ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- 十二支牢獄Story
- 日時: 2011/04/29 22:14
- 名前: 叶嵐 ◆RZEwn1AX62 (ID: c5zRNdeN)
ハジメマシテ、コンニチワ。
スレを見てくれたことにマジ感謝です。
いつ挫折するか分からないような真の駄作者につきあってくださる方のみ、お残りください。
【注意書き】
1.この作者、挫折経験アリ
2.荒らし駄目・絶対!
3.コメ大歓迎
4.意味不(←ここ重要
5.多分グロアリ…?
6.更新亀以下(←ここも重要
では、これより始まりますは一人の少女と十二人の囚人の話に御座います。
お気に召されれば光栄に御座います——————
※お客様※
◆アキラ様 ◆*+。弥生*+。様 ◆神凪和乃様 ◆腐女子まん*羽菜。様 ◆ソナー様
Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
- Re: 十二支牢獄Story ( No.51 )
- 日時: 2011/04/01 23:28
- 名前: 叶嵐 ◆RZEwn1AX62 (ID: c5zRNdeN)
16話:『第八区画【十二支】『獅羊』だって!』
「月が、消えたか」
こうなれば、相手の位置は気配で探るしかない。
相手は疲れているとはいえ、ここの看守だ。 どこまで隙が生まれるか。
「バイバイ」
「!!」
背後に急に気配が現れた。
俺が振り向くまでに何発か銃弾を撃ち込まれる。
発射時の火花でアイツの顔が見え隠れする。
距離を取り、後ろに飛び下がって着地すると右足に痛みが走る。
「っ?!」
痛みを持つ場所が熱くなる。 手探りで触るとヌメリとした生ぬるい液体が手についた。 鉄の匂いもする。 銃弾が命中したらしい。
「おやぁ、この匂いからすると一発ぐらい当たったみたいだな」
声のみが響く。
まずいな。 気休めに近くにある木を探し出し、上へ登る。
その間も右足は熱を持ち、痺れている。
さて、どうしたものか……。
「悩んだって、答えは同じだよ」
銃弾を詰め替える音が聞こえる。
シンとした静けさが、今の自分には心地よかった。
・・・
「…………月が、隠れちゃったよ」
「…………え、行くの? 嫌だよ、怖いじゃないか」
「…………違うよ。 君がだよ」
一人の少年が、闇に包まれた通路を歩いていた。
彼の歩く足音の響きだけが、辛うじて通路の中だと推測させる。
その少年はまるで空中にもう一人人間が居るような口調で一人呟いている。
「…………そんなこと言わないでよ、怖いよ」
「…………解ったよ。 だからそんなこと言わないでよ」
少しすると、少年は泣きだした。
すすり泣く声が通路に木霊する。
「…………うっ、ぐすっ。 解った、行くよ。 だから」
その瞬間、少年は事切れたように倒れ込んだ。
そこからきっかり十秒。
少年は何事もなかったかのように立ち上がり、歩き出した。
「……解。 マジで、信じられねぇ。 お前、それでも男かよ」
何も変わらず歩き出したはずの少年は、倒れる前とでは雰囲気が一転していた。
「……質。 俺が、居ねェと死んじまうぞ?」
雰囲気は一転したが、まるで誰かと話しているようだった。
「……疑。 意味わかんね。 答えになってねェよそれ」
ゆっくり、ゆっくりと通路を歩いている。
数分、そうして歩き続けると外に出た。
「……質。 外だよな、ここ…」
風もない。 月もない。 完全な真っ暗闇。
外に出たかまだ通路なのか、疑いたくなる。
が、
ガアゥンッ、ガウゥンッ!
ギャギッ、ガンッッ!!
「逃げんじゃない!」
「ガッ!!」
かすかに聞こえてくる銃弾と金属を弾く様な音。 それと、人の声。
「……喜。 へぇ、面白そうじゃねぇか」
「……黙。 うっせぇなぁ。 何もしねェ奴は黙って見てろ。 えと、確かここら辺に手すりが……っと!」
記憶を頼りに手探りで手すりを見つけ出すと、それを飛び越える。
飛び超えた先に地面はなく、落下する時の浮遊感と風を感じる。
……浮遊感を感じる。
「……問。 なぁ、これって、何メートルあんだっけかぁ?」
「……怒。 何だその曖昧な答え、はぁぁぁああああ?!」
ガザザザサァアッ! ドシャッ。
突如出現した木に受けみを取れず、無様に地面に落下する。
それでもこの高さから落ちたにも拘らず、切り傷程度で済んでいるのは【十二支】の実力と言うものだろうか。
「……汗。 ってぇー。 あー、最悪」
痛む体を動かし、体中についた木の葉を払っていると、急に空気の流れが変わる。
次の瞬間、
ズッガァァアアアアンッッ!
