ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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Redmoon night  最終回更新ですよ^^
日時: 2011/03/18 14:44
名前: ヴィオラ (ID: 6PSxBKjg)

—時代は3000年、
       第三次世界大戦の終わりと共に
世界は闇に満ちた、それでも光がぼんやりと見える月夜の世界になった

—そんな世界を変えるためには
          誰かが立ち上がらなければならなかったのだ


こんばんは、日本語でこれって・・・『紅月夜』ですね、変えたい時に題名って変えたいものですが面(ry
手塚治虫の代表作品『火の鳥』の内容見てたらアイディアが五日間に続いて出てきたのでそれを小説にします。
多分、コメデー・二次(社会問題系は完結しました)しか今は更新してないので初のシリアスです・・・
宜しくお願いします。

そして・・・基本的な掲示板のルールは守りましょう。
お願いします_m(−−)m_


★訪問者リスト★



★有難う御座います★



・登場人物

『陽幻軍』 

コードネーム『紅狼』 「無能って言うな〜!!」
★神無 仏(かみなし ほとけ) ♀ 能力;無し。(無能)
男っぽいけど女、本当は無能力だけど『使える』ところがあるらしく、『陽幻軍』に所属することになった
甘党で良い人なんだけれどもキレたら怖いのであんまり敵にはまわしたくないような人。
ちなみに辛いものと酸っぱいものと男扱いする人が苦手らしい、運動は得意というか能力のようなものを秘めている感じがする

コードネーム『菖蒲』  「マジ帰るから、うん帰る。」
★神有 灯(かみあり あかり) ♀ 能力;全てのものの操作。
男っぽいけど女、仏とは犬猿の仲で能力使いながら喧嘩していたりするので実戦で役立つかも・・・(!?)『陽幻軍』所属である意味いじられキャラ。
ちなみに神無と辛いものが苦手らしい、頭はそんなに良くないけれども体力は持久力が特にあるので長期戦で使われる可能性も有ったりするかもしれない・・・

コードネーム『春風』  「メスとか怖いでしょ?私も怖い〜!」
★封解 風(ふうげ ふう)   ♀ 能力;何かをなかった事にする
本当にこの中で一番女の子っぽくて小学生の時から泣き虫だったがいつのまにやら治っていた、『陽幻軍』の医療部副長として活躍しているが行動はのろくて不器用なので矛盾している感じがするのだが頭はいいので知恵を絞ることも可能である。
ちなみにキムチと自分を嫌う人が苦手らしい、運動神経がないからか仕事的には丁度いいらしい(夜人間)

コードネーム『封夜叉』 「ほら、罠にはまったよ。あの人^^」
★神中 チエ(かみなか ちえ) ♀ 能力;行動を封じる
ばぁさんっぽい名前だが外見は小柄だが中身はオッサンのようでサボりを求める若者でもある、『陽幻軍』の司令塔にまわされちゃったらしく今はサボリを求められないらしい。
ちなみに苦いものとウザったらしいものが苦手らしい、運動神経は普通というか平均的なものであるがズルするための悪知恵だけはかねそろえているらしく罠を開発することもある

            「お仕事ご苦労様です^^」
★廻生 四季(かいせい しき)  ♀ 能力;無し。
神無と同じように無能なのだが色々と便利なので食堂で学校を卒業してから働きはじめた、オフのときは結構関わることが多い(アドバイス役でもある)。
ちなみに自分を嫌う人、人のことを考えられない人が苦手らしい、運動神経は戦闘向けではないが普通よりちょっと下ではある

コードネーム『影破壊者』 「チャット2314号、破壊。」
★豆陀 如流(まめだ にょる)  ♀ 能力;情報流通操作
情報というよりもチャットや掲示板の通信を断つことも可能なのだが口での情報も電気を使ってとめることが出来る、『陽幻軍』の司令塔中心部分にいるが戦闘は遠征で使われることが多い。
ちなみに豆、気分的に合わない人が苦手らしい、運動神経は平均よりちょっと上だが情報操作がほとんどなので体力はそんなに使わないらしい

コードネーム『火鳥』
*神居 秋冬(かみい しゅうとう)♀ 能力;爆破、不死身
0歳の時から病院の一部屋を爆発させたほどの大きな能力を持ってしまったために周囲の人々からは恐れられているために12歳の時に入試の後に闇組織に誘拐される、ちなみに第三次世界大戦の一年前からこの時代まで7年経過しているが成長が止まっている。不死身は誘拐されてから手に入れた能力

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Re: Redmoon night  コメント募集中ですよ^^ ( No.58 )
日時: 2011/03/16 13:21
名前: ヴィオラ (ID: 6PSxBKjg)
参照: http://www.youtube.com/watch?v


