ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- 血觸症−Murderer(s) syndrome−
- 日時: 2011/04/19 23:11
- 名前: アぶそりゅート (ID: 3CNtvX8U)
ほぼ初投稿です。自分の文を他人が読んでも変にならないかドキドキです、特に元になる話はないけど、時系列順じゃないから説明できないところがあるけどよろしくお願いします><
1話 >>1 〜
2話 >>10 〜
まさか約三ヶ月も経ってしまうとは…忙しいのと戦闘シーンに納得がいかず、投稿を控えてましたが、最近は時間が開いて来たので再開シマス。下手くそですがヨロシクネ
第1話「殺人(者)嗜好」
一話の登場人物
副業俳優で高校生で血觸症で多重人格者の主人公:宝御示 交(ほうおんじこう)芸名は霧鎌 交
唯一交の血觸症のことを知っている親友:矢口 智嗣(やぐちともつぐ)
歌手で交のクラスメート:遠上 華波(えんじょうかなみ) 芸名はカナミ
- Re: 血觸症−Murderer(s) syndrome− ( No.35 )
- 日時: 2011/04/19 23:14
- 名前: アぶそりゅート (ID: 3CNtvX8U)
久し振りの更新はイイんですが。どうやら複雑(?)系小説の棚ができたようですね。引越ししたほうがいいんでしょうかね? これシリアスと戦闘の比率 2:8位だし。
- Re: 血觸症−Murderer(s) syndrome− ( No.36 )
- 日時: 2011/04/19 23:17
- 名前: アぶそりゅート (ID: 3CNtvX8U)
しばらく猫を膝に乗せながらコーヒーを飲んでいると、ポケットに入れた携帯電話が震えた。
「もしもし? 」
「あ、もしもし先輩っスか? 」
声の主は後輩の舜之だった。成木 舜之は一年の柔道部で一年で条士さんに一目置かれている有望な部員。じつは俺と事件以前から面識があったらしい。
もちろん俺はそんなこと思い出せない。しかし、こいつは入学時から一年上の俺にやたらと話しかけてきてたので、今更覚えてないとか話す必要がない関係と思い、打ち明けていない。(言おうと思えば言えるが…)
「舜之か、どうした? というか部活じゃないのか? 」
「今日は部活は休みッス! 何か、長郷さんが急遽休みにしたって聞きいたッスけど…もしかしてアレッスかね? 」
電話越しに舜之がにやけているのがわかる。
アレって? 俺には見当もつかない。
「なんだよ、アレって」
「アレッスよ、アレ」
「…? 」
「ンモウ! 先輩本当にそういうの疎いッスね! 女ッスよオ ン ナ」
想像もつかなかった。というか条士さんはこいつがいう【そういうの】とは無縁のイメージしかなかった。
「えー。条士さんはそんなの興味なさそうだと思うんだが」
「いやいや、ああいう人に限って実はありそうな—ってうわっ! 長郷さん! こ…こんなところで、な…何やって…るんスか? 」
「德木ィ…誰に何があるって? …—」
電話の向こうで条士さんの声がする。
「ツー、ツー、ツー」
電話が切れた…あの様子だと死んだな。
- Re: 血觸症−Murderer(s) syndrome− ( No.37 )
- 日時: 2011/04/19 23:20
- 名前: アぶそりゅート (ID: 3CNtvX8U)
朝食を済ませ、オーナーと会話をしていると、勢い良く後ろからドアの開く音がした。
「ゼェ…ゼェ…やっぱり先輩ここで飯食べてたんですね」
ドアの前に立っていたのは、汗だくで肩が上下している舜之だった。
「アレ? 条士から逃げてきたの? 」
「いやー、もう大変でッスよ。全速力で走りましたし…」
「で、なんで電話してきたの? 」
「そうそう、今日暇なんで遊びに行きましょう! って言おうとしたッス」
来たんだし、電話する意味がなかったんじゃないか。と喉元まで来たが、なんとかこらえた。
「ま、いいよ? どこ行く? 」
席を立ち上がると、トミアは器用に膝から肩に飛び乗った。
「あれ? 先輩って猫飼ってたんッスか? 」
舜之が顔を肩に近づけてくる。
「母の親戚から貰ったんだ、トミアって名前だ」
舜之は俺の肩のトミアの頭を撫でていた。その顔は少年の様な笑顔を放っていた。
こいつはいつもそうだ、何にしろまぶしい、というかちょっとドキッとする。別に【そういう】意味ではないが、俺は子どもみたいな物が少し苦手臭いのだ。
「トミアー、トミトミアー」
何いってんだこいつ。
頭を掻きながら後ろを見ると、そこには、俺の顔にオーナーが愛らしい物を見るような目を向けていた。
ハズカシイというか痛い!
