ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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血觸症−Murderer(s) syndrome− 
日時: 2011/04/19 23:11
名前: アぶそりゅート (ID: 3CNtvX8U)

ほぼ初投稿です。自分の文を他人が読んでも変にならないかドキドキです、特に元になる話はないけど、時系列順じゃないから説明できないところがあるけどよろしくお願いします><
1話 >>1
2話 >>10

 まさか約三ヶ月も経ってしまうとは…忙しいのと戦闘シーンに納得がいかず、投稿を控えてましたが、最近は時間が開いて来たので再開シマス。下手くそですがヨロシクネ

第1話「殺人(者)嗜好」

一話の登場人物

副業俳優で高校生で血觸症で多重人格者の主人公:宝御示 交(ほうおんじこう)芸名は霧鎌 交

唯一交の血觸症のことを知っている親友:矢口 智嗣(やぐちともつぐ)

歌手で交のクラスメート:遠上 華波(えんじょうかなみ) 芸名はカナミ

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Re: 血觸症−Murderer(s) syndrome−  ( No.5 )
日時: 2010/11/21 22:06
名前: アぶそりゅート (ID: 3CNtvX8U)

 要請を受け、体の意識を交代する。
 
うまく目の前のぬいぐるみが振り回している腕を掴む。
 ルーンの書き方が雑だ。刃の書いてある文字がよく見えた。
 「ほぅ、Nyd と Is のルーンで魔術を使っているのか、傷口の再生を止めてるのか。 なぜこの異時代の碑剣から離れられない、なぜこんなことをする?」
 オレは赤い霊体に話をしかけてみる。
 しかし、赤髪の死霊は語らない、語れない、語るほど強い霊体などではなかった。
 こいつが、動かしているぬいぐるみに喋らせるという力もない。殺せば血觸はできるが、ツマランないな。
 目の前の霊体はオレと勝負しても勝てないと悟ったのか、吹き抜けの方の手摺を乗り越え、5階から1階へ落下して行った。
「逃がすかよ! 」
 相手に続き手摺を乗り越える、一足速く降りたアイツは、走ってこの建物の出入口に向かっていた。
 この程度の高さなら血觸発動状態の体でも無傷だ。2階の旗が掛かっている棒に乗り、力を込めて敵の体に向かって飛ぶ。相手はナイフを盾にし、オレの飛び蹴りを受け流した。
「くっ、猪口才な」
 勢いがあったので、床の上を滑るように着地する。相手はこちらを見つめている、どうやら諦めが付いたようだ。
 一階には誰もいない、どうやら非難したようだ。
「交!これ使え!」
 オレの後ろにあった入り口に振り向くと、よく見る人間がこの体の持ち主の名を叫び何かを投げてきた。
 右手で受け取ると、それはオレがいつも鞄の中に仕舞っていた血觸者用の特殊ナイフだった。
 この剣は、ある組織が秘密裏に開発した暗殺用の獲物。血觸発動中はこのナイフで何でも斬ることができるだとか。
 敵は思いっきり走り、短剣を突き出す。 
 特殊ナイフを下から上に向かって斬り上げる、短剣は柄の部分まで叩き斬られ、その衝撃で相手の体は後ろにひるんだ。
「終わりだ!」
 ナイフを左手で押しこむようにぬいぐるみの心臓部に突っ込む。
「ぐぁ…ぐぁああ」
 生気を感じない男の断末魔を聞く。手応えを感じ、ナイフを体から抜く。
 それと同時に脳に何かが分泌されたような物を感じる。血觸が行われたのだ。
 見ると霊はルーン文字が書かれた刃の部分に吸い込まれるかのように目の前から消えた。

 後ろにいた少年がコッチにゆっくりオレの方へ歩いてきた。
「交、大丈夫か?」
 ……交じゃないことに気づいていないようだ。
「まだ近づかないほうがいいぞ、少年」
 声と口調に違和感を感じたのか少年は足をとめる。
 万が一の為に、刃の部分を木っ端微塵にしておくか。
 柄から叩き折られても光を放つ刃に向かってナイフを数回振る。
 するとナイフは粉々に砕け、禍々しい光も消えてなくなった。