最終章『林檎と蜂蜜』

19.封印された男、(下戦闘編)

—数十分前、

「・・・春風っ・・・」


ノイズは走っていた
愛する人間である春風を斬ったあのシヴァを追いかけるために・・・
鎌が大きくて苦戦をしていたが急に逃げたのでノイズは追いかけた、鎌は重いはずなのにシヴァは身軽に走る・・・
それでもノイズは追いつくようにと走っていた。

本当は春風を誘拐せずにいたらずっとあの医療の世界にいるだけだった
それだけの自分になるのが嫌だと思っていた自分は変わったんだなと一瞬思いながらノイズは走った
でも・・・おかしいと思った、ずっと走っているのにずっと・・・長い廊下が続いたような感じになっていることに気がついた
どうやってこの幻覚からさめればいいのかわからずノイズは立ち止まった。

そのときだった—
一瞬の出来事だったろうか・・・ノイズの背後から冷たい空気が感じられてから少しずつ強くなる痛みに動かなくなってしまう前に振り返った
そこにはシヴァがいた・・・ありえないだろうか、あれはただの幻覚だったということが数秒で理解されてからノイズはそのまま菖蒲から貰った斧を横に振ったがそれでパワーを使い果たしてしまったからかそのまま倒れこみ最後に

「・・・くそっ・・・」

と悔やむような言葉を吐き出してからそのまま意識を遠のかせていった
そしてシヴァが鎌を下げたころにはノイズという存在は・・・現世からいなくなってしまっていた、そしてもう動くこともなくシヴァはその場に少したたずんでいたがすぐに幻覚を戻してから最上階へと走っていった。

—こういうのに、興味はないんだ、

そんな思いを胸にノイズから離れていった


「火鳥教が勝つとかそんなの関係ない、
              この世界に
幸福なんか求められるわけないからね」

—そこから一時間前、


「隊長、テレポート終了させましたっ^^」

「あぁ、分かった。テレパシーで俺と連絡し合いながら最上階へ行くんだぞ。」

「ラジャーっす!」


ランは軍隊全員をどうにかテレポートさせてから応用能力を開放させた
彼女の応用能力はなんと・・・『危険発病能力』・・・『危険』がつく能力者はあまりいないらしいが彼女の応用能力は強制的に作られたものらしい、ちなみに任務にこれを使うことはあまりないらしいが細菌を敵の体内に入れることくらいは簡単なことだと思っているランはそのままビルの中にいる敵に細菌を振りまいて数秒でそこを紅の海にさせた。

そして最上階へと廊下を走っていく
テレパシーを使って隊長と通信したときには何故か通信が効かないのでそのまま走っていったが・・・そこで強敵と出くわした
火鳥教のリーダーである『火神』がいたのだ、そのままランは動けなくなりそうな感じの威圧を感じたがそのまま細菌を振りまこうとしたが・・・そのまま火神の呪文のような言葉に意識が遠のき始めた
これは・・・ランにとってはあまりにも残酷で恐ろしいものを見たようなものだった


「さぁ、我等兄弟「うるさいうるさいうるさいっ!こっちはおなかがす
いたよぉっ!」

そのままランはパワーを振り絞り細菌を振りまく
そして・・・そのまま火神の体内に細菌が入ったことに安心したのかはわからないがその場に倒れこみ、呪文を聞かないように精神を制御しようとしたが・・・それでも彼女の幼い心は動かしやすく呪文は鮮明に聞こえながらも意識だけがどんどん長い廊下のようにゆっくりと瞳も明けられず動けずに遠のいていったのを助けも求められずに感じるしかなかった。

それはあまりにも残酷で苦痛な精神状態であったのが分かる


「・・・みん・・・な・・・っ・・・」

「・・・これで、洗脳されたか。俺たちが勝つんだ・・・必ずな。」

その言葉を残してから後ろに下げていた大きな袋を下ろすと・・・
袋の仲から一人の20代ほどの人間を取り出した、そのまま起き上がって歩き出したのでゆっくりと歩調を合わせてから最上階へと上がっていく・・・
まるで二つの闇のように火神とストラトフォートレスは暗い何かに包まれながら消えていった。

「・・・我等、火鳥教が勝利をおさめる。」

「・・・グッ」


—ピエロサイド

光獣とスバルと一緒に俺は逃げ出したシヴァを追いかけた
影破壊者はというと春風と封夜叉を安全な場所へ・・・といってもヘリコプターの荷物入れのようなところにだがとりあえず適当にスバルが手当てをしてから移動させた、そして俺は何もいわずにただシヴァの足音を気にしながら追いかけるが幻覚を見せているわけでもないのに追いつかないことに異変を感じた。