「……驚。 うおうっ!」
すぐ横のコンクリートに約半分程埋まった状態から、出てきたのは【十二支】の『犬』だった。
「いてぇ」
そう彼は短く吐き捨てると、この暗闇の中で日本刀を探し当てる。
「……驚。 何でアンタが……」
「? その声、は……誰だ?」
「……呆。 あのなぁ、俺は、第八区画【十二支】『獅羊』だって!」
「……」
「……質。 もしかして、覚えてない?」
「し、よう……」
「……落。 覚えてねぇな……」
少し、風が出て来る。
「……発。 これで、雲が晴れれば……。 ところで何だってここに?」
「看守」
「……閃。 アキラの奴か」
「こんばんわ。 なんか、増えてる?」
「「!!」」
片手には超電圧の警棒。
逆手には拳銃。
顔には余裕で厭らしい笑み。
「……問。 キレてる?」
「その喋り方は、【十二支】『獅羊』かな? しかも戦闘派」
「……解。 ご名答」
太ももに巻かれたベルトから取り出したのは二つの鉤爪。
それを両手に装着する。
ここに入ってからの愛用の武器である。
「そんな物騒なモノ付けて、君も反逆罪で殺すよ?」
「……愚。 俺は、【十二支】『獅羊』の片方の人格、戦闘好きの『獅』だぜ?」
【十二支】二人が、武器を構える。
「今夜は、楽しくなりそうだ」
辺りがだんだんと明るくなる。
———雲が、晴れる。
- Re: 十二支牢獄Story ( No.52 )
- 日時: 2011/04/02 16:52
- 名前: 叶嵐 ◆RZEwn1AX62 (ID: c5zRNdeN)
17話:『優しいってなんでしょうね』
「レイト、大丈夫かい?」
「あ、うっ……!」
これで何度目かの嘔吐を始める。
いい加減、胃の中身がなくなって一体何を吐いているのか、果たして本当に吐いているかさえ、解らなくなっていた。
「真っ暗やな。 姉御、帰り道わかるか?」
ずっと横で私の背を摩っていたケイトさんは、トーヤさんの問いで改めて周りを見回した。
「どうだろうねぇ。 せめて、もう少し明るかったら……」
私たちがあの場所を離れてしばらくすると、急に辺りが闇に包まれた。
微かに聞こえて来る音からして、やはりまだ戦っているのだろう。
「はぁ、はぁ……うっ!」
不規則に襲ってくる吐き気に嫌気がさす。
「大丈夫かい?」
ケイトさんが心配そうに覗き込む。
ケイトさんは、優しい。
彼女に、生きてここから出る事は絶対に出来ないと言われた。
彼女は、人が死ぬことに慣れた目をしていた。
だが、こうして心配して私の側にいてくれる。
彼女の手は、暖かい。
「……ケイトさん」
「? 何だい?」
「優しい……ってどんな事でしょうね……」
「はぁ? 突然何を……」
「私、ここに来て……皆さんに会って。 それで、思ったんです」
「……」
「ケイトさんも、トーヤさんも、ナイちゃんも、螺猿さんも、兎影ちゃんも……みんな良い人です」
ケイトさんも、トーヤさんも、無言だ。
真っ暗闇に私の声が小さく呟かれる。
「だから、優しいってなんでしょうね」
「親切な人は、優しいんでしょうか。 例えばその親切を、実は他人なんて興味なくて自己満足の為だけにやってたら?
つらい時に相談に乗ってくれる人は優しいんでしょうか。 例えばそれは、実は相談に乗って相手の弱みを握ろうとしていたら?
親切なんて、ただ自分の評価を上げるためだけのものだと思っていたら? 心の中で、心を打ち明ける相手の事を見下していたら?
私のことを、誰かは悲劇のヒロイン気取ってんなよ、と感じている人がいたら?
それなら、優しいなんて表面だけのものじゃないんですか??」
そう感じた。
今まで、生きてきてこんなことを考えたことは一度もなかった。
考えなくても良かった。 考える必要がなかった。
だが、ここに来て。
この監獄に来て、初めて疑問に思った。
本当の優しさとは?
何を考え、どう行動すれば優しいのか。
「……解るかい、トーヤ?」
「さぁね、うちは哲学者じゃないからの」
「え?」
「そー言う姉御はわかるの?」
「知らないよ、そんなこと。 そういう類のモノは、どっかのお偉い学者さんとかそこらへんに聞くんだよ」
「わかんの?」
「学者さん何だから、解るんじゃないのかい?」
「……ええ?!」
人が何だかシリアスな場面を繰り広げているのに、なんて態度だろう!