Re: 血觸症−Murderer(s) syndrome−  ( No.6 )
日時: 2010/12/24 13:10
名前: 樹 (ID: mUcdxMp7)

 はじめまして☆

 超能力とか結構好きなのですごい内容が気になる!
 書き方とかもすごい上手だからなおさら気になるし、
 戦闘シーンとか迫力あって面白かったです。

 これからも見させていただくので更新がんばってください!

Re: 血觸症−Murderer(s) syndrome−  ( No.7 )
日時: 2010/11/21 22:25
名前: アぶそりゅート (ID: 3CNtvX8U)

『交、もういいぞ。あのユーレイとぬいぐるみは殺した。』
 頭の中から声が聞こえた。目を開けると、疲れたのか自然に俺は膝をついてしまった。一つの人影が俺の顔を覗く
「とも…つぐ…? 」
 目を凝らして見ると、その顔はやはり智嗣だった。
「交? よかった、終わったんだな」
 智嗣は俺の口調が戻ったことで確証を得たのか、真剣な顔から安心した顔になっていた。「そうだな、終わったな。華波は?」
「先に帰らせた。見せたくないだろ? 殺人現場」
「ありがとう。すまない…少し電話をする。」
「死体処理の奴らか? 」
「あぁ、そうだ。人が結構いたし、もうじき警察も来るだろう、その前にな」
 一族にやたらと協力的なとある国は血觸の現場を公にされたくないらしく、電話一本で30秒以内に飛んでくる。
 どこに支部があるとかまで分からないが、放っておいても片付けてくれるから重宝している。
 電話を取り出し、いつものナンバーに電話をかける。このナンバーに電話を発信すると、GPSで場所を探し、すぐに死体処理班がくる。
 俺はフゥ…と一回ため息をついて智嗣に向かって口を開いた。
「もう大丈夫だろう。さて、帰るか」
「帰るか、その前に腹減ったぞ、何か食って帰ろうぜ? 」
 俺もちょうど疲れて腹が減っていたところだ、何か食べたい。
「わかった」
 脚を地に付け立ち上がる。そして智嗣と一緒に入り口に向かって歩き始める。
「じゃあ食べそびれたイタリアンで」
「えー、俺そんなんよりラーメン食いたい」
「なんでよりによってラーメンなんだ!? 」
 結局じゃんけんで負け、ラーメンになった。そこで少し智嗣が俺の片方の話を持ち出してきた。
「お前、もう一人の交のこと嫌いか? 」
 突然過ぎて箸で掴んでいた味玉…って言うのか?をスープの中に落としてしまった。
「あ、味玉もらいな」
 次の瞬間には智嗣が俺の落とした味玉を口の中に入れていた。
「それが狙いかこの策士め! 」
「いやいや、そうじゃなくってホント。何かお前、あんまりお前のスーパー超人能力を話したがらないし」
 あぁ、そういう事か、というかスーパー超人能力って…
「昔はこの能力が嫌いだっからアイツも嫌いだったけど、今は色々感謝するところもある。お前に話したがらないのは巻き込みたくないからだ」
 箸でメンマを掴み口に入れようとした瞬間、また考えもしない発言が智嗣から出た。
「じゃあその「アイツ」を名前とかで呼んであげとけ」
 メンマをスープに落としそうになる、なんとかこらえたと思ったが、箸に持っている状態のまま智嗣に横取りされてしまった。
「どれだけ俺から具を奪うんだ! 」
「メンゴメンゴ」
 クソっ、こいつ…。
 しかしよく考えたらもう血觸が目覚めてから2年、コイツを一度も名前で呼んだことがない…
「まぁ、同じ体なんだから呼び名くらい教えてくれ、俺はいちいちお前の片方を「もう一人の交」とか長ったらしい名前で呼びたくないからな」
 こいつの言う通りかもしれない、俺も区別をつけたいし、まだ長い付き合いになりそうだし。次意識の部屋に入ったときにでも聞いてみるかな。
「ま、考えとくわ」
 俺は智嗣に向かっていじわるな笑みを向けた。