そして急に足音は消えてから俺たちは何かビッという音と共に場所を帰られてしまったような感じがした
そして目の前にあったのは・・・もう顔が真っ青になって軍服を真っ赤にさせ倒れているノイズだった、これに俺は少し驚いたがそこからシヴァは戻っていったんじゃないかと思ってからそのままノイズの首に掛けられているネックレスを取ってから折り返して走っていった。


「これ・・・誰から貰ったか分かる?」

「多分、春風さんだ。恋人関係だということは皆知っているからね」

「・・・まって、アタシが思うにはそろそろ行き止まりだと思う」
そして辿り着いたところには・・・シヴァがいたのだ

「・・・俺の仲間に何したんだ。」

「・・・貴方には関係ないお話のはず、もう退却しなよ。ヘボ軍人さん」

その言葉にギッと光獣が睨みつける
退却なんか出来ない・・・ここで逃げたら俺を護ってくれた皆は・・・どう思うのだろうか・・・自分だけ無事で喜ぶやつなんかいない、そんなことを俺は知っているから・・・そのままノイズから取った大きな斧を振り上げてから俺は言った


「・・・それでも俺は、戦うぞ」

                                      続く

Re: Redmoon night  コメント募集中ですよ^^ ( No.59 )
日時: 2011/03/16 21:19
名前: ヴィオラ (ID: 6PSxBKjg)
参照: http://www.youtube.com/watch?v=bPpUkRVQl44&feature=related


20.封印された男、(火鳥編)


「・・・火鳥は、私のもう一人の存在なの?」

「・・・そう・・・貴方は・・・貴方は・・・私・・・私は・・・貴方・・・」

「・・・そうなんだ。私は、貴方なんだね^^」

「・・・うん、春風さんは・・・私だよ」

火鳥を安心させるように春風はニコリと笑うとそのまま抱きしめる
小学生・・・地上にいたという記憶しかうっすらと残っていなかったはずの記憶・・・小学生の頃の記憶が抱きしめると同時にドーッと言う波のようなもののように流れていく

小学一年生の頃に小学六年生の女の子に頭を撫でられながら兎を見つめる私・・・いじめに戸惑っている私・・・小学二年生のときに戦争が始まったこと・・・独りぼっちになって『ジサツ』を覚えた私・・・リストカットという言葉にクラスの皆は驚いた顔をしたけど自分だけ何も感じなかったこと・・・小学三年生の時に友達が出来たこと・・・笑顔を久しぶりに見せたこと・・・小学四年生の時に疎開してリストカットをしたこと・・・能力がわかったこと・・・小学五年生の時に恋をしたこと・・・ふられたこと・・・小学六年生の時に恋をしたこと・・・恋人が出来たこと・・・中学一年生で別の学校になって別れたこと・・・また虐めに戸惑ったこと・・・能力のこともあってリストカットをまたはじめようとしたこと・・・最後はみんなとナカヨクできたこと・・・

中学二年生の時に自分だけの足で地下の世界へと入って、能力者として活躍するようになったこと。

やっと何かが繋がったような気がしたが火鳥はその顔に心配そうな顔をしていた、どうしたか分からないので頬に触れてみると・・・
涙が浮かんでいた
あまりにも過去が残酷で怖くて涙が止まらずに流れ続けていることに私は戸惑った
これはどうしようもできないらしい。

怖怖怖怖怖怖怖怖怖怖怖怖狂狂狂狂苦苦苦苦苦苦苦苦苦紅涙涙涙涙涙怖
怖怖怖怖紅紅紅心心心心心心心傷傷傷傷傷傷傷傷傷傷傷傷傷傷傷傷傷傷
友情 愛情 友情 愛情 友情 愛情 友情 愛情 友情 愛情 叫び

痛み

幻幻幻幻魂魂魂福福福福福福福福福福福光光光光光光光光光光光光光光
歪み歪み歪み歪み歪み歪み影影影影影 影離れ離れ離 れ愛あ い無い

どばどばと感情の海のように心から流れ続けている涙に火鳥はどうすることもできないらしくただこっちを見ているだけだった
苦しいこと・・・悲しいこと・・・愛・・・離れた何か・・・光と影
そして私は涙を拭い取るようにして腕を顔につけた、私はクレナイがついているはずなのに何もついてない軍服を見てから隣にいる火鳥に気がついた。