驚く私に二人は一発ずつ、デコピンをしてきた。
……地味に痛い。
「な、何を……」
「レイト、『優しいとは何か』なんて、生きてりゃその内わかるもんさ」
「そーそー。 今からそんな事考えてたら、その内、頭がっちがちになって眉間のしわが消えなくなってしまうで?」
そう言って、二人とも笑った。
その内わかる。
「でも、それじゃぁただ考える事から逃げる事になるんじゃ……」
「逃げて何が悪い」
「へ?」
「もしも、考えて解らんもんをどうにかして解ろうとする。 たとえそれの答えが出たとしても、それは果たして正解なのか。 一体何が正解なのか。 アンタにわかるかい?」
「いえ、でも……!」
「正解が何なのか分からない答えを考えて人生終えるより、そんなものは知らないと言いきって次に進む方が楽しいし、面白いだろ? それに、中途半端に答えを出しても自分が納得しなきゃそれが本当の答えにはならないしね」
ケイトさんは、そう言って私を立たせてくれる。
「人間は、もう少し単純に生きてもいい気がするがね、あたしは」
「どーせ、短い命。 そんな疑問は知りたい奴が勝手に考えるさ」
「は、はぁ……」
「レイト、アンタがその答えをどうしても知りたいと思うのなら、生きてみる事だよ」
生きる。
「お、雲が薄くなってきたね」
少しだけ、手の輪郭だけはわかる程度だが、明るくなってくる。
生きてみる……。
そしたら、その内答えが出る。
自分が納得する答え。
「なぁ、レイトちゃん」
「何ですか? トーヤさん」
「『優しいとは何か』の答え、出たら教えてや」
「何でですか?」
「うちだって知りたいんよ」
「そうだね、じゃ、レイト頑張りなよ?」
「ええっ?! 私が一人で考えるんですか?!」
「うち、そういう頭使うことパス」
「あたしはレイトの考えが知りたい」
「うえぇ?! ……解りました。 考えてみます……」
「はようしてや。 うちも姉御も生きてるうちにな」
「な、そんな縁起でもない!」
「ははっ、冗談やよ」
ゆっくりと、明るくなった道を三人で歩く。
————本当に出るのだろうか……。
- Re: 十二支牢獄Story おかげ様で参照400突破!! ( No.53 )
- 日時: 2011/04/04 14:41
- 名前: 叶嵐 ◆RZEwn1AX62 (ID: c5zRNdeN)
ハイ、皆さんこんにちわ〜
最近文才ないくせに何故か粋がっている駄目作者です。
本当に、才能ないくせに。
バトルシーンとかマジで終われよテメェww、と言われたり。
何意味不なこと言ってんのwww、とか言われたり。
……そんな感じでやってたら、いつの間にか参照が400突破してたりね。
え、ちょ、なんで?って、一瞬眼科行こうかとか思ったりしましたww
有難うございます!!!
本当もう土下寝勢いで嬉しいです!
こんな駄文しか書けないのに、全てに人に感謝です!!
あれ、なんか泣けてきたぞ?
途中で変なことやったのになぁ……。
これからもこんな感じで行きますので、どうぞよろしくお願いします。
- Re: 十二支牢獄Story 参照400突破です ( No.54 )
- 日時: 2011/04/04 17:33
- 名前: 夕凪旋風 ◆PQzQy5g.72 (ID: aOQVtgWR)
- 参照: 元神凪うんちゃらっていう奴でしたおw
参照400突破おめでとう御座いますっ!
よし、胴上げだ、胴上げっ。
ていうか、かなりお久ですね。本当本当。八年ぶりくらいかしr(ry
あ、まず僕が誰だか分からないかな?
神凪でした、かむなぎ。なんだか僕影薄いからなぁ、てへ((
そして、最近全く顔出ししてませんでしたが、読んでいなかったわけではありませんよ? 読むのが遅いんです(キリッ
べっ、別に更新されるのを毎日楽しみにしていたわけじゃないからねっ!←
そして、15話読んでる途中、モニターの前で「戦闘シーンがぁぁぁっ! 戦闘シーンがぁぁぁぁぁぁぁっ」と叫んでいたとかないとか。
戦闘シーンって書きたいんですけど、上手く書けないんでね……嫉妬なんかしてないよ、多分(
ではでは、更新頑張って下さいましっ!
- Re: 十二支牢獄Story 参照400突破です ( No.55 )
- 日時: 2011/04/10 16:12
- 名前: 叶嵐 ◆RZEwn1AX62 (ID: c5zRNdeN)
>>夕凪旋風s
有難うございます!
まだこんな小説見てくださっている方が居るとは思いませんでしたww
お久しぶりですw
影が薄い? 御冗談をwww
なんかもう、夕凪sの文才に打ちのめされて再起不能ギリギリまで行きましたww
戦闘シーンはなんかもう自信ない。
嫉妬? こっちがしたいぐらいでs(黙
Thanks!
Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
この掲示板は過去ログ化されています。