ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- 不在の国のアリス
- 日時: 2011/07/03 18:25
- 名前: ☆猫を愛で隊☆ (ID: 4/G.K5v4)
アリス…−アリス…−記憶をたどって…−
誰かが誰かを呼ぶ声がする…
誰を呼んでいるの?なんでそんな悲しい目で…−
…私を見るの?
ワタシ アリスジャ ナイ
シラナイヨ… アリスナンテ
シラナイ シラナイ…
- Re: 不在の国のアリス ( No.18 )
- 日時: 2011/06/11 18:41
- 名前: ☆猫を愛で隊☆ (ID: 4/G.K5v4)
15話『テーブルとロウソク』
「ロウソクとテーブルのどっちかって…何も持ってないと思うけど」
「あぁ!?なんでそんな事が言える!?証拠でもあるのか!?」
「えっ、ちょ…」
どうやら常識というのを知らないらしい
ってゆうか部屋が喋っている時点で十分常識こえてるけど
「証拠なんて…ないけど、持ってるわけないじゃない!!」
「ほほぅ、証拠もないのに持ってない…とな?
じゃああの3人に聞いてみろ」
「は?家具が喋れるわけないでしょ!!部屋も話せるわけ
ないけどね」
「部屋!?だから【ダンワ—ル・ブラッジ】だと何度言えば…」
「はいはい、わかったわかった、聞けばいいのね?」
「うむ、真実を言うかもしれないし嘘も言うかもしれないから
気おつけよ」
「…とりあえずわかった…かも」
私は、半信半疑でまずテーブルに近づいてみる
「コホン…えっと、あなたは【ダンボール・ブリッジ】さんの
鍵を持っていますか」
「おい、小娘 【ダンボール・ブリッジ】ではなくだな…ブツブツ】
上からダンボールさん(略した)が何か文句言ってるけど
無視しよう
「ぅ…ぼ…僕は、知らない…
鍵なんて知らないよぉ…お菓子の鍵なんて知らないよぉ…」
…マジでテーブル喋った!でも部屋が喋ってるので十分
ビックリしてるから今は、そんな驚かない
っていうか、本当に知らないのかな
なんかあやしいけど…
まぁ次は、ロウソクに聞いてみるか
私は、右のロウソクに近づいた
「ロウソクさん、あなたはダンボールさんの鍵を持っていますか」
「んぁ?鍵なんか知るかぼけっ話しかけんなブス」
「…」
「ぇっ!?ちょっ何火消そうとしてんだっ!ばっ…やめろ!
やめてください!!ホントすんません!!すんません!!」
「それでいいのよ、で、鍵は?」
「かっ、鍵はホントに知らないし!もう一方に聞け!
鍵なんて俺は持っちゃいねぇ」
…はぁ、はやく外に出たい
私は、もう片方のロウソクに近づいた
- Re: 不在の国のアリス ( No.19 )
- 日時: 2011/06/11 18:39
- 名前: ☆猫を愛で隊☆ (ID: 4/G.K5v4)
16話『特別』
「あなたは、鍵を持ってる?」
「持ってない」
「本当?」
「本当」
「…ダンボールさん、誰も持ってないみたいですよ」
「おいおい、ダンボールって名前やめてくれよ…
っていうか言っただろう嘘も言うかもしれないって
だからこの3人の誰かが嘘をついている」
「そんなの…わかりませんよ…っていうかあなたが
推理でもしたらどうですか」
「んー?そんな事言っていいのか?鍵を見つけてくれれば
私がお菓子屋でなんでも1つだけ好きなのを買ってやろう」
「そんな、私もう子供じゃありませんしお菓子なんか
欲しくありません!」
「おいおい、見つけてくれよ…頼むから」
「うー…」
外に出るためには仕方あるまい…
でも誰が嘘ついているのかな
「アリス」
「きゃぁっ!?」
私は、突然背後から聞こえた声に驚く
チ…チェシャ猫!?
「どっ、どうしてここに!?」
「ちょっと穴の途中で引っかかっちゃって
遅くなったんだ」
「…ア…リス?」
ダンボールさんの声が震えている
あれ?そういえば私がアリスって名乗るの忘れちゃってた
でもチェシャ猫が言っているアリスとはまた違う人だと思うけど
「アリスなのか!?本物か!?」
「おいおい、まじかよ 俺の火を消そうとしてたのがあのアリスだと」
「アリスゥ…!久しぶりだねぇ!僕気付かなかったよぉ」
「アリス…」
「あ、アリスはアリスだけど…私は、違うアリスで
人違いなの!」
慌てて誤解を解く
「いやっ!君は、アリスだ!ずっと気になってたんだ
だって私をダンボールと呼ぶのは君しかいないよ!アリス!