彼女はいつになったらこの世界を抜けていけるのだろうか
いずれ彼女も大きくなる・・・というかもう17歳という年齢であるはずである、そんな火鳥は・・・もし爆破能力の無い普通の少女として成長できたならば私の先輩として何かを教えていたのかもしれない
もしかすれば私と一緒にいたかもしれない
小学校六年生に撫でられた記憶があるのだが・・・その記憶に火鳥もいたのかもしれない


「・・・ここには、どの位居たの?」

「・・・多分数年間ぐらい、私が良く分からない人たちに・・・誘拐されてからずっと・・・」

「そうなんだ。一人は寂しいかな?」

それに火鳥は下を向いた
一面が真っ白なプラスチックのようなもので出来ている空間にいればいずれはストレスも溜まると思ったのできっと頷くだろうと私は思っていたが、火鳥は少し考えてから首をぶんぶんと幼いように振ったので私は少しだけ驚いたが感情に出さないように小さな声でそっか・・・と呟いた。


「私が・・・求めた世界・・・これ・・・私を・・・悪い目で見る人が・・・いないから・・・私は・・・」

「それは・・・『逃げている』ってことかな?」

その言葉に火鳥は少しビクッとしたけれども私はそれにすぐにきがついたのでそのままキツイ言葉や暴力を振ると言うことはしないようにした
そして私がもう一度火鳥を見たときには・・・
                さっきの私のように涙が流れていた
声を上げて泣き出した火鳥に私はいつものように泣いている赤ん坊にうっとうしいと思うようにはしなかった、彼女にそれをした途端に私はその意識から離れて・・・
彼女はまた孤独に歩いていくしかなくなっていく。


「・・・ごめん・・・なさいッ・・・私・・・逃げてた・・・どうすれば・・・いい・・・の・・・ッ?」

怯えたような目で私を見つめる・・・もしかして彼女は虐待のようなものに遭っていたのかも知れないと思ったが今はどうでもいい
とりあえず私は火鳥を安心させるような笑顔を出さずに優しい音を奏でる・・・といっても楽器も何も無いので歌なのだが・・・、私が何かに怯えているような時に必ずノイズが歌ってくれていた『歌』だった。

—出会いはきっと 春風に誘われて
 君の名前を くりかえしてた

 半そでのまま 追いかけた夏の午後
 一緒に見てる 夜空恋花火

 一年が経ったけど 伝えられずに
 勇気を1かけら すすみだす

 いつも笑顔をありがとう
 それだけで嬉しくて
 明日からもよろしくね
 ずっとずっと よろしくね

 ずっとずっと よろしくね—


「・・・春風さん・・・凄いね・・・その歌・・・もう一回歌って。」

「今度は一緒に歌おう?元気が出るんだ、つまり・・・ハッピーソングだよ。」

「・・・うんっ。」

元気のいい声が聞こえたけれども決して笑顔を見せない火鳥に少し不安を思いながら私と火鳥は一緒に歌い始めた
それは本当に火鳥に何かを与えたようなものだった、ノイズがそういえば任務の前に言っていた・・・

—歌は世界を救うんだ。自分の弱い心も、春風のことも、救うことが出来る

あれは・・・本当なのかもしれない。

何か光が見えたような気がした


                              続く

そろそろ最終回かな??そんなヴィオラです。
今回使った曲は『ずっと、ずっと・・・』です。ボカロの曲ですよ^^
私が小学六年生頃にうまれてはじめてボカロを好きになった曲です。じゃあ、また21話で会いましょう

Re: Redmoon night  コメント募集中ですよ^^ ( No.60 )
日時: 2011/03/16 22:54
名前: ヴィオラ (ID: 6PSxBKjg)



21.紅月夜


「・・・負けるもんかああぁぁぁああぁぁあっ!」

「・・・お前を負かせるのは・・・この俺だ。」

紅狼と火神は力と年齢の差はあるかもしれないが・・・なかなか決着がつかないままだった
剣を重ね合わせてどうにか剣を力と剣で取られないようにどうにか火神よりパワーを使っているような紅狼は少し疲れ始めていた、汗が寒いような冬なはずなのにダラダラと流れていた。

そして火神も体があまり鍛えられていないようなのか疲れを感じていたが・・・さらに何故か肺のところに強い痛みを感じていた
そういえばさっき洗脳したばかりの『ラン』という少女の応用能力に菌を撒き散らすというものがあった気がする、少し何か恐れを感じながらも火神は紅狼の重い剣に斬られないように剣でおさえつけていた


