さん?」
「ッ! え、あ、何??」
「本当に、大丈夫ですか?」

心配そうに俺を見上げる。
その目は、俺を本当に心配しているようで_______

「大丈夫だよ」

少し微笑んでからまた歩き出す。









数分後、女子棟が見えた。

「さぁ、俺はここまでだ」
「え?」
「ここから先に行くと、規則違反になっちゃうから」
「ああ、そうですね。 送ってくれて有難うございました」
「それと、もう男子棟には近寄らないほうがいいよ」
「??」
「君も、こんなに早く死にたくないだろ?」
「あ………!」
「そういうことで。 じゃーね」
「………また、いつか」

律義に頭を下げる。
ああ。 いい子なんだなぁ。

なんだかここでは微笑ましい。


「それじゃぁ!」

最後に満面の笑顔を見せ、彼女は走り去った。



「〜〜〜ッ! 何でそう無邪気なんだかねぇー」

この後、俺は五分ほど顔が赤かった________


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