よかった!ようやくキオクを………ぐ…とっとりあえず本当に
帰ってきてくれたんだね!!」
「えっ、だから私は違っ…」
「ずっと待ってたんだよ!お菓子屋もきっと喜ぶよ!
さぁ、さっそくお菓子屋に…って鍵がないんだった!!」
「落ち着いて…ね、チェシャ猫鍵がないの、見つからないと
外に出られないのに」
「カギ?」
「お菓子屋に続くカギだよ」
「アリスは、鍵なんかなくてもどこにでもいけるよ」
「ちょっとチェシャ猫何言ってるの…」
「そうだ!!アリスならどこにでも行ける!!
アリスは、特別だからな!私がすぐドアを出すから
お菓子屋に行き鍵のスペアをもらって来ておくれ!!」
「えぇっ!?」
気付くと目の前には、薔薇の絵が描かれたドアがあった
「さぁ!!アリス!!鍵のスペアを貰って来ておくれ!
さぁ!さぁ!」
「だっ、だって鍵がないんでしょ!?」
「アリスなら行けるよ、特別だからね」
チェシャ猫がのんびり声で言う
「とっ、特別って…私違うアリスだもん
いけないと思うよ」
「グダグダ言ってないで早く行って来ておくれ
アリス!!時間がないんだ!」
「う…絶対無理だと思うけど…開けてみる」
私は、ドアノブに手をかけ引いてみると
ドアは鈍い音を出しながら開いた
- Re: 不在の国のアリス ( No.20 )
- 日時: 2011/06/11 18:58
- 名前: ☆猫を愛で隊☆ (ID: 4/G.K5v4)
17話『いざっ』
「…開いた、チェシャ猫いこっ」
…あれ?なんで私チェシャ猫を呼んだんだろう
別に一緒に行く必要なんてないのに…変なの
「アリス、僕は行けないよ鍵が閉まっているからね」
「でも、今は開いてるよ?」
「…」
チェシャ猫が、ドアに近づいた瞬間
[バチッ]と音がしてチェシャ猫をドアが弾き
ドアが口(?)を開いた
≪…鍵無きモノ通るべからず…アリスの称号を得て通れよ…≫
「チェシャ猫!大丈夫!?」
「…ほらね、結界がはられてるんだよ」
「…アリスの称号って何?」
「アリスの称号は、アリスの称号だよ」
「…とりあえず私一人だけで行って来るね」
「気おつけて行っておいで」
「アリス!!早くしておくれよ!!」
ドアの向こうは、なぜか真っ白だった
怖いぐらい何もない空間
私がドアをパタンと閉めた瞬間
ザァァァッと白い空間から奇麗な風景が出てきた
「うゎ、奇麗…」
草はらに、小池…雑木林に小さい小屋?
あそこがお菓子屋なのかな
私は、小屋に近づき
窓を覗いた
「!?」
でもすぐにそこから離れた
窓から見えたのは、真っ暗な世界
窓が黒に塗りつぶされたようには見えない
カーテンでもない、いくらへやの電気を消したとしても
日光とかでちょっとは明るいはず
なのになにも見えなかった
ホントにここがお菓子屋なのかな
- Re: 不在の国のアリス ( No.21 )
- 日時: 2011/06/11 21:12
- 名前: ☆猫を愛で隊☆ (ID: 4/G.K5v4)
18話『ワタシノキオク』
ちょっと怖いけど鍵のスペア持ってきてって頼まれたんだし
入らなきゃ…でも怖いなぁ…このまま家に帰るって方法もあるんだけど
…………イエニ?……カエッテドウスルノ?……
オトウサンノ……イナイ……イエニ……?
…ダレモ……イナイ…マチニ……?
オカアサンモ…イナイ……トコロニ……?
………ワタシヲキラウセカイニ?
カエリタクナイ…デモカエリタイ……ナンデ…
ゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイ
アァァァアァァァアァァァ…
ワタシナンテイナイホウガイイヨネ
ワタシガゼンブワルイノ…
コノセカイハワタシヲヒツヨウトシナイ…デショ?