「・・・お前、強いなっ・・・ぐっ・・・」

「・・・アンタもなっ・・・」

そして火神が一瞬だけ紅狼がすきを見せた所で剣が軍服を少しだけ斬りつけて小さな傷を作る、それに紅狼は何を思ったのか一瞬だけ隣を見た・・・
                                
—菖蒲も頑張っている、あの最強の怪物に面と向かって。
                                
そう思ったときに紅狼の剣が赤く光り始めた、それに火神は少しだけ怯えるような顔をした。


「お前・・・まさか・・・神無家の女か・・・っ」

「あぁ、そうだよ。俺は・・・俺は・・・


神無 仏だああぁぁああぁっ!」

その声と共に紅狼は剣に何かパワーを感じてから一瞬だけ何が起こったのかわからなかった
剣が俺を持ち上げるように一回転廻ってから火神の後ろへと飛んで移動をした、自分は飛んで攻撃をすることはあったのだが・・・自分にこんな凄いパワーがあったとは思わなかった
紅狼は自分の家には『紅月夜』という剣があったはずだと思った。

—それが・・・まさか・・・俺の家にあるはずの・・・剣!?

そう思ったときには喉の所ギリギリに剣が来た・・・自分にとっての人生的危機に紅狼は少しだけ焦ったような顔をした
そして一瞬剣を紅狼の喉から遠ざけてすぐに—


「・・・な、なんだと・・・うごけ・・・ないっ・・・」

「紅・・・紅月夜っ!」

火神が動けなくなったと同時に紅狼が勝手につけたのか元にあったのかわからないがとりあえず名前をつけて叫んだ
そしてそのまま紅狼が名前を読んだ瞬間に体が何かにとり憑かれたようになる・・・洗脳とは違うようなもの、呪文も音も何も無いそのとり憑かれた紅狼は呪文を叫んだ。

それはとても短く誰も聞こえないような分からないような危険だと感じられる呪文に火神の剣が折れた
よく分からないがとりあえず紅狼の意識や心は全て剣によってとり憑かれてしまったらしい、そして紅狼ではない・・・剣はこう言うのだった。


「・・・お前は、何でこんなことをするんだ。」

「・・・俺はなぁ・・・世界を全部俺のものにしたかった
小さい時から玩具も絵も宝物も全部・・・全部他人に取られて支配されたような俺、哀れだといわれたくていいたいんじゃない。
俺は・・・ただ自分の『物』を欲しかっただけだ
それなのに・・・誰も叶わせてはくれないじゃないかっ
だったらいっそ・・・世界を自分のものにすればいいって思ったんだ。
ん?わかったか、剣ちゃん。」

「・・・は?何言ってんの、オッサン。
それってよ・・・まずオッサンがそのものを取り戻せない悔しさとか支配できないという欲望だろ?
誰かが言ってたな・・・人間は『欲望』の塊だと。
その模範的存在が、アンタだ。
子供っぽい思考といわれているものってのをやめてほしい、全く。

でもな・・・それによってどれだけの『死』と被害をもたらしたか分かるか?オッサンよぉ。
私は怒ってんだよぉ・・・
罪はちゃんと償うんだぞっ^^★」

怒り顔にニッというギリリと金属音でもなりそうな笑みを突き出した剣にさすがの火神もひぃっという声を出してしまう
そしてそのまま火神を突き刺してしまおうとした途端だった、綺麗な光がいつのまにやら剣を包み込み紅狼の本物の意識を戻すと同時に爆音が響いた。

そこに見えたのは・・・敵であった火神ではなく・・・


「春風・・・?」

春風と一人の少女であった


「一体・・・どうなってんだ・・・」

—菖蒲サイド

火の鳥を象った像って意外と効くんだな
どんどん投げて受け止めてを繰り返したり剣のようにしてどうにか力を調節しながら像を取られないようにする
でもだんだん情報しかやってない身だったからか体力が消耗してきそうだ・・・、危ないしそろそろ・・・
そう思ったときにはもう遅い・・・俺と像の力のバランスがとれなくなっていったのかそのまま像が飛ばされる。

そしてそのまま拳が飛んでくる所をどうにか紅狼との喧嘩のように避けていく・・・もしかすると紅狼ってこの能力のようなものを持ってんじゃないのかなとか思った


「・・・君、何も喋らないんだね。
苦しい時だって何だって言葉にしないと分かんないよー?
あ、そっか・・・君、珍獣だったか^^」

「・・・ググッ」

それにイラっときた相手・・・何だ、日本語とかそんなんは分かるんだな・・・聞き取ることができるということならさてと・・・
と思った瞬間に相手は急に倒れこんだ、まさか・・・ここでクマに襲われたときに使われるアレをするつもりかと思ったのだが・・・口から吐き出されているのはなんともいえないものだった。