「おい! もう行くぞ! お金置いときますね、ご馳走様! 」
舜之を引っ張り、外に出た。
「うおっ、先輩どうしたんッスか? 」
「何でもない。で、どこ行くんだ」
「うーん、じゃぁ…—」
俺達は電車で20分先にある、若者がよく行く繁華街に来た。休日だからか人がわんさかいる。
「先輩! これこれ! 」
通りかかったゲームセンターで舜之が指さしたのは、俺が智嗣といつも一緒にやっている種類の格闘ゲームだった。現在、これが全国で大流行しているようだ。
「先輩、確かコレで学内サイキョウでしたッスよね! ちょっと対戦しましょうよ! 」
何故こう呼ばれてるのかというと。
入学時、俺が智嗣に誘われてその格闘ゲームの学院最強と謳われたゲーム研究部というオタク集団に、半分智嗣の強制で対戦を申し込んでボロ勝ちして付いた学校での評判だ。
アレはアレで楽しかったが、ゲームで人を泣かせてしまうのは少し忘れたい思い出でもある。
「一戦だけだぞ。というか、俺に勝てると思ってるのか? 」
気まぐれで少し挑発的になってみる。
「ヘッ。負けたら昼飯オゴりッスよ! こう見えても俺、これでもクラスの中では強い方なんッスよ! 」
1分後
クソッ、こいつ…。凄い読みにくいというか、真っ直ぐすぎて慣れない、というか反応したくない動きばっかりしてきやがる!
5分後
「ウワー、負けたッスー。さすが学内サイキョウ…」
その声にはっとしたときには相手の体力メーターは全部白になっていた。ついついゲームに熱中してしまった。
智嗣はいつもへその曲がった様な攻め方をするので、先の先の先の先ぐらいを考えてしまう。こいつにはそんなこと考えるだけ無駄なんだな…、単純というかなんというか。
「ううぅ…あんまり高いのオゴれないッスよー」
「嘘つけ! お前が小遣い月5万も貰ってるってことぐらい知ってるぞ!」
「いやー、昨日オンゲーにつかっちって」
こいつはゲームが本当に好きなようだ。ていうか、オンラインゲームってそんなに金かかるものなのか!?
「自業自得だな」
「はぁ…」
ため息を付き、小さい子が落ち込んでる様な顔をする舜之。
クッ…抑えろ、こいつはいつもこんな顔で俺を陥れ—
「…もういいよ、昼飯は俺が払うさ…」
…言ってしまった。いつもこいつと賭け勝負をするとこうなる。
目の前の超天然な腹黒の高校一年生は、またさっきまでの笑顔に戻っていた。
- Re: 血觸症−Murderer(s) syndrome− ( No.38 )
- 日時: 2011/04/19 23:22
- 名前: アぶそりゅート (ID: 3CNtvX8U)
ゲームセンターの外。
「よーし、次はどこに…—」
舜之の口が止まる。舜之の視線は、というか周りの通行人も空を向いていた。
「何だあれ…? 」
舜之は唖然としている。
「どうしたんだ—」
「先輩! 後ろ! 」
とっさに後ろを振り向く。
そこには、昨日の晩、フォロスが足を振るわせていた【人工神】が俺の首目がけて鎌を振っていた。
「—っツ!? 」
スピードがあったが、反射的に血觸を発動させなんとか避ける。
「大丈夫ッス…か? …先輩…」
あ、しまった。
「先輩…右目が…」
困った。智嗣以外の知人の前で血觸を使ったのは始めてだ。
「おい。とっとと遠くに逃げろ、あとで連絡する」
少し強く言う。本気というのがわかったのか、舜之は何も言わず周りの逃げ回っている一般市民達と同じく、逃げて行った。
- Re: 血觸症−Murderer(s) syndrome− ( No.39 )
- 日時: 2011/04/19 23:24