……ソウダヨネ?シロウサギ
「ちょっと!アンタ!!」
「ぇ…?ひっ!?ごめんなさい!!ごめんなさい!!」
「え?何言ってんの!落ちつきなよ!」
「ごめんなさいっ!!ごめんなさっ…」
完全にパニック状態の私の口を塞ぐ黄色い目の女の子
「危ないなぁこんな所でそない騒いどったら
すぐに女王に見つかんで?アリス…?」
「えっ、私の事知ってるの?
あっ!でも私はあなたたちの言っているアリスじゃないよ!」
「ウチは、何でも知ってるよー?
お菓子屋やからね
アンタは、アリスや。…ウチらの知ってるアリスやないけどな」
「!!やっぱり人違いじゃないの」
「いや、アンタや。ただちょっとキオク………いや、なんでもない
そや、こんなところでつっ立っとらんと、中で話そうや
久しぶりやしなぁ」
「…だから私じゃないって…」
私たちは、お菓子屋(?)に入った
「わぁっ」
小屋の中は、思ったより広くて…ってゆうか広っ!
さっきのホールの所の4分の2は、ある広さだ
お菓子屋なのにお菓子らしきものは、一つもなくて
ただ謎の箱だけが無造作に置かれている
「さっ、適当に座って飲み物は…ココアミルク抜きでええな?」
「!なんで私が好きな飲み物知ってるんですか???」
「フフッ昔のアリスやなくても、好きなもんは変わらんなぁ」
「…?」
「ハイ、ココアーでアンタは、何しに来たん?
また飴でも貰いに来たん?ん?何やその顔、ここに来たことなんてないしみたいな顔しとるなぁ、でもアンタは確かに来たんやで
ただ……覚えてないだけや…」
「…?」
- Re: 不在の国のアリス ( No.22 )
- 日時: 2011/06/12 00:34
- 名前: ☆猫を愛で隊☆ (ID: 4/G.K5v4)
19話『コックス』
私は、大好物のココア(ミルク抜き)を飲み干し
一息つくと目の前にいる黄色い目の女の子にたずねた
「…あの…ダンボールさんの鍵のスペアを、
貰いに来たんですけど…」
「ん?アリスまだそんな呼び方してたんや!
昔と変わってない所もちょいちょいあんねんな
で、鍵のスペア…ってまたどないしたん?」
「えっと…どこかに落としたみたいで」
「……落としたなんてありえへんよ?
ダンワ—ルの奴忘れやすい性格やからなぁ
アリスは、覚えてへんと思うから説明するな?
あの鍵はな?見えへんねん、簡単に言うと透明な鍵っつー事や」
「透明…?そっ…そんな鍵この世に存在するんですか!」
「ハハッ敬語やめーや、タメで全然ええし
後ウチは、【スィックス・キャボ】キャボでええよ
あ、話もとに戻すけど透明な鍵は、一人一つもっとんねんで
誰にでも透明な鍵を、持てるし開けれる」
「…それってどこにあるんですか?キャ…キャボさんが
持っているって聞きました!」
「だからタメでええって言ってんのに、しかもキャボさんて…
なんか嫌やな…で、えっと…ウチはスペアなんてのは
扱ってへんねん、その透明な鍵は…って透明な鍵って変な言い方やな
【コックス】って言うんやけどな…さっき誰でも持ってるゆうたやろ
アリスも持ってんねんで?だからそれ持ってってやり?
ウチのは…あげたくないから」
「え…私持ってない!透明な…コックスなんて持ってないよ」
「いや、持ってるでとりあえずダンワ—ルん所もっかい戻り?
鍵…見つかると思うで」
「…でも…」
「いいからいいから!!さぁ行った行った!
あ、そうだ アリスあんたにずっと渡したかった物があんねん」
「だ…だからそのアリスは、私じゃないって…」
「ハイこれ、きっと役に立つと思うわ」
「あ…うん…ありがとう」
それは、赤いリボンで包まれた可愛いプレゼント箱だった
いいのかな?こんなの貰っちゃって?
「…ねぇ、アリス?」
「ん?何?」
「…いやっ何もない!!じゃあね!」
「?そっか、バイバイ!また後で寄るから」
そう言って私は、さっきの薔薇の描かれたドアに向かう
「…思い出さなくても…いいんだよ」
…後ろでキャボが何か言ってた気がしたけど
気のせいだよね
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