あまりにも怖い状況に俺は分かった
途中でランの攻撃に引っかかったな・・・あいつの応用能力は医療部でも手こずるような病原菌や寄生虫を出すことだった、そうだ・・・だったら俺のさっきのセリフいらなかったんじゃん
そんなことを思っているうちに紅狼のいつもとは違う大声が聞こえてから・・・俺たちは白いものに包まれた・・・
そこに見えるのは


「・・・火、火鳥ちゃんと・・・春風さん!?」

ありえないものだった


                              続く

Re: Redmoon night  コメント募集中ですよ^^ ( No.61 )
日時: 2011/03/17 12:52
名前: ヴィオラ (ID: 6PSxBKjg)
参照: http://www.youtube.com/watch?v


22.紅月夜


—春風サイド


「おねえちゃん・・・この歌、いつ知ったの?」

「うーん、私の恋人・・・愛してくれている人にもらった歌。」

「いいな、おねえちゃん・・・私もそんな人・・・できるかな?」

「きっと出来るよ、いつか・・・そんな人がやってくるんだよ。白馬に乗った王子様みたいにね」

歌を歌っているうちに火鳥は少し元気そうな顔になっていた
そして・・・私は歌い終わってからまわりを見ました、そこには・・・幸せと言うものとは遠くかけ離れてしまったような『火鳥の過去』があった・・・まるで一つのお話のように流れていくその過去に火鳥は少しだけ戸惑ったような顔をする。

どうやったらこの流れる過去を消すことが出来るのかなんかはわからない・・・そんなの私もわからないと思いながらも火鳥の目から涙が浮かんで流れていくのを私は見た、怖い・・・恐い・・・此処から・・・此処から去りたい・・・
そして火鳥を抱きしめる・・・

大丈夫・・・もう私とかみんながいる・・・みんな貴方の味方だよ、そう小さな声で言った瞬間に火鳥の体から羽のようなものが抜けていくと同時にそこにいたのは・・・私より背の高いような『火鳥』—
まさか・・・これが・・・火鳥の本物の姿なんだ・・・そう思ったときに火鳥はハッキリとしたような声で私に言った


「春風さん・・・ありがとう。
私は過去から逃げていたし、ずっと泣いてばかりで誰にも心を開くことが出来なかった。
それでも触れてくれた貴方に何かしてあげたい。
感謝してる。
もう、この能力も要らない・・・私はこの能力で誰かに・・・みんなに『幸福』を与えてあげたい。それだけなの
それだけできれば私は・・・あんなことで利用されることもないから
戦争になんか使われたくない、みんなに幸せになって欲しい」

「・・・火鳥・・・
うん、分かった。それだけの覚悟があるならば・・・
私たちの仲間・・・貴方を汚してしまった敵も・・・生き返らせて欲しい・・・。
敵も味方も関係ない、貴方がそんな『平和』を求めているのなら
私たちをやり直させて欲しいの
きっと敵も思っているはず、もし思ってないと思うなら・・・
貴方の希望で消しても構わない」

それに一瞬ためらった火鳥だったけれども私の願いが届いたのかどうか分からないのだが・・・火鳥は軽く頷いてから私を火鳥のほうから抱きしめてきたことに少し驚く、そのまま倒れることもなくちょうど少し自分の体がビックリしただけで終わった
そして火鳥は私の方を見て・・・
笑顔になってくれた—

ニッコリと笑ってくれた火鳥に私は少しの間しかいなかったのに別れを惜しむ友達のように涙を流した
今日は何回ほど泣いたのか覚えていないけれども私の目には何か輝いているようなものが見えていた気がする、そして火鳥は私に一言だけ言った
幼い姿にいつの間にやら戻っている火鳥は幼い顔で笑ってくれていた・・・あぁ、歌って何かを救うんだな


「・・・ありがと。春風おねえちゃん^^」

「・・・うん、こっちもありがとう^^」

それと共に火鳥はなんと・・・
            真っ赤な『不死鳥』の姿へと変わる
私を背負うと『死』を連想させそうな何も見えない闇の中を走り抜ける・・・そういえば不死鳥って触ると熱いとかそういう記憶があるけれど私が乗っている不死鳥には『人のような温かさや優しさ』を抱えているようなぬくもりしか分からなかった気がした、そしていつのまにやら私と人間の姿へと元に戻った火鳥は私の方を向いていた。

そしてギュッと幼くて小さな手に握られて私と火鳥は何故か・・・白い光の中で紅狼や火神・・・菖蒲の驚いた顔や途中の廊下で倒れてしまっているノイズや私たちのために戦っているピエロと光獣・・・私を斬ったシヴァ・・・そして、
倒れてしまっている私に影破壊者がそれをただ一生懸命手当てしている姿。