Re: 血觸症−Murderer(s) syndrome−  ( No.8 )
日時: 2010/11/21 22:37
名前: アぶそりゅート (ID: 3CNtvX8U)

翌日

 意識の部屋、オレはここをそう呼んでいる。交と他を気にせず集中して話せる唯一の場所であり、あそこに置いている王座のような椅子に座れば宝御示 交の体を使える。ただし、オレは無理に使うことはめったにない、交が頼んだ時のみ交代をしている。
「それで?この間の【切り裂き魔】を作った霊は結局どんなんだったの?」
 オレはいつも倒した相手の事などは全く気にしないんだが、交はやたらと真剣に話したがる。
 オレの能力の一部にモノに触れることで創造から現在にいたるまでの全ての過程が視えるという物があるからだろう。
「昔、司祭とかが使う儀式用のナイフを作るちょっと魔力がある人だったんだが、どうやら人間関係で色々あったらしい。それであのナイフを造り、恨みの為にルーン魔術を極めたらしい。でも」
「でも?」
 そんなにいかにも気になってると言わんばかりに聞かれても困る、ため息をつき、そして静かに告げた。
「その時代は魔法とかは邪の道と呼ばれ使おうとした人たちはみんな処刑されたり、奴隷商人に売られたり、牢屋に永久に入れられたり。んで、そいつは処刑されたわけだが。抵抗したせいでその場にあった恨み云々で使う為に作った、ルーンが刻まれた儀式ナイフで殺されたんだ。」
「だからあのナイフに殺された霊が憑いていた、って? 」
「そうだな、ルーンを極めたのはいいものの、実際に使えなかったから実験台を探して無差別に切り裂いてたような感じだな 」
 交が少し悲しい顔をする、しまった、もうちょっと嘘も交えたほうがよかったかな?
 何か声をかけようと考えを巡らせていたら交の方が話をしてきた。
「あ、そうだ、未だに出会ってオマエのことをちゃんとした名前で呼んでいなかったな、名前教えてくれ」
 !?
 いきなりなんだ? でも冗談を言ってる様子でもないし、でも交はオレを名前なんかで呼ぶ存在じゃないと思ってたからコイツやらアイツやらオマエやらで呼んでたんじゃないのか?
「ふむぅ。そうだな…昔はドルフォロスって呼ばれていた。呼んでいた人が少なすぎて死ぬまで忘れてたが。」
 そう、大昔のアダ名のような名前だったが、思えばこれ以外の名前で呼ばれた事を覚えていない。
 少し照れくさいな…名前なんて…、耳の後ろを掻いてると、交は眩しいくらいの笑顔で
「じゃぁフォロスだな、今日からオマエを俺はフォロスと呼ぶことにするよ。」
 ホント、名づけ下手すぎだろ。こいつは本当にオレの子孫なのか?

オレはその返答に苦笑い混じりの精一杯の笑顔で返した。

Re: 血觸症−Murderer(s) syndrome−  ( No.9 )
日時: 2010/11/21 22:45
名前: アぶそりゅート (ID: 3CNtvX8U)

 あとがき的な何か

 はい、だいたい一話終わりました、二話は恐らく華波と知り合ったときの話を書くかもです。
 最初は参照って20くらいかなーと思ってたんですけど、50!まさかこんなに見てくださる人が!びっくり!ありがとうございます!
 あとコメントしてくださった方ありがとうございます!ご褒めいただき、誠にありがとうございます。
 一話はだいたいできていた状態だったんで早めに完結できましたが、二話は頭の中にある奴を一度ワードに入れてからやるので結構間が空きそうです。その間コメントやらアドバイス、感想などなどじゃんじゃん返信してください!ありがとうございました。


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