- 名前: アぶそりゅート (ID: 3CNtvX8U)
『何故…ここにコレがあるんだ…』
フォロスが俺に呼びかけた。その声は焦りと共に、少し怯えていた。
『おい、交も逃げろ! ソイツにオレ達の攻撃は効かないんだぞ! 』
[でも、流石に逃げれる隙は無いぞ! ]
鞄から血觸用ナイフを取り出す。
目の前の死神は魔的な笑い声を上げていた。
『バカか! お前が死ぬぞ! 』
「交殿、アレは本物の死神なんかではございません。どこかに召喚用の祭壇があるはずです」
肩のトミアが声をだした。
「祭壇? 」
死神が鎌を横に払う、俺はギリギリ避けれているが、見ると建物には傷が付き、斬っているとは思えないような音を出す。
「ええ、召喚祭壇はそう遠方には置けないはずです。近くに大きな自動車等はございませんか? 」
「車!? ック—」
大振りの鎌をナイフで防ぐ、火花がちり、ギギギと金属同士がぶつかる音がする。
「なんとかジャンプして上に登ってみてください、私が探します」
「ああ、頼む! 」
鎌を振り払い、上に飛ぶ。下からも死神は鎌を振り、空中で巨大な刃とナイフの刃が激突する。
「どうだ!? あったか? 」
「あの大型トラックの中でございます! 」
トミアは肩から小さい足の爪で、指を指す。
「うおおらっ! 」
力を込め、死神を地面へ押し返す。急いでトミアが指差す方へ建物を伝って飛ぶ。
死神は少しひるんでいたが、すぐに追ってこれそうな様子だった。
「これか」
目の前の特に変哲もないトラックの、貨物用の扉を開ける。中身はトミアの言う通り、見たこともない祭壇が用意されていた。
「交殿、あの中央の血溜まりを破壊してください」
真ん中には、白い色合いの壺に真っ赤な液体が入っていた。血だ。
「わかった」
特殊ナイフで壺を2、3回切る。すると、壺はバラバラに砕け、中身はトラックの中をこぼれていった。死神はこれで消えたのだろうか。
「流石です交殿…む? 」
トラック内のどこかでタイマーの音がする…まさか…
「交殿、爆弾です! すぐに離れてください! 」
「クソッ! 」
トラックから思い切り上飛ぶ。数秒後、トラックは爆音を放ち、跡形もなく粉々になった。
周りには野次馬がちらちら集まっていたが、空中から怪しい人影が街の裏路地に曲がっていくのが見えた。
「あいつかっ—」
地面に降り、暗い路地で怪しいヤツを追う。ヤツは俺が追っていることに気付き、サイレンサー付きのハンドガンをこちらに発砲してきた。
「銃か! 」
壁に隠れる。銃声がしないので、何時まで撃っているか分からない。
しばらくして壁から覗くと、ヤツは既に影も残さず消えていた。
「…クソ…」
「申し訳ない交殿、私がちゃんと顔を見ていれば…」
「いや、トミアはいいことをしたよ。俺ならどうすればいいかなんて分からなかったし」
「ご褒めいただき光栄です。しかし、アレが現れるとなると…」
トミアはしばらく黙って俯いたあと、俺の肩から降りた。
「私、少し調べたいことがありまして。すぐ家に戻って参ります」
「…? わかった、気をつけて」
『交…お前…もし猫が祭壇の事を知らなかったらどうするつもりだったんだ! 』
フォロスはとても怒っている。コイツが怒るなんて一年と少しの付き合いの中で初めてだった。
[なんでそんなに怒ってんだ、生きてるからいいじゃ—]
『そんな問題ではない! 』
頭の声に少し驚いた。俺が黙ってるとフォロスは舌打ちをして、また意識の部屋に戻って行った。
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