そして私は気がついた・・・
今は倒れてしまっているノイズからもらった綺麗な丸い形のしたネックレスが光り始めたのだ
そして・・・そこからは綺麗なノイズの歌声が響いている気がした・・・というか聞こえてくる、その歌声と共にネックレスは落ちてから割れる。

それに少し戸惑ったがそのネックレスの硝子は小さく青く光ってから火鳥の胸のところでネックレスの丸い形が戻った、そして私の首から滑り落ちたネックレスの紐は丸い形に通されてから火鳥の首に掛かっていた・・・別にそんな事で起こるわけでもないのだが不思議に思いながらも私は火鳥を見た
そして一瞬息を吸ってから短く声にならないような呪文を叫んだ火鳥は私のほうを向いた・・・と言うところしか覚えていない。

そのまま私は意識を失ったのだから


「・・・歴史が・・・変わるとき・・・火の鳥(不死鳥)は・・・現れる。」

そんな言葉を残して。


—ピエロサイド

その声と共に俺はいつのまにやら軽く持ち上げられるような感じで持ち上げるとシヴァの鎌にぶつかるように・・・
折った
それにシヴァは少し驚いたような顔をしたけども俺のほうを見ると見下すような視線を向ける、そして後ろには・・・
もう一人・・・シヴァが俺に向かって鎌を振り下ろしているところだった。

それをどうにかよけたのは良かったのだがそれで光獣はそのまま光の塊を作ってからシヴァに向かってボールのようにして投げつける
そして・・・シヴァはそれにパニックのような瞳を出して・・・
涙を流す、それは恐ろしいとか恐いとかの感情ではない・・・『狂い』という感情からやってきた涙・・・
そのボールがシヴァにぶつかった瞬間だった


「・・・ピエロ・・・これって・・・」

「・・・ねぇ・・・見えない?
       春風と・・・火鳥が・・・」

「・・・うっ・・・ぐああぁぁああああっ・・・」

「・・・シヴァ?・・・ヤバい・・・もう・・・

息、してないよ。」

それに戸惑うばかりのピエロだったが
春風と火鳥の姿を見ているうちに何故か意識は遠のいて倒れてしまった、シヴァは急にクレナイを吐き出して顔が真っ青になっている・・・光獣は白い光に混乱している・・・そしてスバルはシヴァのほうを見ながらも俺のようにフラッとして倒れこむ。

俺たちも・・・この世から・・・消えてしまうのかな・・・それとも・・・
これは・・・何なんだろうか


                      続く

Re: Redmoon night  コメント募集中ですよ^^ ( No.62 )
日時: 2011/03/17 14:28
名前: ヴィオラ (ID: 6PSxBKjg)
参照: http://www.youtube.com/watch?v



23.紅月夜


「・・・ん・・・あれ?此処・・・何処だ・・・ろ」

どうやら私は最上階のところで倒れていたようです
・・・というか何故かみんなも此処に居る・・・そして私は隣にいる火鳥に少し安心したような顔をした、どうやら陽幻軍のメンバーは何故か此処に倒れているようだということに気がつくと火鳥教のメンバーを探そうと思ったがどうやら手を掴まれている。

誰かと思えば・・・倒れていたはずのノイズだった、まだ生きていることに少し嬉しさを感じたがとにかく火鳥教の罪のない兵士たちはどうなったのかは気になったので私はそのままその手を振りほどいてから倒れている人たちを踏まないようにと気をつけながら最上階の出入り口から廊下へと出て行った。

そこにはバラバラに倒れている火鳥教の人たちだった
廊下には点々とクレナイを吐き出していたであろう人々や・・・剣で指されたままの人が居たがほとんどの人の手は冷たかった、というよりかは火神というリーダーである一人以外はみんな生き返ることが出来なかったようだ


「・・・誰・・・だ・・・ッ」

「・・・春風です、陽幻軍の医療部隊長れすよ。
怪我はありませんか?あ・・・傷がちょっとありますね・・・今、医療部の子を起こしてきますから^^」

「・・・え・・・何故だ・・・何故・・・敵なのに・・・」

「もう・・・私たちは争っちゃいけないと思うんです。それに、敵でも味方でも・・・同じ人間ではありませんか^^」

それとなくいつものように医療部としての活動を再開させようと敵であるけれども・・・それでも自分たちと同じ『人間』である火神の手当てを始めた私にみんなは一瞬驚いたけれども私がその事を言うとみんなはそれとなく納得したのか医療部の他に中心塔の人々が指令を出したり戦闘部の人たちが医療部に手当てをすぐにされるべきかされないべきかをチェックしながらヘリコプターを直していたりと陽幻軍は色々と活動を再開しはじめていた。

そして世界は何かを止めてから
また何かが動き出すように『再開』というのをはじめていた、
争うことをやめるために地上世界はどうやら世界会議をするらしいしだんだん色んな設備も整ってきはじめているようだとこっそり地上世界のほうへと抜け出していた菖蒲が言っていた
それに誰も怒ることはない・・・というよりかはそれを大声で連絡してくれた隊長さんとみんなはそのことにいつのまにか拍手していた。

ちょっと照れ顔をした菖蒲だったがすぐにまたみんなが作業を再開していることにすぐに気がついたのか大きな部品を運ぶためにヘリコプターのほうに走って言ったようだ、あぁそうだ・・・私も医療部としての緊急の患者さんが何人も居るんだと思ったときには負傷者の治療をしている最上階へと繋がる廊下へと走っていた


「スバル、遅くなっちゃってすまないです^^」

「傷深いね………ちょっと待ってて?」

「あー・・・無視なんれすね・・・まぁ、仕事だからね。
あ、ちょっと待ってー私も手伝うから!!スバル、スバルーッ!」


—春風以外の人たち。


「・・・俺たち、もう戦わなくてもいいんだな。だったら、俺たちの能力はどうなるんだろ。それにこの剣もそのうち売られるだろ?」

「そうだな、それはよく分からないけれども・・・もう俺はいくよ。まだ・・・仕事はあるからね」

「手前なぁ・・・剣っていうよりかは『紅月夜』とでも言ってくれねぇのかよ。
とりあえず戦いは終わったんだ、俺たちも・・・平和な世界ってのに変えなきゃいけないんだな。地上で世界会議してんのと同じように」

紅狼は少しだけ怪我をしながらも医療部に治療をされてから安静にしろといわれたのでそのまま最上階の天井のあったはずである空を見つめていると喋る剣である『紅月夜』が長身の男性になって隣に座っていた、どうやらこの剣は擬人化と言うものをするらしいということがわかってからは誰も驚いたような顔をしなかった
さっきまで菖蒲がいたはずなのだが仕事があるのですぐに戻ってしまった。

ちょっと退屈のようなものを感じながらも紅狼は誰にも見せられないと思われる少し照れたような顔で紅月夜に言った


「あ、ありがとう・・・///」

「あぁ、どういたしまして。と言ったほうがいいのか・・・は、俺もよく分かんねぇんだがな・・・」

「・・・俺が教えてやるよ、これからな^^」

剣・・・というよりかは紅月夜は少し紅狼から視線をずらしてから真っ赤な顔で空を見つめた
あぁ・・・こんな空を見ることを皆は望んでいたんだな、そう思いながらもいつのまにやら紅狼に軽く惚れていたようだった
青い空がみんなを『平和』というものに包み込むように紅狼たちが地上へと任務に行ったときよりも何かが違っていた気がした。

—そうだ、俺は今日から紅狼と一緒に居ることができる

—告白とか・・・出来るんだろうか、結婚して幸せに出来るんだろうか

そんなことは今からの紅月夜次第だということに彼はあまり気がついていなかったようだった


「ノイズ・・・もうこの軍って政府の『いらないもの』になるっぽいよ。軍隊が解散したら、どうすんのさ。」

「そうだな・・・とりあえず就職してから・・・

春風と結婚でもするかな・・・。」

「・・・そんなこと言える君が羨ましいよ。俺はそんなの出来ない、菖蒲とはデートも何もしてなかったから・・・」

その会話の後にはすぐにノイズはスバルと春風の手伝いに・・・ピエロは薬の量を調節するという仕事に・・・と二人はそれぞれに分かれてどうにか活動を盛んにしようとしていた

—そうだ・・・俺も菖蒲と恋愛しなきゃ。

—地上に出たら、菖蒲の連絡先を調べなきゃな・・・

ピエロはそれを思いながらも薬の量を間違えて有毒物質を作っているのに少し驚いて慌ててその薬を捨てたのだった、恋は・・・医者の治せない病であることを少し改めて知った気がしたようだ。


「ランと封夜叉はこっちですぐに本部へとテレポートさせて、封夜叉は列を乱さないようにね」

「オッケーだよ★」 「分かったネ^^」

「光獣と斬雹は全員任務の新人たちを集めて。一気にテレポートさせるから」

「了解です^^」 「お姉ちゃんの言うこと聞くよ!」

こっちも忙しく活動を再開していた・・・
やがて、世界は大きく変わるのだった、この戦いによって。


                              続く


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